第35回 サンタアニタトロフィー(S3)

【予想】
◎ソルテ
〇サトノタイガー
▲ジョーメテオ
△ジェネラルグラント
△グランディオーソ
△トーセンアドミラル
△キスミープリンス

 フルゲートの大混戦で展開も微妙。混戦に強い差し馬で、ある程度前々でも運べるソルテを連軸指名。大外枠微妙でもスピード魅力サトノタイガー、追い込み一発ジョーメテオ、折り合えばジェネラルグラントなど実に多彩なメンバー。

【レース】
 注目の主導権争いは、大外枠から半ば強引にサトノタイガーが行き切る形。トーセンアドミラルは一歩引いて、外2番手に上がったのがセイントメモリー。ゴーディー、ピエールタイガーなど先行タイプが続き、ソルテは中団。ジョーメテオは例によって後方から。ペースは平均よりやや速目。4コーナーで先頭に並びかけたセントメモリーが、残り200で先頭に立ち、危なげなく差し馬勢を抑えて見事に当レース連覇を達成しました。直線勝負に賭けたグランディオーソが2着。

【各馬の寸評】
1着 セイントメモリー
 昨年のこのレースは1番人気で逃げ切り勝ち。当然注目すべき存在ですが、同型馬に外から殺到される展開を予想すると? 来るとすれば行き切れた際とみていましたが…。この日はプラス1キロの492キロ。それほど気合を表に出さないタイプですが、この日は活気があり非常にいい感じ。休養明けの中では間違いなく一番。レースは本橋騎手が気合をつけてハナに行く姿勢。出脚で上回るトーセンアドミラルに行かれてしまいましたが、ここで即外に切り替えたのが好判断。更に大外から被せるようにサトノタイガーがハナに行き、巧い具合にその外2番手をゲット。内に閉じ込められる形になったトーセンアドミラルとは対照的。昨年の交流オーバルスプリントでは2番手からの競馬でタイセイレジェンドなどを一蹴しており、この形なら競馬になります。スムーズに折り合い4コーナー併走。残り200で先頭に立ち危なげなく抜け出しました。本橋騎手の好騎乗で流れに乗れたこともありますが、復調ぶりも見逃せません。昨年の連勝街道の夢よもう一度の可能性も。

2着 グランディオーソ
 早くから大物の呼び声が高かった同馬が、いよいよ重賞に挑戦。魅力はありますが、必ずしもテンの行き脚がいい方ではないので、超ハイラップが予想される今回、置かれ過ぎる懸念も。多頭数をどう捌くかも課題。過剰に人気になると嫌な感じもしました。この日はプラス1キロの505キロ。いつも通りドッシリ構えて風格があります。レースはスタートひと息。御神本騎手が気合をつけて11番手から。道中はポジションを上げられず正味直線勝負。上がりのかかる競馬に乗じて外強襲、2着に押し上げました。展開に恵まれたきらいもありますが、改めて素材の良さをアピール。今後は長目の距離も含めて、重賞路線での活躍に期待。

3着 ジョーメテオ
 昨年の当レースが南関東への移籍緒戦。豪快に追い込んでセイントメモリーの2着と好発進。脚質的に信頼度は今イチですが、末脚の破壊力は当代屈指。休み明けで太目の前走を叩いての変わり身を見込めば、狙い目十分とみていました。この日はプラス1キロの522キロ。増えてくるとは予想外でしたが、見た目に太目感はなく、むしろ引き締まった感じ。活気も横溢。レースはこの馬としてはまともに出ましたが、定位置の後方から。3コーナー手前から大外をブン回る形でマクって出て4コーナーでは4番手に進出。最後の直線はその惰性という感じでジリジリ。一旦は2番手に上がったものの、直線勝負のグランディオーソに交わされて3着に終わりました。脚質的に仕方ないとはいえ、ロスの多い競馬。年齢的な衰えはなく、常にマークが必要な馬です。

4着 ツルオカオウジ
 大型馬にありがちな脚部難につきまとわれて、5歳時は2戦、6歳時は3戦を消化したのみ。それでも出てくれば確実に着をゲットする実力派。千六の時計もあるので、一概に侮れない存在でした。この日はマイナス4キロの547キロ。いくらか体が絞れて馬っぷりの良さは相変わらず。気合乗りも上々。レースはテン乗りの達城騎手が気合をつけて11番手から。追走に手こずってポジションを上げられませんでしたが、最後の直線は内を突いて差を詰め2着争いには加わってきました。順調に使っていければ、近いうちにチャンスがあるかもしれません。

5着 ゴーディー
 的場文騎手に手替わりした前走の武蔵野オープン。15頭立て13番人気でのミラクルV。約2年ぶりの勝利。時計的にはこのメンバーに入ってもヒケは取りませんが、かなり逃げ先行争いが激化しそうな展開面を考えると、連続好走は難しいとみていました。この日はプラス6キロの491キロ。パドックではいつも通りに淡々と周回。ただし徐々に気合が乗って、デキ上昇を確認。レースは同型多数を意識した鞍上が、出たなりでの捌き。外4番手とマズマズのポジションに収まり、勝負処では3番手に。結果的には5着ですが、あの流れで2着争いに加われたのは評価できます。どうやら復調は本物とみてよさそう。

8着 トーセンアドミラル
 川崎でスパーキングサマーC、大井でマイルグランプリ、船橋で京成盃グランドマイラーズと、千六の重賞を3勝。その何れも2番手抜け出し。内目の枠を引いた今回、外から被された際の対応がカギでした。この日はプラス2キロの541キロ。気合乗り十分の好馬体は健在。レースは川島騎手が気合をつけてハナに行く構え。モマれるのを嫌った納得の作戦ですが、大外枠の吉原サトノタイガーが強行策でハナに拘ったのが誤算。これに行かれて引く形。更にセイントメモリーに来られて内に閉じ込められてしまいました。周囲を囲まれて道中ストレスが溜まった感じ。最後の直線は内を突いたものの伸び脚はサッパリ。あそこで即外2番手に切り返していれば結果は違ったと思いますが、流れ的に仕方なかったか…。力負けではなく展開のアヤ。

9着 サトノタイガー
 前走の川崎マイラーズは、大外枠から先手を取り切って、ハイラップをものともせず快勝。今回は更に強力な同タイプが揃っての16番枠。過酷な状況ですが、それでも狙いたいほど魅力のある馬でした。この日はマイナス5キロの470キロ。ややテンションが上がり気味。馬体的には現状維持程度。レースはスタートひと息。それでも吉原騎手が絶対譲らぬ強い覚悟でハナを主張。2コーナー過ぎでようやくハナへ。道中も緩みないラップ刻みましたが、さすがに序盤の無理がたたったのか、最後の直線でセイントメモリーに交わされギブアップ。今回に関しては枠順不利。

10着 ソルテ
 堅実無比の同馬が、◎を打った時にここまで着順を落とすとは…。この日はマイナス4キロの480キロ。もうひと絞りといった体つきですが、大体いつもこんな感じ。落ち着いてパドックを周回する姿も通常。順調と判断。レースはテン乗りの張田京騎手が気合をつけて中団8番手から。内々進出して4コーナー6番手。レースぶりもほぼ描いた通しでしたが、今回はサッパリ伸びず10着と大敗。急遽の手替わりで勝手が違ったのでしょうか…。