第36回 京浜盃(S2)

【予想】
◎ジェネラルグラント
〇ソルテ
▲アウトジェネラル
△オーネットエース
△インサイドザパーク
△アメイジア
△ブラックワード

 全日本2歳優駿では、内々で折り合いに専念、千切られたとはいえ2着確保のジェネラルグラント。即座に馬込みに入る競馬に対応はさすが。ここは本来の逃げの手に出る可能性も十分とみれば、最有力と判断。ニューイヤーCが鮮やかだったソルテ、雲取賞を快勝のアウトジェネラルなど、素直に実績重視。

【レース】
 好枠を引いたリコーハラマの逃げは想定内。好スタートを決めたヴィクトリーケルブが2番手に行き、3番手にジェネラルグラント。その内にソルテ、直後にアウトジェネラル、オーネットエースと有力処がひしめき合いスローペース。大外枠のインサイドザパークは中団より後ろ。勝負処からジェネラルグラントが動き4コーナーでは2番手。外に切り替えたソルテがこれに迫り直線へ。ゴール前200で先頭に立ったジェネラルグラントが後続を突き放し、クラシック候補bP候補の評価を決定的なものにしました。ソルテは意外に伸びを欠き、アウトジェネラル2着、インサイドザパーク3着。

【各馬の寸評】
1着 ジェネラルグラント
 前走の全日本2歳優駿はラチ沿いに馬を寄せて我慢を決め、千切られたとはいえ2着。馬込みに入る競馬で即結果を出したのはさすが。放牧明けで3ヶ月ぶりになりますが、案外仕上がり早のタイプ。今回は逃げの手も十分とみれば、鞍上二度目でもあり信頼度の高い中心馬とみていました。この日はプラス1キロの522キロ。馬っぷり上々で適度な気合乗り。毛ヅヤも輝いており万全の仕上がり。レースは石崎駿騎手が気合をつけて外3番手から。スローペースでも折り合いスムーズ。勝負処から動いて4コーナーでは2番手。残り100で先頭に立つと、一気に後続を突き放して楽勝を決めました。時計の1分47秒1も、多少時計が速くなってきた馬場とはいえマズマズ。レースぶりから距離延長にも対応できそうで、間違いなくクラシックレースの有力候補。

2着 アウトジェネラル
 1番人気で4着の北海道2歳優駿は、終始外々を回るロス。全日本2歳優駿は、初の左回りに加えて出負けが響き不完全燃焼。前走の雲取賞は憂さ晴らしのブッチギリ。テン乗りとはいえ入厩してからずっと攻め馬をつけている佐藤裕太騎手なら不安なし。勝つチャンスも十分とみていました。この日はプラス2キロの510キロ。堂々たる馬っぷりで風格すら感じさせます。レースはスタートして3完歩目くらいで多少躓き気味になりましたが、大過なく5、6番手から。3コーナーあたりでかなり鞍上の手が動いて追走にひと苦労。最後の直線は外から脚を伸ばしてゴール前50で2番手に上がりましたが、ジェネラルグラントには遠く及びませんでした。着差ほどの力差は感じられず展開負けの面も。まだ反撃の余地は十分に残されています。

3着 インサイドザパーク
 男馬の割に小柄ですが、既に重賞2勝。全日本2歳優駿5着、中央挑戦のヒヤシンスS8着と敗れたとはいえ、決定的な差をつけられたわけではありません。初の右回り、フルゲート大外枠のハンデはあっても、セールスポイントの息の長い末脚を生かし切れば、勝ち負けに加われるとみていました。この日はプラス4キロの448キロ。数字以上に大きく見せる均整の取れた体つき。落ち着きもあります。レースは煽り気味に出て10番手から。3コーナー手前から内に潜り込んでロスを最小限に留め、直線は外に進路を。いつも通り長く脚を使って3着まで押し上げました。血統的にみても間違いなく距離が延びていいタイプ。上がりのかかるサバイバル戦になればこの馬の出番です。

4着 ソルテ
 全日本2歳優駿では全国レベルの争いに加われず7着と敗れましたが、前走のニューイヤーCは3コーナー先頭、1秒8差のワンサイド勝利。時計の1分42秒0も優秀。以降ひと息入りましたが、過去最高の追い切りを消化しておりひと皮剥けた印象も。枠的にも恵まれたので、2歳優駿で先着を許した馬に反撃も可能とみていました。この日はプラス13キロの470キロ。いくらか余裕のある体つきですが、この馬にしては活気があり悪くありません。レースは好スタートから金子騎手が気合をつけて内4番手から。絶好のポジション。手応え良く進出して直線は外へ。一旦は先頭に立つ勢いでしたが、肝心な処で伸びを欠き、ジェネラルグラントに突き放され、アウトジェネラル、インサイドザパークにも交わされて4着に終わりました。多少重目が残っていたのかもしれませんが、上位3頭には力負け。今後も逆転まではどうでしょうか。

5着 オグリタイム
 メンバー最多のキャリア11戦。トータル5勝もメンバー最多。ただし、転入緒戦の若獅子特別は、一枚落ちのメンバーを相手に、溜め逃げを打ちながら3着。ここで通用するとは考えられませんでした。この日はプラス1キロの467キロ。気合が乗ってマズマズの気配ですが、前走から大きく変わった感じはありません。レースは吉原騎手が多少気合をつけて中団8番手から。そこから徐々にポジションを上げて、最後の直線も辛抱が利いて5着に食い込みました。正直これが目一杯という印象。重賞で勝ち負けのパンチ力はない。

9着 オーネットエース
 距離が延びて頭角を表わし、千八の選抜戦を2連勝。今の時期の3歳馬が、今のTCKの馬場で連続56秒台はなかなか優秀。初の重賞挑戦でもソコソコやれるとみていました。この日はプラス2キロの497キロ。丸みを帯びた体つきで適度な気合乗り。好調キープを判断。レースは坂井騎手が気合をつけて行ったものの、1コーナーでやや外を回るロス。全く流れに乗り切れず、外々でポジションを下げてしまい9着に終わりました。これが重賞の壁というか、時計の速い競馬に対応できなかった感じ。一線級で通用するには、あと少しの地力強化が必要。