第36回 帝王賞(Jpn1)

【予想】
◎ローマンレジェンド
〇ニホンピロアワーズ
▲ホッコータルマエ
△ワンダーアキュート
△ハタノヴァンクール
△テスタマッタ

 かしわ記念は早目にマクって行きながら及ばなかったローマンレジェンド。ただし、これは距離適性の差と展開負け。叩かれ中間の気配一変なら、実績あるこの距離で本領発揮とみました。ニホンピロアワーズ、ホッコータルマエ、ワンダーアキュート、順当ならここまでの争い。

【レース】
 典型的な逃げ馬不在。枠なりでワンダーアキュートがハナへ。ニホンピロアワーズ、トーセンルーチェと続いてその直後にローマンレジェンド、その外にホッコータルマエ。超スローで中団のハタノヴァンクール、テスタマッタあたりまでほぼ一団。残り1000から徐々にペースアップして上がりの競馬。最後の直線はホッコータルマエ、ニホンピロアワーズ、ワンダーアキュートの叩き合い。ホッコータルマエが競り勝ち、名実ともにbPの座につきました。

【各馬の寸評】
1着 ホッコータルマエ
 アンタレスSでニホンピロアワーズ、かしわ記念でエスポワールシチーを撃破。これで交流重賞4連勝。ただし、前走で少し体が減っていたのと、距離二千の経験値で、他の歴戦の古豪に一歩譲るとみて▲に落としてしまいました。この日はプラス12キロの501キロ。数字通りにグンと体つきが良くなり、活気もあり非常にいい感じ。レースは好スタートを決めて出たなりの先行策。外5番手を進み、残り800から徐々にスパート。4コーナーでは3番手。最後の直線は残り200で3頭併走の外。残り100でニホンピロアワーズに競り勝つと、力強くゴールを駆け抜けました。着差以上に完勝と言える内容。距離万能のレース巧者で馬場状態不問。歴代の名馬に肩を並べる存在に。

2着 ニホンピロアワーズ
 今回の出走メンバーを寄せつけなかったJCダートが圧巻。アンタレスSでホッコータルマエに敗れたのは、休み明けと2キロ背負っている分。前走の平安Sが意外な辛勝だったのが気になりますが、稽古上々で体調アップ確実なら、当然首位候補の一頭。この日はマイナス6キロの532キロ。昨年川崎記念を5着した当時はモッサリ感がありましたが、別馬のように気合が乗り、馬体も絞れて良化歴然。正直これ◎だったかなと…。レースは逃げるワンダーアキュートの2番手にサッとつけて折り合いスムーズ。勝負処からホッコータルマエの仕掛けに合わせてスパート。直線は3頭併走の中。酒井学騎手が懸命にステッキを振るって抵抗しましたが、ホッコータルマエの末脚に屈しました。完全に勝ちパターンでの敗戦は意外ですが、この差ならまだ逆転可能な範囲。基本的には力馬タイプで良馬場ベターか。

3着 ワンダーアキュート
 一昨年の東京大賞典ではスマートファルコンと壮絶なデッドヒートを演じて2分1秒8。昨年のJBCクラシックは1秒差の圧勝。前走のフェブラリーSは最後の直線で前が塞がる不利があっての3着。依然として最強レベルの実力をキープしているのは間違いなし。他に勢いのある馬もいますが、勝ち負け確実とみていました。この日はマイナス4キロの514キロ。4ヶ月ぶりの実戦ですが、全く太目感なし。懸念したイレ込みも見られず。大型馬ながら仕上がり早のタイプです。レースはテン乗りの武豊騎手が多少気合をつけてハナへ。序盤は超スローの溜め逃げ。残り1000から徐々にペースアップ。ただしニホンポロアワーズのジカ付けを食い、更にホッコータルマエのスパートもありプレッシャー大。もちろんこの馬とて決してヤワな先行タイプではありません。最後の直線も頑張っていましたが、残り100で力尽きました。もう少し速目のペースで行っていればどうかだったが…。それでも前2頭にはかなわなかったでしょう。決して衰えは感じませんが、今回は力負け。

4着 ハタノヴァンクール
 ジャパンダートダービー1着など、当初ではダートでは世代bPの評価。東京大賞典ではローマンレジェンドの2着。年明けて川崎記念ではワンダーアキュートを破り優勝と着々と成長を見せていましたが、ダイオライト記念が格下相手に取りこぼしに近い2着。平安Sも今イチ見せ場のない5着。まだ速い時計の競馬には未知数で、JRA勢の中では評価を下げました。この日はプラス4キロの502キロ。案外スッキリした体つきで、少しでも増えたのは良さそう。適度な気合乗りで好調キープ。レースは四位騎手が気合をつけて内6番手から。勝負処からマクって出て直線は外へ。3頭から水があいた4着に終わりました。この馬場、展開では頑張った方でしょう。やはり良馬場の力勝負でこそ本領発揮。

5着 テスタマッタ
 前走のさきたま杯は、強気のマクり戦法でセイクリムズンを破り久々の美酒。ただし、これは浦和の千四でちょうど脚がハマった感じ。過去長目の距離でも好走例はありますが、基本的には千四〜千六くらいで差しに構えて持ち味が生きる馬。このメンバーの二千で勝ち負けは微妙。ひょっとするとタイミングを見計らって戸崎騎手がどこかで奇襲作戦を打つか、そのあたりに注目していました。この日は増減なしの510キロ。馬っぷりは冴えているし、珍しく落ち着いておりデキは上々。レースはスタート五分に出て中団7番手から。極力折り合いに専念して奇襲策はなし。4コーナーで4番手に上がりましたが、それが精一杯でした。やはりこの距離では乗り難しい。

6着 ローマンレジェンド
 かしわ記念は休み明けで適性?の千六。しかも先行決着なら3着も納得。次の帝王賞はこれ◎と早くから決めていました。この日は増減なしの501キロ。少しテンションが上がり気味でしたが、大体いつもこんな感じ。ただしもう少し体が増えてもいい感じ。レースはスローを予期した岩田騎手が気合をつけて先行策。内4番手を進みましたが、ペースアップした際の対応に苦労して置かれ加減。全く追い込む体勢を取れず、JRA勢では最下位の6着に終わりました。敗因はやはり道悪でしょうか。それを意識して序盤に脚を使ったのが裏目に出たのか。ただし負け方が悪い。考えてみれば大賞典の2分5秒9も凡庸だし、正直買い被っていたのかもしれません。良馬場で改めて真価を問うべきでしょうが、過信は禁物。