第53回 しらさぎ賞(S3)

【予想】
◎ノットオーソリティ
〇ケンブリッジナイス
▲マーチャンテイマー
△ブライティアグラス
△カイカヨソウ
△クラカルメン

 現在の南関牝馬ではピカイチの実力馬ノットオーソリティ。距離の許容範囲は広くとも、どちらかと言えば短目の距離ベター。仕上がりも上々なら負けられない一戦とみました。シンデレラマイルの再戦とみて、相手にはケンブリッジナイスを強調。

【レース】
 吉原騎手が気合をつけてノットオーソリティがハナを主張。追い駆けたのが楢崎エールドランジュで、逃げも予想されたケンブリッジナイスは、森騎手が控えて内3番手から。その外にシャークファング。中団にマーチャンテイマー。ペースは緩みのない平均ペース。快調に逃げ脚を伸ばすノットオーソリティは、終始セイフティリードを保ち、危なげない逃げ切勝ち。貫録を示しました。トーセンベニザクラの急追を凌いでケンブリッジナイスが2着死守。

【各馬の寸評】
1着 ノットオーソリティ
 昨年の桜花賞では除外の憂き目に遭いましたが、立て直してロジータ記念、シンデレラマイルと重賞を2連勝中。逃げ差し自在、キレのいい走りは正に超一流馬のそれ。休み明けでも仕上がり早のタイプ。距離千四も歓迎で、信頼度の高い◎とみました。この日はプラス13キロの485キロ。もうひと気合という感じもしますが、太目感はありません。レースは吉原騎手が気合をつけて先手主張。緩みないラップを刻んでレースをリード。食い下がるケンブリッジナイス、そして差し馬勢を楽に抑えて、貫録を示しました。ただしこの馬の実力、馬場状態、展開を考えると、27秒ソコソコで楽勝してもおかしくなかったはず(前日のリアライズリンクスは26秒0)。まだ中身が重かったのか…。

2着 ケンブリッジナイス
 2歳当時から牝馬重賞の常連。勝ち星こそないものの、2着4回を含め入着多数の実力派。距離オールマイティ。ただし、大井の千四で1分24秒6の好タイムがあるように、基本はスピードタイプ。叩き二度目、相手筆頭の評価でした。この日はプラス1キロの470キロ。特に目立つ気配ではありませんが、マズマズ順調。内枠から逃げも予想されましたが、レースは森騎手が慎重に構えて内3番手から。スムーズに運んで4コーナーでは2番手。必死に前を追いましたが、その差は詰まらず2着死守が一杯。この馬の力は出し切りました。

3着 トーセンベニザクラ
 JRAでは芝の中距離路線で、フェアリーS1着の重賞ウイナー。ただし転入緒戦はジリ退の殿り負け。ダート適性が微妙で、印は付け切れませんでした。この日はプラス9キロの477キロ。馬体をフックラ映して気合も乗り悪くありません。レースは的場文騎手が多少気合をつけて中団8番手から。ロスなく内からポジションを上げて4コーナー4番手。直線は外に切り替えて前を追いましたが、惜しくも3着に終わりました。千四は若干忙しい感じもあり、次走の走り注目。

4着 クラカルメン
 トライアルの前走は、内を突いて脚を伸ばし快勝。千四ベストの差し馬として存在感アップ。ただし当時の時計は1分28秒5。少なくとも1秒短縮が必要では、入着ラインの評価でした。この日はプラス8キロの475キロ。少し減り気味なのを懸念していたので、これは好材料。イレ込みもなく好気配。レースは出たなりで外9番手から。勝負処からマクって出て4コーナー5番手。終いもジリジリ脚を伸ばして4着に食い込みました。時計的には前走と同じ28秒5。自分の力だけは走ったというところですが、通ったコースを考えれば、3着と同等の価値。

5着 タッチデュール
 昨年12月の船橋クイーン賞では、勝ったトロワボヌールから1秒差の4着。展開次第では交流でも入着ライン。ただし、以降の成績が散々だし、千四のスピード競馬では追走が手一杯とみていました。この日はプラス5キロの435キロ。仕上がり切った馬体でイレ込み気味はいつも通り。レースは最後方からの競馬で、最後の直線は内ラチ沿いに詰めて5着。バテた馬を交わしての入着は想定内ですが、大健闘は大健闘。

8着 マーチャンテイマー
 サンビスタ、ワイルドフラッパーに続いて3着した昨年のブリーダーズGCが注目すべき走り。転入緒戦のマリーンCは地方最先着の5着。実力的には当然問題になる一頭ですが、忙しい千四への対応に一抹の不安がありました。この日は増減なしの488キロ。マリーンC当時に比べると落ち着きがあるし、仕上がり順調。レースは繁田騎手が気合をつけて6番手から。早目にポジションを上げて先行グループに取り付きましたが、勝負処で手応えが怪しくなりアッサリ後退。距離対応が難しかったようですが、それにしても不甲斐ないレースぶり。