第18回 TCK女王盃(Jpn3)

【予想】
◎サンビスタ
〇アクティビューティ
▲トロワボヌール
△エスメラルディーナ
△ソーミラキュラス

 JBCレディスでレコードVと、ワイルドフラッパーからダート女王の座を奪い取る勢いのサンビスタ。前走のチャンピオンズCも見処十分。初の57キロでも、力づくでねじ伏せる可能性が大とみていました。もちろんJRA勢の争い。

【レース】
 紛れのない頭数だけに、予想通りエスメラルディーナの逃げレッドクラウディア、アクティビューティと続いて、内4番手にトロワボヌール。その外にサンビスタ。更に遅れてソーミラキュラス。超スローで団子状態。ヨーイドンの瞬発力勝負。4コーナーで3番手の一角に取り付いたサンビスタが、残り200で先頭に立つと、一気に突き抜けて女王の貫録を示しました。2着争いを制したのはアクティビューティ。

【各馬の寸評】
1着 サンビスタ
 ブリーダーズゴールドCの勝利は、正直力の要る馬場の上がりのかかる競馬が幸いしたとみていました。ところが以降3戦はスローの上がりの速い競馬に対応して2、1、4着。着順を落としたとはいえ、先行ペースのチャンピオンズCで、末脚勝負でホッコータルマエと0秒4差は極めて優秀。評価はガラリ一変。初の57キロでも文句なしの◎でした。この日はマイナス5キロの473キロ。470キロ台でほぼ安定。いつも通りフックラとした造り。レースはCデムーロ騎手が気合をつけて5番手から。ペースが遅い分、追走は楽。手応え良く4コーナーでは3番手に進出。直線は外から脚を伸ばし残り200で先頭。危なげなく1着ゴールを駆け抜けました。このメンバーでは完全に力が違ったし、Cデムーロ騎手も本当に追える。

2着 アクティビューティ
 12年12月から地方牝馬交流が主戦場。タイトルは13年クイーン賞のみ。メーデイア、ワイルドフラッパー、サンビスタの女王クラスにことごとく阻まれてきましたが、それでも12戦して着外1回の堅実駆け。ここ一連の馬の気配が非常にいいのと、今回も内田博騎手で積極策が濃厚なら、サンビスタの相手本線に狙えるとみました。この日はマイナス5キロの513キロ。活気があって本当に具合が良さそうです。レースは内田博騎手が気合をつけて外3番手から。3コーナーあたりで鞍上の手がかなり動き出しましたが、番手を死守して直線へ。サンビスタの切れ味には脱帽ですが、渋太く2着争いを制しました。8歳を迎えた本年も、常連メンバーとして変わらぬ活躍が期待できそうです。

3着 ソーミラキュラス
 大井の下級条件を3連勝後、JRAへ返り咲いて4連勝、都合ここまで7連勝。五百万、一千万、千六百万をブッコ抜きは並大抵のことではありません。ただし、ここは交流重賞。あまり人気になるようなら、馬券的には控え目に…という見解。この日はプラス5キロの513キロ。体重の割に案外スッキリした体つきは、以前大井にいた頃と同じ。もっと増えてもいいくらい。適度な気合乗りで好調。レースは出脚ひと息で外6番手から。残り600からは追っ付け気味でマクりをかけ、4コーナー大外。上がりの速い競馬でもあり3着まででした。ただしこのメンバー、展開でソコソコ走れたのは収穫。牝馬重賞路線に楽しみな馬が出てきました。

4着 トロワボヌール
 ダートでは初重賞のJBCレディスで、レコードVのサンビスタに迫る2着。前走のクイーン賞で難なく交流V。これでダートでは8戦5勝、2着3回と連対パーフェクト。JBCの同斤から1キロ貰えば、サンビスタを逆転の計算も成り立ちました。この日はプラス7キロの480キロ。デビュー以来の最高体重ですが、全く重目感なし。適度に気合が乗り申し分のない仕上がり状態。レースは出たなりで内4番手から。スローペースにもスムーズに折り合い、勝負処での手応えも上々。ただし、最後の直線で逃げたエスメラルディーナの内をすくったところ、相手が苦しがったのか内にヨレて接触する不利。ヨーイドンの瞬発力勝負で他馬が加速がついているのに、この逡巡は痛かった。いつものキレがなく5着止まり。次走で改めて注目。

5着 レッドクラウディア
 JRA在籍時はクイーン賞1着、マリーンC2着など大活躍。南関東に移籍後は交流重賞では結果が出ていませんが、58キロを背負ってしらさぎ賞1着、前走の東京シンデレラマイル3着など、地方勢ではピカイチの実力。展開如何では上位食い込みも考えられました。この日はマイナス3キロの504キロ。バランス的にはちょうどいい感じの体つき。ひと頃に比べると毛ヅヤも改善されたし好気配。レースは好スタートを決めて先行策。エスメラルディーナに行かせて外2番手へ切り替えし。スムーズな運びで4コーナーでは先頭に並びかける体勢。これならと思わせましたが、最後の直線は完全に切れ味負けという形の5着。交流重賞で勝ち負けするイメージが沸かなくなりました。

6着 エスメラルディーナ
 関東オークスを快勝して意気揚々と臨んだスパーキングレディーC。1番人気に推されながらよもやの7着。◎を打っていたのに、古馬に完全に力負けという結果に落胆。それ以来のレース。仕上がりは良さそうですが、正直半信半疑。楽に逃げられそうな展開が頼み。この日はプラス17キロの507キロ。別段太目感はなく、これは成長分と判断。見た目は悪くありません。レースは馬なりでハナに行って溜め逃げの形。直線入口までリードを保っていましたが、残り200で抜かれるとズブズブ。叩いてどこまで変わってくるかですが、この内容では心もとない。