【予想】
◎パワーストラグル
〇フォーティファイド
▲スターシップ
△アウトジェネラル
△ツルオカオウジ
△クラーベセクレタ

　転入緒戦の勝島王冠では、59キロを背負ってひと脚使ったパワーストラグル。前走の報知オールスターＣは、出遅れてポジションを悪くしたのが敗因。この中間の気配アップ。斤量55キロで鞍上真島なら狙い目とみました。相手も実績重視でフォーティファイド、スターシップなど。

【レース】
　逃げ候補の１頭、バックトゥジエースが抑え込んだので、必然的にスターシップの逃げ。クラーベセクレタが２番手に行き、その外にツルオカオウジ。ツクバチャーム、アウトジェネラル、パワーストラグルは中団。フォーティファイドは後方から。ペースはスローに近い平均でほぼ一団。３コーナー先頭に立ったツルオカオウジを標的に後続各馬も接近。直線に向いて一旦出たのはツクバチャーム。アウトジネラルもジリジリ脚を伸ばしてきましたが、それらをまとめて差し切ったのがフォーティファイド。戸崎騎手の好リードにも導かれて、健在ぶりをアピールしました。

【各馬の寸評】
１着　フォーティファイド
　昨年の当レースは大外伸びてハナ差の２着。５月の大井記念では２秒差のワンサイド勝利。上半期の主役級。休養を挟み叩き４戦目の前走おおとりオープンを２着と、走る季節を迎えて復調気配。あとひと絞りあればチャンス十分とみていました。この日はプラス１キロの５２８キロ。一見して太目の馬体でモッサリ感はありますが、この馬にしてはマシで、昨年の好走時と同じ雰囲気。走れる仕上がりと直感。レースはダッシュひと息で後方から。この馬には手頃なペースで置かれずに追走。勝負処からワンポイント遅らせてスパート。４コーナーでは６番手。最後の直線は１頭抜けた脚でグイグイ伸びて残り１００で先頭。鮮やかに決めました。こういった上がりのかかるサバイバル戦では実に強い。昨年と同じパターンで、話は早いですが、大井記念では間違いなく最有力候補。

２着　ツクバチャーム
　休み明けの前走はプラス20キロで見た目も太目ながら、吉原騎手の積極果敢な騎乗ぶりに応えて久々の勝利。未完の大器と言われて久しい同馬が、いよいよ重賞挑戦。間隔がない割にハードに追い切って変わり身十分なら、重賞でもソコソコやれそうな感じはありました。この日はマイナス５キロの５４０キロ。多少太目に映るのはこの馬の体型。いつになく気合が乗って良化の手応えはありました。レースは吉原騎手が気合をつけて序盤は中団、徐々にポジションを上げて向流しでは５番手。３コーナーでは２番手、４コーナーでは先頭併走。残り２００では先頭に立ちましたが、フォーティファイドの強襲に屈して２着。ただし１番人気のアウトジェネラルをハナ差抑えた渋い走りがこの馬の真骨頂。持てる能力をフルに出し切りました。馬に気を抜かせずにビシビシ追ってくる吉原騎手とは相性バッチリ。間違いなく長目の距離に適性が高い。

３着　アウトジェネラル
　上がり３ハロン36秒２でまとめて０秒８も千切った羽田盃から、世代屈指の実力馬に異論なし。太目が絞れた前走の報知オールスターＣでは、実力全国レベルのオオエライジンにハナ差まで肉薄。斤量増が微妙ですが、完全復調なったとあれば、素質上位で勝ち負け確実とみていました。この日はプラス１キロの５１２キロ。キリッと引き締まった好馬体で文句なし。レースは出たなりで外７番手から。勝負処から動いて３コーナーでは３番手。完全な勝負態勢でしたが、終わってみればフォーティファイドの切れ味に屈して、前のツクバチャームも捉え切れず。前走もそうですが、どうもレースぶりがジリっぽい。あの羽田盃の切れ味はどうしたのか…。今後も人気先行の状況が続く可能性もありますが、ひとたび雨馬場になれば俄然クローズアップ。

４着　ツルオカオウジ
　大型馬にありがちな脚部難につきまとわれて12年は２戦、13年は３戦を消化したのみ。それでも休み明けのおおとりオープンは一旦先頭の見せ場を作り３着とポテンシャルは相当。折り合いスムーズなら大駆けの可能性は十分にありました。この日は増減なしの５５３キロ。メンバー屈指の巨漢。パワフルな好馬体は目を引きます。レースは好スタートから折り合いに気を遣いつつ外３番手。やや掛かり気味。抑え切れない手応えで３コーナー先頭に立ちましたが、後続のマークが厳しく４着。ただし懸命なイン粘りで見せ場は作りました。年齢の割にレース数は使っておらず、順調に使っていければチャンスも。

５着　タマモクリエイト
　転入緒戦の報知オールスターＣは長く脚を使って４着。プラス17キロの太目だけに大健闘。突き抜けるまではどうかですが、乱戦になれば上位食い込みも考えられました。この日はマイナス４キロの５２７キロ。張りのある馬体は年齢を感じさせません。レースは出たなりで内８番手から。勝負処で下がってきた馬が壁になってポジションを上げられなかったのが誤算。終い詰めて５着はマズマズでしょうか。スムーズに運んだとしても勝ち負けまでは難しかったと思います。

７着　スターシップ
　昨年の当レースは大外16番枠で出遅れ。そこから脚を使って２番手に行って０秒１差なら勝ったも同然の競馬。以降も長目の距離なら確実に上位に入線。今回は逃げも十分にある組み合わせだけに注目していました。この日はプラス４キロの４８５キロ。馬体増好感だし、気合も乗って最近では一番の好気配。レースは隣の枠にいた逃げ候補のバックトゥジエースが即抑え込んだので、ここぞとばかり石崎駿騎手がステッキを振るってハナへ。ただし、勝負処でツルオカオウジに交わされてズブズブは案外。逃げるよりも外目番手の方が合うのでしょうか。

９着　クラーベセクレタ
　もうこの馬には印は付けまいと思っていたのですが、今回は的場文騎手を起用して背水の陣。軽量54キロでもあり△を打ちました。この日は増減なしの４７３キロ。ひと頃減った馬体は戻したし、活気もあり好調時と変わらぬ気配。レースは好スタートを決めて恐らく予定の先行策、２番手に行きましたが、折り合い今イチ。勝負処でズルッと後退して９着。やはり盛りを過ぎた牝馬に大望は酷。

11着　パワーストラグル
　10年の白山大賞典では１秒３差の圧勝。年齢を重ねての南関転入ですが、緒戦の勝島王冠賞は59キロを背負いひと脚使って４着。報知オールスターＣは出遅れが響いて５着。大きな衰えはなく、斤量56キロで真島騎乗なら狙い目とみました。この日はマイナス４キロの４８１キロ。馬っぷりはいいし、適度な気合乗りで前走以上の仕上がりと判断。レースは出たなりで外８番手から。勝負処からスパートして４コーナーは４番手に上がりましたが、ここまでが精一杯。最後の直線は完全に脚が止まって11着に終わりました。これでは前途険しい。