第40回 東京2歳優駿牝馬(S1)

【予想】
◎アップトゥユー
〇アンジュジョリー
▲ヤマミダンス
△ピンクドッグウッド
△スターインパルス
△オーブスプリング
△ジュンアイノキミ
△ゴーフューチャー

 逃げるスターインパルスをマークしてアッサリ抜け出したローレル賞が、時計以上にインパクト大のアップトゥユー。距離延長で意外な新味。未対戦の強敵が加わってきたものの、問題なくいけるとみました。末脚確かなアンジュジョリーが相手本線。

【レース】
 ゴーフューチャーがハナに行き、スターインパルスは無理をせず2番手から。これをマークしてピンクドッグウッド、アップトゥユーの並び。ヤマミダンスは全く出脚が利かず5番手から。アンジュジョリーは後方から。ペースはやや速目。抜群の手応えで3コーナー先頭に立ったピンクドッグウッド。これを追うアップトゥユーとのマッチレースの様相でしたが、残り200からラストスパートをかけたピンクドッグウッドが一気に突き放し圧勝。離れた3着にアンジュジョリー。

【各馬の寸評】
1着 ピンクドッグウッド
 エーデルワイス賞ではアップトゥユーと頭差の競馬。道営から名古屋の川西厩舎への移籍緒戦がこのレース。掴みづらい面はありますが、稽古は動いているので、注目の一頭でした。この日はプラス9キロの459キロ。丸味を帯びたいい感じの造り。活気があり気配的には満点。レースは戸部騎手が多少気合をつけて外3番手から。抜群の手応えで3コーナーでは早々と先頭。これを追い駆けてきたアップトゥユーとのマッチレース。直線入口での半馬身の差を、残り200からのラストスパートで一気に突き放し3馬身差の圧勝。パーフェクトな勝ちっぷりでした。時計の1分42秒6は、前日のシンデレラマイルより0秒1速い好タイム。これは楽しみな馬が現れました。

2着 アップトゥユー
 エーデルワイス賞はハイラップで飛ばし、大物の誉れ高いリエノテソーロの2着。前走のローレル賞は、初の千六をものともせず、番手競馬で圧勝。あの走りを見せられては逆らえませんでした。この日はプラス6キロの467キロ。フックラとした馬体に適度な気合乗り。力強い踏み込み。文句なし。レースは阿部龍騎手が多少気合をつけて外4番手から。道中はやや行きたがる素振り。終始ピンクドッグウッドをマークする形で、4コーナーでは半馬身差の2番手。完全にマッチレースの様相でしたが、残り200からの相手のラストスパートについて行けず、3馬身差の2着。相手が強いのは確かですが、この馬も序盤のコース取りや折り合い面でのロスがあり、反撃の余地は十分に残されているとみます。

3着 アンジュジョリー
 金沢の最終戦ではヤマミダンスの逃げ切りを許していますが、南関移籍で2連勝、場数を踏んで着実に成長なら、展開も加味すると怖い存在でした。この日は増減なしの447キロ。仕上がり切った馬体でややテンションが上がり気味。状態は特に変わらず。レースは16番枠ということもあり、森騎手がヤンワリ構えて後方14番手から。4コーナーでもまだ10番手。上がりのかかる競馬に乗じて3着に押し上げました。1、2着馬には完全にスピード負け、力負け。

4着 グラスサファイヤ
 過去2勝の時計平凡。コース二度目とはいえ無印。この日はマイナス2キロの431キロ。細目感はなく落ち着きもありマズマズ。レースは後方12番手で抑え込む競馬。直線勝負に賭けて展開に乗じての4着。内容的には特筆すべきほどではありませんが、前走に比べて2秒も時計を短縮できたのは収穫で、次に繋がりそう。

5着 ガロ
 馬体を減らしながらもローレル賞では一瞬見せ場。能力は秘めていますが、ここまでは印が回りませんでした。この日はプラス11キロの431キロ。まだ細身に映りますが、とりあえずは戻したし、落ち着いていたのが何より。レースは出たなりで内8番手から。手応え良く進出して4コーナーでは離れた3番手。ローレル賞と同じような運びでしたが、最後は力尽きて5着。立て直してもう少し馬体を増やし、おそらく適性が高いと思われるスプリント戦に特化すれば、かなりの活躍が見込める好素材。

15着 ヤマミダンス
 すべて逃げ切りで5戦5勝。距離も千七まで経験。1番枠を引いて逃げ特注ですが、他にも速い馬が揃っており、行き切れるか微妙な面も。過剰に人気になるようだと嫌な感じもしました。この日はマイナス10キロの478キロ。スッキリした体つきで、特に目立たず。レースは好スタートを決めて青柳騎手が気合をつけて行ったものの、ダッシュ負けして内5番手から。逃げ気性なのか、そこから無抵抗に後退。能力云々よりも、自分の形ではありませんでした。