第17回 ジャパンダートダービー(Jpn1)

【予想】
◎クロスクリーガー
〇ノンコノユメ
▲ディアドムス
△インディウム
△ライドオンウインド
△ストゥディウム
△ラッキープリンス

 ここ一本に調整されて仕上がり万全のクロスクリーガーは、いかにも地方ダート向きの先行力が売り。展開を考えても最有力とみました。これに類稀な切れ味を誇るノンコノユメがどう迫るかが見処。馬場状態からはディアドムスとの行ったままも十分。

【レース】
 予想通り出たなりで無理なくクロスクリーガーの逃げ。ライドオンウインド、ポムフィリア、ラッキープリンスと続いて、スタートひと息のディアドムスは6番手。注目のノンコノユメは中団の一角。3コーナー過ぎから引き離しにかかるクロスクリーガー。ラッキープリンスが2番手に進出。ノンコノユメ、ストゥディウムも追い込み態勢。最後の直線、逃げ切り態勢のクロスクリーガーに鋭く肉薄したのがノンコノユメ。残り50で先頭に立つと、一気に突き抜けてダート3歳の頂点に立ちました。

【各馬の寸評】
1着 ノンコノユメ
 近2戦で規格外の末脚を繰り出し、ファンの心を鷲掴みにした同馬。時計的にも例年のユニコーンS勝ち馬に匹敵かそれ以上のレベル。問題は極端な脚質なので、コース替わりでその脚が発揮できるかどうかでした。この日は増減なしの448キロ。小柄を感じさせぬ均整の取れた好馬体で、いかにも切れそうな雰囲気。しかもパドックでは全く物見をせず集中して周回。申し分ない気配。レースは五分に出てルメール騎手が軽く気合をつけて中団8番手といつもより早目の競馬。力関係もありますが、やはり小回りを意識した立ち回り。最終4コーナーでは6番手。手応えを残して逃げるクロスクリーガーとはまだかなり距離がありましたが、例によって終い1ハロンの伸びが圧巻。残り50で交わすと、アッと言う間に差を広げて予想を上回る強さを発揮しました。2分5秒6の勝ちタイムは近年のモノを下回っていますが、それを超越したレベル。本当に楽しみな馬が出てきました。

2着 クロスクリーガー
 伏竜Sでは逃げるホワイトフーガ(次走関東オークスを大差勝ち)を自力で潰して凌ぎ、兵庫CSはワンサイド逃げ切り。いかにも地方ダート向きの先行力が武器。展開を考えても、最有力とみました。この日はプラス4キロの463キロ。体をフックラ映して適度な気合乗り。万全の仕上げでの出走と判断。レースは好スタートから出たなりでハナ。程良いペースで引っ張り単騎マイペース。勝負処から差を広げにかかり、後続との手応えの差は歴然。普通なら完勝のケースですが、別次元の馬が1頭いたのは不運。残り50で交わされて2着に甘んじました。自分の力は出し切っているし、もちろん世代有数の実力馬は間違いなし。

3着 ラッキープリンス
 逃げて大差の殿りに敗れた京浜盃から僅か2ヶ月足らず。差しに構えて東京ダービー制覇と大変身。その時計は2分7秒5。2分5秒台が予想される今回、更なるパフォーマンスが必要ですが、ソコソコやってくれそうな期待感はありました。この日はマイナス3キロの459キロ。数字以上に馬体を大きく見せて活気もあり、凄くいいデキ。レースは出たなりで外3番手、折り合いに専念。勝負処からライドオンウインドを交わして2番手に進出。前を追いましたが、最後の直線は脚をなくして2強から離された3着。それでも勝ちに行く競馬で3着は大健闘でしょう。東京ダービー馬の意地を見せました。

4着 ストゥディウム
 手慣れた石崎駿騎手をもってしても乗り難しく、京浜盃、東京ダービーと人気を裏切る結果に。ただし、羽田盃の内容からも力があるのは確か。人気薄で気楽に乗れる今回、追い込み一発穴目に注目していました。この日はマイナス5キロの494キロ。懸念されたイレ込みはなく適度な気合乗り。馬っぷりも目立っていい。レースは例によって後方から。向流しでポジションを上げ、ノンコノユメをマークする形で進出。3、4コーナーでは巧みなコーナリングで一旦はノンコノユメの前へ。期待感が高まりましたが、最後の直線では再びノンコノユメに交わされてしまい、伸びが止まりました。これも力は出し切りました。

5着 ライドオンウインド
 前走は逃げるリアファルにジカ付けして抜け出し。折り合い面での成長確か。そのリアファルを秤にすれば、クロスクリーガーとも遜色ないという計算が立ちました。この日はプラス16キロの498キロ。成長期の3歳馬だし、前走で減らした馬体を戻した分もあり、全く問題なしと判断。落ち着きがあるのも好感。レースは古川騎手が多少気合をつけて2番手から。スムーズに折り合って進みましたが、勝負処からラッキープリンスに並ばれて怪しい手応え。最後の直線は一杯になりながらも流れ込む形で5着。現状二千は長いのか…。

11着 ディアドムス
 ブリンカー効果も手伝い、2歳のビッグタイトルを連取。ヒヤシンスSは4着でもレース内容としては悪くないし、中間の気配から海外遠征のダメージもないようで有力な一頭とみていました。この日はヒヤシンスから2キロ増の486キロ。馬体をフックラ映して活気もあり悪くない。レースは出遅れて外にヨレ気味と序盤のリズム? 向流しで6番手、3コーナーで5番手まで進出しましたが、その時点で手応えは一杯一杯。11着に敗れ去りました。スタートミスと、まだ状態が戻り切っていなかったのか…。