第26回 かしわ記念(Jpn1)

【予想】
◎ワンダーアキュート
〇コパノリッキー
▲セイクリムズン
△ゴールスキー
△アドマイヤロイヤル

 前走のフェブラリーSでは馬込みを捌くのに手こずったワンダーアキュート。ただし地方参戦時は先行策が定番。このメンバーなら逃げるコパノリッキーの2番手が予想されるので、力でねじ伏せるとみました。ほぼコパノとの行ったまま。折り合って先行ならセンクリムズンの残り目。ゴールスキー、アドマイヤロイヤルの追い込み勢は仕掛け処が微妙。

【レース】
 コパノリッキーの出遅れは想定外。内から出たなりでセイクリムズンがハナに行き、ゴールスキー、ワンダーアキュートの並び。コパノリッキーは無理にポジションを上げず外5番手。ペースはスロー。残り600から徐々にペースアップ。コパノリッキーもマクって出て4コーナーでは4頭併走の形。デッドヒートになりましたが、残り200で大外コパノリッキーが先頭。危なげなく押し切りました。セイクリムズンが逃げ粘って2着。

【各馬の寸評】
1着 コパノリッキー
 フェブラリーSを16頭立て16番人気で勝利。展開に恵まれたきらいもありますが、王者ホッコータルマエを抑えたのは厳然たる事実。兵庫CSでベストウォーリア、ソロルなどを千切った素質馬が復活なったとあれば当然注目。本物かどうか、正に真価を問われる一戦になりました。この日はプラス2キロの530キロ。少し太目に映るくらいですが、腹目がタップリとして堂々たる好馬体。スケールの大きさを感じさせます。レースはよもやの出負け。ただし田辺騎手が腹を括っての待機策。外5番手で前の有力処を見る形。残り600から徐々にピッチを上げて前を追い、4コーナーでは4頭の大外併走。残り200で先頭に立ち、危なげなく押し切りました。逃げ切り、あるいは先行抜け出しが好走パターンだったのが、この日はヨーイドンの瞬発力勝負での鮮やかな差し切り。やはり器がでかい。スマートファルコン、エスポワールシチーに続くゴールドアリュール産駒の大物に成長する可能性を秘めています。

2着 セイクリムズン
 黒船賞3連覇を達成。既に名馬の称号を与えられる域に。問題は千六対応。昨年の当レースはホッコータルマエから1秒3差の5着ですが、フェブラリーSで0秒3差の4着、南部杯で0秒7差の3着があり、決してこなせないわけではありません。今年のメンバーのレベル、スンナリ先行の可能性を考えると怖い存在でした。この日はプラス3キロの514キロ。黒光りする好馬体は健在。パドックで周回を重ねるにつれて気合も乗りいつも通りの好気配。レースは出たなりで折り合いに専念。コパノリッキーが出負けしたこともあり自然にハナ。スローペースで溜め逃げの形。残り600からピッチを上げて後続馬の動きに対応。4コーナーでは3頭に並びかけられましたが、脚を溜めていただけに頑強な粘り。コパノリッキーの切れ味には屈したものの2着を死守しました。展開の利があったとはいえ、古豪健在をアピール。

3着 ワンダーアキュート
 前走のフェブラリーSはやや脚を余した感じの6着。中央では差しに構えるケースがほとんどですが、こと地方を使ってきた際は先行策が定番。特に今回は逃げ候補がコパノリッキーのみで、その2番手に行ける公算が大。それなら底力で勝ち切れるとみていましたが…。この日はマイナス7キロの509キロ。昨年9月に日本テレビ盃を勝った際が、3ヶ月ぶりでマイナス12キロの502キロ。ほぼ同じような感じ。体重の変動の大きな馬ですが、見た目この500キロ台がちょうどいい。最近はスッカリ落ち着いてきました。レースは武豊騎手が内の動向を窺いつつ外3番手。ほぼ想定通り。勝負処からコパノリッキーのスパートに合わせて動き4コーナー併走。ここから抜け出してくると期待していたところ、コパノリッキーには瞬発力負け。そしてセイクリムズンを捕まえ切れず3着は案外。やはり今のこの馬に千六は忙しいのか…。年齢的に今後過度な期待をかけるのは禁物かも。

4着 ゴールスキー
 名馬ゴールドアリュールの弟。1年前からダート路線に転向してすかさず3勝ゲットはさすが。特に根岸Sの切れ味は抜群。今回は地方へ初参戦。スローペースになった際の仕掛け処がポイントでした。この日はマイナス10キロの482キロ。ただし全く細目感はありません。根岸を勝った際が484キロで、これは絞れた分と判断。気合乗りもいい。レースは好スタートから出たなりで2番手。スローペースに自然に対応して上々の滑り出し。スムーズに折り合い4コーナー併走。脚質を考えると、追い比べになればこの馬に一番分が良さそうでしたが、結果は2着争いにも後れを取り4着。これが力の差でしょう。それとこの馬は速い流れで差しに構える形が合う。

5着 アドマイヤロイヤル
 前走のフェブラリーSは14着ですが、着差は1秒圏内。それを除けばここしばらくは掲示板を外しておらず、脚質に反して堅実駆け。稽古も動いておりそれなりに気になる存在ではありましたが、やはり展開を考えると連下までの評価。この日はマイナス15キロの511キロ。ただし馬っぷりはいいし、気合乗りも十分。これは絞れた分と判断。レースはスタートひと息。それでもペースが遅く内4番手へ。残り600からペースアップした際に、前4頭から少し置かれる形。最後の直線は外から追い上げる体勢でしたが、同じ脚で差は詰まらず5着止まり。展開が向かなかったとも言えますが、やはりこれが実力差でしょう。