第63回 エンプレス杯(Jpn2)

【予想】
◎ヴィータアレグリア
〇ワンミリオンス
▲タマノブリュネット
△タイニーダンサー
△ブランシェクール
△リンダリンダ
△ポッドガゼール

 昨年のこのレースでは超スローに折り合って、勝ったアムールブリエと1馬身差の競馬をしたヴィータアレグリア。今年も強力先行型が不在で、前々で森騎手が立ち回るとみれば狙い目とみました。もちろんワンミリオンスが相手。

【レース】
 好スタートからリンダリンダが自然にハナに行きましたが、1周ホームストレッチでヴィータアレグリアが先頭へ。外2番手にワンミリオンスで、リンダリンダは内3番手に引く形。その外にタイニーダンサー、その内にポッドガゼール。タマノブリュネットは中団やや後ろ。ペースはスロー。向流しに入ると出遅れて後方にいたブランシェクールが進出態勢。ただし前に影響を与えるまでには至らず。4コーナーで先頭に並びかけたワンミリオンスが、残り200で先頭。楽に後続を振り切りました。外に切り替えたリンダリンダが、ヴィータアレグリアを交わして2着。

【各馬の寸評】
1着 ワンミリオンス
 距離千八、力の要る地方ダートへの対応?が杞憂に終わったTCK女王盃の圧勝劇。スムーズに折り合ったレースぶりからは更に延長も問題にはならず、鞍上続投、斤量据え置きで当然有力。この日はマイナス3キロの471キロ。ゴールドアリュール産駒の割にはややスラッとした体型。一見して芝馬のイメージも。ただし落ち着き払って好気配。レースは好スタートから1周ホームストレッチでは自然に外2番手。ペースを考えるとベストポジション。道中の折り合いスムーズ。最終4コーナーでヴィータアレグリアに並びかけ、残り200で先頭。危なげなく1着ゴールを駆け抜けました。力の要る川崎コースの二一を難なくクリアなら、いよいよこの馬の時代到来か。

2着 リンダリンダ
 クラシックシーズンより馬体を増やして戦列復帰。勝ち星には恵まれないものの、TCK女王盃は積極策でアワヤの2着。その一瞬のキレが長距離向きかは微妙ですが、折り合えば勝ち負けになるとみました。この日は増減なしの497キロ。以前に比べると見違えるほど逞しくなりハイレベル安定。レースは好スタートから序盤はレースをリード。1周ホームストレッチでヴィータアレグリアにハナを譲り内3番手に控える形。懸念された折り合いはスムーズ。ポジションを守り、最後の直線は外に切り替え確かな末脚で2着。ロスのない運びで目イチの競馬ではありますが、距離もこなせることを証明。

3着 ヴィータアレグリア
 昨年は超スローのイン3番手を進み、究極の瞬発力勝負でアムールブリエに1馬身差。今回は内枠から逃げも想定されるメンバー。森騎手でもあり大いに注目していました。この日はプラス2キロの455キロ。昨夏のスパーキングレディーCの時は馬体を減らして全く見映え? スマートな体型の馬ですが、その当時に比べれば雲泥の差。踏み込みも力強い。レースはスタートひと息で、序盤は馬込みを捌くのにひと苦労。1周ホームストレッチで外に持ち出し、馬の気に任せて先頭を奪う形。このあたりはさすがの機転。2番手のワンミリオンスも大事に構えたので息の入る逃げ。4コーナーで並びかけられ、残り200で交わされると少々厳しくなり、リンダリンダにも抜かれて3着。スタート五分に出て最初からスンナリ逃げていれば、悪くとも2着はあった競馬。

4着 ポッドガゼール
 対リンダリンダ4連敗中。同世代の牝馬ではトップ下の位置付けですが、ロジータ記念では併せ馬の形で0秒1差。長距離なら対等の扱いができるし、そのリンダを秤にすれば、展開微妙でも食い込むチャンスはあるとみていました。この日は増減なしの456キロ。3歳時からあまり馬体が成長してこないのは不満ですが、好調キープ。レースは珍しく好スタートから先行態勢。向正では内5番手。ペースアップした際にややポジションを下げましたが、インコースでジックリ我慢。4コーナー馬群が切れた処でうまく外に切り替えてこれはと思わせましたが、先行ペースに4着までが精一杯でした。交流でもハマれば一発ある。

5着 タイニーダンサー
 前走のTCK女王盃は負け過ぎですが、道中の不利が響いたのも事実。交流重賞3勝の実績は断トツ。関東オークス1着、ブリーダーズGC2着から、母系の色濃い長距離志向。人気下げて狙い目十分とみました。この日はマイナス1キロの495キロ。パドックの外目を活気十分に周回する姿はいつも通りで良く見せます。レースは出たなりで序盤は外2番手。向正では外4番手。勝負処から動いて3番手に進出しましたが、最後の直線は伸びを欠いて5着止まり。このレースぶりを見る限りは前途険しい。早熟タイプだったということか。

6着 タマノブリュネット
 昨年のこのレースは超スローの先行決着に展開負け。千六のJBCは強力マイラーにスピード負け。基本的には時計のかかる川崎の馬場は向いているし、長距離も歓迎なので、早目の進出が叶えば勝ち負けとみました。この日は増減なしの483キロ。フックラとした体つきで落ち着きもありいつも通り。レースはルメール騎手が気合をつけて序盤は内5番手。徐々にポジションを下げて、向流しでは外9番手からマクり上げる形。3、4コーナーでの手応えは悪くありませんでしたが、先行決着もあり多少差を詰めた程度の6着。脚質からは仕方ないとも言えますが、それほど切れるタイプではないので、多少強引にでも動いて欲しかった。

7着 ブランシェクール
 高柳瑞樹厩舎3頭出しの中では格下ですが、千八延長で3勝ゲット。時計の速い京都は凡退も、前走の中山は力任せのマクり一撃。力の要る川崎の馬場の長距離は歓迎。ニューフェイスが幅を利かす昨今の交流戦線だけに気になる存在でした。この日はプラス6キロの512キロ。いかにも力馬タイプというガッシリした体つき。適度な気合乗り。レースは出遅れて外8番手から。向流しで動いて5番手まで取り付きましたが、そこまでで精一杯。格云々よりも小回りコースへの対応が難しかった様子。