第21回 ジャパンダートダービー(Jpn1)

【予想】
◎クリソベリル
〇デルマルーヴル
▲デアフルーグ
△ミューチャリー
△ロードグラディオ
△トイガー
△ウィンターフェル
△ヒカリオーソ
 兵庫CSを出色の時計で駆け抜け無傷の3連勝。底知れぬ能力を秘める良血クリソベリルを巡る2着争い。実績からデルマルーヴルがその筆頭ですが、デアフルーグ以下南関勢も連下なら。

【レース】
 内枠から無理なくヒカリオーソがハナ。サクセッサー、ロードグラディオと続いて直後にデルマルーヴル、トイガー。クリソベリルは大事に構えて中団から。ウィンターフェル、ミューチャリーは後方待機。ペースは東京ダービーほど遅くはないにせよ、比較的前が楽な先行ペース。勝負処から動いたデルマルーヴルが4コーナー2番手から最後の直線では一旦先頭に立ちましたが、背後に迫っていたクリソベリルが残り100でこれを交わして先頭。グンと伸びて他を寄せ付けませんでした。接戦の2着争いはデルマルーヴルが凌ぎましたが、南関勢も大健闘。

【上位馬の寸評】
1着 クリソベリル
 この日はマイナス6キロの538キロ。大型ですが、決して巨漢馬という感じはなく均整の取れた好馬体。兄クリソライトは若駒の頃は線の細いイメージがありましたが、もちろんそれとは全く違う。パドックを周回する姿は威風堂々として大物感が漂います。レースは兵庫CSとは売って変わった待機策で中団7番手から。ペースの割に慎重に構えて折り合いに専念。デルマルーヴルの動きに触発される形でスパートをかけ3コーナー5番手。直線の入口ではその背後に迫り、残り100でこれを交わすと、一気にリードを広げて1着ゴールを駆け抜けました。大分馬場が乾いてきたのが良かったし、外枠も競馬がし易かったと言えますが、まだ完成途上でこの走りだから桁違いのスケール。

2着 デルマルーヴル
 この日は490キロ。海外遠征帰りですが、数字的には全日本2歳優駿を2着した時とほぼ同じ。キッチリ仕上げてきたし落ち着きもある。レースは好スタートから出たなりに外4番手から。勝負処から動いて4コーナーでは2番手。手応え上々。最後の直線では一旦先頭に立ちましたが、残り100でクリソベリルに交わされ、2着死守にとどまりました。ぺースを考えてもベストの運びで完敗。クリソベリルとはスケールの違いが歴然。あくまでも2番手グループの一角という評価。

3着 ミューチャリー
 この日はマイナス2キロの463キロ。このローテーだけに馬体増は叶いませんでしたが、いつもに比べれば落ち着いている方で力を出せる仕上がりと判断。レースはジックリ構えて内12番手から。今回は道中動かず腹を括った直線勝負でこの馬の持ち味である切れ味を引き出す作戦。最終コーナーもロスなく回って馬込みを縫うように伸びてきましたが、デルマルーヴルに及ばず3着。強豪相手でも末脚勝負に賭けてハマればの期待感は御神本騎手にあったでしょうが、意外にペースが落ち着いたのが誤算と言えば誤算。それでも南関3歳世代のレベルの高さをアピールできた一戦だし、その代表格として今後古馬との対戦が楽しみ。

4着 ウィンターフェル
 この日はマイナス5キロの510キロ。ハード調教を敢行して、クラシック最終戦に向けて目一杯に仕上げてきた感じ。レースはJRAの強敵を意識して今回はジックリ溜める作戦。外10番手から進み、3コーナーでは7番手。直線に向くあたりでは森騎手が『これなら』と色めき立つ行きっぷり。最後は2着争いに後れを取り4着ですが、完全燃焼しました。どうしてもミューチャリーには敵わない。

5着 ヒカリオーソ
 この日はプラス2キロの448キロ。パドックではうるさい面を見せていますが、これはいつも通り。馬体減りもなく、上がり目?でも勝った東京ダービーのデキ。レースは好スタートを決めて押し出されるようにハナ。ダービーほどではないにせよ、平均ペースで楽な単騎逃げ。2馬身リードして最終コーナーをカーブしましたが、残り200でデルマルーヴルに交わされ、後続に殺到されて5着に終わりました。それでも自分のスタイルを貫いて中身のある競馬。今後の成長力という点では?も付きますが、見た目以上に走る馬。

8着 デアフルーグ
 この日はプラス4キロの500キロ。馬体をフックラ映し適度な気合乗り。毛ヅヤもいい。レースは毎度のごとく出たなりに馬を急かせず外9番手から。ちょうどクリソベリルをマークするように後を追って進出。一旦は6番手まで上がりましたが、最後の直線は完全に脚が止まって8着。実績のある右回りに替わってペース的にもこの馬向きでしたが、意外な大敗。距離が微妙に長いのか、若干調子を下げているのか、あるいはマークした相手が悪かったのか…。

10着 ロードグラディオ
 この日はプラス6キロの478キロ。コンスタントに470キロ台で使っている馬。スカッと仕上がった馬体で落ち着きもあり完成度が高い。レースはデムーロ騎手が気合をつけて3番手から。前を深追いせず、後ろを警戒して大事に進めましたが、勝負処で窮屈な処に入り一瞬躊躇するシーン。最後の直線は全く伸びず人気を大きく下回る結果に。外から被されると良くないタイプなのかもしれませんが、それにしても負け過ぎ。