第6回 勝島王冠(S3)

【予想】
◎ハッピースプリント
〇トーセンアドミラル
▲カリバーン
△ユーロビート
△ツルオカオウジ
△バトードール
△ガンマーバースト
△アウトジェネラル

 ジャパンダートダービーではカゼノコの末脚に屈したハッピースプリントですが、正攻法の競馬で2分3秒9の好タイム。例年の勝ち馬に勝るとも劣らぬ超一流の実力は疑う余地なし。仕上がり万全なら古馬を圧倒するとみました。トーセンアドミラルが逃げてどこまで粘るかも焦点。

【レース】
 予想通り無理なくトーセンアドミラルがハナ。掛かり気味にこれを追いかけたのがガンマーバーストとツルオカオウジ。ユーロビートが続いて、注目のハッピースプリントは外に切り替え5番手。直後にカリバーン。ハブアストロールは離れた後方。ペースはスローに近い平均。4コーナー先頭に並びかけたツルオカオウジが、最後の直線では一旦先頭。ハッピースプリントは伸び今イチ。その外から脚を伸ばしてきたのがカリバーン。ただしそれらをまとめて差し切ったのは後方強襲のハブアストロール。カリバーンが2着で、内目を伸びたトーセンヤッテキタが3着。大波乱の結末となりました。

【各馬の寸評】
1着 ハブアストロール
 後方強襲の個性派で、確実に脚を伸ばすタイプ。ただし、勝ちタイムを1分51秒台に想定すると、不良馬場の多頭数でもあり、正直間に合うとは思いませんでした。この日はプラス10キロの546キロ。デビュー以来の最高体重でやや太目に映りますが、これはいつものこと。気合が乗って悪くありません。レースは例によってダッシュが利かず後方14番手から。離れた後方だけに、自由なコース取りで内々をロスなく進出。最後の直線は外に持ち出して、豪快に差し切りました。意外に全体時計、上がり時計ともにかかる競馬に乗じた点は否めませんが、益々存在感アップ。本来はもっと長目の距離が合う。

2着 カリバーン
 芝志向のイメージもありますが、昨年の当レースは1分52秒4で3着。稽古動いて好仕上がりなら、人気的にも魅力のある馬でした。この日はプラス4キロの482キロ。馬体をフックラ映して活気もあり好気配。レースは好スタートから無理なく外6番手と、昨年と同様の運び。人気のハッピースプリントをマークする格好。かなり外を回るロスはありましたが、手応え良好。最後は勝ち馬の強襲を食ったものの、渋い走りで2着を確保しました。年齢的な衰えは感じられず、次走もマーク必須。

3着 トーセンヤッテキタ
 大井の千八に良績を残しているとはいえ、自己条件で勝ったり負けたり。時計的にも重賞レベルには達しておらず、ノーマークでした、この日はマイナス1キロの520キロ。相変わらず馬っぷりはなかなかいい。レースは張田昴騎手がかなり気合をつけて中団9番手から。勝負処から追って追って先行グループに取り付き、最後の直線は内目に進路を。これも上がりのかかる競馬に乗じて3着に押し上げました。なかなか見処のある内容ですが、相手なりの面があるので、これで自己条件戻りで勝てるかとなると疑念も。

4着 ツルオカオウジ
 重賞タイトルは3歳黒潮盃の1勝のみですが、距離オールマイティの実力派として、重賞路線では不可欠の存在。実力の割に人気にならないタイプでもあり、妙味ある一頭でした。この日はマイナス2キロの551キロ。ドッシリと貫録があり、少々太目に映りますが、活気があり調子を上げている雰囲気。レースはスタートひと息、達城騎手が気合をつけて外2番手へ。やや掛かり気味。最終4コーナーでは先頭併走。直線では一旦先頭に立ちましたが、外内から殺到されて4着。前に行った3頭の中では最先着ですから、健闘の部類でしょうか。まだまだその能力は捨て難い。

5着 ハッピースプリント
 3冠の夢は断たれたものの、英気を養い復帰緒戦。仕上がりは進んでいるし、斤量56キロも有利。S3レベルの重賞なら正直負けられないと思いました。この日はプラス6キロの530キロ。全く太目感はありません。適度に気合も乗り、クラシックシーズンと変わらぬ気配。レースはスタートしてやや躓き気味。ただし大過はなく、吉原騎手が多少仕掛けて先行。向流しでは外に持ち出し5番手。流れを考えれば理想的なポジション。ただし、勝負処からの反応が従来とは全然違う。外から合わせてきたカリバーンに脚いろ見劣り黄信号。最後の直線、吉原騎手が懸命にステッキを振るうも、反応鈍く5着に敗れ去りました。敗因は若干躓いてリズムを崩したこと。道悪で泥を被ったこと、休み明けでレース勘が伴っていなかったこと。色々考えられますが、次走で改めて真価を問いたい。

6着 ガンマーバースト
 昨年のこのレースの覇者。ただし、本年未勝利。自分の形に持ち込んでも入着ライン。若干下降ムードだけに、精々が△の評価。この日はマイナス2キロの488キロ。馬体はキープできていたし、気合も乗って悪くはありません。レースは好スタートから森騎手が気合をつけて外2番手をツルオカオウジと併走。やや掛かり気味。4コーナーではトーセンアドミラル、ツルオカオウジと3頭併走。ただし直線半ばでツルオカオウジに競り負け、差し馬勢にも殺到されて6着。これが現状の力量でしょうか。今後も勝ち負けまでは難しい。

7着 ユーロビート
 前走の埼玉新聞杯は1番人気でよもやの4着。不可解な敗戦ですが、初コースを気にしたためと割切れば見直す手。ただしこの馬にはやや忙しい千八と、不良馬場がポイントでした。この日は増減なしの539キロ。馬っぷりは冴えており気配落ちなし。レースは真島騎手が気合をつけて先行3頭から離れた4番手を進みましたが、そこから追い上げる脚は見られずメリハリのない走りで7着。やはりこの馬場で千八は厳しかったということか。

11着 トーセンアドミラル
 休み明けの前走マイルグランプリは、フルゲート16頭の大外枠でポジションを悪くして9着。今回も外目の枠ですが、一見して逃げも可能なメンバーだけに、馬場を考えても怖い存在でした。この日はプラス6キロの540キロ。気合乗り十分の好馬体は健在です。レースは好スタートから無理なくハナ。ただしツルオカオウジ、ガンマーバーストに絡まれて、ペースの割に息の入らない流れ。それが響いたのか最後の直線では早々に後退して11着。現状ハナに拘るよりも、2番手あたりの方が競馬がしやすいのか…。あるいは状態が戻り切っていないのか…。