第52回 東京記念(S2)

【予想】
◎ユーロビート
〇プレティオラス
▲タイムズアロー
△アウトジェネラル
△トーセンアレス
△カキツバタロイヤル
△フォーティファイド

 斤量差があったし盛りの過ぎた面々が相手とはいえ、向正面から一気に動いて抜き去ったマーキュリーCが圧巻のユーロビート。距離二四は望むところ。馬格から59キロもこなせるとみて◎。決め手勝負でプレティオラス好調タイムズアロー以下も拮抗。

【レース】
 内枠から出たなりでファイヤープリンスがハナ。ユーロビートがサッと2番手に行き、アウトジェネラルは行き切れず3番手から。カキツバタロイヤルは通例より早目に5番手。中団にタイムズアロー、トーセンアレス。プレティオラスは例によって後方から。残り千二からペースアップ。タイムズアローが手応え良く3番手へ。最後の直線、残り300で先頭に立つユーロビート、これに迫るカキツバタロイヤルとタイムズアロー。それらを内ラチ沿いから一気に抜き去ったのがプレティオラスです。残り100で先頭に立ち鮮やかな差し切り勝ち。最強ステイヤーの名を不動のものにしました。

【各馬の寸評】
1着 プレティオラス
 東京ダービー1着後は不遇の時期もありましたが、4歳時には東京記念1着、そして前走は大井記念1着。その鬼脚は健在。問題は過去に鉄砲実績のない点で、稽古で僚馬ハブアストロールに遅れたのがちょっぴり心配でした。この日はプラス1キロの463キロ。休養前に大井記念を勝った当時と同様に活気があり毛ヅヤもいい。馬体もフックラ映して文句なし。レースはこの馬としては普通に出て自然に下げる形。ペースが遅いので後方とはいえさほど置かれずに追走。ペースが上がった際も我関せず泰然自若。正味直線勝負でガラ空きになったインを強襲。残り100で先頭に立ち突き抜けた脚いろは、別次元でした。南関最強のステイヤーとして、新たな勲章が欲しい。

2着 ユーロビート
 昨年の東京記念では年度代表馬サミットストーンを破り優勝。やや中だるみはあったものの、帝王賞では4着と大健闘。そして前走のマーキュリーCが圧巻の勝ちっぷり。雄大な馬格から59キロもこなせるとみて◎を打ちました。この日はマイナス2キロの543キロ。少し太目に映るくらいですが、タップリとした好馬体。レースは森騎手が気合をつけてサッと逃げるファイヤープリンスの2番手へ。切れ者が相手だけに、少しでもセイフティリードをの積極策。ペースを考えればほぼ必勝ポジション。ペースアップした際の対応もスムーズで4コーナー併走。残り300で先頭に立ちましたが、内外から殺到される形。外の馬はかろうじて抑えましたが、内から突き抜けたプレティオラスには完敗の2着。やはり微妙に59キロが響いたか…。

3着 カキツバタロイヤル
 既に功成り名遂げた9歳馬ですが、枯れることなく本年も重賞レースで存在感。勝つまではともかく、上位争いに加わってきそうな手応えはありました。この日はプラス4キロの434キロ。いつも通りの気配で順調。レースは中野騎手が気合をつけて内5番手から。道中の手応え上々で、最後の直線は進路を外へ。『これは来た』という感じでしたが、プレティオラスの切れ味に屈し、ユーロビートをハナ差捕え切れずに3着に終わりました。まだまだ隅には置けません。

4着 タイムズアロー
 JRAではオープン特別が主戦場。転入戦を手堅くモノにして、前走マーキュリーCを4着。勝ち馬ユーロビートが54→59キロ、こちらが54→56キロの斤量面と、稽古内容の良さに注目すれば、勝ち負けの計算が立ちました。この日はプラス11キロの501キロ。これは戻した分で、程良く気合も乗って好仕上がり。レースは出たなりで内8番手から。向流しで積極的に押し上げ内4番手へ。手応え上々。最後の直線も懸命に脚を伸ばしましたが、ジリジリという感じで4着。これが正味の実力でしょうか。

5着 トーセンアレス
 重賞路線で入着ラインの攻防というのが近況。豊富なキャリアを生かしてどこまで…という評価。この日はマイナス3キロの469キロ。全盛期に比べるとこじんまりした感じもありますがマズマズ。レースは中団外目を追走して向正面ではマクり上げる姿勢。ただし、思いの外ポジションを上げられず5着までが精一杯。外を回ったロスを考えれば、健闘の部類か。