第25回 埼玉新聞栄冠賞(S3)

【予想】
◎タイムズアロー
〇カキツバタロイヤル
▲バトードール
△ラッキープリンス
△ストゥディウム
△ガンマーバースト

 マーキュリーCでは勝ちに行く競馬で4着に頑張ったタイムズアロー。今ひとつパンチ不足ですが、このメンバーでベストと思えるこの距離なら軸は堅いとみました。老練カキツバタロイヤル、的場文バトードール以下も虎視眈々。

【レース】
 出たなりでタイムズアローの逃げは想定外。ラッキープリンス、ハーキュリーズの小久保勢が続いてカキツバタロイヤルは中団。ストゥディウム、バトードールは後方ですが、ペースが遅くほぼ一団の団子状態。向流しでアールデュランが動き、タイムズアローも後続の動きに合わせてペースアップ。3馬身ほどリードして直線に向きましたが、半ば過ぎにソラを使ったのか急ブレーキ。それに乗じて脚を伸ばしたカキツバタロイヤルが見事に突き抜けました。2着ガンマーバースト、3着タイムズアローと船橋勢が上位を独占。

【各馬の寸評】
1着 カキツバタロイヤル
 当レースは過去2、2、3、2着と抜群の相性。9歳を迎えた今年も重賞路線で毎回好戦と衰えなしなら、当然注目の一頭でした。この日はプラス2キロの436キロ。いつも通りと言えばいつも通りですが、最近は毎度この馬にしてはパドックで活気を呈しています。レースは逃げもあるとみていましたが、中野騎手が気合をつけて中団5番手から。勝負処でペースアップした際にやや追走に手こずりましたが、人馬ともに気力を奮い立たせて追走。マクり一発残り100で先頭に立ち、見事に1着でゴールを駆け抜けました。老いて益々盛ん。その渋い末脚は健在です。

2着 ガンマーバースト
 当レースは一昨年1着、昨年3着と、これも好相性。稽古も動いているし、穴目として注目していました。この日はプラス5キロの485キロ。体重の割にスカッとした体つきの馬だけに増えてきたのは好材料。もちろん落ち着き十分。レースは出たなりで内7番手からで、ジックリ脚を温存。ちょうど前にいたカキツバタロイヤルがマクって出た際に、その空いたスペースをロスなく進出。最後の直線は外に切り替えて2着をゲットしました、流れに乗れたとはいえ、久々に存在感をアピール。

3着 タイムズアロー
 マーキュリーC4着、東京記念4着と相手なりに渋い走り。今ひとつパンチ不足ですが、この距離、メンバーなら最有力とみました。この日はプラス4キロの505キロ。大型馬の馬体増ですが、全く太目感はなく活気もあり好気配。レースは出たなりで逃げと予想外の展開。後続を引き付けての溜め逃げ。残り600からピッチを上げて3馬身リードして直線へ。他馬との手応えの比較からも楽勝までありそうでしたが、残り150あたりでソラを使ったのか急ブレーキ。一気に交わされる破目に。最後は盛り返し気味の3着だけに悔いの残るレース内容。次回は差しに構える競馬で反撃期待。

4着 ハーキュリーズ
 JRAでは基本芝路線。稽古は動いていますが、正直半信半疑でした。この日はプラス9キロの455キロ。馬体増は好感。こういったタイプなのかもしれませんが、見た目のインパクトは今イチ。レースは岡田騎手が気合をつけて出て、同級ラッキープリンスとともに先行策。スローの内3番手で抑え込む競馬。勝負処からペースアップするとフットワークがノビノビして2番手へ。最後の直線も一旦伸びかかりましたが、力負けして4着に終わりました。もう少し短目の距離がベターか。

5着 アールデュラン
 転入緒戦でオープン3着とはいえ、かなり離されて時計も平凡。以降の戦績からも手は出ませんでした。この日はプラス11キロの504キロ。体型的なものもありますが、やや太目の造り。レースは見沢騎手が気合をつけて外6番手。スローペースを見計らって道中一気に動き3コーナー2番手に上がりましたが、そこまでが一杯。最後は流れ込む形の5着。頑張りました。

8着 ストゥディウム
 羽田盃1着後は入着ライン。爆発力はあるものの、乗り難しい馬で、コンスタントに末脚を発揮できないのがネック。今回は初の古馬相手で同斤の58キロ。試練ですが、スローペースを早マクりで向正先頭などの荒業が炸裂する可能性もあり、捨て切れませんでした。この日はマイナス2キロの490キロ。懸念されたイレ込みはなく馬体もフックラ好気配、レースは出たなりで外7番手から。向流しでアールデュランがスパートした際に、それを追うように進出を開始しましたが、推進力今イチ。小回り浦和では致命的な反応の悪さで、ほとんど見せ場がなく8着に終わりました。やはり大井の馬場でこそ本領発揮。まだまだ見限れません。

9着 ラッキープリンス
 ストゥディウムと並ぶ3歳馬の代表格。休養を挟んでの秋緒戦で、地元は久々。歴戦の古馬相手に同斤58キロは楽ではありませんが、楽逃げも十分に考えられるメンバー構成だけに注目していました。この日はプラス8キロの464キロ。馬体をフックラ映して、この460キロ台が理想の感じ。レースはやや躓き気味のスタートもあり2番手で抑える競馬。折り合いを欠いてリズム? それが響いたのか勝負処の3コーナーあたりで早くも手応えが怪しくなり脱落、離された9着は不甲斐ない。3歳馬のレベルが問われる結果に。まだ体調が整っていないのか…。