第39回 帝王賞(Jpn1)

【予想】
◎ノンコノユメ
〇サウンドトゥルー
▲ホッコータルマエ
△クリソライト
△コパノリッキー
△アスカノロマン

 極悪馬場でクロスクリーガーを並ぶ間もなく交わしたジャパンダートダービーが鮮烈なノンコノユメ。かしわ記念は先行ペースで納得の敗戦。叩いての変わり身十分、大井の二千ならまとめて差し切るとみました。サウンドトゥルーとの差し比べ。もちろんホッコータルマエ以下も虎視眈々。

【レース】
 注目の主導権争いは、ある程度想定されていた各馬、各ジョッキーが牽制し合う滑り出し。そこで思い切って主張したのがクリソライト。枠なりにアスカノロマン、コパノリッキー、ホッコータルマエの並びで、その内にアムールブリエ。直後にサウンドトゥルー。ノンコノユメも置かれずに追走。ペースはスロー。残り500で一気に先頭に立ったコパノリッキー。ホッコータルマエ、ノンコノユメも接近して直線へ。快調に脚を伸ばすコパノリッキーは、終いの2ハロンを11秒5〜12秒4でまとめるパーフェクトな勝ちっぷり。再び第一人者の座に返り咲きました。

【各馬の寸評】
1着 コパノリッキー
 フェブラリーS、JBCクラシック、かしわ記念を各々2勝。自分の形に持ち込んだ際の強さは天下一品。近走ホッコータルマエにジカ付けされる形になると劣勢ですが、鞍上の工夫ひとつで当然単の目はあるとみていました。この日はプラス15キロの547キロ。540キロ超えはデビュー以来初めてですが、別に太いというわけではなく、いつも通りの堂々たる馬っぷり。気合が乗って毛ヅヤもいい。レースは武豊騎手が大事に構えて外3番手から。ペースが遅いので馬がやや行きたがる素振りを見せましたが、懸命に制御。残り500で先頭に立ち、2番手ホッコータルマエを2馬身リードして直線へ。そこからの2ハロンが11秒5〜12秒4では後続も打つ手なし。危なげなくゴールを駆け抜けました。再び旬を迎えたようです。

2着 ノンコノユメ
 かしわ記念では人気を分けたモーニンとともに6歳世代に屈する形。ただし、サウンドトゥルーには先着したし、先行ペースの千六では致し方なし。ジャパンダートダービーを制した大井の二千なら、鬼脚発揮の可能性が大で、あとは馬体の回復でした。この日はプラス6キロの453キロ。小柄な馬体をフックラ映して、いつも通りの好気配。体調アップを確信。レースは出遅れですが、ペースが遅く置かれずに追走。外7番手を進み、4コーナーでは早くも3番手へ。ここまで来ればといったところですが、コパノリッキーに想定外の脚を使われて2着止まり。これは相手を褒めるべきでしょう。流れ次第で雪辱のチャンスはある。

3着 サウンドトゥルー
 昨年の日本テレビ盃でクリソライト、コパノリッキーを一蹴。以降もG1路線で連続好走と、単なる漁夫の利ではなかったことを証明。かしわ記念は千六の先行ペースで基準外。叩いて良化の今回は、東京大賞典の再現も十分にあるとみました。この日はプラス14キロの475キロ。かしわ記念の時が大きく減っていたので、これは戻した分か。やや太目に映るのはいつも通り。レースは大野騎手が多少気合をつけて内6番手から。不満のないポジション。4コーナーでは2番手グループの直後に取り付いてきましたが、終いの伸びが今イチで離された3着。時計的にも走れておらず、まだ体調が伴っていないのか…。

4着 ホッコータルマエ
 帝王賞、東京大賞典をともに2勝。主要タイトルはほぼ手中にしたダート界の総帥。大井の二千は自分の庭。川崎記念ではマッチレースを制してサウンドトゥルーに雪辱。ドバイからのブッツケは昨年と同じローテーション。ここはコパノリッキーにジカ付けして勝ちパターンに持ち込めるとみました。この日は川崎記念からマイナス4キロの503キロ。太目感なく相変わらず活気があって好気配。レースは例によって好スタートから出たなり。外4番手なら想定内。勝負所から進出して4コーナーでは2番手に上がりましたが、そこからサッパリ伸びず離された4着。時計的にも走れておらず、これも仕上がりが今ひとつだったということか。昨秋は叩かれつつ調子を戻して着順を上げてきましたが、既に7歳。以前の実力を額面通りに受け取るのは危険かも。

5着 ユーロビート
 昨年の帝王賞では、速い流れに乗じて脚を伸ばし2分4秒3で4着。次走は交流マーキュリーCを圧勝。南関屈指のステイヤーですが、近走は南関限定でも勝ち切れず、若干トーンダウン。このレベルの争いでは苦戦は免れずと判断。この日はマイナス3キロの539キロ。馬っぷりでは有力処に全く見劣らず、仕上がりは問題なし。レースは終始自分のペースを守って後方から進め、バテた馬を交わして5着。現状では目イチの走りでしょう。

6着 アスカノロマン
 一昨年のダイオライト記念ではクリソライトに完敗を喫していますが、近2戦のアンタレスS、平安Sはそのクリソライトに借りを返し2、1着。5歳の声を聞いてメキメキ本格化。この相手に先行力がどこまで通用するか注目でした。この日はプラス2キロの526キロ。筋肉質で非常に良く見せる馬。気合乗りも上々。レースは太宰騎手が気合をつけて外2番手で折り合う競馬。ただし、上がりの速い競馬に対応できず、徐々にポジションを下げて6着。まだ超A級レベルと肩を並べるまでには到っていない様子。

8着 クリソライト
 昨年の帝王賞2着は、ハイペースを早目先頭の早仕掛けで勝ったホッコータルマエと1馬身差。内容的には勝ちに匹敵。乗り難しいタイプですが、外枠から気分良く先行できれば大駆け十分とみていました。この日はプラス2キロの504キロ。馬体をフックラ映し活気もあり上々。レースは内枠各馬の動向を窺いつつ先行、何も行かないとみると先手を主張。ペース的には楽な逃げでしたが、残り500でコパノリッキーに交わされると無抵抗に後退。結果的に逃げが裏目に出たか…。