第6回 優駿スプリント(S2)

【予想】
◎シングンヴィグラス
〇ラクテ
▲エイシンヒート
△クリルカレント
△ムサシトレジャー
△クラトイトイトイ
△ビッグジャイアント

 一度ラクテにスピード負けしたシングンヴィグラスですが、以降2連勝。それも出遅れを挽回したりでなかなか強い競馬。激流が予想される今回、展開的に同馬に分のいい一戦とみました。もちろんラクテ本線ですが、エイシンヒート以下へ手広く。

【レース】
 シングンヴィグラスは出遅れ。クラトイトイトイ、ノーフォロワー3枠2頭の競り合いに、ムサシトレジャーが意外な先行力を発揮して3番手。注目のラクテは4番手から。エイシンヒートは中団。ビッグジャイアントは例によって後方から。当然ハイペース。3コーナーで単騎先頭に立ったノーフォロワーに絡んで行ったのがムサシトレジャーとヴェルミオン。一旦置かれたラクテも接近して直線へ。残り50でラクテが先頭に立ちましたが、渋い末脚を繰り出したエイシンヒートがこれを捕らえて1着ゴール。スプリンターとしての資質の高さをアピールしました。ビッグジャイアントが3着に浮上。

【各馬の寸評】
1着 エイシンヒート
 千二の新馬を2秒2差の破格の勝ちっぷり。前走は厳しい競り合いを凌いで差し返す好内容V。時計の比較からも有力な一頭とみていました。この日はマイナス3キロの479キロ。馬体をフックラ映して落ち着きもあり好気配。レースは矢野騎手が気合をつけて序盤8番手。徐々にポジションを上げて4コーナー6番手。最後の直線はこの馬らしい渋い末脚を繰り出してジリジリ伸び、ゴール前でラクテを捕らえました。相手なりですこぶる堅実。ある程度距離もこなしそうなタイプです。

2着 ラクテ
 クラシック路線に見切りをつけて再び千二へ。明け3歳馬には厳しい58キロを背負ってシングンヴィグラスを一蹴した2月の競馬が優秀。世代屈指のスプリント能力は異論なし。同型多数ですが、アッサリの可能性も十分とみていました。この日はプラス16キロの484キロ。数字通り多少余裕の造りですが成長分も。悪くない仕上がり。レースは上田騎手が気合をつけて行ったものの、内3頭に機先を制されて4番手から。しかも3コーナーで的場文ヴェルミオンにかまされて離れた5番手に置かれる苦しい競馬。それでも気を取り直してマクり上げ追い込み態勢。最後の直線、残り50で一旦先頭に立ちましたが、エイシンヒートの追撃に屈して首差2着。ただし見処満載で間違いなく今後の糧になる競馬。次走が楽しみです。

3着 ビッグジャイアント
 大井は2歳時に一度使って千二でムサシトレジャー、シングンヴィグラスと大接戦の3着。ただし、スタート難があるのとかなり追わせるタイプで、基本的に千二は不向き。展開の利と実力でどうカバーするかが見処でした。この日はマイナス8キロの505キロ。馬っぷり上々だし、適度に絞れていい感じ。レースはスタート五分に出て外12番手から。正味直線勝負になりましたが、1頭目立つ脚いろで追い込み3着。負けたとはいえ地力を感じさせるレースぶり。古馬との対戦が楽しみで、イキナリ狙えそう。

4着 ノーフォロワー
 JRA1勝馬ですが、転入後は3着が最高。14秒台の時計しかないし、正直狙う根拠は希薄とみていましたが…。この日は増減なしの464キロ。馬体をキープして適度な気合乗り。デキは良さそう。レースは今野騎手が多少気合をつけた程度でクラトイトイトイの外併走。半馬身ほど出る形の逃げ争い。3コーナーで単騎先頭に立ちましたが、すぐにムサシトレジャー、ヴェルミオンに絡まれて息の入らない流れ。最後は力尽きて4着ですが、15番人気での激走はインパクト大。多少強引にでも行き切った方がいいタイプのようです。今後のスプリント路線で侮れない存在に。

5着 ムサシトレジャー
 新馬が千b1分0秒5の好タイムですが、意外に追わせるタイプで毎度後方から。最近は稽古駆けするようになり馬が走る気になってきたようですが、それでもこのフルゲートをどう捌くかがポイントでした。この日は増減なしの480キロ。パドックではいつも通りに落ち着いて周回、馬体もフックラ。レースは前走に引き続いて二度目の騎乗になる森騎手がドンと前に押し出して3番手から。これは正直予想外。3コーナーでは2番手に上がりノーフォロワーを徹底マーク。過去のレースぶりから、この位置にいればという感じでしたが、やはり多少の無理があったのか、前を捕まえ切れず後ろに差されて5着。ただし、この競馬ができたのはラクテと同様に収穫大。古馬との対戦が楽しみです。

15着 シングンヴィグラス
 3走前には1キロ重いラクテにスピード負けしましたが、以降2戦はムサシトレジャーに連勝。それも前走は出遅れてのもの。展開を考えると十分に狙えるとみました。この日はプラス12キロの491キロ。ややレース間隔があいての馬体増ですが、太目感はなく気合乗りも上々。力は出せると判断。ただしレースはスタートで躓くアクシデント。リズムを崩したのか成す術なくブービー負け。出遅れはもちろん、中身も伴っていなかったのか…。次走での反撃期待。