2013年の地方競馬で活躍した競走馬及び厩舎関係者を表彰する「NARグランプリ2013」が、2月6日(木)東京・目黒の目黒雅叙園『舞扇』において行われました。
地方競馬の優れた人材 を顕彰する表彰者部門では
御神本訓史騎手(大井/最優秀賞金収得騎手賞)、
川島正行調教師(最優秀賞金収得調教師賞)など、
2013年の地方競馬を象徴する豪華な顔ぶれが一堂に会しました


共同会見の模様

年度代表馬ハッピースプリント管理
殊勲調教師賞
田中淳司調教師

 管理馬が年度代表馬に選ばれた現在の気持ちを聞かせて下さい
 『素晴らしい賞を頂けて嬉しいです。馬に感謝しています』

 入厩時の印象を聞かせて下さい
 『オーナー様からは凄い馬が入るよと言われていました。確かに馬っぷり良く、乗った感じも素晴らしかったですね。ただ、ここまで大きくなってくれるとはその当時、正直思っていませんでした』

 デビュー戦を振り返って下さい
 『当初は千七の新馬戦を予定していたのですが、不成立になってしまい千二になりました。千二でもと思っていましたし、3番人気でしたが、自信はあったんですよ。レベルの高い走りをしてくれましたね』

 その後芝のレースにも挑戦しましたが、適性はどう考えていますか?
 『馬の格好から芝でも対応できると思っていました。頑張ってくれましたが、結果的にはダートの方が合っていたのかもしません』

 そして川崎で全日本2歳優駿を制しました
 『キャリアの浅い2歳馬にとって北海道から関東への輸送は楽ではないと思います。それに動じなかった精神力の強さ、一流馬の証ですね。北海道では2歳戦中心で送り出すのは当たり前のことですが、ここまで強い馬となると正直出したくないなぁと思う気持ちもあります。ただ、管理する森下調教師とは仲がいいですし、南関東での活躍を期待しています』

 その他の管理馬も全国で活躍しました。ハッピースプリントの年度代表馬選出などの活躍を評価されての殊勲調教師賞おめでとうございます
 『特別意識はしていなかったので、嬉しいですね。スタッフには、北海道だけではなく更に強い舞台でも戦っていこうと話をしています』

 最後に今年の目標を聞かせて下さい
 『昨年以上と言うと、無理と思われるかもしれませんが、昨年以上の結果を出せるように頑張りたい。そして大きいレースも勝っていきたいですね』


ハッピースプリント主戦
宮崎光行騎手

 ハッピースプリントには2戦目からコンビを組んでいますが、印象を聞かせて下さい
 『初戦は騎乗できなかったんですけど、能検など乗せてもらっていました。他の馬とはスピードが違いすぎていました。これなら上でもやれるかもという感触はありました』

 芝の適性については
 『あの当時は芝よりダートの方が合っている感じでしたが、芝の2戦でいい経験ができました。それがダートに戻っていい方に向いていい走りに繋がってくれたのかなと思っています』

 全日本2歳優駿を振り返って下さい
 『左回りは初めてでしたが、いい感じの追い切りを消化してレースに臨むことができました。JRAや他地区の馬が相手でも勝てる馬だと期待して騎乗しました。何より無事にレースまで行って欲しかったです』

 今後の目標を聞かせて下さい
 『全国免許なので、呼んでもらえれば乗りに行きたい。僕だけでなく、そう思うのが騎手ですから。南関東でも無事に走ってもらいたいですね。今年も1つでも多く勝てるよう頑張りたいです』


最優秀勝利回数騎手賞
川原正一騎手(兵庫)

 54歳で267勝を挙げてのリーディング獲得。おめでとうございます
 『嬉しいのひと言ですね。年齢のことは良く言われますが、自分では年齢のことは感じていません。疲れることもあるけど、馬に関わるみんなのことを思うと、また頑張ろうと思えるんだよね』

 これまで東海時代を含め、2位が多かったですが意識はしていましたか?
 『リーディングは特別意識していませんでしたが、12月に入ってから意識するようになってきました。1頭1頭みんなの想いが詰まっていて僕が最後のタスキを任される。ゴールにちゃんと繋がるように1頭1頭大事に乗った結果がいい形になってくれました』

 スーパージョッキーズトライアルで優勝してワールドスーパージョッキーズシリーズにも出場しましたね
 『4戦終わった時は代表になったかわからなかったけど、周りの人たちから言われてわかりました。嬉しかったですね。世界のトップの方々と一緒に乗れることを誇りに思いながら楽しんで乗れました』

 今年は早くも重賞2勝。調子いいですね。目標を聞かせて下さい
 『いい馬に恵まれました。昨年よりいいスタートが切れたと思うし、みんなの力のおかげだと思います。怪我のないように乗ってみんなの期待に応えたいね。ファンの皆様にも喜ばれるようなレースをしたいです』


最優秀勝率騎手賞
山口勲騎手

 昨年、全国でただ一人30%を超える勝率をマーク。受賞おめでとうございます
 『素直に嬉しいですね』

 重賞での活躍も目立ちました
 『重賞も多く勝たせてもらいましたし、他場にも積極的に乗りに行く機会があり、充実した1年になりました』

 最後に目標を聞かせて下さい
 『怪我なく乗って年間200勝を目指したい。できれば勝ち星と2冠を目指して頑張りたいです』


最優秀勝利回数調教師賞
雑賀正光調教師

 3年連続3回目の受賞おめでとうございます
 『ありがとうございます。嬉しいですね』

 昨年200勝超えはただ一人です
 『今年は交流重賞で頑張ってくれた馬もいたし、楽しい競馬ができた1年でした』

 地元高知では重賞6勝をマークしましたね
 『グランシュヴァリエがいい形で1年を締めくくってくれましたし、高知の看板馬になってくれたと思います』

 昨年一番思い出に残っているレースは?
 『エプソムアーロンで2着した兵庫ゴールドトロフィーです。地元でも頑張ってくれましたし、思い出に残っています』

 今年の期待馬はこの2頭ですか?

 『そうですね。いつでも使える状態ですよ』

 最後に目標を聞かせて下さい

 『来年もこの場にくることができるように、努力したいです』


最優秀勝率調教師賞
柏原誠路調教師

 2年ぶり2度目の受賞おめでとうございます
 『この賞を頂けてすごく嬉しいですね』

 勝率35.4%でしたが、何か心掛けていたことはありますか?
 『回転を良くしようと育成を取り入れて、出走回数を増やすように心掛けました』

 小数第2位まで表示するほどの接戦となったのですが、意識していましたか?
 『自分で特別計算はしていませんでしたが、最後の4戦全て勝てたらトップになれるのではと思っていました』

 そして84勝を挙げて兵庫リーディングも獲得ですね
 『途中くらいから狙えるのではと思っていました。オーナー様に勝てる馬をとお願いしますと話をしていたら想像以上にいい馬が集まってくれました。感謝しています。当面の目標が兵庫リーディングだったので、勝率よりもそちらを意識していました。満足いく結果を残せたと思います』

 最後に目標を聞かせて下さい
 『今度来る時は成績、質ともに良くして戻ってきたいですね。年間100勝を目指してコツコツ頑張ります』


優秀女性騎手賞
別府真衣騎手

 受賞おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせて下さい
 『3年ぶりなので、緊張しています。以前この賞をもらった時よりも嬉しかったですね』

 昨年を振り返ってどうでしたか?
 『自分では納得した成績を挙げることができませんでしたが、評価してもらえて嬉しかったです』

 ご自身で何か変わったと思うところはありますか?

 『韓国に約1年間乗りに行っていましたが、そこでリズムが崩れて苦しかったです。昨年も苦しいシーズンでしたが、関係者の方々のおかげもあり多く乗せて頂けました。昨年は重賞で惜しい競馬が多かったので、悔しかったですね』

 海外遠征で得たことはありますか?
 『精神的に成長したと思います。前よりも自分に厳しくできるようになりました。父である先生も厳しくしてくれます』

 宮下瞳、元騎手の持つ日本における女性最多勝の記録も見えてきましたね
 『騎手になった時から憧れていた目標の人。数字が見えてきたので、頑張りたいです』

 最後に今年の目標を

 『重賞勝ちと年間60勝を目指したいですね。宮下騎手の記録を抜くまでは日本で頑張りたいです』


最優秀ターフ馬
プレイアンドリアル関係者
馬主 岡田繁幸

Q 受賞おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせて下さい
A 『地方からJRAへ使うことにこだわっているので、この賞を頂けて嬉しいですね。そして先日の京成杯で結果を出してくれたのでそれも嬉しかった』

Q 初めてご覧になった時の印象は?
A 『トレーニングセールで買ったのですが、タイムトライアルでいい時計を出していたわけではなかったので、そこまで気にしていなかったんです。セリの前に馬を見ていい馬だなぁと思い、セリの最中にタイムトライアルのVTRを見に行ったんです。VTRを見ながらどこまで競るか心配していたら、競り落としてくれて。もっと値段が上がると思っていました』

Q 芝の適性に関しては?
A 『芝馬だと思いますよ。今は川崎所属なので、そこから中央のクラシック、先々は海外遠征も考えているくらいです。ダート戦も相手関係など見ながら使っていきたいと考えています』

Q コスモバルクとの比較は?

A 『バルクには失礼ですけど、モノが違うと思います』

Q 東京スポーツ杯2歳Sでは惜しい2着でした

A 『負けてビックリしました。ただ、日本レコードで走っていますからね。その前に走った盛岡の芝1戦だけではあれだけの高速決着に対応できないのだと思いました』

Q 現在の様子、今後の予定は決まっていますか?
A 『実はですね…右前に不安があり繋靭帯炎で順調とは言えない状況です。現在は北海道でマイナス何十度となる中で夜間放牧を行って、自然の負荷で鍛える荒療法を試みています。皐月賞からダービーか、皐月賞をパスして青葉賞からダービーか考え中です』

Q 最後に夢を聞かせて下さい
A 『日本ダービー制覇です。現在、中央と地方では格差が大きすぎる。競馬産業全体で支えていかなければいけない。地方競馬のホースマンがJRAのビッグレースに関われるように。努力した者が報われるようにならなければいけないと思います。プレイアンドリアルにダービー制覇の夢を賭けたい』



田部和則調教師

Q 初戦を振り返ってもらえますか?
A 『当時は外厩からの出走でしたが、素晴らしいレースをしてくれました』

Q 続く、盛岡のジュニアグランプリと東京スポーツ杯については?
A 『盛岡では上がりの時計が良く、ジョッキーも今まで一番と言ってくれました。期待が膨らみましたね。東京を使う時も中間追い切りなど乗っていましたが、体調万全で勝てると思って送り出しました』

Q コスモバルクとの比較を教えて下さい
A 『プレイアンドリアルはコスモバルクより瞬発力は上だと思います。クラシック制覇を目指して今後も頑張って欲しいですね』


河津裕昭調教師

Q そんなプレイアンドリアルが入厩すると話があった時の心境は?
A 『本当で楽しみで仕方なかったですね。嬉しかったです』

Q 緒戦となった朝日杯を振り返って頂けますか
A 『レース後に精神面など反省しながら次に生かしたいと思いました。岡田オーナーの考えたアルゼンチン式の調教メニューで折り合い対策を行いました。京成杯で勝つことができて、結果としてうまくいったと思います』


優秀新人騎手賞
笹川翼騎手

Q 大井所属の新人騎手が受賞するのは初だそうです。今のお気持ちは?
A 『一生に一度の新人賞なので、受賞できて素直に嬉しいです』

Q 同期の活躍も目立ちますね
A 『学校時代から互いに切磋琢磨して、負けないように頑張りました』

Q 4月7日、デビューの日の心境は?
A 『ドキドキしていましたし、不安もありました。ただ、馬に乗ったら気にしなかったです。今後も初心は忘れないようにしたいですね』

Q デビュー戦については?
A 『一番人気の馬に乗せて頂いたのですが、そう簡単に勝たせてはくれないなと思いました』

Q 4月9日に初勝利を挙げましたね

A 『人気もなかったですし、僕も正直勝てると思っていませんでした』

Q 昨年の成績については?
A 『周りの方々のサポートがあったので、感謝の気持ちでいっぱいです。この気持ちを忘れないようにしたいです』

Q 11月には重賞にも騎乗しました
A 『故障した馬に巻き込まれてしまったので…』

Q 今年の目標は?
A 『昨年は騎乗停止や戒告を受けてしまったので、制裁を受けないように、そして去年以上の勝ち星を挙げたいです!』


最優秀賞金収得騎手賞
御神本訓史騎手

Q 受賞おめでとうございます。今のお気持ちをお願いします
A 『素直に嬉しいですね。ただ、勝利数でトップが獲れなかったのは悔しいです』

Q 戸崎騎手が移籍して今度は自分がという気持ちでしたか?
A 『まだまだだと思う部分の方が多いです。数年前からリーディングを意識していたし、戸崎騎手が移籍したので、昨年はキッチリ獲るんだと思っていました』

Q 重賞での活躍も目立ちましたね
A 『クラシックを勝てたのは大きかったです。怪我で2週間ほど休んだ時季もあったので、競馬を通年乗れるような体造りをしてこなせるようになりたですね』

Q 全国リーディングでも惜しかったですね
A 『勝ち星は常に意識していました。この悔しさを糧に今年も頑張っていきたいです』

最優秀賞金収得調教師賞
川島正行調教師

Q 受賞おめでとうございます。お気持ちを聞かせて下さい
A 『毎年受賞してきたけど、今年は特別に感動した。自分が体調を壊した中でここまで勝つことができたし、賞金を得られて嬉しく思っているよ。いいオーナー、ジョッキーに出会ってアドバイスした通りゴールまで走ってきてくれた。それが実ってこの結果に繋がったと思う』

Q 重賞は8勝でした
A 『例年より少ないのは自分が体調を崩してしまったことで、成績に繋がらなかったのだと思う』

Q 先日、雲取賞を制したドバイエキスプレスについて
A 『新馬戦では負けてしまったが、ここ3戦は言ったように事が進んでいる。雲取賞もゴール前の勝負強さはなかなかのモノ。親子で大きいところを獲りたいと期待している馬』

Q 息子の正太郎騎手について
A 『親父は厳しいとよく言っているが、それくらいでないと上達しないと思うので。技術は上達していると思うので、今後は自分でチャンスを掴みとれるようになって欲しいね』

Q 新人賞を受賞した笹川騎手についてはどう見ていますか?
A 『いい馬に恵まれて経験を増やして努力すれば、上に行ってくれると思う』

Q 最後に今年の目標を聞かせて下さい
A 『具体的な数字というよりも、後進の育成に力を入れていきたい。親子でダービー制覇も目指したいね』

祝賀会レポート

2歳最優秀牝馬
ブルーセレブ
森泰斗騎手

『大井で走るのは初めてだったので、少しテンションの高い感じはありましたが、展開もうまく味方して個人的にもいい形で1年を締めくくることができました。ユングフラウ賞から始動予定と聞いているので、このタイトルに恥じないような競馬をして欲しいし、力を出せるように頑張りたい』


ダートグレード競走特別賞
ホッコータルマエ
幸英明騎手

『なかなか頂ける賞ではないので、このような素晴らしい賞を受賞できてうれしいです。どこからでもレースできるタイプの馬です。次走はフェブラリーSと聞いているので、そこでも馬の邪魔をしないように乗って、力を引き出してあげたいですね』


4歳以上最優秀牡馬
セイントメモリー
本橋孝太騎手

『乗る毎に良くなっていて、毎回毎回いい意味で驚かされますね。自分の想像以上に進化している馬です。このような賞を受賞できて嬉しいです』