第9回 ユングフラウ賞(S2)

【予想】
◎ピンクドッグウッド
〇シェアハッピー
▲アップトゥユー
△ステップオブダンス
△スターインパルス
△アンジュジョリー
△ガロ

 諸々課題を抱えていた2歳優牝を好タイム楽勝のピンクドッグウッド。千四替わりもむしろ加点材料なら、斤量増でも負けられないとみました。シェアハッピー、アップトゥユー、ステップオブダンスなど人気サイドで順当。

【レース】
 スタートセンス抜群のスターインパルスがハナは予想通り。離れた2番手にアップトゥユーで、ピンクドッグウッド、ステップオブダンスも先行グループ。グラスサファイア、シェアハッピーは中団でアンジュジョリーは後方から。緩みのないハイペース。勝負処から動いたアップトゥユーが4コーナーで先頭に並びかけ、直後に迫ったのがステップオブダンス。直線に向くと一旦はアップトゥユーが先頭に立ちましたが、外伸びたステップオブダンスが残り50で交わして1着ゴール。3着は内伸びたグラスサファイアで、ピンクドッグウッドは7着に敗退。

【各馬の寸評】
1着 ステップオブダンス
 新馬は全く馬なりの大差勝ち。以降2戦はともに出負けが響いて3着ですが、キャリア3戦目と初距離を考えれば前走の桃花賞は大健闘。スタートさえ出れば怖い一頭でした。この日は増減なしの466キロ。馬体をフックラ映して懸念されたイレ込みもなく好仕上がり。レースは出脚はそうでもありませんが、向正では無理なく外4番手。3コーナー3番手に上がり、4コーナーでは先行2頭を射程圏内に。残り50で前を交わして1着ゴール。キャリア不足を素質でカバーする快勝劇でした。まだ発馬に課題を抱えていますが、このハイペースを無理なく追走できるスピード能力非凡。追っても確か。距離延びていいかは微妙ですが、当然牝馬クラシック路線の有力候補。

2着 アップトゥユー
 スンナリ逃げた前走の桃花賞4着が案外ですが、斤量差と目標になったのが裏目? 外枠を引いた今回は、ローレル賞、2歳優駿牝と同様に外番手に構えられそうなので、反撃容易とみました。この日はマイナス8キロの461キロ。馬体減は気にならずフックラとした造り。適度な気合乗り。レースは好スタートから真島騎手が気合をつけて離れた2番手、深追いを避ける形。勝負処から徐々に差を詰めて4コーナー併走。最後の直線で一旦先頭に立ちましたが、ステップオブダンスに交わされて惜しくも2着。それでも持ち味のスピード能力は発揮しました。

3着 グラスサファイヤ
 過去2勝の時計平凡。2歳優牝は4着ですが、無欲の直線勝負に賭けてバテた馬を交わした程度。このメンバーを相手に浦和の千四では、スピード負けの可能性が大とみていました。この日は増減なしの424キロ。決して細目感はないものの、デキは現状維持。レースは今野騎手が多少気合をつけて内6番手から。終始経済コースを死守して4コーナーでは離れた4番手。内を突いて4着と頑張りました。目イチの競馬とはいえ、29秒台で駆ければ上等。

4着 スターインパルス
 前走のニューイヤーCは好枠から大逃げを打ってアワヤの見せ場。もちろん千四ベターのスピード馬。同型強力で展開微妙ですが、今回も好枠から行き切って台風の目になる可能性。この日はマイナス4キロの457キロ。2歳時から他地区遠征なども含めて使い込んでいますが、使い減りせず案外タフな馬。馬体をキープして順調。レースは今回も抜群のスタートセンスで飛び出してハナ。速目のラップを刻んで再び大逃げ。ただし追い駆けて来る馬も強力で4コーナーで並びかけられる形。直線に向いて早々に交わされてしまいましたが、2馬身圏内に踏ん張ったのは評価に値。距離延びてどうという馬ではありませんが、スプリンターとしては面白い存在に。

5着 アンジュジョリー
 2歳優牝では16頭16番枠からの発走で追い込み3着。前走のニューイヤーCも直線勝負で6着。地元千四への適性?で入着ラインの評価。この日はマイナス2キロの451キロ。仕上がり切った馬体、例によってややテンションが上がり気味。前走並みの状態。レースはスタートひと息で離れた9番手から。勝負処からマクってソコソコ詰めてはきましたが、完全にスピード負け。もう少し距離が欲しい。

7着 ピンクドッグウッド
 距離も含め諸々課題を抱えていた2歳優牝が、折り合いスムーズに先行突き抜け。前日の古馬シンデレラマイル1、2着のトーセンセラヴィ、リンダリンダが1分42秒7を考えると、1分42秒6は2歳馬としては出色。しかも千四ベターのスピード型。稽古も上々なら、少なくとも1分28秒台で勝てるとみていましたが…。この日はプラス2キロの461キロ。丸みを帯びた体つき。力強い踏み込み。文句なし。レースは好スタートから出たなりで先行も、最初のコーナーの捌きがギコちなくポジションを下げて5番手。道中の反応ひと息。勝負処からもがいても反応は改善されず。最後の直線での走りからバテている感じではなく、要は初の左回りが全く捌けなかったということ。つくづく競馬は難しいと痛感しました。

8着 シェアハッピー
 転入2連勝。特に出遅れを挽回して楽勝を決めた前走の桃花賞が優秀。馬体増も成長の証で期待。この日はプラス1キロの454キロ。馬体を維持できていたし落ち着きもあり好調キープ。レースは今回も出遅れ。矢野騎手が気合をつけて外7番手から。勝負処から一応はマクる姿勢を見せましたが、全く推進力がなく8着と大敗。これも初の左回りが響いた様子。