第26回 埼玉新聞栄冠賞(S3)

【予想】
◎クラージュドール
〇タイムズアロー
▲ベルゼブブ
△トキノエクセレント
△トーセンハルカゼ
△アウトジェネラル

 5月の大井記念では、先行ペースながら長く脚を使って2着に押し上げたクラージュドール。間隔はあいたが仕上がりOK。このレベルの重賞なら勝てるとみました。ただし本来の地力からはタイムズアロー、展開からは逃げるベルゼブブ。

【レース】
 内枠からベルゼブブが先手主張も、序盤はネオザウイナー、2周目向流しに入るとケンブリッジナイスに絡まれる厳しい展開。道中離れた4番手を進んだタイムズアローが4コーナー2番手。極力追い出しを我慢してゴール前抜け出しました。外詰めたクラージュドールが2着。出遅れたアウトジェネラルが後方から追い込み3着。

【各馬の寸評】
1着 タイムズアロー
 昨年の当レースは楽勝ムードに進めながら、最後の直線で気を緩めてしまい悔いの残る3着。2走前にはマーキュリーCを2着と、交流でも勝ち負けの実力。普通は◎ですが、乗り難しいこの馬には手替わりマイナスとみて〇に落としました。この日はマイナス5キロの507キロ。理想の500キロ台で気配上々。レースは西村騎手が内の動向を窺いつつ離れた4番手から。前3頭が少々やり合ったので理想のポジション。4コーナーで2番手に進出して楽に抜け出す勢いでしたが、昨年の例があるので極力我慢。残り200で先頭に立ち、残り100で追い出して着差以上の楽勝を決めました。全く破綻のない西村騎手の好騎乗。力通りの競馬なら当然の結果です。

2着 クラージュドール
 JRAオープンで、転入後もダイオライト記念4着、大井記念2着の実績。器用さを要求される浦和コースがどうかですが、そこはリーディングジョッキーが巧く捌いてくれるとみて◎を打ちました。この日はマイナス5キロの509キロ。3カ月ぶりですが、適度に気合の乗った好馬体。仕上がりは万全。レースは森騎手が多少気合をつけて外6番手から。向流しに入ると徐々にポジションを上げて4コーナー4番手。切れ味はひと息ですが、ジリジリと脚を伸ばして手堅く2着を確保しました。基本的には二千以上欲しいし、ジリ脚タイプで勝ち切るのはなかなか難しい。

3着 アウトジェネラル
 羽田盃で2着ソルテを4馬身千切って勝利したクラシックホース。古馬になってからは逃げ主体で金盃1着。今回は休み明けと、同型ベルゼブブとの兼ね合いがポイントになりました。この日は増減なしの520キロ。太目感はなく力を出せる仕上がりと判断。レースは出遅れて腹を括った待機策。正味直線勝負でいい切れ味を発揮して3着。これで即飛びつくのもどうかと思いますが、元々能力の高い馬なので、これを契機に復活の可能性も。

4着 ハーキュリーズ
 昨年のこのレースがJRAからの転入戦で、0秒5差の4着。ただし以降5戦はオール二桁着順。厳しい状況でした。この日はプラス13キロの448キロ。昨年が455キロ。元来がスッキリした体型の馬で、もっとあっていいくらい。それでもマズマズの仕上がり。レースは出たなりで内5番手から。終始経済コースをロスなく立ち回るのは昨年と全く同様。アワヤの見せ場を作りましたが、最後は力尽きて4着。精一杯頑張りました。

5着 ドラゴンヴォイス
 小柄な馬で仕上がり早。鉄砲実績があり稽古も動いていますが、ここまで印が回りませんでした。この日はプラス6キロの454キロ。キッチリ仕上がって落ち着きもあり力は出せる仕上がり。レースは出負けして内8番手からでいつもの追い込み戦法。終始内を回り、最後の直線もラチ沿いを詰めて5着。入着狙いといった運びでそれなりの結果を出しました。

11着 ベルゼブブ
 決して逃げ有利とは言えない馬場でダービー馬バルダッサーレを千切った戸塚記念は圧巻。今回は逃げ有利な地元浦和。歴戦の古馬が相手で決して楽ではありませんが、楽に逃げられればチャンスありとみていました。この日はプラス8キロの480キロ。この馬の体型からすると、増えたのは好材料。何より落ち着いていたのが好感。レースは当然先手主張ですが、1枠のネオザウイナーにいじめられて、ハナに立つまでに脚を使わされる破目に。更に2周目の向流しに入るとケンブリッジナイスに絡まれて息が入らない流れ。3コーナー手前で早々と交わされて撃沈しました。今後は自己条件で仕切り直しですが、かなり条件が上がっているので、そう楽な競馬は望めないかもしれません。