第52回 ゴールドカップ(S3)

【予想】
◎ソルテ
〇セイントメモリー
▲リアライズリンクス
△ミラーコロ
△ケイアイヘルメス
△サトノデートナ

 休み明けのマイルグランプリはやや太目に映ったソルテ。それがいつになく積極的に攻めてソコソコ粘れたのは収穫。攻め気配一変、得意の左回り、展開からも連軸信頼。実績上位セイントメモリー、上がり馬リアライズリンクスは兼ね合いカギ。もつれて△勢の浮上も。

【レース】
 予想通り序盤はセイントメモリー、リアライズリンクスのつばぜり合い。かなり脚を使わされる形でリアライズリンクスがハナ。吉原ソルテが今回も積極策でこれにジカ付け。セイントメモリーは一歩引いて3番手。ナイキマドリード、ジェネラルグラントと続いて緩みない流れ。リアライズリンクスにプレッシャーをかけるソルテ。2頭が後続を2馬身離して直線へ。結局は行った行ったの競馬で、リアライズリンクスが頭差凌ぎました。満を持して末脚に賭けたケイアイヘルメスが3着。

【各馬の寸評】
1着 リアライズリンクス
 休み明けの5浦和では、翌日のさきたま杯を1秒1も上回る破格の好タイムV。以降連戦連勝。前走はプラス12キロの大幅馬体増ながら全く太目感なく心身ともに充実。厳しいマークに遭うのは必至だけに過信は禁物ですが、当然V有力候補。この日はプラス2キロの509キロ。本当に体つきがシッカリしたし、程良い気合乗り。レースは包まれるのを嫌った内枠のセイントメモリーが序盤激しく抵抗。先手を取り切るまでかなり脚を使う破目に。ようやくハナに立ったところに今度は外からソルテが接近。残り600からは半馬身差で突つかれる形。最後の直線、一旦振り切る気配もありましたが、相手もさる者。再び詰め寄られましたが、何とか頭差凌ぎました。並みの馬ならオープンの壁に当たるはずの流れで勝ち切るのだから大したもの。そのスピード能力は交流レベルでも通用。問題は完全に戦法が固定しているので、今回以上にテン速い同型馬がいた際の対応でしょう。

2着 ソルテ
 距離万能のレース巧者として今や南関の重賞には欠かせぬ存在。休み明けの前走マイルグランプリは、多少重目ながら積極的に攻めて際どい4着。叩かれ攻め気配一変。重賞のニューイヤーCを1秒8も千切ったゲンのいい浦和コースでもあり、狙い目とみました。この日はプラス14キロの500キロ。これは予想外。確かにややコロンと映りますが、体型的なものもあるし…。正直一抹の不安はありました。レースは好スタートを決めて今回も吉原騎手が積極的に前に出して2番手へ。そう易々とは逃がさないぞ、という決意がヒシヒシ。残り600からは更にプレッシャーをかけて半馬身差。最後の直線、一旦は水を開けられそうでしたが、そこから根性というか、吉原騎手の渾身の左右ステッキに叩き出されて肉薄。惜しくも頭差及びませんでした。この走りができれば、そう遠からずニューイヤーC以来の重賞ゲット。

3着 ケイアイヘルメス
 7月の浦和戦ではリアライズリンクスに0秒6差の3着。完全なスピード負けですが、ジックリ抑える競馬で展開がハマると、実に小気味いい末脚を繰り出す馬。ここは前がやり合う展開も予想されるので、ヒモ穴に狙う手はあるとみていました。この日はマイナス9キロの523キロ。馬っぷりは相変わらず冴えているし、何より落ち着きがあるのは好感。レースは今野騎手がヤンワリ出て極力末脚を温存させる作戦。3、4コーナーから一気呵成にマクり上げて大外へ。最後の直線も脚を伸ばしてジェネラルグラントとの3着争いに競り勝ちました。ハマればこのくらいの競馬はできる馬。安定感は今イチですが、常に怖さはある。

4着 ジェネラルグラント
 東京ダービー2着など世代屈指の強豪ですが、非凡なスピード能力を発揮したフジノウェーブ記念1着以降はマイル以下の路線。近走の成績から勝ち負けまではどうかと思いましたが、ソコソコ食い込む可能性はあるとみていました。この日はプラス3キロの538キロ。いい時に比べるともうひと気合といったところ。レースは石崎駿騎手が気合をつけて内4番手から。強気の攻めで3コーナー過ぎには先行2頭の直後へ。最後の直線は外に切り替えてジリジリ脚を伸ばしましたが、ケイアイヘルメスにも競り負けて4着に終わりました。ただし、速い流れを無理なく追いかけるスピード能力に見処。千二〜千四路線でいずれ勝機を掴めそうです。

5着 ミラーコロ
 7月の浦和でリアライズリンクスに完敗を喫していますが、当時は休み明け。以降重賞のスパーキングサマーCを3着とデキ上昇をアピール。得意の浦和コースで3連圏内にはマークしたい一頭でした。この日はマイナス1キロの492キロ。馬体をフックラ映して適度な気合乗り。好調キープは間違いなし。レースは出たなりで後方9番手から。やはりこのメンバーの高速決着では、差しに徹して前崩れを待つしかないようです。流れが向いて5着は、ほぼ力通りでしょうか。今後は手薄なオープン特別に活路。

8着 セイントメモリー
 前走のマイルグランプリは、59キロを背負って実に勝負強い走り。マイラーとしての実績はピカイチ。今回は58キロと斤量減。あとはリアライズリンクスとの兼ね合い。外目番手に行ければOKですが、相手より内枠を引いたので、絶対ハナを主張する相手に対し、どこで外に切り替えるか。まごまごしているとナイキマドリード、ハードデイズナイトあたりにも殺到されて、内に閉じ込められる最悪のパターンも。この日はプラス4キロの505キロ。比較的大人しいタイプですが、一時の低調期に比べると活気があって、本当に具合が良さそうです。レースは好スタートから本橋騎手が気合をつけてあわよくばハナに行く姿勢。コーナーで引いてスムーズに外に切り替えましたが、リアライズリンクス、ソルテの前2頭に若干離された3番手。追走に余裕がなく、3コーナーあたりでは3番手グループに吸収される形。ほとんど見せ場がなく8着に終わりました。序盤にリアライズリンクスをいじめたのは、自身の負担も大きかったということか。やはりこの馬は過去11勝の千六ベスト。