【予想】
◎フォーティファイド
〇テラザクラウド
▲トーセンルーチェ
△ピサノエミレーツ
△クリーン
△アドマイヤシャトル
△スマートインパルス

　ＪＲＡ時代から千八路線のフォーティファイドが、二千に距離を延ばして大きく前進。追って渋く、毎回メンバー屈指の脚を駆使。長距離への適性が高そうなのと、斤量的にも分のいい一戦とみました。実績通りにテラザクラウド、トーセンルーチェが相手。

【レース】
　先手主張はマイネルファルケ。積極策で２番手に行ったのがビービーガザリアス。１周ホームストレッチでポジションを上げたフォーティファイドは、向流しでごく自然に３番手グループの一角に。これをマークするようにテラザクラウド。トーセンルーチェは中団の馬込み。レースは超スローで完全にヨーイドンの瞬発力勝負。馬なりで３、４コーナー先頭に立ったフォーティファイドが、差を広げる一方のワンサイド勝利。８歳にして嬉しい重賞レース初制覇を果たしました。激しい２着争いに競り勝ったのは伏兵ビービーガザリアス。

【各馬の寸評】
１着　フォーティファイド
　転入後は東京大賞典を除けばオール３着以内の堅実駆け。距離を二千に延ばして勝ち味の遅さを払拭。レースぶりから距離の二六はいかにも魅力だし、斤量的にも分のいい一戦とみていました。この日はマイナス１キロの５１１キロ。腹目のボテッとした馬で、モッサリ型。パドックではあまり良く見せない馬ですが、最近は見違えるほど活気が出て本当に具合が良さそう。体つきも大分締まってきました。レースは序盤は中団より後ろ。ペースがガクンと落ちた１周ホームストレッチですかさずポジションを上げ、向流しに入ると３番手グループの一角に。３、４コーナーでは早くも先頭に立つ勢い。最後の直線は正に独壇場で、上がり３ハロンを37秒０でまとめ、２着を２秒も千切るワンサイド勝利を収めました。８歳にして良血開花といったところ。やはり長距離への適性は相当高い。南関同士で二千以上の距離なら信頼度大。

２着　ビービーガザリアス
　２連勝で臨んだ昨年の大井記念は２秒３差の８着と重賞の壁。以降未勝利で、若干頭打ちの気配。サウスヴィグラス産駒でも粘着系で距離はこなす馬。52キロも魅力がありますが、それでも印は付け切れませんでした。この日はマイナス６キロの４９６キロ。やや太目に映った馬体が絞れ、この馬にしては活気もあり気配は上々。レースは達城騎手の積極戦法で逃げる勢い。すぐマイネルファルケに譲って２番手から。折り合いはスムーズ。残り８００で先頭。残り６００でフォーティファイドに交わされ苦しい体勢になりましたが、そこからの粘り腰がこの馬の真骨頂。ラチ沿いで必死に抵抗。テラザクラウドを差し返す格好で２着争いに競り勝ちました。達城騎手の積極プレイと軽量が好走の要因ですが、状態アップも見逃せません。

３着　テラザクラウド
　一昨年はＢ級から東京記念まで破竹の５連勝を達成した馬。長期の休養明けを一度叩いて稽古の動きがガラッと変わってきたので、要注目の存在でした。この日はプラス４キロの５１８キロ。相変わらず馬っぷりは上々ですが、好調時に比べるともうひと気合欲しいかなという印象も。レースは大外枠でもあり慎重な滑り出し。序盤は外６番手から。向流しではフォーティファイドに先を譲ってこれをマークする形。３コーナーでは３番手、４コーナーでは２番手に上がりましたが、最後の直線は追ってひと息伸びず、フォーティファイドには離され、差し返される形で３着。本来のパフォーマンスは発揮できませんでした。順調に使えるようになれば当然反撃は可能。

４着　トーセンルーチェ
　昨年は金盃１着→ダイオライト記念３着→大井記念１着。今年も同じローテーションで金盃１着→ダイオライト記念６着。やや着順を落としましたが、稽古の動きから仕上がりに問題はないので、当然有力候補の一角でした。この日はプラス１キロの５５８キロ。それほど気合を前面に出すタイプではありませんが、毛ヅヤがいいし、全体的な気配は合格点。レースは序盤から中団の馬込み。２周目３コーナー、残り６００あたりからスパートを開始しましたが、その時点からのレース上がりが12秒８〜11秒８〜12秒４ではどう考えても追いつきません。２着争いに加わるのが精一杯で、４着に終わりました。この馬には最も不得手なヨーイドンの瞬発力勝負。どこかで外に持ち出して早目の進出を図りたかった。勝つまでは無理としても、まともなら楽に２着はあった競馬。

５着　クリーン
　今年９歳を迎える超巨漢馬。大きな上がり目は望めませんが、気配アップして前走の金盃で５着。距離の二六は特に問題ないので、展開もつれれば食い込む可能性もあるとみていました。この日はマイナス２キロの６１３キロ。体つきに重苦しさはなく、前走と同様に適度な気合乗り。決して悪くありません。レースは馬なりで内３番手の好ポジション。超スローペースだけに途中までは無理なく追走できたものの、ペースアップした際に対応できず置かれる形。流れ込んでの離された５着に終わりました。現状これが精一杯でしょう。今後も勝ち負けに加わるのは至難。