第18回 クラウンカップ(S3)

【予想】
◎クールテゾーロ
〇ビービーキャリバー
▲ラッキープリンス
△ナイキアフォード
△ドライヴシャフト
△エンドオブジアース
△ハーモニーウィル

 鎌倉記念では積極的に攻めて2着に頑張ったクールテゾーロ。世代屈指の力量は疑う余地なし。気性的には仕上がり早のタイプ。手薄なS3なら即狙えるとみました。ただし、かなりの混戦は間違いなし。

【レース】
 小久保厩舎の先行2頭は、ヴィグシュテラウスを行かせてラッキープリンスが2番手に控える作戦。3番手にナイキアフォード、その外にエンドオブジアース。クールテゾーロも積極策。中団にミッドストラーダ、ルコンポゼ。ペースは平均。3コーナーで早目に先頭に立ったナイキアフォードを標的に後続各馬が殺到。その中でも手応え良く内から外へ切り替えたウインバローラスの脚が断然勝り、一気に突き抜けました。ルコンポゼが2着に食い込み大波乱の結末。

【各馬の寸評】
1着 ウインバローラス
 JRA3戦1勝。2戦目に勝利を飾り、3戦目には芝のオープン3着。転入緒戦の鎌倉記念は2番人気に推されたほど注目された馬。勝てず終いで評価を落としてしまいましたが、転入当初に比べると緩目の馬体がキリッとして稽古も動くようになっており良化確か。それほど大きな差はないとみていました。この日は増減なしの474キロ。数字以上に大きく見せる好馬体に適度な気合乗り。申し分なし。レースは好スタートから楽に内5番手。道中の行きっぷり抜群。4コーナーでは内3番手。直線は外に切り替えて、危なげなく抜け出しました。一点のロスもない柴田大知騎手の会心の騎乗。ただし、レース全体のレベルに疑問符が付くのはやむをえません。

2着 ルコンポゼ
 毎回入着ラインには到達しているものの、それほど鋭い脚はないし、持ち時計も平凡。メンバー最多のキャリア14戦。伸びシロといった点でも強調材料に欠けました。この日はプラス3キロの516キロ。いつもに比べると落ち着いていたのは好感。馬っぷりも悪くない。レースはスタート直後に外にヨレ気味。立て直して中団外7番手へ。真島騎手がステッキを振るって進出、4コーナーでは3番手。最後の直線は大接戦の2着争いを制して波乱を演出しました。テン乗り真島騎手の剛腕を駆ったのと、時計のかかる川崎の馬場に適性が高かったということか。

3着 ミッドストラーダ
 ルコンポゼとは対照的にメンバー最小のキャリア2戦。ただし、2戦目に即交流Vは高い資質の表れ。過剰に人気になると嫌ですが、気になる存在ではありました。この日はマイナス3キロの513キロ。馬っぷりという点ではメンバー屈指。程良い気合乗り。レースは出たなりで内8番手から。勝負処からマクって出て4コーナーは一番大外。急追したものの3着に終わりました。キャリアを考えれば上々の走り。距離延びて良さそうだし、今後の注目株。

4着 オーラゼウス
 地元川崎主体のローテーションで着々と戦果を挙げてきましたが、粘着先行タイプでパンチ力今イチ。重賞で勝ち負けのイメージは沸きませんでした。この日はマイナス4キロの466キロ。馬体をフックラ映し気合乗り十分。毛ヅヤも良く文句なし。レースはさすがにこのメンバーではテンに大きく置かれてしまい後方13番手から。脚質的には絶望的なポジションですが、意外に脚を使って4着まで押し上げました。今後の転機になりうる競馬内容です。

5着 ドライヴシャフト
 道営3戦2勝。平和賞でも1番人気に推された好素材。転入緒戦の前走も渋い走りで勝利。続けて吉原騎手なら当然注目の一頭でした。この日はマイナス2キロの486キロ。馬体の張り良く気配良好。レースは吉原騎手が気合をつけて出たものの、砂を被ったのか馬が反抗したのか、頭を上げてダッシュつかず離れた後方からは想定外。それでも上がり3ハロンはメンバー最速の脚を使って大外強襲の5着。それなりの格好はつけました。どうも馬込みを苦にする感じがあり、多頭数のクラシック路線では、その点が懸念材料。

6着 ナイキアフォード
 平和賞こそ逃げてズブズブになったものの、前走の雲取賞はハイペースの番手で頑張り、差のない4着。底力はひと息ですが、このレベルの重賞ならソコソコやれそうな気がしました。この日はマイナス1キロの453キロ。馬体重の変動が小さい馬で、状態もすこぶる安定。レースは内田博騎手がかなり気合をつけて、小久保厩舎2頭を追う形で3番手から。3コーナーでは早くもまとめて交わして先頭。勝つ勢いでしたが、少々無理が祟ったのか、最後は殺到されて6着に終わりました。それほど距離が延びていい感じはせず、クラシック路線では…。

8着 ビービーキャリバー
 前走は京浜盃を使って6着。勝ち馬は別格として2着争いには加われており、地元S3ならチャンス十分とみていました。この日はプラス5キロの469キロ。やや線の細いタイプだけに、少しでも増えたのは好材料。毛ヅヤもいい。レースは出遅れて後方11番手から。徐々に進出して4コーナーでは内7番手。内を突いてソコソコ脚は使いましたが、特に見せ場のない走り。出遅れが影響したにせよ、クラシックレースを狙う馬としては物足りない内容。

10着 ラッキープリンス
 京浜盃はオウマタイムに粉砕される形で殿り敗退。今回は同厩ヴィグシュテラウスとの兼ね合いがカギですが、好枠からスンナリ先行が有力なら反撃十分とみていました。この日はマイナス6キロの448キロ。見た目に全く細目感はありません。気合も乗ってマズマズ。レースはヴィグシュテラウスに行かせたのは作戦通りのようです。離れた2番手から3コーナーあたりで一旦先頭に立ちかけましたが、すぐにナイキアフォードに交わされてズブズブ。この内容では、クラシック路線では心もとない。

12着 クールテゾーロ
 休み明けでもこのレベルの重賞なら即勝ち負けとみていましたが…。この日はマイナス1キロの484キロ。ややテンションが上がり意味なのはいつも通り。見た目に馬体の造りも悪くありません。レースは好スタートから無理なく6番手。積極的に運びましたが、勝負処から無抵抗に後退。中身が伴っていなかったということでしょうか…。