第59回 東京ダービー(S1)

【予想】
◎アウトジェネラル
〇ジェネラルグラント
▲ソルテ
△インサイドザパーク
△イヴアルブ
△カイカヨソウ
△キタサンオーゴン
△アメイジア

 完璧なレース内容で1冠目の羽田盃を制したアウトジェネラル。短期間でこの差が埋まるとは考えられず、正直勝ちっぷりのみ注目でした。相手も羽田盃組を重視。若干煮え切らない競馬で人気を裏切ったジェネラルグラントが、積極策なら反撃必至とみてこれが本線。相手なりに堅実に駆けるのがソルテ。決め手勝負ならインサイドザパーク。大体ここまでの争い。

【レース】
 好スタートから飛び出したのがジェネラルグラント。これに外枠勢が被せて行き、ハナに行ったのがイヴアルブ。アメイジア、カイカヨソウと続き、ジェネラルグラントはインで抑える形。アウトジェネラル、ソルテ、インサイドザパークは中団。ペースは平均。勝負処から差し馬勢が進出を図り、有力処は一団の状況で直線へ。残り300でカイカヨソウが一旦先頭。最内を突いたジェネラルグラントが残り150で先頭。そしてゴール寸前これを捕えたのがインサイドザパーク。この馬らしい渋い末脚を発揮して大一番を制しました。

【各馬の寸評】
1着 インサイドザパーク
 男馬の割に小柄ながら、強力な末脚を武器に常に王道を歩んできた同馬。京浜盃は16頭立て16番枠でロスの多い競馬を強いられながら3着。羽田盃はヨーイドンの瞬発力勝負で位置取りの差が明暗を分けた3着。上がりかかるスタミナ勝負になればいつ突き抜けてもおかしくない実力馬ですが、今回も展開微妙で△までしか打てませんでした。この日はマイナス2キロの453キロ。コンパクトにまとまった馬体は、全身これバネといった躍動感に満ちています。以前より体重が20キロくらい増えて本当に実が入ってきました。レースはスローペースを念頭に置き、左海騎手がテンから気合をつけて中団8番手から。勝負処から人気のアウトジェネラルと並んでスパート。ただし、こちらの方が脚いろ優勢。4コーナーでは6番手。最後の直線は残り100から一気に前に迫り、ゴール寸前ジェネラルグラントを交わして見事に1着でゴールを駆け抜けました。あまり展開がバラけず、入れ替わりのある混戦レースに乗じた感じもありますが、この馬らしい息の長い末脚をいかんなく発揮。当然ジャパンDDでも注目。

2着 ジェネラルグラント
 全日本2歳優駿では、それまでとは一転した馬込みで折り合う競馬で2着。今年緒戦の京浜盃は、外目好位から楽に抜け出しライバルのアウトジェネラルを一蹴。ところが1番人気の羽田盃でよもやの4着。不可解な敗戦ですが、超スローペースにジックリ構え過ぎたきらいも。やはり基本的には先行タイプ。今回は積極的に攻める可能性、ひょっとすると逃げも考えられ、反撃の余地ありとみていました。この日はプラス1キロの513キロ。非常に活気があり毛ヅヤも上々。デキは文句なし。レースは好スタートから飛び出しましたが、無理をせず好位インで折り合う作戦。これは羽田盃と同様。ただし、今回の方が行きっぷりスムーズ。最後の直線はイン狙い。残り150あたりでカイカヨソウを交わし一旦先頭に躍り出ましたが、ゴール寸前インサイドザパークの強襲に屈しました。まだ決めつけられませんが、使える脚が一瞬で、もう少し短目の距離が合っているのかも。

3着 ソルテ
 休み明けの京浜盃は、船橋3強に続く4着。羽田盃は、アウトジェネラルの驚異の瞬発力に屈したものの堂々2着。大井の3歳ではピカイチの実力派。このメンバーで単のイメージは沸きませんが、上位争いに加わるのは確実といていました。この日はマイナス4キロの461キロ。一段と体が引き締まり適度な気合乗い。ぴったりとここにピークを持ってきた感じです。レースは外枠でもあり、出たなりで流れに沿って中団7番手から。勝負処からマクって出て4コーナーでは4番手まで進出。最後の直線もジリジリと脚を伸ばしましたが、内を突いたジェネラルグラント、外伸びたインサイドザパークに決め手負けの3着。ニューイヤーCは圧巻でしたが、超一線級のメンバーに入るとやや決定力不足というか、これなら勝てるという「型」がない。

4着 カイカヨソウ
 道営時代には北海道2歳優駿3着。アウトジェネラル、ジェネラルグラントに先着。男馬顔負けの実力は自他ともに認めるところですが、桜花賞でよもやの3着。東京プリンセス賞で借りを返したものの、時計は1分55秒9。前日の羽田盃が1分52秒8で、この隔たりはかなり大きい。ここにきて成長力の差が出てきたようなので、ある程度人気になるとみれば、馬券的には嫌う手とみていました。この日はマイナス1キロの455キロ。この厩舎への移籍馬は大体は体が立派になっていくのが通例ですが、今イチ線が細い。見た目も成長力? レースは出たなりで外目3番手。流れ的には絶好のポジション。4コーナーではアメイジアを交わして2番手。最後の直線は残り300あたりで一旦先頭に立つ勢いでしたが、追っての伸びが今イチ。流れ込む形での4着に終わりました。それでも大健闘と言えるでしょう。見た目よりも芯がシッカリしています。もうひと回り馬体が成長してくれば、クラーベセクレタの後継馬になりうる素材。

5着 ホクトマックイーン
 前走の選抜戦を勝って滑り込み。収得賞金では14頭中14番目の馬が、5着に食い込みました。この日はマイナス7キロの458キロ。少しテンションが上がり気味で馬体もギリギリのライン。正直検討の対象外。レースはスタートから抑え込んで最後方から。昨年プレティオラスで殿り一気を決めた本橋騎手が、夢よもう一度といったところでしょうか。正味直線勝負でイン狙い。上がり3ハロンはメンバー最速の脚を使い5着まで押し上げました。上がりのかかる競馬に乗じたのは確かですが、トップクラスに交じって二千を2分7秒台で駆けたのは評価していい。意外な曲者です。

6着 アウトジェネラル
 3歳馬のレベルを計る際に、概ね古馬準オープン級と同等の数字的な裏付けがあれば、クラシックレースで勝ち負けの有資格馬。これは中央競馬もそう。格好の比較対象になるのが羽田盃と同日に行われた古馬A3。実力オープン級のツクバチャームの勝ちタイムが1分52秒8。対してアウトジェネラルも同じ52秒8ですが、こちらは超スローで上がり3ハロン36秒2。ペース如何では51秒台も可能だったはず。明らかに古馬を凌ぐ内容なら、例年のレベルを超える逸材は間違いなし。2冠達成はもとより、ジャパンDDで3冠も狙えると期待を持ってレースを注視していました。この日はプラス1キロの512キロ。馬っぷりの良さはいつも通り。毛ヅヤ上々、落ち着きもあり申し分なし。レースはスタートで躓くアクシデント。御神本騎手が気合をつけて内6番手、ジェネラルグラントの後ろへ。ただし、道中の反応ひと息。勝負処では同時に進出のインサイドザパークとの手応えの差は歴然。直線は大外に持ち出しましたが、全く伸びる気配がなく6着。全く期待外れの結果に終わりました。京浜盃で2着した際も、スタートで若干躓き、リズムの悪い走りでしたが、少々気難しい面があるのでしょうか。それと内枠も裏目? もちろんこれだけで評価を下げるわけにはいきません。ジャパンDDでの反撃に期待。