第59回 桜花賞(S1)

【予想】
◎カイカヨソウ
〇イチリュウ
▲ケンブリッジナイス
△ビーディフォース
△オキナワレッド
△アステールネオ

 稽古よりも実戦タイプで、実に勝負強い走りを見せるカイカヨソウ。トライアルの勝ちっぷりの良さもさることながら、距離が延びて更に上積みが見込めるとあれば、信頼度の高い◎とみました。相手もイチリュウ、ケンブリッジナイスで順当な一戦。

【レース】
 スタートは横一線。それなら浦和千六だけに枠なりで1枠イチリュウがハナに行って2枠アステールネオが2番手。逃げ馬デイジーギャルは3番手に取り付くので精一杯。その直後にケンブリッジナイスで、カイカヨソウは中団から。ビーディフォースは例によって後方から。流れは馬場を考えると緩みない平均ペース。3コーナーで前2頭が3番手以下を離し気味に。結局イチリュウがセイフティリードを保って危なげなく逃げ切りました。アステールネオが2着に粘り、カイカヨソウは3着が精一杯。

【各馬の寸評】
1着 イチリュウ
 前走のユングフラウ賞は展開に乗じたとはいえパワフルな末脚を駆使して2着。間違いなく距離が延びていいタイプ。絶好の1番枠を引き当てれば、当然的場文騎手だけに積極策が予想されるのと、前有利、内有利が顕著な今回の馬場からも、逆転十分とみていました。今回も計量不能。少しテンションが上がり気味でしたが、馬っぷり上々で仕上がりは文句なし。レースは五分に出て当然ながら積極策。逃げ馬勢が外に回ったので、無理なくハナに行く形。軽快なピッチで飛ばし、後続の脚をなし崩しに使わせる作戦。アステールネオだけが食い下がってきましたが、これを振り切るとあとは独走。1分41秒5の好タイムで付け入る隙を与えませんでした。まだ荒削りな面を残していますが、馬っぷりの良さからもかなり奥は深い。雪辱を期すカイカヨソウとの次の対戦が楽しみです。

2着 アステールネオ
 デビュー2連勝の好内容から、先々を嘱望された素質馬。以降はやや停滞傾向で中央芝に矛先、それなりの収穫。力からは当然間に合うところですが、決してレース巧者とは言えないタイプだけに、初の浦和コースの捌きがポイントになりました。この日はプラス2キロの464キロ。もう少し体を増やしたい気もしますが、意外に落ち着いており好気配。レースは五分に出て2番手から、折り合いスムーズ。この運びは正直意外。イチリュウを付かず離れずマークして終始1馬身圏内。最終のコーナーリングで突き放されましたが、それでも渋太く脚を伸ばし、3着以下には決定的な差をつけました。今開催の脚抜きのいい馬場が合っていたのでしょうが、改めて素質の高さを再認識。気性面での成長もあり、いずれ大きなところを獲れるのでは。

3着 カイカヨソウ
 これまで6戦5勝。負けた北海道2歳優駿も、地方の強豪牡馬には先着しており、実績的には地方bPホース。牝馬同士で同じ54キロなら負けられないとみていましたが…。この日はマイナス5キロの467キロ。馬体的にインパクトはありませんが、適度に気合が乗り好調キープと判断。レースは出たなりで5番手から。道中の反応がひと息なのはユングフラウと同様ですが、速目のペースだけにより追走に骨を折っている様子。勝負処でも差は詰まらず、早々に黄信号。結局はケンブリッジナイスを交わして3着に食い込むのが精一杯でした。内枠2頭に巧く捌かれたとは言えますが、完全にスピード負けという競馬。今後も過信は禁物です。

4着 ケンブリッジナイス
 それまでがやや荒っぽい競馬だったのに対して、東京2歳優牝では好位インでスムーズに折り合いカイカヨソウに肉薄の2着。中央挑戦は実りませんでしたが、地方同士のこの組み合わせなら当然注目の一頭でした。この日はプラス5キロの467キロ。特に目立つ気配ではありませんが、適度に気合が乗り好調と判断。レースは好スタートを決めたものの、逃げ争いが激化すると判断したのか、張田騎手が抑え込んで離れた4番手から。3コーナーでは離れた3番手に上がりましたが、前を追う勢いなし。結局カイカヨソウに交わされて4着に終わりました。流れからするともう少し前に迫れてもいい感じ。本調子にはひと息だったのか…。

5着 エイシンルンディー
 前走で古馬と対戦して勝利したのは評価できますが、地区レベルの差があるし、ここは初の左回り。大外枠でもあり、とても狙いは立ちませんでした。この日はマイナス19キロの411キロ。見た目もやや減った感じ。レースはヤンワリ出て自然に馬を内に寄せる形。内9番手から徐々に進出して、最後の直線も内を突いて5着。自分のペースを守って入着を果たしたのは計算通りか。今後の糧となりそうな競馬です。

9着 デイジーギャル
 重賞1勝に、準重賞1勝、トータル4勝の実績はカイカヨソウに次ぐもの。ハナさえ切れれば容易に崩れないタイプですが、浦和千六の外枠は不運。印は付け切れませんでした。この日はマイナス1キロの450キロ。フックラとした造りで落ち着きもあり好気配。レースは真島騎手が気合をつけて出たものの、さすがに枠順の不利はいかんともしがたく、最初のコーナーでやや膨れ気味になり3番手から。向流しの中間あたりで既に手応えが怪しくなり、無抵抗に退きました。今回に関しては基準外とみるべき。