第5回 川崎マイラーズ(S3)

【予想】
◎カキツバタロイヤル
〇ピエールタイガー
▲クラーベセクレタ
△アイディンパワー
△スマートジョーカー
△エミーズパラダイス

 幾多の修羅場を潜り抜けてきたカキツバタロイヤルは、距離オールマイティの古豪。稽古も動いており、このレース連覇に期待。川崎コースに抜群の実績を残すピエールタイガー、前走の汚名返上に燃えるクラーベセクレタが相手。

【レース】
 他の先行型がハナに拘らなかったので、トーホウオルビスが楽にハナ。ピエールタイガー、アーリーロブストと続いてリアライズノユメ、クラーベセクレタも先行グループ。中団にスマートジョーカーで、カキツバタロイヤルは後方から。ペースは平均。残り600で先頭に立ったピエールタイガーがリードを広げて直線へ。一旦はセイフティリードかと思われましたが、半端じゃない弾け方をしたのがスマートジョーカー。並ぶ間もなくこれを抜き去って、勢いの違いをまざまざと見せつけました。クラーベセクレタは意外に伸びを欠いて3着。

【各馬の寸評】
1着 スマートジョーカー
 休養を挟み7連勝中の上がり馬が満を持しての重賞挑戦。確かに準オープンレベルは役者の違いは歴然ですが、ここはひとつの試金石。それほど斤量差があるわけではないし、正直人気に見合う信頼性は?とみていました。この日はプラス6キロの486キロ。本当に体つきがシッカリしてきたし毛ヅヤも抜群。気配的には文句なくメンバー一番。レースは出たなりで中団7番手から。勝負処から手応え良く進出、クラーベセクレタをマークする形。4コーナーでは4番手。最後の直線は抜けた瞬発力を発揮して、並ぶ間もなく突き抜けました。折り合い自在、鞍上の指示に即座に反応して鋭い脚を使うレース巧者。とにかくレースぶりに危うさがありません。距離は2000くらいまではこなしそう。交流レベルではまだ未知数ですが、益々期待が膨らんできました。

2着 ピエールタイガー
 昨年の上半期に準オープンを5連勝、余勢を駆ってサンタアニタトロフィーを2着。ちょうどスマートジョーカーと同じような出世街道を歩んできた同馬。以降もマイルグランプリ優勝と、着々とオープン馬としての地位を地固め。前走のかしわ記念はさすがに歯が立ちませんでしたが、得意の川崎千六でS3なら、勝ち負け確実とみていました。この日はマイナス9キロの499キロ。ハード調教を課して絞り込んだ感じ。現状この馬は490キロ台の後半が理想のようです。レースは真島騎手が外のアーリーロブストを気にしつつ慎重な滑り出し。トーホウオルビスに行かれたのは意外ですが、外2番手は予定通りでしょう。スムーズに折り合い、残り600で先頭。快調に飛ばして4コーナーではセイフティリードかと思われましたが、勝ち馬の抜群の切れ味には脱帽。自分の力だけはキッチリ走って2着は確保しました。マイラーとしての実力は十分に発揮したし、番手競馬も大分板に付いてきました。

3着 クラーベセクレタ
 ミラクルレジェンドは引退したものの、それに取って替わるJRAの新興勢力に押されがちな近況。そして前走のしらさぎ賞では半ばショッキングな敗戦。序盤の行き脚が悪く後手後手に回ったのが敗因ですが、ちょっと負け方が悪い。今回は今野騎手も二度目、ひとつの正念場とも言える一戦になりました。この日はプラス1キロの471キロ。馬体をフックラと映して適度な気合乗り。外見的にはいい時と何ら変わりありません。レースは前走を踏まえ、今野騎手がかなり気合をつけて行き、序盤は5番手から。3コーナーでは外エミーズパラダイスと併走の内2番手。これならという感じもしましたが、最後の直線はスマートジョーカーとの脚いろの差は歴然。ピエールタイガーにも及ばず3着とは拍子抜け。今後は牝馬路線に戻るのでしょうが、この走りでは心もとない。

4着 カキツバタロイヤル
 南関では千六から二六まで重賞の常連で、オールマイティの活躍ぶり。昨年の当レースの1着馬。稽古の動き上々。他との比較で斤量の57キロも有利。軸としては一番無難な線かなとみていました。この日はプラス1キロの438キロ。この馬に関して見た目は気にしないことにしています。ただしコンパクトにまとまった体つきは、決して悪くありません。レースは好スタートから森騎手が気合をつけて行ったものの9番手から、内々で追走に苦労してあまりポジションを上げられず直線勝負に。差を詰めた程度の4着に終わりました。上位馬とは完全に距離適性の差が出た感じ。年齢的にもズブさを増した現在、少なくとも千八以上は欲しい。

5着 アイディンパワー
 JRAでは芝ダートを問わず千二、千四ランナー。ただし、ダイオライト記念、かしわ記念などで強敵を相手に揉まれてきたし、今回は的場文騎手。相変わらず稽古も動いているので、脚の使い処如何では食い込むチャンスありとみていました。この日はマイナス2キロの505キロ。馬っぷりに関してはメンバー屈指、好調間違いなし。レースはダッシュひと息で9番手からの競馬。勝負処でポジションを上げてきましたが、反応ひと息で4コーナーでは離れた5番手。そのまま流れ込む形での5着。まあこれが精一杯でしょうか。短距離で変わる可能性は残しています。

9着 アーリーロブスト
 短距離で変わるといえば、この馬もそう。今回は大事に大事に乗って3番手から退きましたが、行かせれば相当速そう。この日はプラス12キロの518キロでもさほど太目感はなく、馬に実が入った分と判断。今後の短距離路線の台風の目になる可能性も。