第45回 戸塚記念(S2)

【予想】
◎バルダッサーレ
〇ミスミランダー
▲ジャーニーマン
△ベルゼブブ
△ビッグジャイアント
△ドリームパッカード
△マテリアメディカ

 東京ダービーのビッグパフォーマンスに続いて、ジャパンDDでも勝ちに行く競馬で地方最先着。小回り川崎コースの克服が課題になるバルダッサーレですが、地力の差でカバーできるとみました。レース巧者ミスミランダーが相手本線ですが、ジャーニーマン以下連下は混沌。

【レース】
 戦前の予想通り山崎誠ベルゼブブがハナを主張。森ミスミランダー、真島ジャーニーマンと続いて、注目の吉原バルダッサーレは中団。ペースは超スロー。残り800からピッチが上がり展開がバラける形。バルダッサーレは3番手に進出。2馬身のリードを保ち直線に向いたベルゼブブは、後続に付け入る隙を与えず見事な逃げ切り勝ちを収めました。

【各馬の寸評】
1着 ベルゼブブ
 砂を被って大敗を喫した転入緒戦とは対照的に、以降2戦は鮮やかな逃げ切り勝ちと典型的な逃げ馬。スローの溜め逃げを打ったレースぶりから距離こなしそう。同型不在の展開面からも怖い存在でした。この日はマイナス6キロの472キロ。別段細目感はなくここ一連のデキ。レースは好スタートを決めてハナを主張。1周ホームストレッチでは定番のペースダウン。それも超スロー。馬は特に行きたがる素振りなし。残り800から一気にピッチを上げて後続を翻弄。2馬身リードして直線に向き、その差を詰めさせず危なげない勝利でした。展開の利と鞍上の好騎乗は見逃せませんが、逃げるととにかく渋太い。

2着 バルダッサーレ
 東京ダービー、ジャパンDDのレースぶりから世No.1に異論なし。初手合わせの馬が多いし、川崎二一の特異なペースにどう対応するかも課題ですが、地力でカバーできるとみました。この日はプラス7キロの478キロ。2ヶ月ぶりですが、フックラといい感じの仕上がり。毛ヅヤも上々。レースは吉原騎手が気合をつけて外7番手から。2周目向流しでは4番手に上がり、3コーナーでは3番手。前を追いましたが、勝ち馬の緩急をつけた巧みなペース配分に翻弄される形。正味目イチの2着でした。次走で改めて真価を問いたい。

3着 ジャーニーマン
 道営から転入緒戦のニューイヤーCを好内容3着。羽田杯3着に、古馬A2下を3着。意外に地味ながらも世代有数の実力派。渋み系のサウスヴィグラス産駒で距離こなすタイプ。人気的に狙い目十分とみていました。この日はマイナス2キロの488キロ。ややコロンとした体型で気合を表に出さないのはこの血統独特。好調と判断。レースは真島騎手がステッキを入れて外3番手。コース対応とスローペースを見込んだ積極策。向流しでは追い上げを図るバルダッサーレと併走で前を追う形。結局バルダッサーレに3馬身離されたのは力の差。これも正味目イチの4着でした。今後現在のA2格で勝ち負けするには、スピード、決め手ともにやや決定打不足。

4着 マテリアメディカ
 黒潮盃では、人気薄ながら展開に乗じて追い込み3着。過去川崎コースは6戦4勝のドル箱。赤岡騎手ということもあり、気になる存在でした。この日は増減なしの482キロ。ハードな競馬が続いていますが、馬体の張りに疲労の色なし。レースは好スタートから赤岡騎手が気合をつけて5番手から。向流しでペースアップした際も必死にポジションを守りましたが、結局流れ込む形での4着。現状長目の距離のスローペースには対応が難しい。

5着 ミスミランダー
 JRAの一角を崩した関東オークス2着が好内容。続いて古馬B1下を勝ち、黒潮盃を優勝。好位差しのレース巧者。関東オークスで距離を経験済み。逆転の可能性ありとみていました。この日はプラス1キロの473キロ。相変わらず丸みを帯びた馬体。適度な気合乗りで好調キープ。レースは出たなりで2番手から。これは予想通り。道中の折り合いはスムーズ。残り800からピッチを上げるベルゼブブを追って追走。2馬身差で4コーナーを回りましたが、最後は完全にバテて5着に後退。勝ち馬の緩急をつけた巧みなペース配分に翻弄され、心身ともにスタミナを消耗してしまったということか。