平成22年3月1日、千葉県印西市にある大井競馬・小林分場に、坂路コース(全長1050m、坂路部分400m、勾配3%)が開設されました。それに先立ち、2月27日の土曜日にマスコミ向けの見学会が
行なわれました。

 あいにくの雨模様でしたが、話題のニューポリトラックの性能を確かめるには絶好のコンディション
です。

 当日はマスコミ関係者30名ほどが取材に訪れました。実際に坂路コースをスタート地点から歩き、
その感触を確かめます。


 前日から50ミリほどの降雨があったとのことですが、ニューポリトラックには水ひとつ浮いておらず、
適度な湿り気、シットリとした感触です。砂が70パーセント、残りは利用しなくなった電線の廃棄物など
で構成されています。クッションが効いており、砂だけのダートコースと比べると、馬の脚もとにはとて
も優しい印象でした。

 今回、進行を務めていただいた、特別区競馬組合経営管理部企画
課の笹岡さんを中心に、滞りなく見学会は進んでいきます。

 実際に競走馬(堀千亜樹厩舎所属のピサノボス)に登板もしてもら
いました。騎乗しているのは堀千亜樹調教師です。

堀調教師は『フラットなコースで行なっている攻め馬とは明らかに息
の使い方が違いますね。坂を登ることで効果的に馬に負荷をかける
ことができます。また、ニューポリトラックは脚もとの弱い馬にもクッシ
ョンが効いているのでいいですね。様々な場所で坂路コースを経験
してきましたが、設備としてはとても優れていると思いますよ。馬に合
わせてこれからどう利用していくか、段階を踏んでいる状況ですが、
小林から強い馬を出していかないとね』

 今後は小林分場の所属馬だけではなく、大井、あるいは
川崎、船橋、浦和の所属馬の利用も可能になるとのことで
す。既に、出張馬房も完成していました。24馬房あるとのこ
とで、利用する厩舎も増えてくるかと思われます。

  調教コースに面した調教師が追い切りを見る部屋(通称
天狗山)には、実際に登板している馬をモニターで確認す
ることができ、ラップタイムも見ることができます。

 春には桜が満開になる小林分場周辺。競走馬にとって
リラックスできる環境が揃っており、そこに時代の先端を担
う設備が整いました。結果が出るのはまだ先かもしれませ
んが、この坂路コースを経験した馬たちの、今後の活躍が
楽しみです。