第27回 東京プリンセス賞(S1)

【予想】
◎イチリュウ
〇カイカヨソウ
▲アステールネオ
△ケンブリッジナイス
△ビーディフォース
△サブノハゴロモ
△パパパノチョイナ
△ベルフェスタ

 桜花賞では好枠から先手を取り切る競馬で1冠目を奪取したイチリュウ。ただし、本来は距離が延びて本領発揮の差し馬。馬っぷりの良さからも伸びシロ十分、今回外枠でもカイカヨソウを返り討ちにできるとみました。当然カイカヨソウが強敵で、正直枠順を考えると微差とみるべき。アステールネオは距離延長と多頭数の捌きがポイント。順当な一戦。

【レース】
 今回は好枠を引いたデイジーギャルの逃げは予想通り。ベルフェスタ、サブノハゴロモ、イチリュウと続いて、内4番手にカイカヨソウ。その後ろにケンブリッジナイス。アステールネオは中団から。ペースは平均。早目にマクって勝ちに行ったのがイチリュウ。カイカヨソウは脚を溜めてイン狙い。最後の直線、一旦はイチリュウが先頭に立ちましたが、その内をすくって一気に抜け出したのがカイカヨソウ。キッチリ桜花賞の借りを返しました。

【各馬の寸評】
1着 カイカヨソウ
 桜花賞は完全にスピード負けの3着。初めて地方馬に先着を許した同馬の反撃なるかが焦点。完成度では文句なくbPですが、勢いではイチリュウ。今回も人気になりそうなので、配当的な面も含めてイチリュウに◎を打ちましたが、正直枠を考えるとこちらに分がいいかなという気もしました。この日はプラス2キロの456キロ。この厩舎の馬の割には目立つ馬っぷりではありませんが、馬体をキープしてマズマズの仕上がり。レースは出たなりで内4番手から。スムーズに折り合い、勝負処から最終コーナーにかけての手応えも抜群。直線は内を狙い、一旦は先頭に立ったイチリュウを交わして先頭。危なげない勝利を収めました。距離の延長は全く苦にしないようです。馬体から大きな伸びシロは?ですが、大崩れは考えられません。

2着 イチリュウ
 桜花賞は好枠から先手を取り切って楽勝。ただし、本来は距離が延びて本領発揮の差し馬。大井の千八で更に持ち味が生きるとみれば、外枠でも勝てるとみましたが…。前走に続いて計量不能。パドックでは落ち着いて周回を重ね、相変わらずの馬っぷりの良さ。万全の仕上がりと判断。レースは的場文騎手が気合をつけて外5番手から。勝負処から追ってマクりをかけて4コーナー3番手。最後の直線では残り200で一旦先頭に立ちましたが、内を突いたカイカヨソウに屈して2着。桜花賞とは正反対の競馬で、枠順の有利不利がハッキリと出たレース内容でした。普通に行けば次の対戦は地元川崎の関東オークス。JRAとの比較は別にして、2頭の比較ではイチリュウに分がいいとみたい。

3着 ベルフェスタ
 新馬を好タイム楽勝して注目を集めた割に以降伸び悩んでいましたが、体調アップとブリンカー効果の相乗作用で3、1、2、2着と豹変。近2戦も展開が厳しかったり出負けが響いての惜敗で、実質的には勝ちに等しい内容。千八の重賞レースとハードルは上がりましたが、スンナリ先行できれば、人気的にも少々狙ってみたい一頭でした。この日はプラス1キロの478キロ。日程が詰まっている割にフックラとしたいい体つき。毛ヅヤもピカピカ。レースは的場文騎手が多少気合をつけて2番手から。内枠のデイジーギャルに行かせてこのポジションは想定通りか。意外にスムーズに折り合い手応え良く4コーナー併走。最後は実力馬に内外から殺到されましたが、3着に粘り込んで現在の充実ぶりをアピールしました。気分良く走るとかなりの力を発揮します。

4着 ローズベビークリス
 早い段階でこのレースを意識して千八路線に矛先。それなりの結果を残してきましたが、最高タイムは1分57秒5。55秒台の決着が予想されるここは、掲示板が一杯かなとみていました。この日はマイナス6キロの461キロ。増えて理想ですが、決して細目感はなく、落ち着きもありマズマズ。レースは外7番手からですが、大外枠の分、序盤のコース取りにロスが。それでも勝負処からマクる姿勢を見せて直線は外へ。ジリジリ詰めて4着なら上等でしょう。相手次第では次走狙ってみたい。

5着 サブノハゴロモ
 東京2歳優駿牝馬ではカイカヨソウから0秒3差の3着。前走はこのレースへの布石として千八を使い3着。非凡なスピード能力を秘めていますが、本質的には千六以下で能力全開。このメンバーで千八では、恵まれての入着ラインの評価でした。この日はマイナス2キロの470キロ。懸念した馬体減りもなく適度な気合乗り。毛ヅヤも上々。レースは出たなりで離れた3番手から。スタミナの温存を図り坂井騎手も極力慎重な構え。そのポジションをキープして最後の直線に向きましたが、追い出してからの伸び脚が案外で5着止まり。やはりこの距離は微妙に長いようです。

6着 ケンブリッジナイス
 比較的地味な存在ですが、ローレル賞では直線一気の2着。東京2歳優駿牝馬では、好位インで折り合いカイカヨソウに肉薄の2着。桜花賞は離された4着ですが、展開もつれれば、その渋い末脚がモノを言う可能性もあるとみていました。この日はプラス3キロの470キロ。体をフックラ映して活気もあり好気配。レースは出たなりで内6番手から。ジックリ溜めて最後の直線は内目を突きましたが、意外に伸びず6着。このレースぶりからは距離延びると?

7着 パパパノチョイナ
 千八で1、2着と連続好走。その渋い走りからは間違いなく距離が延びていいタイプですが、道営時代からこれといって速い時計のない馬。重賞のメンバーに入ると、よほど展開がもつれて上がりのかかる競馬にならないと難しいかなとみていました。この日は増減なしの454キロ。馬体をキープして順調。レースは中団9番手を進み、全く動けず流れ込んだ程度。一線級に入るとスピードの絶対値が足りない。

11着 アステールネオ
 桜花賞は一転した先行策で2着と激走。枠順に恵まれたのと鞍上の好判断に負うところが大きいとはいえ能力の一端を披露。モマれる競馬になると信頼度低下ですが、前走の形で進められれば再現可能とみていました。この日はプラス2キロの466キロ。前走時に比べるとややテンションが上がり気味。とりあえず馬体はキープ。レースはジックリ構えて中団10番手から進みましたが、サッパリ伸びず11着。時計のかかる力勝負は不向きなのと、距離の千八も長いようです。今後は再び中央の芝路線か。