第12回 レディスプレリュード(Jpn2)

【予想】
◎アムールブリエ
〇サンビスタ
▲トロワボヌール
△ホワイトフーガ
△ブルーチッパー
△ソーミラキュラス

 近2戦でワイルドフラッパー、サンビスタを破り、一躍牝馬交流路線の主役級に躍り出たアムールブリエ。中間の調整過程も順調なら、高速決着にも対応して女王の座を不動のものにするとみました。いずれにせよ至極順当な一戦。

【レース】
 注目の逃げ争いは、逃げ候補サンバビーンが抑えたので、ブルーチッパーの単騎マイペース。ホワイトフーガ、トロワボヌール、サンビスタと人気処が前を固め、スタートひと息のアムールブリエは中団から。ペースは平均。勝負処から動いたサンビスタが残り200で一気に先頭。セイフティリードを保ったまま危なげなく1着ゴールを駆け抜けました。内から外に切り替えたトロワボヌールが2着。

【各馬の寸評】
1着 サンビスタ
 昨年のJBCレディスのレコードVも含め牝馬交流重賞4勝。メーデイア、ワイルドフラッパーに次いで一時代を築いた牝馬。ただし、近2戦でトロワボヌール、アムールブリエに敗れてやや勢力図に変化も。それを押し留めるのか、あるいは流れに屈するか、正念場の一戦でした。この日はマイナス10キロの476キロ。前走が10キロ増。入念に乗り込んでそれを絞ったとみるべきか。フックラと映してデキ落ちは感じません。レースは好スタートから岩田騎手が気合をつけて外4番手。勝負処から手応え良く動いて早々と前を射程圏内に。レースの上がり2ハロンが11秒7〜12秒2。ゴール200手前で並びかけ抜け出した際の瞬発力が抜群で、一気に突き放す形、そこで勝負あった。危なげなく1着ゴールを駆け抜けました。JBCのレコード勝ち、マリーンCの不良馬場千六1分38秒4。スピード、瞬発力勝負に強い。

2着 トロワボヌール
 さきたま杯で男馬を相手に2着。前走のスパーキングレディーCでは、それまで3連敗中のサンビスタを撃破。すっかり交流重賞の常連メンバーに。休み明けでも動けるタイプ。どちらかと言うと左回り巧者のイメージもありますが、チャンス十分とみていました。この日はプラス5キロの481キロ。太目感なく丸みを帯びた体つき。活気もあり仕上がり万全。レースは好スタートから出たなりで内3番手。折り合いスムーズ。抜群の手応えで直線へ。直線半ばでやや前が壁になり、外へ切り替えようとやや逡巡した隙を突くように、サンビスタが一気にラストスパート。ここで差を開かれてしまったのが致命傷。それでも気力を振り絞って脚を伸ばしホワイトフーガを捕えたのはさすが。

3着 ホワイトフーガ
 関東オークスは2秒3差の記録的な圧勝。前走のブリーダーズGCは古馬相手に真っ向勝負。力負けしたとはいえ3着に粘り収穫の多い一戦。力の要る川崎、門別の馬場よりは大井の方が向いているはずだし、距離が千八に短縮されたのもプラス。食い込む可能性は十分にあるとみていました。この日はプラス2キロの502キロ。体重の割にスカッとした体つき。いかにもキレのいい走りを見せそうな馬です。レースは出たなりで外2番手。やや行きたがる面を見せたものの、マズマズ抑えが利いて4コーナー先頭。ただし1、2着馬、特にサンビスタには脱帽で、一気に交わされ3着。バテたというよりも完全に決め手負け。2頭を倒すには、ガンガン飛ばすかジックリ溜めて行くか、思い切りが必要では。

4着 アムールブリエ
 エンプレス杯で前女王、ブリーダーズGCで現女王を破り、一躍牝馬交流路線の主役級に。特に馬体を30キロ近く増やしたブリーダーズが好気配で、完全に本格化の様相。馬場が力の要る川崎、門別から比較的脚抜きのいい大井に替わりますが、母が天皇賞馬なら問題なしと判断。一気に勢力図を塗り替えるとみました。この日は増減なしの500キロ。たしかにギリギリに映ったエンプレス杯の頃に比べれば断然いいし、落ち着きもあり納得の仕上がり。レースは出脚ひと息で中団7番手から。追って進出して3コーナー5番手。ただし先行勢に比べると手応え今イチ。この上がりの速い競馬では、全く勝ち負けに参加できませんでした。強力なライバルが何れも好スタートから前々に対して、この運びでは…。できれば距離は二千以上欲しい。

5着 サンバビーン
 過去7勝のうち6勝が逃げ切り。ただし、ブリーダーズGCでは逃げて3秒7差の7着。力の差は歴然ですが、展開のカギを握る一頭でした。この日はプラス15キロの500キロ。これは前走の水沢で減らしたのを戻した分で、太目感なく好仕上がり。レースはよもやの待機策で外9番手から。逃げても強力馬にマークされては厳しいとひと工夫したのでしょう。大きく離されたとはいえ5着に入れば結果的に正解。