第42回 戸塚記念(S2)

【予想】
◎トラバージョ
〇カイカヨソウ
▲イヴアルブ
△キタサンオーゴン
△ドリームキングダム
△エスケイロード
△カガヤキダンスオー

 船橋移籍を契機に素質開花のトラバージョ。ジャパンDDでも大きくは崩れなかったし、それを糧に黒潮盃はワンサイド勝利。まだまだ上積みが見込めそうな好馬体。距離も問題はなく勝ちっぷり注目でした。実績上位のカイカヨソウが休み明けを苦にすると連下は混沌。

【レース】
 ここ一連と同様にリアライズリンクスがハナを主張。1周ホームストレッチで多少ピッチを上げて2番手以下を離し気味に。これを除けばほぼ団子状態。残り800から俄然ペースが上がり馬群がバラける形。トーセンギネスオーが後退して人気のトラバージョ、カイカヨソウが2、3番手に進出。4コーナーで逃げるリアライズリンクスに並びかけたトラバージョが、最後の直線は独走状態。前走の黒潮盃に続いてのワンサイド勝利を収めました。混戦の2着争いを制したのは、渋い末脚を発揮したドリームキングダム。

【各馬の寸評】
1着 トラバージョ
 千四の新馬を2秒も千切った素質馬。以降トーンダウンも、船橋移籍を契機に4戦3勝とにわかに復活。黒潮盃のメンバーとは勝負付けが済んでおり、あとはカイカヨソウとの比較ですが、相手に休み明けのハンデがあり、分のいい一戦とみました。この日はマイナス2キロの491キロ。大井の最後の頃に比べると、別馬のように逞しくなり、パドックを悠然と周回する姿には堂々たるオープン馬の風格。レースは絶好のスタートを決めて外3番手から。2周目勝負処で自然な形で2番手に上がり、4コーナーでは外併走。最後の直線は正に独走状態で、全く危なげのない勝ちっぷりでした。これなら既にクラシックレース上位組と肩を並べたと判断してよさそうです。

2着 ドリームキングダム
 デビューから九百→千五を2連勝。クラシック候補と謳われた好素材。以降伸び悩むも、格付け後C1、B3を2連勝と復活。真島騎手が追い通しで持って来るように、とにかく追わせるタイプ。距離二一で非常に魅力のある一頭でした。この日はプラス8キロの526キロ。決して太目感はなく、これは成長分と判断。オットリしているのはいつも通り。レースは真島騎手が多少気合をつけて内9番手から。向流しで外に持ち出して追って追って進出。叩き詰めで4コーナー5番手。最後の挑戦もジリジリ脚を伸ばして2着争いを制しました。勝ち馬とは明らかに地力の差ですが、スタミナ勝負に強いところを魅せました。

3着 カイカヨソウ
 道営デビューで既に重賞5勝。東京ダービーでは一旦先頭に立つ見せ場を作って4着。男馬も含めて世代屈指の実力があるのは、自他ともに認めるところ。このメンバーに入れば実績断然。問題は休み明けの長距離戦がどうかという一点でした。この日はプラス11キロの466キロ。デビュー当初はこのくらいの体重で走っていた馬で、全く太目感はありません。いつも通りに落ち着き払っており、あとはレースでの息保ち。レースは出たなりで外4番手から。ちょうどトラバージョをマークする形。流れに乗って最後の直線に向きましたが、追い出してからの瞬発力の差は歴然で、差は開く一方。ドリームキングダムにも交わされて3着に終わりました。やはり諸々条件が厳しかったか…。地力の一旦は見せたので、次走での巻き返しに期待。

4着 リアライズリンクス
 穴人気を集めた黒潮盃は逃げて13着。プラス16キロの馬体増が誤算で、休み明けを激走後でやや楽をさせた感じ。絞れてくれば怖い面もありますが、更に距離が延びて心配もあり印は付けませんでした。この日はマイナス5キロの496キロ。ちょうどいい感じに絞れて適度な気合乗り。明らかに前走以上の好気配。レースは内枠のトーセンギネスオーに少しいじめられましたが、左海騎手が追って追ってハナを主張。1周ホームストレッチで少々ピッチを上げて後続を離し、向流しに入るとペースダウンして息を入れる作戦。巧みなペース配分で4コーナーまでレースをリードしましたが、トラバージョに早目に交わされアウト。ただし大バテはせず2着争いには加わりました。改めて非凡なスピード能力をアピール。次走は当然買いでしょう。

5着 イヴアルブ
 3戦3勝で重賞路線に乗り東京湾C3着に東京ダービー9着。普通に壁に当たったというところですが、ひと息入れて仕切り直し。馬っぷりの良さからはマダマダ伸びシロは大きいはずで、ここは注目していました。この日はプラス12キロの516キロ。やはり数字通りにやや余裕の造り。それとこの馬にしては少し大人しい感じも。レースは出たなりで6番手から。人気2頭をマークする形で進み、4コーナーでは離れた4番手。最後の直線は内を突いて目イチの4着。ただし、多少太目の馬体で勝ちに行く競馬だけに悲観するにはあたりません。次走、自己条件なら確実にモノにできそう。

10着 キタサンオーゴン
 3歳の重賞路線はほぼ皆勤賞。S2、S3レベルなら勝ち負けの実力。レースぶりは荒削りですが、スムーズに運べば圏内の一頭とみていました。この日はプラス1キロの458キロ。ここ一連と同様にフックラとした体つきで毛ヅヤ上々。なおブリンカーは外して。レースはヤンワリ出て序盤は最後方に近いポジション。向流しで一気に動いて中団まで取り付きましたが、そこでスタミナを消耗して10着と大敗。やはりこの距離で自ら動く形になると厳しい。この馬は千六くらいで速い流れになった方が持ち味が生きる。