第51回 しらさぎ賞(S3)

【予想】
◎クラーベセクレタ
〇サクラサクラサクラ
▲ハルサンサン
△マニエリスム
△ナターレ
△センゲンコスモ

 クラーベセクレタの今季緒戦。力関係はハッキリしているので問題は仕上がり状態のみ。これも九分通りなら譲れない一戦とみました。JBCレディスクラシックで3着に逃げ粘ったサクラサクラサクラ、適距離千四でハルサンサン、末脚勝負でマニエリスムなどが相手に有力。

【レース】
 好スタートを決めたサクラサクラサクラがハナに行き、これを追いかけたのがナターレ。センゲンコスモ、リアライズノユメと続いて、直後にハルサンサン。注目のクラーベセクレタは行きっぷり今イチで後方から。ペースは平均。3コーナーで先頭に並びかけたナターレが4コーナー先頭。激しい2着争いを尻目に、完勝と言える内容でした。追い込むマニエリスムを抑えてセンゲンコスモが2着。クラーベセクレタは9着と轟沈。

【各馬の寸評】
1着 ナターレ
 前走のA2下特別では、内枠からハナを主張してオープン一歩手前の好調馬を一蹴。重賞2勝馬の貫録を誇示。スパーキングサマーC、JBCレディスクラシックではクラーベセクレタに完敗を喫していますが、自分の形に持ち込めれば2着争いには加われるとみていました。この日はプラス4キロの469キロ。初コースでも物見することなく落ち着いており、馬体もフックラ。レースは抜群のスタートを切った隣のサクラサクラサクラに後れを取ったものの、的場文騎手がステッキを振るって外2番手へ。馬込みに入るのを嫌った積極策。手応え良く3コーナーで並びかけ、4コーナーでは先頭。特に脅かされるシーンもなく、悠々とゴールを駆け抜けました、かなり脚を使って先行しながら、自力でサクラサクラサクラを潰しての勝利は価値大。ハナか外目好位なら、距離オールマイティで実力発揮。

2着 センゲンコスモ
 昨年の当レースでは一旦2番手に上がる見せ場を作り3着。以降は精力的に全国各地に転戦してラブミーチャン、エーシンクールディなど強豪とシビアな競馬を展開。休み明けのマリーンCは太目残りに加えあの相手では大敗も納得。叩いてここ照準なら当然注目の一頭でした。この日はマイナス2キロの476キロ。もうひと絞りといった体つきですが、以前に比べると落ち着きが出て年輪を感じさせます。レースは昨年に続いて騎乗の吉原騎手が、再び抑える作戦。好スタートからジックリ溜め込んで先行2頭をマークする形。勝負処で一旦離され気味になりましたが、溜めた分、脚を残しており、最後の直線も脚を伸ばして2着に食い込みました。正味目イチの競馬ですが、抑える競馬も様になってきました、千六まででスムーズな競馬ができれば渋太い。

3着 マニエリスム
 交流重賞では直線勝負に徹して入着ラインが定番。ただし、今回は南関限定だし、過去大井の千四でフジノウェーブなどを破る1分25秒5があり、距離実績も。浦和千四では脚を余す懸念もありますが、ペース如何では一気に浮上する可能性十分とみていました。この日はプラス4キロの489キロ。いつも通りにコロンとした体つきですが、モッサリ感が抜けていつにない好気配。レースは出たなりで外8番手から。向流しからクラーベセクレタのスパートを追うようにして進出。4コーナーでは大外6番手。最後の直線もメンバー最速の上がりで追い上げ、3着まで押し上げました。現状千四はやや忙しいか…。調子を上げているのは間違いないので、条件次第で次走は狙う手も。

4着 サクラサクラサクラ
 昨年のJBCレディスクラシックでは、他馬のスタートミスや展開の利があったとはいえ、ミラクルレジェンド、クラーベセクレタの2強を苦しめて3着。前走の東京シンデレラマイルは、馬体減で状態?ながら2着。初コースとはいえ、スピードタイプだけに浦和千四はむしろ加点材料。馬体回復を計算に入れれば、交流レベルの脚力で上位有望とみていました。この日はプラス6キロの457キロ。JBCの時が464キロで、もう少し増やしたかった気も。レースは好スタートを決めて森騎手がハナを主張。平均ペースの逃げに持ち込んだものの、ナターレのマークが執拗で、3コーナーで並びかけられ、直線の入り口では交わされる格好。懸命にこらえていましたが、4着に粘るのが精一杯でした。スタートの時点で差をつけたナターレに競り負けたのは案外。この開催の浦和は若干内が深めで、それがスタミナのロスに繋がったのか…。そしてもう少しの馬体増が…。今後も牝馬戦なら当然要注目。

5着 ハルサンサン
 昨年のTCK女王盃では、究極の瞬発力勝負でJRA勢を撃破。これが重賞初制覇。以降休養を挟み復帰4戦がひと息。今回は再調整明け。順調さを欠いているのは否めませんが、過去千四は2戦2勝で、大井の千四を勝った際は離れた殿り一気のごぼう抜き。短距離でその切れ味が最大限に生きるので、大いに注目していました。この日はプラス8キロの471キロ。フックラとした馬体に適度な気合乗りは好調時と変わらず。レースは石崎駿騎手が多少気合をつけて外5番手から。勝負処からポジションを上げて4コーナーでは3番手。常に前を射程圏内に入れていましたが、スパッと切れる脚が使えず、流れ込んでの5着に終わりました。まだ状態が伴っていなかったということか…。それと交流重賞を勝っている分、クラーベセクレタと同じ57キロは分が悪かったか。今後の変わり身次第では必ずや狙い目が出てくるとみます。

9着 クラーベセクレタ
 JRAの新戦力の攻勢にやや手を焼いている状況ですが、今回は南関限定のS3。道営でデビュー以来、地方馬のみの競馬では11戦11勝と負けなし。昨年の当レースは2番手から3コーナー先頭の圧勝。左回りベターだし、あまり長目の距離よりは千四歓迎。連覇の確率が相当高いとみていました。この日はプラス7キロの470キロ。活気があり、ここ一連と変わらぬ好気配。力を出せる仕上がりと判断。レースは出たなりで先行が今野騎手の目論みだったようですが、意外な行き脚を鈍さ。慌てて気合をつけたところ、やや反抗するような仕草でリズム? 後方9番手からは誤算。向流しで挽回を図ったものの、5番手あたりまで取り付くのが精一杯。最後は完全に脚が止まって9着に終わりました。以前もこういった難しい面を見せたことがありましたが、ここまで崩れたのは初めて。テン乗りも微妙に影響したのか。後遺症がなければいいんですが…。