第16回 クラウンカップ(S3)

【予想】
◎アメイジア
〇キタサンオーゴン
▲セイントスター
△オベロンホワイト
△トーセンハクオウ
△ヴィクトリーケルブ
△ヴィジタンディーヌ
△リコーハラマ

 前走の京浜盃で12着と崩れたアメイジアですが、休み明け、初の右回り、出遅れなどの不利が重なったため。重賞で2着2回の実績は一枚上だし、鞍上吉原、人気落ちなら妙味アリとみました。キタサンオーゴンを本線に手広く。

【レース】
 京浜盃でも逃げたリコーハラマが今回も行く体勢でしたが、これに外から被せて行ったのがトーセンハクオウで、必然的にハイペース。アメイジアは中団外目から早目のスパート。3コーナーで先頭に立ったリコーハラマに並びかけ、3番手以下を大きくりード。直線に入ると早々にリコーハラマを振り切り、あとは独走。力の違いを見せつけました。混戦の2着争いを制したのは、後方から脚を伸ばしたエスケイロード。

【各馬の寸評】
1着 アメイジア
 全日本2歳優駿は落馬の憂き目をみたものの、平和賞2着、ニューイヤーC2着の実績はメンバー屈指。叩き二度目でコース替わりなら勝ち負け確実とみていました。この日はプラス1キロの545キロ。相変わらず抜群の馬っぷりで適度な気合乗りに毛ヅヤも上々。申し分のない仕上がり。レースはスタート五分に出て中団の外6、7番手から。向流しの中間地点あたりから早目に動いて3コーナー併走。直線に向くとリコーハラマを振り切って単騎先頭。後続に付け入る隙を全く与えませんでした。ハイペースを自力勝負での勝利は実に中身が濃い。同日B1の勝ちタイムと0秒2差なら、時計も及第点。京浜盃上位組の壁は厚いでしょうが、東京ダービーでも印は付けたい馬。

2着 エスケイロード
 ツボにハマった際の爆発力はかなりのモノがありますが、平和賞4着、ニューイヤーC4着と、重賞レースでは離された入着ライン。小回り川崎コースでの多頭数の捌きにも不安点があり、印は付け切れませんでした。この日はマイナス7キロの464キロ。馬体減は許容範囲。落ち着きがありマズマズの気配。レースは後方10番手でジックリ構える競馬。極力追い出しを遅らせて直線は外へ。最後の最後に脚を伸ばして2着に浮上しました。張田騎手の好判断もありダービーへの出走権利をゲットしましたが、本番での勝ち負けは難しい。

3着 キタサンオーゴン
 雲取賞4着、京浜盃7着の実績は、このメンバーに入ると上位ランク。最近は差しに構えていますが、全日本2歳優駿では2番手に行ったように、行かせれば先にも行ける馬。魅力のある一頭でした。この日はマイナス3キロの447キロ。フックラと丸みを帯びた体つき。やや胴の詰まった体型。このレースは何頭か出遅れましたが、この馬が一番その度合いが大きく最後方からは誤算。勝負処から叩いてマクって出て4コーナーでは3番手まで進出。最後の直線では一旦2番手に上がりましたが、無理が祟り3着に終わりました。出遅れて腹を括り後方に控えたのが幸いした可能性もありますが、もう少しスムーズに運べば2着はあった競馬。それなりの実力は示しました。

4着 ファイアーベル
 前走の雲取賞は2秒1差の8着。これが重賞レース初挑戦。過去一連の数字的にも狙える根拠は見出せませんでした。この日はプラス2キロの495キロ。いつも通りにテンションが上がり気味で、特に変わった様子はありません。レースは好スタートからジックリ構えて後方12番手。直線入口では中団に取り付き、最後の直線もジリジリ脚を伸ばして4着まで押し上げました。完全に展開に乗じた好走で、これを過大評価するのは禁物。

5着 ヴェリイブライト
 ハイセイコー記念では前々で渋太く粘り2着と好走。休み明けの京浜盃ブービー負けは、急仕上げが響いた様子。叩いての上積みは見込めますが、初の左回りでどこまでやれるかは半信半疑でした。この日はマイナス2キロの468キロ。落ち着きがありフックラとした好仕上がり。レースは出遅れというよりも意識的にヤンワリ出て後方11番手から。勝負処から一気にマクって3番手グループの一角に。ちょうどキタサンオーゴンと同じような進出過程。最後の直線は内目を突いて目イチの5着でした。ひと脚使ってこの結果は、初コースを考えると収穫十分。次は更に変わってきそうです。

8着 リコーハラマ
 前走の京浜盃は、好枠から逃げてソコソコの頑張り。今回は初コースがカギですが、楽に逃げられれば残り目もあるとみていました。この日はプラス4キロの514キロ。ドッシリとした好馬体で適度な気合乗り。好調間違いなし。レースは柏木騎手が気合をつけて行ったものの、内田利トーセンハクオウの強行策に遭い、ハナはあきらめて2番手から。3コーナー手前で先頭に立ちましたが、既にその時点で背後にアメイジアが接近。直線入口まで内で抵抗していましたが、さすがに最後は息切れして8着に後退しました。ただしこのシビアな競馬が次への糧になるとみます。

10着 セイントスター
 これまで4戦3勝。時計的には並みですが、馬体からはマダマダ上積みがありそうなのと、稽古抜群に動いたので▲を打ちました。この日はマイナス3キロの488キロ。体が引き締まり、集中力もあり好気配。レースは好スタートから坂井騎手が気合をつけて内4番手。強気に進めましたが、3コーナー手前で早くもポジションを下げてしまい10着。さすがにこのペースを積極追走では息が保たなかったようです。ここはひとつの壁で納得の結果。

11着 スマートパンドラ
 鳴り物入りで転入してきたアジュディミツオーの妹。稽古ではソコソコ動いており気になる存在ですが、過剰に人気になるようなら、馬券的には軽く扱うのが正解のような気がしました、この日はプラス15キロの495キロ。兄と比べるのは可哀そうですが、なかなか馬っぷりがいいし、体はもっとあってもいいくらい。レースは出遅れが致命傷。途中で挽回を図り3番手グループに取り付きましたが、そこまでが精一杯でした。ただし、これから馬体を増やして大きく変わる可能性を秘めています。