第70回 全日本2歳優駿(Jpn1)

【予想】
◎ヴァケーション
〇メイショウテンスイ
▲ゴールドビルダー
△テイエムサウスダン
△ティーズダンク
△インペリシャブル
△キメラヴェリテ

厳しい競馬を凌いで平和賞を勝利したヴァケーション。タフな船橋千六であの競馬ができたのは収穫。JRAのタイトルホルダーもそれほど傑出した馬はおらず、地の利を加味すれば狙えると判断しました。メイショウテンスイ本線に手広く。

【レース】
 一番枠から好スタートを決めたアイオライトが無理なくハナに行き、矢野インペリシャブルは早々にあきらめて2番手。離れた3番手にテイエムサウスダン、その外にメイショウテンスイ。内を突いてゴールドビルダーがスルスル進出。後退気味のキメラヴェリテを交わしてヴァケーションが追い上げ態勢。前2頭のペースは速目。インペリシャブルを振り切ったアイオライトが2馬身リードして直線に向きましたが、4コーナーで接近したヴァケーションが、2番手グループの中から鋭く伸びて1着ゴール。アイオライトが2着に粘り、外強襲のティーズダンクが3着。

【上位馬の寸評】
1着 ヴァケーション
 この日はプラス1キロの469キロ。少々テンションが上がり気味なのはいつも通り。馬体をキープして前走のデキは維持。レースはこの馬にしては若干控えて中団8番手から。向流しの中間過ぎからスパートを開始して4コーナーでは2番手グループの一角に。最後の直線は馬込みを割り、外伸びて鮮やかな差し切り勝ち。流れを読んだ吉原騎手の好騎乗も光りました。レースぶりから距離延長には対応できそうな感触。もうひと回り馬が成長してくれば、当然クラシック路線の有力候補。

2着 アイオライト
 この日はプラス4キロの484キロ。均整の取れた好馬体。活気もありなかなかいい。レースは好スタートからさほど無理なくハナへ。若干速目でも馬の気任せで気分を損なわせずこの馬のペース。3コーナーでインペリシャブルを振り切り、2馬身差で直線へ。最後は初距離もあり甘くなって差し込まれましたが、スピード能力の高さを存分に発揮しました。2連勝が千二の大外枠から相手の出方を窺いつつ快勝。今回初距離千六の最内枠でモマれた際がどうかの懸念がありましたが、先手主張ならこの結果も納得。

3着 ティーズダンク
 この日はマイナス5キロの481キロ。レースを使い込んでいる馬でそれほどの変化は感じませんが前走のデキ。レースは速い流れに置かれる形で外10番手から。3、4コーナーからマクり上げて中団へ。上がりのかかる流れに乗じて外強襲、3着に押し上げました、恵まれた面は否めませんが、キャリアを生かした渋い競馬。常にマークが必要な存在。

4着 メイショウテンスイ
 この日はマイナス10キロの497キロ。体重の割にボリューム感ひと息。ややうるさい面も。レースは出たなりに外4番手から。折り合いスムーズに進めましたが、最後は詰めを欠いて離された4着。道中外々を回るロスを考慮すれば仕方ないかもしれませんが、内容的には今イチ。

5着 テイエムサウスダン
 この日はプラス2キロの516キロ。重心の低いコロンとした体型はいかにもサウスヴィグラス産駒。レースはデムーロ騎手が多少気合をつけて離れた3番手から。ペース的には悪くないポジション。4コーナーで接近して直線に向きましたが、追って鋭い脚が使えず流れ込んだ形の5着。前述メイショウテンスイも含め兵庫JGのレースレベル? それと血統、見た目、レースぶりからスプリンターのイメージ。

7着 ゴールドビルダー
 この日はプラス3キロの480キロ。馬体をフックラ映して落ち着きもありハイセイコー記念を勝った当時と同等。レースは出たなりに内5番手から。向正面から内を突いてスルスル進出して4コーナーでは離れた2番手に押し上げましたが、最後の直線は伸びを欠いて着外。それでもこの相手に結局的な競馬を展開したのは今後に繋がりそう。

9着 キメラヴェリテ
 この日はマイナス7キロの525キロ。大型馬でもそれほど迫力を感じさせずどうかな…という印象。レースは中団を進みましたが、全く流れに対応できず早々に後退して見せ場なし。北海道2歳優駿は2着が道営馬だし、いかにも単騎マイペース。それほどのスケールは感じません。