第30回 東京プリンセス賞(S1)

【予想】
◎モダンウーマン
〇リンダリンダ
▲スアデラ
△ポッドガゼール
△オルキスリアン
△ラッキーバトル(競走除外)
△タケショウメーカー
△マテリアメディカ

 南関の2、3歳牝馬重賞路線を4連勝中のモダンウーマン。距離延びて意外な耐久力。勝負付けの済んだメンバーで破綻はないとみましたが、スタート五分に出てスムーズに運べばリンダリンダで逆転の可能性。

【レース】
 典型的な逃げ馬不在。モダンウーマンの逃げは十分に予想された展開。スアデラが4番手で、スタート五分に出たリンダリンダはその直後。オルキスリアンは中団。タケショウメーカー、ポッドガゼールは後方から。ペースはスロー。勝負処から手応え良く進出したのがスアデラ。リンダリンダも接近して直線へ。残り300で先頭に立つスアデラ、これに並びかけたリンダリンダが、残り200で抜け出して桜花賞の雪辱を果たしました。モダンウーマンは3着死守に汲々。

【各馬の寸評】
1着 リンダリンダ
 早熟先行タイプのイメージを覆す近3戦のレースぶり。モダンウーマンに3連敗とはいえ、出遅れが響いたりコース取りを考えれば決定的な差とは思えません。特に前走時の馬体増好感で充実顕著。とにかくスタートが課題。この日はマイナス4キロの478キロ。見違えるほど体つきがフックラしたし、適度な気合乗り。レースは五分に出て桑村騎手が内に馬を寄せて7番手から。道中は折り合いに専念してスローペースにも泰然自若の構え。勝負処から徐々に進出して4コーナーでは先行3頭の直後へ。残り200で先頭に立つと、危なげなく1着ゴールを駆け抜けました。賞賛すべき桑村騎手の落ち着いた運び。極力温存して、セールスポイントの瞬発力をフルに引き出しました。時計の1分55秒8は、ペースを考えると羽田盃と同等。距離延びていいかは微妙ですが、関東オークス、東京ダービー、両睨みで注目。

2着 スアデラ
 この馬もモダンウーマンに3連敗中。ただし桜花賞は休み明けで気配ひと息だったし、スタートひと息が響いて馬込みでモマれる競馬。デビュー3連勝を見直せば、巻き返しは十分にあるとみました。この日はプラス6キロの478キロ。休み明けの前走で減らした馬体を戻して好気配。レースは好スタートを決めて出たなりで外4番手から。勝負処から手応え良く進出して4コーナー2番手。前をまとめて呑み込む勢い。残り300で一旦先頭に立ちましたが、すぐ背後に迫ってきたリンダリンダに交わされて2着。それでも再び存在感を発揮しました。体調アップと右回り二度目での変わり身。なかなか力のある馬です。

3着 モダンウーマン
 ここまで10戦7勝、2着3回と抜群の戦績。距離延びて意外な耐久力を発揮、南関2、3歳牝馬重賞を総ナメ。勝負付けが済んだメンバーで破綻はないとみましたが…。この日はマイナス2キロの490キロ。雨がパラついていたので毛ヅヤの判別は難しいものの、大分改善されてきた感じ。堂々たる馬っぷりはいつも通り。レースは典型的な逃げ馬不在ということで、山崎誠士騎手が気合をつけてハナを主張。別段行きたがる素振りは見せず、溜め逃げの形でスローペース。4コーナーでもまだ手綱は絞ったままでしたが、直線に向くと後続に一気に殺到されてピンチ。追い出されの反応ひと息で全く抵抗できず、3着争いに競り勝つのが精一杯でした。距離の壁という見方もできますが、逃げて目標になったのが裏目か…。どうせ逃げるなら後続の脚をなし崩しに使わせるくらいのペースで行った方が良かった。持ち前のスピード能力を生かせず悔いの残る敗戦。屈辱を晴らすべく、次走での巻き返しに期待。

4着 ワカチナ
 休み明けの桜花賞は、初コース、初の左回り、千六の大外枠では大敗も納得。桃花賞でラッキーバトルに競り勝った星があり、地元戻りで入着ならの感じも。この日はマイナス3キロの445キロ。体はキープできていたし、落ち着きもありマズマズ。レースは森騎手が気合をつけて外3番手から。3コーナーではステッキを入れて追走。先行ペースの流れに乗って4コーナー2番手。最後の直線はモダンウーマンとの3着争いに競り負けて4着。持てる力は出し切りました。

5着 ポッドガゼール
 緒戦のユングフラウ賞は、中団インで脚を溜めて一瞬のキレを引き出す中野騎手の好騎乗で2着。前走の桜花賞は、外枠で脚をなし崩し。大井の外千八替わりで直線勝負に賭ければ、大駆けの可能性もあるとみていました。この日はプラス4キロの451キロ。少しでも増えていたのは好材料で、落ち着きもあり好調。レースは腹を括った待機策で殿りから。正味直線勝負で大外詰めて5着。今回に関しては流れが向かなかった感じです。

9着 オルキスリアン
 母アクイレジアはロジータの仔で、関東オークス、ジャパンDDをともに2着した実力牝馬。そういった血統背景と3戦3勝の成績。過剰人気になると嫌ですが、一応未知数の魅力があるので△は打ちました。この日はマイナス2キロの498キロ。ガッシリとした体つきに内に秘めた闘志。いかにもキングカメハメハ産駒らしい風情。レースは出たなりで外8番手から。この枠だけにどうしても馬込みの外を回るロス。勝負処から進出する構えを見せましたが、結局は9着。やはり即重賞は荷が重かった。長い目で見た馬です。