第38回 京浜盃(S2)

【予想】
◎ヴェスヴィオ
〇ラッキープリンス
▲オウマタイム
△クラバズーカー
△ストゥディウム
△カールトンガーデン
△コンドルダンス

 明け3歳の重賞優勝馬が揃った一戦ですが、敢えて休み明けの1勝馬ヴェスヴィオに注目。強敵とデッドヒートを演じたハイセイコー記念が、キャリアを考えると破格の好走だし、仕上がりも上々。好枠逃げラッキープリンス、折り合えばオウマタイム、クラバズーカー以下も横一線。

【レース】
 予想通り内枠からラッキープリンスがハナを主張。ヴェスヴィオ、オウマタイムと続いて外枠からジャジャウマナラシ、フラットライナーズも先行グループ。ストゥディウム、クラバズーカーは中団。コンドルダンスは例によって後方から。ペースは平均。3コーナー手前で先頭に立ったオウマタイムが、後続を引き離して直線へ。その差は広がる一方で、8馬身差のワンサイド勝利を収めました、激しい2着争いに競り勝ったのは伏兵フラットライナーズ。

【各馬の寸評】
1着 オウマタイム
 一連の重賞路線で1、2、3着の好成績。抜群の行きっぷりでレースを作っていくスピード非凡。距離延長は微妙ですが、当然有力候補の一頭でした。この日はマイナス4キロの446キロ。少々テンションが上がり気味でしたが、馬体に細目感はなく好調。レースは好スタートから左海騎手が気合をつけて外2番手。やや掛かり気味。鞍上が馬の行く気に逆らわず、3コーナー手前で早くも先頭。ピッチを上げ、後続を4馬身ほど離して直線へ。その差は開く一方で、終わってみれば8馬身差のワンサイドV。時計の1分46秒6も水準以上。JRAのヒヤシンスSで強敵を相手に揉まれたのが、いい経験になったようです。決して距離が延びていいタイプとは思えませんが、羽田盃では当然主力候補です。

2着 フラットライナーズ
 5戦4勝の成績は立派ですが、平和賞では勝ったストディウムから1秒8差のブービー負け。少頭数の楽な競馬で勝ち上がっており、フルゲートの重賞では荷が重いとみていました。この日はマイナス3キロの476キロ。馬体をフックラ映して適度な気合乗り。レースは好スタートから張田京騎手が軽く気合をつけて外5番手。勝負処でオウマタイムには置かれたものの、ポジションをキープして直線へ。ヴェスヴィオとの競り合いを制し、後続の追撃を封じて2着に粘り込みました。外枠の分、かなり脚を使ってのこの頑張りは評価に値。ハナかモマれない外目番手なら容易に崩れない。

3着 ヴェスヴィオ
 ハイセイコー記念では、手応えの割に渋く脚を伸ばしてストゥディウム、オウマタイムと大接戦。以降4ヶ月ぶりでも入念に乗り込まれて好仕上がり。今回も吉原騎手が騎乗。人気的な面を考えると、イキナリが狙い目とみました。この日はプラス2キロの484キロ。キッチリ仕上げてきたという感じで、気合乗りも上々。レースは吉原騎手が多少気合をつけて2番手から。勝負処でオウマタイムのスパートについて行けず4コーナーでは離れた2番手。直線に向くとフラットライナーズの勢いにも押されて一旦沈みそうになりましたが、そこから盛り返す根性を発揮して、3着に頑張りました。クラシック路線では地元大井の期待の星。

4着 コンドルダンス
 平和賞2着に雲取賞3着。混戦に乗じて脚を伸ばしてくるタイプ。上がりのかかる競馬になれば怖い存在でした。この日はマイナス2キロの471キロ。いつも通りに落ち着き払った好気配。レースは例によってスタートの出がひと息で後方13番手から、正味直線だけの競馬。混戦の2着争いに加わったレースぶりは、いかにもという感じ。器用に動けないのがウイークポイント。クラシック路線ではあくまでも入着ラインの評価。

5着 パーティメーカー
 全日本2歳優駿5着、ニューイヤーC4着とソコソコ駆けていますが、かなり追わせるタイプで、一線級のメンバーに入るとややスピード不足の印象。JRA遠征で揉まれたのと、的場文騎手で1番枠。それでどこまでかという感じでした。この日はプラス2キロの470キロ。体つきは悪くありません。デキは高いレベルで安定。レースは鞍上がかなり気合をつけて中団9番手から。終始内々の経済コースを手放さず、的場文騎手らしいレース運び。正味目イチでも接戦の2着争いに加われたのは大健闘でしょう。

8着 クラバズーカー
 転入緒戦の雲取賞はハナ差の2着。馬っぷり上々で、かなりのスケールを感じさせる馬。追い切りの動きも目立って良く、注目の一頭でした。この日はプラス2キロの527キロ。やや気負い気味でしたが、相変わらずの好馬体。レースは森騎手が気合をつけて出たものの10番手から。道中は全くポジションを上げられず、見処なく凡退しました。それほど鋭い脚を使えるタイプではなく、置かれる競馬になると厳しいようです。次走で改めて真価を問いたい。

10着 カールトンガーデン
 2戦2勝で、前走の時計はハイセイコー記念と比べても五分。未知数の魅力一杯でしたが、この日はマイナス21キロの493キロ。シッカリした体つきの馬だけに、細いという感じはしませんが、ややこじんまりした印象も。レースは中団のまま動けず10着。やはり調整面で何らかの誤算があったのか…。

11着 ストゥディウム
 平和賞、ハイセイコー記念を連勝と、文句なく実績No.1。追い込み一辺倒とはいえ、その切れ味は格別。休み明け、フルゲートの捌きがカギですが、当然気になる存在でした。この日はマイナス5キロの490キロ。多少テンションが上がり気味なのはいつも通り。馬体はフックラ映しているし毛ヅヤもいい。レースは石崎駿騎手が多少気合をつけていつもより早目の競馬。中団7番手あたりに行きましたが、道中の反応鈍くまるで見せ場なし。中身が伴っていなかったのと、レース運びがこの馬のスタイルではなかったということか…。

16着 ラッキープリンス
 前走のニューイヤーCは、好枠から先手を主張してノースノース、オウマタイムなどのライバルを撃破。久々に勝利を収めて復活宣言。ひと息後で距離延長が課題ですが、今回も好枠をゲットして逃げ注目でした。この日はマイナス11キロの454キロ。馬体に細目感はなく、前走のデキにあると判断。レースは好スタートを決めて、テン乗りの木村健騎手がステッキを振るいハナを主張。ただし、オウマタイムにジカ付けされて、ペース以上に息の入らない流れ。3コーナー手前で早くも交わされてズブズブ。殿り16着と大敗を喫しました。距離が延びて同じ顔ぶれになるクラシック路線では少々厳しいか。