第20回 マイルグランプリ(S2)

【予想】
◎ジョーメテオ
〇ソルテ
▲トーセンアドミラル
△アイディンパワー
△クリーン
△デイジーギャル
△ピエールタイガー

 スムーズに運べばトーセンアドミラルですが、前がゴチャつく可能性があり過信は禁物。ここは前走の埼玉新聞栄冠賞が全く不本意な競馬に終わった差し馬ジョーメテオに期待しました。好仕上がりの3歳ソルテと前述トーセンアドミラルが本線。

【レース】
 軽量51キロの3歳牝馬デイジーギャルの逃げ。トーセンアドミラル、ピエールタイガーと続いて、内にゴーディーと先行グループは予想通りの顔ぶれ。ソルテは中団のイン。アイディンパワー、ジョーメテオは例によって後方から。ペースはやや平均からやや速目。3コーナー先頭に立つトーセンアドミラル、それに合わせて進出するピエールタイガー。2頭で後続を離して直線へ。激しいデッドヒートの末に、トーセンアドミラルが頭差競り勝ちました。3着争いももつれた末にソルテ。

【各馬の寸評】
1着 トーセンアドミラル
 前走の日本テレビ盃は、速い流れで引っ張るソリタリーキング、ワンダーアキュートを果敢に追いかける競馬。5着に敗れたとはいえ非常に中身の濃い競馬。南関同士で得意のマイル戦なら、多少シビアな流れになっても勝ち負けとみていました。この日はマイナス2キロの534キロ。相変わらず抜群の馬っぷり。少しうるさいくらいに活気があり正に絶好調。レースはスタートを決めてデイジーギャルの2番手。まず注文通りでしょう。道中の折り合いはスムーズ。馬なりで3コーナー先頭に立ち、最後の直線は執拗に食い下がるピエールタイガーとのデッドヒート。頭差競り勝って、実力をアピールしました。距離の許容範囲は広いものの、やはりこの千六くらいが一番合いそう。ハナか外目の番手なら容易に崩れない。

2着 ピエールタイガー
 昨年は年間7勝。その全てが千六で、締めがこのレースという名マイラー。一転して本年は未勝利ですが、折々で地力の一端を披露。前走は距離二四の東京記念で全く基準外。得意の距離に替わり、スムーズに折り合えれば有力な一頭でした。この日は増減なしの497キロ。レースではカッカする面がありますが、パドックではいつも通り落ち着いて集中力を保って周回。順調と判断。レースは内の逃げ先行勢を睨んで、無理をせずに外4番手から、トーセンアドミラルをマークする形でポジションを上げ、最後の直線はデッドヒート。首の上げ下げで惜しくも頭差屈しました。まだ折り合い面など課題は残りますが、マイラーとしての資質は紛れもなく一級品です。

3着 ソルテ
 ハイセイコー記念、ニューイヤーCと重賞2勝。クラシック路線でも常に勝負圏内と、世代トップレベルに異論なし。休み明けに加えて古馬と初対戦は厳しい条件ですが、入念に乗り込まれて仕上がりは進んでいるので、注目の存在でした。この日はプラス3キロの464キロ。数字的には大きく変わりませんが、馬体がひと回り成長した感じで、活気もあり、むしろ春当時よりもいい。レースはテン乗りの和田騎手が多少気合をつけて内7番手から。流れに乗ってポジションを上げ、4コーナーでは離れた外3番手。前2頭を懸命に追いましたが、及びませんでした。正味目イチの競馬ですが、滑り出しとしてはマズマズ。若干詰めが甘い分、もう少し距離があった方がいいのかも。3歳世代全体のレベルもソコソコ高いと判断してよさそうです。

4着 ジョーメテオ
 転入後、マイルの重賞を連続2着。やや短いと思われた千四のオーバルスプリントでは、中央勢に交じって3着と健闘。距離千九で勝機とみていた前走の埼玉新聞栄冠賞はチグハグな競馬で期待外れ。ここは仕切り直し。結果を残しているマイル戦で改めて期待しました。この日はプラス1キロの511キロ。馬っぷりは冴えているし適度な気合乗り。ローテーションが詰まっている影響はないようです。レースは五分のスタートですが、やはりテンには行けず13番手から。徐々にポジションを上げ4コーナーでは6番手。流れ的には好走パターンですが、前が止まらない馬場でもあり、4着が精一杯でした。乗り難しい面があり惜しい競馬が続いていますが、いずれ近いうちにチャンスは巡ってくるでしょう。

5着 アイディンパワー
 前走の東京盃は、メンバー最速の脚を使って地方馬最先着。千六経験、実績では見劣るものの、無欲の直線勝負に賭けてそれがハマれば、大駆けも考えられました。この日はマイナス1キロの501キロ。この馬もトーセンアドミラルに負けず劣らず良く見せるし、踏込も実に力強い。7歳という年齢を全く感じさせません。レースは例によってダッシュが利かず10番手から。内々をロスなく進出して、勝負処から外をマクって出る形。最後の直線もジリジリと詰めてきましたが、切れ味ひと息。やはりこの馬は短距離の差し馬とみるべき。