2015年の地方競馬で活躍した競走馬及び厩舎関係者を表彰する「NARグランプリ2015」が、
2月4日(木)東京・目黒の目黒雅叙園『舞扇』において行われた。
地方競馬の優れた人材を顕彰する表彰者部門では
森泰斗騎手(船橋/最優秀勝利回数騎手賞・最優秀賞金収得騎手賞)、
小久保智調教師(浦和/最優秀賞金収得調教師賞)など、
2015年の地方競馬を象徴する豪華な顔ぶれが一堂に会した。


共同会見の様子

優秀新人騎手賞
中島龍也騎手(金沢)

「昨年にこの賞をもらおうという気持ちで一年間頑張ったんですけど…
2年目まで(対象)ということで諦めないで前の年以上の成績を残して絶対に取るっていう気持ちで臨みました。結果この賞を頂いてすごく嬉しいし、これに満足せずこれからも精進していきたいと思います」

デビュー戦の時についてー
「逃げたんですけど、ペースが全然わからなくて…。後ろをキョロキョロしちゃってあんまり見て欲しくない騎乗をしてしまい、すごく恥ずかしかった覚えがあります」

初勝利の時ー
「すごい手ごたえと言ったら、、まだそんなことがわかる状態じゃなかったですけど、すごい馬が進んでくれて、周りの馬が止まっているような感じで。そこからは馬任せで必死でした」

一年を振り返りー
「最初の方はいい馬に乗せて頂いて、減量が効いていたっていうことで勝ったんですけど、後半戦がぜんぜん奮わなかったので、そこはあんまり満足できなかったです」

今年の目標ー
「リーディングを獲るというのもありますけど、コツコツ小さい目標からどんどんクリアしていって昨年を上回って、、重賞のタイトルも取りたいですし、とにかく頑張って周りに認めてもらっていない部分もあるんで、金沢全体に認めてもらえるように頑張ります」

特別賞
安部幸夫騎手(愛知)

3000勝達成の瞬間ー
「周りに教えてもらって気が付いた。沢山載せていただいたので、もっと勝っても良かった。
重賞は少ないですね。やっぱりもっと勝ちたいです。今年はリーディング取るつもりで頑張ります」

元旦に重賞を勝ちましたがー
「良くお世話になっている角田先生の馬で勝てて嬉しかった。
名古屋、笠松毎日乗るつもりでリーディング狙って頑張ります!」と語った。

最優秀勝利回数調教師賞
角田輝也調教師(愛知)

「嬉しい限りのことで、また名古屋競馬場からこの賞が取れたということに大変光栄に思っております。
記録を狙うということは、やはり無理をするというところがありまして、
その無理ということがやっぱり競走馬において一番の良くない事なんです。
だからこの5〜6年間は自然体でやっていって、
そういうことは狙わずに今の現状である力でやれることをやるという気持ちでやってました。
去年の10月ぐらいに笠松の馬主さんが、
名古屋・笠松があんまりいい時じゃないんで、何とか名古屋で(リーディングを)獲ってくれ
とお尻を叩かれまして、私をはじめオーナー・スタッフ・騎手、皆さん一同で頑張って成し遂げた結果だと思います。大変つらかったです」

管理馬に対しての接し方についてー
「僕がというよりもスタッフ一人一人が調教師であるような感覚で馬の取り扱いをするということ。
これがやはりチームワークとしてさらに断固たる結束が結べてやっていけること。
僕はそれらを管理をするっていう感じでやるのが一番いいんじゃないかなと」

今年の目標はー
「管理している馬が全馬健康であること、これがまず第一ですね。
それでやはりオーナーの喜ぶ笑顔がみたいし、
また名古屋競馬場のお客様に、やっぱり角田厩舎の馬券買って良かったな。
と思ってもらえるのが一番の今年の目標としております」

最優秀勝率調教師賞
柏原誠路調教師(兵庫)

「今年で3度目の受賞、ここに3回も来させていただいて非常に光栄に思っております。
全国で1位になったというのは嬉しいんですけども、2年前にもっと成績を挙げてここに来たいです
と皆さんに言ってたんですけども、なんか後退しちゃったみたいで…。
3歩進んで2歩下がってるみたいな感じになってるんですけど、僕自身の気持ちは前向きでやっていても、なかなか難しいところがありまして…」

管理馬への接し方についてー
「人間で言いますと幼稚園児というそんな感じですね。絶えずしゃべりかけて。
僕の場合はちょっと変わってまして、笑われるかもしれませんけど、ままごと遊びみたいな感じで毎日ずっとしゃべりっぱなしで
赤ちゃん言葉までは言わないですけど、それに近いことは常にしゃべって、独り言が多いですね。
他人様から見たら、あの人ちょっと大丈夫かな?とは思われるとは思うんですけど。
僕は常に、、人間から一方通行ですけど、よくしゃべって体に触れてみたり、そんなんやってます」

川原騎手についてー
「主戦ジョッキーが川原になってまして、彼はご存じのとおり超一流のジョッキーですので、
僕が想像してる以上に馬を動かせるといいますか、、
上位のジョッキーといいますのは、皆さんレベルの違うところで何か持ってらっしゃると思います。
僕はジョッキーじゃないのでわからないのですけども、僕はそう思っています」

今年の目標はー
「目標は常にリーディングを獲ると思ってるんですけど、それにはいろいろ課題がありまして…。
馬房を増やすですとか、いい馬を入れて頂けるといいますか。
あとはチームワークですね、スタッフとのチームワーク。それが大事だと思うんですけど。
やっぱり重賞っていうのも大きい所をまだ獲っていませんので、
狙える事ができるのであれば、少しでも狙っていきたいなと思っています」


最優秀勝率騎手賞・ベストフェアプレイ賞
山口勲騎手(佐賀)

「昨年もいい結果を残せて、その数字で自分の励みになりますし、
今年もそれで頑張っていきたいと思います。

ベストフェアプレイ賞とのW受賞ー
「とても嬉しかったですね。
制裁なしで二つとも賞を獲れるということは自分にとっても嬉しい。
今年もひとつひとつ大事に乗って、勝率は勿論、制裁なしでいきたい」

優秀女性騎手賞
木之前葵騎手(愛知)

「ありがとうございます。初めてこういう賞を戴いてとても嬉しいです。
一年目は右も左もわからず、先輩たちに教えてもらうまま一生懸命乗っていました
ちょっとわかってきて、余裕も出てきたけどまだだ怒られて泣きながら乗ってましたね」

海外初騎乗・初勝利はー
「時差ボケもあり、体調面も優れていなかったんですけど、
馬は同じ形だと言い聞かせてリラックスして乗れたのもあって運良く勝てていい経験ができました。
(アブダビの時は)また違った舞台で載せていただくことになって、初めてのナイターと芝ですごく緊張して、有力馬と聞いてワクワクしていたが力を出し切れませんでした」

今年の目標ー
「馬上での余裕が出てきたので、もっと相手だったり、本命だったり、、
人気のある馬を見て一つでも多く勝てるようになりたいです」


優秀女性騎手賞
別府真衣騎手(高知)

「昨年獲れなかったので今年は選んでいただいて本当に嬉しいです。
昨年はは自分なりに自分らしく乗れたかなという一年だった。
積極的に乗れたので良かったかなと思います。
前半ちょっと取りこぼしが多かったんで、その分かなとというのはあるんですけど、
後半調子上がってきたんで今年は頑張りたい。
沢山いい馬に乗せてもらっているんで、納得いく数字ではない。もっともっと勝ちたい」

今年の目標はー
「今シーズンもケガなく去年より多く勝てたらいいなと思います。また来年会いましょう!」

最優秀勝利回数騎手賞・最優秀賞金収得騎手賞
森泰斗騎手(船橋)

「目標にしていたことなので、これでほっとしています」

受賞式で桑島参与から声を掛けてもらってましたがー
「おめでとう。頑張ったねと。
船橋の大先輩でもありますし、憧れの人でもありましたのですごく嬉しかったです」

船橋のエース、地方競馬のエースとなったわけですがー
「南関東は開催日数も多いですし、2014年は南関東でリーディングだったんですけれども、
全国リーディングが獲れなくて情けないなと思っていた部分もあります。
今年は全国リーディングを絶対獲るんだという気持ちでやってきました。
自分自身エースになったと全く思ってなくて、まだまだ未熟な部分も多いですし、
技術も磨いていけないと思ってます。
この度こういう賞を戴いたことを励みにして地方競馬を盛り上げていけたらなと思っています」

297勝という数字についてはー
「いい馬、勝てる馬をに乗せて頂いた結果だと思っています。
関係者の皆様、馬主様に一年間沢山馬に載せて頂いてその愛馬にも感謝の気持ちで一杯です」

リーディングを維持するための秘訣はー
「沢山ありますが、開催数が多くてどうしても体力的、精神的にもかなりキツくなってくることが多いので、まず第一は健康管理。
それとあとは関係者の皆様とのコミュニケーションを欠かさないようにするとか、
心掛けていることはたくさんあります」

賞金額についてはー
「ピンと来ないのですが、あまり意識してないというか、、
毎日毎日をこなすので必死で一年終わってみたらそういう獲得賞金になっていたという感じです。
特に意識していないです。毎日仕事しているので全く変わらない。
勝利数は意識していました。
全国リーディングを絶対取ると思って、園田のジョッキーたちが沢山勝つので
成績チェックしながら毎日やっていました」

頑張れた原動力ー
「自分にはこの仕事しかないと思いまして、、
必死にやってみてダメだったら諦めもつくと思うのですけど、
昔は一生懸命やってなかったので、自分のできることをやっていこうと切り替えてやってきて、
それがたくさんの人に応援してもらえるようになったのが大きい」

レースで注意してることー
「20代の頃は危ない乗り方が多くて、周りに迷惑をかけていた。
最近は周りに怖い思いをさせないようにだとか、
馬に関してはコミュニケーションをとってリズム良くよく走らせようと常々考えています」

今年の目標はー
「昨年ギリギリのところで300勝を達成できなかったので年間300勝。
全国リーディングも獲らなきゃいけないと思っています。
そして東京ダービー制覇を一番の目標に掲げて頑張っていきたいと思っています」


年度代表馬・4歳以上最優秀牡馬
ハッピースプリント(大井)
森下淳平調教師

「2014年度は代表馬を獲らせてあげることができなかったので、
2015年度は年度代表馬にさせてあげることができてホッとしている」。

ハッピースプリントについて
「厩舎に入厩してきた頃から、精神的に成熟していた馬で、古馬になってからも精神力は変わらず。
強味のひとつだと思っています。
少しずつ体質も強くなってきて、調教やレース後の反動も若い頃に比べて少なく感じましたので、
今年来年と力をつけて上のレベルでいい成績を残していってくれるんじゃないかと思います。
春シーズンは少し疲れが出たが、疲れの抜けが早くてかしわ記念をいい状態で迎えられた。
帝王賞も満足いく状態で臨めた。
夏の放牧後は調子が上がってくるのが時間がかかって、南部杯は満足のいく状態ではなかったが、
そこからJBCまでに調子が上がってきた。その時もこちらの感触以上の競馬をしてくれた。
浦和記念、東京大賞典とも2戦とも力の出せる状態で出走できた。
完璧ではないが満足のいく秋シーズンだった」

今後についてー
「やはり中央のトップクラスの馬を負かすには、キツいぺースを先行して脚を溜めながら追走して、
勝負処で手応え良く追走できるように。
かしわ記念・帝王賞をメインで考えているが、その前で使えるレースがあれば…と思っている。
秋冬シーズンの疲れが出ていて、立ち上がりに時間がかかりそうなので柏記念から。ということになりそうです」

宮崎光行騎手

「強い馬に乗せて頂いて嬉しく思っています。
かしわ記念は千六の左回りなのである程度先行したいと思っていた。
帝王賞は距離を意識しての競馬で、終いを意識した競馬。
浦和記念は多少楽なメンバーではあったが、
今まで戦ってきたメンバーを考えると勝たなくちゃいけないという思いで乗った」


最優秀賞金収得調教師賞
2歳最優秀牡馬 アンサンブルライフ
3歳最優秀牡馬 ラッキープリンス
小久保智調教師

「嬉しいです。
応援して下さってるオーナーさんがたくさんの愛馬を預けて頂いているので、
これでも少ないかなという気はしています」

努力していることはー
「やらなきゃいけないことはキッチリやる。
オーナーさんの勝ちたいという気持ちを受けて、愛馬に接している」

東京ダービーについてー
「目一杯だったので思い出せない。終わった後はやった!という気持ちだった。
(ダービートレーナーになって)嬉しい一言ですが、
まだまだホントに地方競馬からJRA、世界というところに目標に持っていくと、
ダービーを勝った後のラッキープリンスの成績も、自分たちの足りないところもあるのかな、、、
気を引き締めて今年に臨んでいる」

ラッキープリンスについてー
「ダービーにすべてを集めてしまったので、
そのあとのケアが足りなかったからこういう風になったが、
必ず復活させるし、日々研究して努力して。。
今は素の状態に戻して何を求めているのか探っている状況」

アンサンブルライフについてー
「成長途上だが、筋肉の反発力がいい。
こないだのニューイヤーCで負けているように、反省しながらダービーに焦点を合わせていきたい」

最後に昨年以上の成績をを挙げたいという言葉で締めくくった。