第60回 東京ダービー(S1)

【予想】
◎ハッピースプリント
〇ドラゴンエアル
▲ドバイエキスプレス
△サーモピレー
△ナイトバロン
△ワタリキングオー
△ノーキディング
△スマイルピース

 危なげなく1冠目をゲットしたハッピースプリントは、折り合い自在で距離延長不問。というよりも他馬に比べれば加点材料。もちろん仕上げに抜かりはなく不動の◎。相手は横一線ですが、京浜盃の鬼脚を見直せばドラゴンエアルが筆頭で、次いで羽田盃2着のドバイエキスプレス。

【レース】
 内から戸崎サーモピレーが行く体勢でしたが、これを制してハナを主張したのが橋本エスティドゥーラ。吉原ハッピースプリントは早目に4番手から。本田正ナイトバロン、岩田ノーキディングと続いて、的場文ワタリキングオー、川島ドバイエキスプレス、今野ドラゴンエアルは後方から。テンの入りは速かったものの、道中ペースダウンして3コーナー手前ではほぼ一団。手応え抜群に動いたハッピースプリントが4コーナー2番手。残り300でサーモピレーを交わして先頭。危なげなく1着ゴールを駆け抜け2冠を達成しました。スマイルピースが2着と大健闘。

【各馬の寸評】
1着 ハッピースプリント
 JRA芝挑戦の2戦を除けばダート7戦全勝。京浜盃、羽田盃と危なげなく勝ち抜き、万全の態勢で本番へ。ほぼ死角のない大本命でした。この日はマイナス3キロの520キロ。例によってパドックでは堂々たる貫録で周回を重ね、羽田盃のデキを維持。レースは吉原騎手が多少気合をつけて4番手、理想的な滑り出し。ペースダウンを見計らってソツなくポジションを上げ4コーナーでは2番手。残り400からラストスパートをかけると、ハロン11秒台の脚を使ってサーモピレーを交わし、再びワンサイドで2冠を達成しました。絶対能力の高さはもちろんのこと、ペースの緩急に全くリズムを崩さずに対応できるレース巧者で、距離延長など意に介さず。ジャパンダートダービーでの3冠達成に期待が高まります。

2着 スマイルピース
 羽田盃では6着と厚い壁に跳ね返されたものの、勝ちに行く競馬に好感。前走の東京ダービートライアルで混戦を制し最終切符をゲット。その強運を追い風に、改めての挑戦で前進可能とみていました。この日はプラス4キロの504キロ。均整の取れたスカッとした体つきの馬。馬体増は成長分でしょう。レースは連続騎乗となる楢崎騎手が出たなりで内7番手から。流れに沿ってポジションを上げ勝負処では4番手に進出。手応え良く最後の直線は外に回して前を追う体勢。さすがにハッピースプリントには及びませんでしたが、3着には2馬身の差をつけて2分6秒7の2着。トライアルの9秒0から大きく時計を詰めて、相手なりの競馬でマダマダ走れる可能性を示唆しました。決してフロックではありません。

3着 サーモピレー
 南関転入後は一連の重賞路線で惜敗が続いていましたが、ブリンカー装着でハナに拘った前走の東京湾Cが4馬身差の圧勝。必ずしも距離が延びていい感じはしませんが、勝ちパターンが確立したとみれば、今回も逃げ濃厚だけに怖い存在でした。この日はプラス3キロの513キロ。転入当初に比べると体つきがシッカリしてきたし、適度な気合乗りで申し分なし。レースは好スタートから戸崎騎手が外各馬の動向を窺いつつ先行。エスティドゥーラに行かせて2番手はある程度織り込み済みか。道中の折り合いはスムーズ。馬なりで4コーナー先頭。ただし、すぐ背後にハッピースプリントに来られては分が悪く、残り300で交わされるとあとはイン粘り。3着は力通りの結果でしょうか。やはり基本的にマイラータイプの感じ。

4着 ドラゴンエアル
 上がり3ハロン35秒8の鬼脚でハッピースプリントに迫った京浜盃が見処満載。ドバイエキスプレスに競り負けて3着の羽田盃が不満ですが、無欲の直線勝負に賭ければ、昨年のダービー馬インサイドザパークと同じタイムパラドックス産駒という血統背景からも注目していました。この日はマイナス2キロの496キロ。体つきに幅が出だし、以前よりも闘志が前面に出て好気配。レースはヤンワリ出てほぼ殿りから、正味直線勝負。恐らくこれは想定通りで京浜盃の再現を狙ったのでしょう。ただし意外に道中ペースが落ち着いて、前残りの展開になったのが誤算。4着まで押し上げればマズマズ納得。いずれ鬼脚が炸裂する機会があるはずです。

5着 ツルマルブルース
 クラウンC3着、東京湾C5着と、遠征に矛先を向けて着実に地力強化。スケール的に?ですが、終い確実に脚を伸ばしてくるので、距離二千でサバイバル戦になれば、浮上の可能性ありとみていました。この日はプラス7キロの464キロ。前走のプラス5キロに続いての体重増は成長の証。全く太目感なく好仕上がり。レースは出たなりで外12番手から。これも正味直線勝負で目イチの5着。やはりこのレベルの争いになると善戦止まりというのが現状の力量。

6着 ワタリキングオー
 岩手からの転入馬でインパクトは薄い馬ですが、前走のクラウンCは鋭い末脚を駆使して人気のサーモピレーを撃破。兄ブルーヒーローは5年前のダービー2着馬という血統背景。的場文騎手が悲願のダービー制覇なるかという話題性もあり、注目の一頭でした。このひはプラス2キロの495キロ。フックラとした馬体に適度な気合乗りで好調キープ。レースはスタートひと息で後方12番手から。ここから全く動けず、4コーナーではドラゴンエアルと並んで最後方。これでは厳しい。僅かに詰めた程度の6着に終わりました。今後の成長力は未知数ですが、とりあえず今回は展開不向き。

7着 ドバイエキスプレス
 雲取賞1着は、最内強襲でハマった感じ。前走の羽田盃は、休み明けで馬体が減っていたこともあり、全く軽視していましたが、ドラゴンエアルに競り勝ち2着と、予想以上の底力。反動は気になりますが、力的には当然重い印が付く馬でした。この日はマイナス1キロの447キロ。決して細目感はありませんが、ややこじんまりした感じで上積みは? レースはヤンワリ出て後方13番手から。他の追い込み勢と同様に全くポジションを上げられず直線勝負。これも僅かに詰めた程度の7着に終わりました。この手の追い込みタイプだけに、展開次第でこの結果は仕方ない面も。ただしやはりもう少し馬体の成長が欲しい。