第65回 全日本2歳優駿(Jpn1)

【予想】
◎ディアドムス
〇ラッキープリンス
▲タイセイラビッシュ
△タップザット
△ワンダフルラスター

 ブリンカー効果で行きっぷり豹変。抜群の手応えで抜け出した北海道2歳優駿が圧巻のディアドムス。あの競馬ができれば小回り川崎の千六にも対応できるはず。今年のレベルなら一歩リードとみました。浦和ラッキープリンスもスンナリ先行なら好戦可能と判断。

【レース】
 好スタートを決めたワンダフルラスターが先手を主張。タイセイラビッシュ、タップザット、ラッキープリンスが追いかけて、直後にディアドムス。レベル差の大きなメンバーで、有力処は何れも前々。ペースは平均。勝負処から勢い良くマクって出るディアドムス。タップザットも負けじと進出。最後の直線、コーナリングで後続を振り払わんとするワンダフルラスターですが、残り100でディアドムスが先頭。食い下がるタップザットを半馬身抑えて、昨年のハッピースプリントに続き、北海道→全日本の2歳優駿連覇を果たしました。

【各馬の寸評】
1着 ディアムドス
 ブリンカー効果で行きっぷり豹変。横綱相撲で北海道2歳優駿をゲット。門別千八から小回り川崎千六替わり。その対応がポイントですが、不安なしと判断しました。この日はプラス1キロの483キロ。馬体をフックラ映して適度な気合乗り、気配上々。レースは三浦騎手が多少気合をつけて先行策。ただしゴール板前あたりで若干進路が狭くなり控える格好。6番手からの競馬。勝負処から一気に動いて3コーナー4番手、4コーナーでは2番手。最後の直線、残り100で先頭に立ち、食い下がるタップザットを半馬身抑え込み1着ゴールを駆け抜けました。三浦騎手のメリハリの利いた騎乗ぶり。時計のかかる競馬で1分45秒3)スタミナがモノをいった感じも。この後のB3千六の勝ちタイムが1分46秒5なら、マズマズ及第点でしょうか。本来はもう少し距離が欲しい。

2着 タップザット
 2戦2勝で、前走のプラタナス賞ではタップザットを一蹴。底見せぬ魅力で1番人気。素軽い先行力が売りですが、若干首の高い走りで追っての味? 人気ほどの信頼はどうかなとみていました。この日はプラス10キロの486キロ。体つきからはもっとあってもいいくらい。キビキビ感あり好調。レースは過去2戦と同様に出たなりで先行、外3番手から。やや行きたがる素振りも。勝負処でディアドムスのスパートに合わせて動き2番手へ。ただし、相手の勢いに押され気味。最後の直線は渋太く食い下がりましたが、半馬身競り負けました。力の要る馬場のサバイバル戦は相手の土俵だったか。もっと体が増えてベター。短目の距離が合うタイプかも。

3着 タイセイラビッシュ
 ダート替わりで2連勝。脚抜きのいい馬場とはいえ、前走の時計はなかなか優秀。今年のレベルなら勝ち負け確実とみましたが、ここ2戦は外枠からスンナリ2番手。モマれた際にどうかという点でした。この日はプラス9キロの483キロ。全く太目感はありませんが、体重の割に全体的にこぢんまりした感じも。レースはやや躓き気味も大過なく2番手へ。逃げるワンダフルラスターにジカ付け。ただし勝負処からディアドムス、タップザットの追撃にやや脚いろ劣勢。最後の直線は内に入る形。ワンダフルラスターは交わしたものの、離された3着に終わりました。ほぼ実力通りか。

4着 ワンダフルラスター
 オールダート千四で3戦2勝、2着1回。ただし、時計は目立たないし、折り合いに難しい面があり距離が千六に延びてどうか。人気処の中ではやや評価を下げました。この日はプラス6キロの512キロ。見映えのする好馬体。馬っぷりという点ではメンバー一番。レースは好スタートを決めてハナ。マークを受けつつ、馬場を考えると結構いいラップ。それでも最終のコーナリングで後続を振り払う気配を見せましたが、残り100で力尽きて4着に終わりました。現時点では千四ベター。

5着 パーティメーカー
 JRA挑戦や他地区遠征など多彩なキャリア。南関初の前走は経験値の差を見せつけましたが、さすがに交流重賞レベルでは難しいと思いました。この日は増減なしの474キロ。均整の取れた好馬体で気配上々。レースは後方10番手から。残り800からペースアップした際は、御神本騎手が追い通しで追走に汲々。極端に上がりのかかる競馬に乗じて5着まで押し上げましたが、完全なスピード負けでした。ただし、これを糧に南関同士のレベルなら主役級。

12着 ラッキープリンス
 デビューから4連勝後、休養を挟み重賞で3、7着と凡退。ただし、レースぶりがチグハグで不完全燃焼の感も。JRA勢もそれほど傑出した馬はおらず、スンナリ先行できれば一発大駆けもあるとみていました。この日はマイナス2キロの458キロ。丸みを帯びた馬体は連勝時と何ら遜色なし。レースは左海騎手が気合をつけて出ましたが、内のJRA勢に行かれて外4番手から。追走に余裕がなく、3コーナーあたりで既に一杯。全く競馬になりませんでした。力の要る馬場の千六でシビアな流れ。致し方ないところか。手薄な南関同士のメンバーなら当然見直す手が生じる。