第59回 ダイオライト記念(Jpn2)

【予想】
◎ムスカテール
〇ニホンピロアワーズ
▲トウショウフリーク
△ナイスミーチュー
△アウトジェネラル

 川崎記念でダート王に肉薄したムスカテール。出遅れてかなり気合をつけて行きながらスムーズに折り合うあたり、ステイヤーとしての資質非凡。距離二四で更に前進が見込めるなら、ニホンピロアワーズを撃破できるとみました。楽逃げならトウショウフリークに漁夫の利。ほぼ3頭の競馬。

【レース】
 スタートを決めたのはサミットストーン。ただし、出たなりでハナに行ったのはトウショウフリーク。前走の川崎記念とは違って後続を引き付けての溜め逃げ。人気のムスカテール、ニホンピロアワーズは互いに牽制し合うように3番手併走。ナイスミーチューは中団。ペースは平均。勝負処からスパートしたニホンピロアワーズが4コーナー2番手。直線に向いたあたりではトウショウフリークの逃げ切り態勢でしたが、最後は地力の差。力強く伸び切ってG1馬の貫録を示しました。

【各馬の寸評】
1着 ニホンピロアワーズ
 JCダート1着など千八路線のイメージがありますが、二五の名古屋GP1着、二一の白山大賞典2、1着など長距離OK。決め手を欠いた前走フェブラリーSのレースぶりからも、現状はむしろ長目の距離ベターな感じも。実績断然、天敵ホッコータルマエ不在で当然勝ち負けとみていました。この日はマイナス1キロの527キロ。悠然とパドックを周回する姿は、当代屈指のダート馬の風格。レースはスタートを決めて無理なく外4番手。行きっぷり上々。勝負処から徐々にスパートして4コーナー2番手。一旦は逃げるトウショウフリークに振り切られそうな場面もありましたが、最後は地力の差。残り100からグンと伸びて、楽勝を決めました。完全に勝ちパターンに持ち込んだとはいえ、危なげない勝ちっぷり。今後はこの路線の方が確実性がありそうです。

2着 トウショウフリーク
 名古屋GPでは人気の逃げ馬エーシンモアオバーのハナを叩いて大逃げを打ち2着。前走の川崎記念はホッコータルマエに早目に並ばれた分、苦しくなり3着に敗れたものの、長距離の逃げ馬として存在感アップ。今回も戦法に迷いなし。人気2頭が牽制し合うようだと、残り目は十分にあるとみていました。この日はマイナス1キロの482キロ。コロンとした体型の馬ですが、活気があって踏み込みも力強い。レースは出たなりでハナ。今回は後続を引き付けての溜め逃げと新機軸を打ち出し、最終4コーナーを回った時点では2馬身リード。一旦は逃げ切ったかに見えましたが、最後はニホンピロアワーズの軍門に下りました。負けたとはいえ、十二分に持ち味を出し切ったレース。交流路線の個性派として欠かせない存在。

3着 サミットストーン
 前走の報知GCは本来の前攻めで2着、当レースへの優先出走権をゲット。距離二四は大歓迎ですが、A2の身分で56キロ同士というのはいかにも不利。正直見せ場があれば上出来とみていました。この日はプラス4キロの553キロ。均整のとれた体つきで、超巨漢馬という感じはしません。レースは好スタートを決めて外2番手から。この馬には程良いペースだったのか、実にスムーズな行きっぷり。勝負処でニホンピロアワーズに並ばれて形勢が怪しくなりましたが、大バテでず辛抱が利いて3着に粘りました。流れに乗れたにせよ、JRAの実力馬と一緒になって先行しての好走は価値大。平均ペースの粘着先行型で、二千以上で本領発揮。

4着 ゴールドバシリスク
 転入緒戦は激しく競り合う2頭の離れた3番手をスンナリ進んでの差し切り。前走の報知GPは的場文騎手がなだめつつ折り合いに専念、内を狙い3着。JRA5勝は千二〜千六で本質は短目の距離志向。交流の二四ではとても印は付けきれませんでした。この日はプラス8キロの497キロ。これは減らした馬体を戻した分。あまり気合は表に出さないタイプ。レースは的場文騎手が気合をつけて内5番手に行き、ポジションが決まると抑え込む形。ただし向流しでは内からポジションを上げて4番手へ。さすがに最後は余力がありませんでしたが、ムスカテールに競り勝ち4着は立派。この走りができれば、次に短目の距離を使ってきたら狙いたい。

5着 ムスカテール
 ダート交流に新規参入の川崎記念は、出遅れを挽回すべく気合をつけて行きながら、スムーズな運びでホッコータルマエに肉薄。ダートに対応というより高適性をアピール。真正ステイヤーで距離の二四は大歓迎。強敵ニホンピロアワーズを打ち負かせるとみました。この日はマイナス1キロの478キロ。スラッとした体型の馬で、ダート馬というイメージはありません。適度な気合乗り。レースは岩田騎手が気合をつけて内3番手から。ただし道中やや掛かり気味。それが尾を引いたのか、勝負処での手応えが悪く厳しい状況に。ゴールドバシリスクにも競り負けて5着とは拍子抜け。序盤から歯車が噛み合わなかったのが敗因でしょうか。川崎記念が単なる大駆けだったのか…。次走で改めて真価を問いたい。

6着 ナイスミーチュー
 地方初参戦の名古屋GP3着。展開に乗じた感じもありますが、息の長い末脚が売りで長距離に高適性は間違いなし。展開がもつれてサバイバル戦になれば、食い込むチャンスはあるとみていました。この日はマイナス2キロの516キロ。馬格の割に意外とスッキリとした体つき。気合乗りは良好。レースは小牧太騎手が気合をつけて外8番手から。ただし全くポジションを上げられず、流れ込んだ程度の6着。メリハリのない競馬で見せ場なし。よほど手薄なメンバーでないと交流での好走は難しい。