第50回 報知オールスターカップ(S3)

【予想】
◎パワーストラグル
〇エミーズパラダイス
▲スターシップ
△アウトジェネラル
△オオエライジン
△ウインペンタゴン
△ヴォルテックス

 白山大賞典1着など、過去交流重賞で再三上位を賑わせてきたパワーストラグル。転入緒戦の勝島王冠は、叩き台的な色彩が濃く、4着なら上々の滑り出し。明けて8歳とはいえ極端な衰えはなく、この距離、メンバーなら狙い目とみました。逃げ有力なエミーズパラダイスが相手本線。

【レース】
 大外枠の分、やや気合をつけてエミーズパラダイスがハナへ。オオエライジン、スターシップがこれを追う形。1周ホームストレッチではお決まりのペースダウン。そこでポジションを上げたのはアウトジェネラル。パワーストラグル、タマモクリエイトは後方から。残り800からオオエライジン、アウトジェネラルが動いてエミーズパラダイスに並びかけ、ここで一気にペースアップ。3コーナーでオオエライジンが先頭。これを追うアウトジェネラル。2頭が後続を離して直線へ。一旦は振り切られたアウトジェネラルが、渋太く脚を伸ばして肉薄しましたが、オオエライジンがハナ差残して実力のほどをアピールしました。

【各馬の寸評】
1着 オオエライジン
 交流重賞の兵庫GTを2年連続3着。南関でも黒潮盃1着があり、その実力は全国レベル。このメンバーなら1番人気も頷けるところですが、左回りの経験は一昨年の川崎JBCスプリント(6着)のみ。そしてどちらかと言うと短目の距離が合うとみていたので、△までしか付けられませんでした。この日はマイナス4キロの505キロ。遠征慣れしていることもありますが、パドックではいつも大人しいというか落ち着いています。レースは好スタートから、急遽手替わりの張田京騎手が左右の動向を窺いつつ2番手へ。途中ペースダウンした際も折り合いスムーズ。向流しに入ると残り800からスパート。残り600でエミーズパラダイスを交わして先頭。最後の直線はコーナーリングでアウトジェネラルを振り切り逃げ切り態勢。最後際どく詰め寄られましたが、ハナ差残しました。前半を遊ばせて、残り800からヨーイドンの競馬にしたのが、距離をクリアした要因とみますが、やはりここでは格上ということか。

2着 アウトジェネラル
 羽田盃を圧勝して東京ダービーでは堂々の1番人気。ところが見せ場なく6着に敗れ、以降2戦も11、7着と敗退。世代屈指の実力馬も評価が揺らぐところ。長距離の適性も判然としないし、正直半信半疑でした。この日はマイナス8キロの511キロ。これは羽田盃と同じ体重。ハード調教を課してキッチリ仕上げてきたと判断。レースはスタートひと息。ただし、ペースの緩んだ1周ホームストレッチで、自然な形でポジションを上げた御神本騎手の捌きが巧かった。向流しでは3番手に上がり、残り800からオオエライジンを追うように進出。直線に向いた処では一旦振り切られそうになりましたが、そこから渋太く脚を伸ばしてハナ差まで肉薄しました。なかなか見処のある走りで、間違いなく今後の糧になる競馬。世代屈指の実力を再確認。当然今後の重賞路線の注目馬。

3着 スターシップ
 南関転入後11戦はオール重賞レース。一昨年の当レース1着を含めて2勝、2着3回、3着3回の好成績。地味ながらも隠れた実力派。特に長目の距離に高適性。前走の勝島王冠は珍しく7着に崩れましたが、適条件で巻き返しは確実とみていました。この日はプラス1キロの481キロ。年齢的に特に大きな変化は感じませんが、いつも通りの気配で順調。レースは吉原騎手がかなり気合をつけて外3番手から。ただし残り800からの急激なペースアップに対応できず、ここで水を開けられる形。最後はジリジリ脚を伸ばして3着と、いかにもこの馬らしい渋い走り。平均ペース型で、緩急の差が大きい競馬になるとなかなか対処が難しいようです。

4着 タマモクリエイト
 JRAオープンとはいえ、しばらく不振が続いている9歳馬。まずは様子見というのが正直な処でした。この日はプラス17キロの531キロ。多少余裕のある造りでも、決して馬っぷりは悪くありません。気合も乗って力を出せる仕上がりと判断。レースは出たなりで後方から。向流しに入ると、大外を回って進出態勢。ただし前がペースアップした処なので差は詰まりません。長く脚を使って4着まで追い上げればマズマズの滑り出しでしょう。間違いなく長目の距離が合っている馬。決して終わっている感じはなく、条件次第では狙い目が出てくる。

5着 パワーストラグル
 転入緒戦の勝島王冠は、休み明けで59キロを背負いながら、内を突いて一瞬脚を使い4着。今回は斤量57キロ。かなり前のこととはいえ白山大賞典を勝った実力の裏付けもあり、叩いての良化を見込んで◎を打ちました。この日はプラス5キロの485キロ。JRAにいた頃より10〜20キロほど増えていますが、決して太目感はありません。適度に気合も乗って好仕上がり。レースはスタート直後に挟まれて下がる不利。終始後方の馬込みで動くタイミングを逸してしまい、最後ソコソコ詰めたものの5着まで。やや消化不良のレースぶり。次回今一度注目してみたい。

8着 エミーズパラダイス
 川崎二一ではロジータ記念1着。そしてエンプレス杯では逃げて執拗に粘り2着、ミラクルレジェンドを慌てさせたほど。地元の総の国オープンを勝って上げ潮ムードでの出走なら、当然要マークの存在でした。この日はマイナス5キロの471キロ。エンプレス杯の時と同じ。体つきからすると、このくらいがキリッとしてちょうどいい感じ。レースは外枠の分、ちょっと脚を使ってハナを主張。1周ホームストレッチでペースダウン。溜め逃げを打ちましたが、残り800からの1ハロンが11秒5と急激にペースアップ。ここでのオオエライジン、アウトジェネラルのプレッシャーが厳しかった。残り600で交わされてアウト。スタミナの裏付けはあるので、もっと早目にピッチを上げて、少し離し気味に逃げるくらいの方が良かったかも。