第13回 ローレル賞(S3)

【予想】
◎トキノセレブ(出走取消)
〇クライリング
▲ハイエストパワー
△ファーストキス
△ペパーミントリボン
△エドノミリアン
△ヴァカンス

 道営1勝のクライリングですが、交流も含めて重賞で揉まれてきた点を評価。ハイエストパワー、ファーストキス、ペパーミントリボンなど船橋勢が多彩。

【レース】
 逃げ想定のネバーシーストップが控えたので、ヴァカンスがハナ。ハイエストパワー、エドノミリアンと続いて、離れた4番手にファーストキス。クライリング、タントタントは中団。大きく煽ったペパーミントリボンは最後方。ほぼ平均ペース。残り800からピッチを上げたヴァカンスがリードを広げ直線へ。2番手に進出したクライリングが、残り100で先頭に立ち、人気に応えました。渋太く粘ったヴァカンスが2着。

【各馬の寸評】
1着 クライリング
 2戦目に挑戦した栄冠賞が2番人気で7着。千二の大外14番枠からハナに行ったスピードに見処。千七の重賞フローラルCでは、一転して差しに構えて外肉薄の3着。やはりハーツクライ産駒だけに、基本は距離延びてのタイプ。1勝馬とはいえ強敵相手に揉まれてきたキャリアは一日の長。この日はマイナス4キロの474キロ。スッキリ仕上がった馬体はインパクト今イチですが、落ち着いた中にも活気を呈し、マズマズの気配。レースは好スタートから御神本騎手が控え気味に進めて中団7番手から。向流しから内々ポジションを上げて3コーナーでは離れた2番手に進出。4コーナーで射程圏内に入れ、残り100でヴァカンスを交わして1着ゴールを駆け抜けました。時計の1分43秒1は及第点。それほど抜けた感じはしませんが、なかなか完成度が高い。

2着 ヴァカンス
 ひと息後の前走を逃げ切って2連勝の上がり馬。今回は重賞挑戦に加えて同型の逃げ多数。かなりハードルは上がりましたが、稽古の動きが抜群で無視できない存在でした。この日は増減なしの455キロ。前走から大きく変わった感じはしませんが、いい意味での平行線。レースは山崎誠騎手がハナを主張して、平均ペースの逃げ。残り800からハロン11秒8と俄然ペースアップして、2番手以下を離し気味に。最後はヴァカンスに捕まりましたが、大バテせずに2着に粘りました。一気にメンバーが上がりながら、緩急をつけた逃げでの好走は、鞍上の好騎乗もありますが、同馬のレースセンスも相当。一介の逃げ馬とは思えません。今後が楽しみです。

3着 ストロベリーラン
 新馬を勝った直後で、メンバー最少のキャリア1戦。この日は増減なしの408キロ。これはメンバー最小体重。それほど細目感はありませんが、ややテンションが上がり気味。能力試験は『A』評価だし、新馬戦も力づくで競り勝つなど、体に似合わぬ底力を秘めた馬ですが、さすがにイキナリ重賞では荷が重いとみていました。レースは真島騎手がやや気合を入れつつ馬を内に寄せて内8番手から。向流しから徐々にポジションを上げて4コーナーでは離れた4番手。最後の直線は外から詰めて差のない3着。11番人気での大健闘でした。人気薄の気楽さが手伝ったのは否めませんが、確かに見た目より芯がシッカリしています。

4着 マリアンズクック
 新馬1着。ひと息入った2戦目の前走は5着。流れ込んだ程度ですが、イキナリの千五を考えればマズマズ。母が06年の当レース1着と血統的な魅力もありますが、さすがにここで勝ち負けは難しいとみていました。この日はプラス3キロの452キロ。ここ一連と同様の気配で順調。レースは町田騎手が気合を入れるもダッシュが利かず後方12番手から。腹を括って道中は内々の経済コースで脚を溜め、4コーナーは5番手まで進出。最後の直線も内を突いてソコソコ迫りました。展開に乗じたとはいえ、一瞬のキレに見処。曲者的な存在で、今後も目が離せません。

5着 タントタント
 道営では新馬勝ちで3戦1勝。転入緒戦の前走は、千二1分13秒8の好タイム勝ち。それもほとんど持ったまま。スピード能力非凡ですが、千六の重賞では印を付け切れませんでした。この日はマイナス4キロの501キロ。馬っぷりはいいし落ち着きもあり好気配。ただし体型的にはやはりスプリンターの雰囲気。レースは距離を意識して坂井騎手が慎重に構えて外6番手から。向流しで外から進出、3コーナーでは外2番手、クライリングと併走。アワヤのシーンを演出しましたが、最後は完全に息切れ。離された5着に終わりました。それでも収穫のある競馬。自己条件のスプリント戦なら迷わず買い。

8着 ペパーミントリボン
 新馬1着以降は7、2、2着。特に前走、少頭数の凡戦での敗戦はいただけませんが、超スローペースに乗りづらい面も。速い流れでスムーズに折り合えば、1番枠も加味して食い込み可能とみていましたこの日は増減なしの464キロ。馬体はキープできていたし、適度に気合も乗りマズマズ。レースは大きく煽った時点で終了。今回に関しては基準外とみるべきでしょう。

9着 ファーストキス
 前走の鎌倉記念は、一旦離されながら、ジリジリ脚を伸ばして人気の一角を崩し2着。追ってからそれほど鋭い脚を使えるタイプではありませんが、稽古は動いているし、単純な力関係からも勝ち負け確実とみていました。この日はマイナス5キロの506キロ。馬っぷりではメンバー屈指。適度に気合も乗り好気配。レースは出たなりで5番手に行きましたが、向流しでペースアップした際に、全く対応できずにポジションを下げて見せ場なし。少々不可解な敗戦。距離が延びると今イチか…。そして基本逃げ馬のようです。

11着 エドノミリアン
 前走1着は、少頭数の手薄なメンバーでそれほど評価できませんが、一応3戦2勝の好成績。脚質自在のレース巧者で相手なりに走りそうな感じもあり、△を打ちました。この日はプラス1キロの481キロ。休み明け好走の反動もなく馬体をキープできており、マズマズの気配。レースは馬なりで3番手を進んだものの、逃げたヴァカンスの緩急をつけた逃げに翻弄される形。勝負処で早くも手応えが怪しくなり後退。それでもこのペースに馬なりで3番手に行くスピードを見せたのは収穫。

12着 ハイエストパワー
 新馬を1分0秒7の好タイム。2戦目はイキナリの千五を逃げ楽勝。3戦目で敗れましたが、番手競馬に対応して2着と一定の前進。このレベルの重賞なら勝ち負けと判断しました。この日はプラス3キロの459キロ。ややスッキリした体つきの馬だけに、少しでも増えたのは好材料。レースはスタートひと息。テン乗りの内田利騎手が多少気合をつけて2番手に行きましたが、エドノミリアンと同じパターンで失速。本質逃げタイプなのか…。