第20回 アフター5スター賞(S3)

【予想】
◎コアレスピューマ
〇ハードデイズナイト
▲ミヤサンキューティ
△コウギョウダグラス
△アイディンパワー
△サイオン
△フジノウェーブ

 現状維持が一杯と思われていた9歳馬コアレスピューマが、前走のゆりかもめオープンで豹変。素直にこれを信用していいかどうかですが、出脚、道中の行きっぷり、終いのキレ何れも申し分ないので、枠込みで◎にしました。ただし、50キロはいかにも魅力のハードデイズナイト以下も紙一重。

【レース】
 好スタートを決めたのはハードデイズナイト。これを交わして転入馬オーセロワがハナ。マグニフィカ、エーブダッチマンと続いて内からクリスタルボーイ、直後にハードデイズナイト。中団にサイオンで、アイディンパワー、コアレスピューマは後方から。22秒9〜34秒7〜47秒3のペースは大体予想通り。直線に向いて残り300でハードデイズナイトが先頭。後方から追い込むアイディンパワーに2馬身の差をつけて、危なげない勝利を収めました。

【各馬の寸評】
1着 ハードデイズナイト
 グランダムジャパンの水沢日高賞1着後は千二路線に矛先を向け、優駿スプリントのTRと本番を連勝。時計の比較では古馬に見劣るものの、伸び盛りの3歳馬。それと何より50キロの恵量が魅力。勝ち負け確実とみていました。この日はプラス5キロの466キロ。約2か月間隔はあきましたが、ちょうどいい感じの造りで適度な気合乗り。レースは絶好のスタートを決めて周囲の様子を窺う余裕。外5番手からの競馬になり、勝負処では早くも3番手。4コーナーでは逃げるオーセロワに並びかけ、残り300で先頭。全く付け入る隙を与えぬパーフェクトな勝ちっぷりでした。確かに斤量有利でしたが、凄い充実ぶり。距離をこなすタイプだけに、今後の幅広い活躍が楽しみ。これを◎にしておくべきでした。

2着 アイディンパワー
 JRA4勝は千二以下のスプリンター。九百の川崎スパーキングスプリントで転入後初勝利を飾りましたが、レースレベル? 以降2戦は出脚負け、スピード負けの感じ。S3レベルならの気もしますが、多頭数の捌きなど課題を抱え、正直信頼度は低いとみていました。この日はプラス8キロの503キロ。相変わらず馬っぷり抜群で、仕上がりは申し分なし。レースは的場文騎手が気合をつけて出たものの、例によってダッシュが利かず後方12番手から。ようやくエンジンが掛かり3、4コーナーから一気に進出して4コーナーは大外へ。最後の直線も息の長い末脚を駆使して2着まで押し上げました。若干時計のかかる競馬になったのが幸いした感じもありますが、やはり捨て難い実力があります。距離は九百、千ではやや忙しい。千二〜千四がベストの印象。

3着 サイオン
 転入緒戦のサンタアニタトロフィーは、力づくでマクって出て5着と見せ場タップリ。これまで千四以上しか経験がなく距離が微妙ですが、抜群の追い切りを消化して変わり身十分なら、注目の存在でした。この日はプラス4キロの512キロ。なかなか馬っぷりがいいし、活気もあり良化の手応え十分。レースは川島騎手が気合をつけて中団7番手から。勝負処では5番手に上がり上位が射程圏内、最後の直線はひと息伸び悩んで3着に終わりましたが、変わり身を見せました。7歳という年齢の割にレース数を使われておらず伸びシロがありそう。もう少し長目の距離なら狙ってみたい。

4着 コウギョウダグラス
 千二10勝のスペシャリストも、重賞初挑戦の東京盃では12着と力の差を痛感。休養を挟んで自己条件でも2、2、4着と勝ち切れませんが、前走は直線で窮屈になるシーン。斤量53キロだし1番枠。人気的にも狙い目ありとみていました。この日は増減なしの522キロ。以前のようなうるさい面も見られず、相変わらずの好馬体で仕上がりに問題なし。レースは柏木騎手がかなり気合をつけて内枠を生かさんとする構え。内6番手の好ポジションをゲット。流れに乗って直線勝負。ソコソコ脚を伸ばしてきましたが4着まで。これが現状目イチでしょうか。

5着 ミヤサンキューティ
 デビュー6戦目に優駿スプリント1着、1分11秒6。通算千二8勝の天才スプリンター。前走のゆりかもめオープンは勝ち馬の大駆けに屈したものの、大型馬の叩き二度目。怖い存在でした。この日はマイナス1キロの544キロ。ボリューム感があり圧倒的な存在感。好調時と変わらぬ気配。レースはやや躓き気味のスタートで出脚が鈍く後方10番手から。徐々にポジションを上げて最後の直線に向きましたが、今イチ切れる脚が使えず目イチの5着。調教の動きが今ひとつだったように、まだ調子が戻り切っていないのかも。

9着 コアレスピューマ
 JRAの強豪と渡り合い0秒1差の3着、1分10秒9は11年の東京スプリント。衰えが囁かれながら前走で見事に復活V。千二ベスト、内枠有利、前走だけ走って勝ち負けとみていましたが…。この日はマイナス4キロの463キロ。年齢的に大きな変わり身は感じられませんが、いつも通りの気配で順調。レースはスタートひと息でもみくちゃにされる形で後方11番手から。全く競馬になりませんでした。もちろんスタートミスが敗因ですが、9歳馬に過度な期待は無理筋だったかも。

12着 フジノウェーブ
 東京スプリング盃1着以来、約半年ぶりの出走。必ずしも万全とは言えない状態で、現状やや忙しい感じの千二。正直厳しいかなとみていました。この日は増減なしの480キロ。馬体に太目感はないし、淡々とパドックを周回する姿は、ここ一連と同様。外見的には悪くありません。レースは御神本騎手が気合をつけて出たものの、行き脚今イチで8番手から。結局まるで競馬にならず12着と惨敗。正直前途は険しいと言わざるを得ません。