第64回 川崎記念(Jpn1)

【予想】
◎ホッコータルマエ
〇サミットストーン
▲カゼノコ
△ハッピースプリント
△トーセンアレス
△ムスカテール
△イッシンドウタイ

 大賞典ではコパノリッキーを難なく振り切って役者の違いを見せつけたホッコータルマエ。歳を重ねたが、衰えるどころか益々盛ん。楽に逃げられそうな展開面からも勝ちっぷりのみ注目。先行有利で相手もサミットストーンで決まりか。

【レース】
 好スタートを切ったのがトーセンアレス、サミットストーンの7枠2頭。そこに被せるようにランフォルセが行き、ムスカテールも。更に内からハッピースプリント。ホッコータルマエは一歩引いて6番手からと想定外のポジション。残り500で逃げるランフォルセを交わしてサミットストーンが先頭。ホッコータルマエが2番手、カゼノコが3番手と接近して直線へ。最後は底力を発揮したホッコータルマエが抜け出し、追いすがるカゼノコを振り切ってG18勝目をゲットしました。

【各馬の寸評】
1着 ホッコータルマエ
 大賞典はコパノリッキーを完璧に抑え込んでダート王の面目躍如。昨年同様のローテーションでここ照準に万全の仕上がり。強敵不在、展開面からも死角なしの◎。この日はプラス6キロの507キロ。馬体増好感、活気があり申し分なし。レースはスタートはいつも通りバッチリでしたが、内外から前々を主張する馬が多数。幸騎手が逡巡しているうちにポジションを下げて6番手からは意外。大丈夫とは思いつつもちょっぴり不安の残る滑り出し。残り800あたりから追ってスパート開始。4コーナーでは2番手まで進出。序盤のリズムが悪かったのと、時計のかかる今の馬場で全体タイム、上がりタイムともに平凡な数字ですが、力で押し切りました。全盛期のヴァーミリアンやスマートファルコンほどの絶対的な強さは感じませんが、現在のダート界では傑出した存在です。

2着 カゼノコ
 ジャパンダートダービーでハッピースプリントを撃破。地方競馬ファンにとっては敵役。復帰2戦目のチャンピオンズCで、先行ペースながら3馬身圏内に追い込み復調ムード一杯。ホッコータルマエ以外となら、優位に立てる力関係。狙い目十分とみました。この日はマイナス6キロの452キロ。3歳春シーズンから馬体が成長してこないのは不満ですが、見た目にフックラ映して気配良好。レースはダッシュひと息。外7番手を進み、2周目向流しからホッコータルマエの後を追うようにスパート。4コーナーでは3番手まで進出。上がり3ハロンはメンバー最速の脚で、ホッコータルマエにジリジリ忍び寄りました。この走りができれば見通しは明るい。

3着 サミットストーン
 浦和記念では半ば絶望的なポジションから脚を伸ばして、念願の交流重賞をゲット。続く東京大賞典は、勝ちに行く競馬でホッコータルマエ、コパノリッキーに続く3着。堂々と全国区に名乗りを上げ、地方競馬を代表する実力馬に成長。今回も得意の長距離戦。力の要る今の川崎の馬場も持って来い。逆転まではともかく、文句なく相手筆頭とみていました。この日はプラス1キロの559キロ。巨漢馬ながら均整の取れた好馬体は相変わらず。レースは好スタートから強気の先行策。一旦はランフォルセに先頭を譲り、残り500で再び先頭。リードをキープして最後の直線に向きましたが、追い比べで惜しくも後れを取り3着。ただし、勝ちに行っての3着に評価は下がりません。年度代表馬の名に恥じぬ走りでした。

4着 ハッピースプリント
 勝島王冠はよもやの敗戦でしたが、先行決着の東京大賞典では末脚勝負で4着。次に期待を抱かせる走り。勝ち負けはともかく、吉原騎手がどういう秘策を繰り出してくるか注目していました。この日はマイナス2キロの526キロ。堂々と落ち着き払った好気配。超一流馬の風格が漂います。レースは(勝島王冠がそうだったように)内枠でモマれるのを嫌って、あわよくば逃げる勢いの飛び出し。内5番手を進みましたが、ペースアップした向流しでポジションを下げて7番手。そこから盛り返して4着は、現在の実力通りの走りでしょうか。外攻めの形の方がこの馬のイメージに合う。

5着 イッシンドウタイ
 地道にキャリアアップしてオープンまで出世しましたが、さすがにGTでは…というところ。他馬に破綻があった際の出番とみていました。この府はプラス2キロの522キロ。馬っぷりはいいし、落ち着きもあり好気配。レースは横山典騎手が気合をつけて内8番手から。ポジションを上げられず、直線勝負で5着は、ほぼ実力通りの結果でしょうか。G3レベルなら通用の感触。

8着 ムスカテール
 昨年の当レースは、ホッコータルマエに半馬身差まで肉薄して3着には5馬身差。当然問題になる一頭ですが、臨戦ステップが今イチなのと、今の力の要る川崎の馬場への適性が微妙でした。この日はマイナス6キロの482キロ。スッキリとした体つきの馬で、それほど気合を表に出す方ではありません。一見して芝向きの印象。レースはスタートひと息。岩田騎手が仕掛けて先行グループに取り付くのは昨年と同様。ただし、3番手から勝負処を前に早々と後退。全く見せ場なく8着。状態が伴っていなかったのか、力の要る馬場は向かないのか…。