第46回 ハイセイコー記念(S2)

【予想】
◎ジュリエットレター
〇ブラックヘブン
▲モデールノ(競走除外)
△ポッドルージュ
△グライス
△ドラゴンエアル
△キャンディッド

 1週前の鎌倉記念を圧勝したニシノデンジャラスと五分の成績を残しているジュリエットレターの転入緒戦。順調に仕上がっているとあれば、南関の既成勢力を難なく撃破するとみました。相手には前走ケタ違いの勝ちっぷりを見せたブラックヘブンの昇り調子を重視。紅一点ポッドルージュにも注目。

【レース】
 好スタートを決めたグライスがハナに行き、人気のジュリエットレターが2番手。これをマークしてブラックヘブン。ポッドルージュ、ドラゴンエアルは中団。ペースはスロー。4コーナー先頭に立ったジュリエットレター、これに並びかけるブラックヘブン、2頭が馬体を接して直線へ。残り100で競り勝ったブラックヘブンが、見事に1着ゴールを駆け抜けました。甘くなったジュリエットレターを交わしてドラゴンエアルが2着。

【各馬の寸評】
1着 ブラックヘブン
 二度目の前走で時計を3秒も詰めて圧勝。内を突いて突き抜けた勝ちっぷりはインパクト大。しかも最終追い切りの動きが抜群で、デビュー当初とは別馬の様相。イキナリ重賞挑戦は確かに重荷ですが、それを跳ね返すだけの能力を秘めているとみました。この日はマイナス1キロの468キロ。キリット引き締まった馬体。落ち着きがあるのも好感。デキの良さを確認。レースはスタートはそれほどでもありませんが、流れに乗って自然に外3番手へ。ジュリエットレターをマークする形で4コーナー併走。残り100でこれを競り落とすと、力強い足取りで1着ゴールを駆け抜けました。時計の1分42秒2は大体例年のレベル。現時点で抜けた存在とは言えませんが、距離が延びて良さそうなタイプです。

2着 ドラゴンエアル
 今年の3歳世代にダービー馬インサイドザパーク、昨年の当レースの勝ち馬ソルテを輩出するなどブレイクしたタイムパラドックス産駒、本年2歳の期待馬がこの馬。前走は離れた殿り一気の離れ業。まだ信頼性?でも、怖い存在でした。この日はプラス1キロの489キロ。フックラした造り、活気十分の好気配。シャドーロール装着。レースは出たなりで中団8番手から。勝負処から動いて3コーナー5番手、4コーナー3番手。最後の直線も脚を伸ばして2着に食い込みました。早目に動いた分、それほど切れる脚は使えませんでしたが、今後に繋がる走り。もちろん距離延びて更にいいはずです。

3着 ジュリエットレター
 先週の鎌倉記念を圧勝したニシノデンジャラスとは1勝1敗。ただし、前走は併せ馬の形での2着争いに競り勝ち、そのレース内容からは互角以上の評価。力通りに走れば問題なく勝てるとみていましたが…。この日はマイナス4キロの510キロ。馬っぷりはいいし、体つきに太目感なし。落ち着きもあり好仕上がりと判断。レースはスタートはそうでもありませんが、馬なりで2番手へ。折り合いスムーズに流れに乗り、4コーナー先頭。勝ちパターンとみましたが、結局はブラックヘブンに競り負けて3着。正直案外なレースぶりでした。あまり切れる脚が使えないということか…。次走で改めて真価を問いたい。

4着 ポッドルージュ
 前走はドラゴンエアルの2着。追い込み競馬に乗じた感じもありますが、息の長い末脚が身上で大崩れしないのが強味。上がりのかかる競馬になれば、上位争いに加わる可能性は十分にあるとみていました。この日はプラス2キロの477キロ。デビュー当初に比べると馬体が引き締まり、堂々とした立ち居振る舞い。なおブリンカー装着。レースは1コーナーでファイヤープリンスに外に振られる不利。立て直して追い上げを図りましたが、終始後手後手に回る形。それでも4着まで押し上げる根性はさすが。相手なりで勝ち切れないのが弱味ですが、能力は楽に2勝レベル。牝馬路線なら当然主役級。

5着 ファイヤープリンス
 少頭数でモマれずに運べた前走は、人気馬を抑えて好タイム1着。ただしカリカリした気性の馬で折り合い? 千六の重賞では厳しいとみていました。この日はプラス1キロの490キロ。体重の割にスッキリとした体つき。いつも通りにややイレ込み気味。レースは煽ったというかヤンワリ出て折り合い重視。それでも持って行かれる形で外4番手へ。3コーナーでは内に潜り込み、最後の直線も内目を突いて5着。あの運びを考えれば頑張った方でしょう。見た目より走る馬。現時点では短距離向き。

9着 グライス
 転入緒戦のゴールドジュニアーは4着。追ってひと息伸びず、若干ジリ脚の印象も。道営ではジュリエットレターとぼぼ同じような経緯を歩んでおり、叩き二度目、距離延長で気になる存在でした。この日はプラス4キロの510キロ。体つきはいいし適度な気合乗りで気配良好。レースは好スタートを決めて無理なくハナへ。スローの単騎逃げに持ち込みましたが、4コーナーでジュリエットレターに交わされるとズブズブ。言い訳の利かない負け方になりました。