第69回 日本テレビ盃(Jpn2)

【予想】
◎ノットゥルノ
〇ペイシャエス
▲クラウンプライド
△フルデプスリーダー(競走除外)
△ミューチャリー
△ギガキング
△サルサディオーネ

 兵庫で完敗を喫したブリッツファングを徹底マークして雪辱を果たしたジャパンダートダービーでのノットゥルノ。ひと夏越しての成長確かなら、船橋コースも向きそうで◎。相手もペイシャエス、クラウンプライドの3歳重視。

【レース】
 ダッシュを利かせたサルサディオーネ定番の逃げ。これをマークしてノットゥルノ。クラウンプライド、ギガキング、ペイシャエス、フィールドセンスの並びで平均ペース。勝負処から動いたクラウンプライドが前に接近。ノットウルノは手応え怪しくなり劣勢。最後の直線、一旦はクラウンプライドが先頭を窺いましたが、外伸びたフィールドセンスが1着。

【上位馬の寸評】
1着 フィールドセンス
 この日はプラス4キロの537キロ。体付きが引き締まり冴える馬っぷりに適度な気合乗り。レースは本橋騎手が多少気合をつけて外6番手から。人気処をマークする好ポジション。勝負処から動いて前を射程圏内に。最後の直線、一旦は先頭に立ったクラウンプライドをゴール前捕らえて1着ゴール。流れが向いたとはいえ鮮やか。船橋千八もマッチ。

2着 クラウンプライド
 海外遠征後で502キロ。シャープな体付きで太目感なし。いかにも切れそうなイメージ。レースは出たなりに離れた3番手から。特に行きたがる素振りも見せず折り合いスムーズ。勝負処から動いて2番手。最後の直線、粘るサルサディオーネに競り勝って一旦は先頭に立ちましたが、勝ち馬の強襲に遭い惜しくも2着。勝ちに行った分の展開負け。母は船橋所属で9勝全てが千二のスプリンター。短距離で走らせてみたい感じはしますが、折り合い自在でかなりの可能性を秘める3歳。

3着 サルサディオーネ
 この日はマイナス1キロの529キロ。遠征帰りですが、馬体を維持してハイレベル安定。レースは例によって好スタートから先手を主張。ノットゥルノが追い駆けて来たので緩みない平均ペース。勝負処からノットゥルノを振り切ったものの、今度はクラウンプライドに追われる立場。それでも辛抱していましたが、残り100で力尽きて3着。ただし、流れを考えれば大健闘で全く衰えを感じさせません。

4着 ペイシャエス
 この日はプラス3キロの491キロ。仕上がり早のタイプで太目感なく態勢万全。レースは菅原騎手が気合をつけて外5番手から。終始先行グループで流れに乗っていましたが、勝負処での反応ひと息。内を突いて懸命に追って来ましたが、前2頭からは差のある4着。恵まれた斤量53キロを考えると少々物足りないレース内容。次走で真価を問いたい。

5着 ギガキング
 この日はプラス6キロの472キロ。馬体をフックラ映していつも通りの好気配。レースは出たなりに離れた4番手の好ポジション。ロスなくイン回り。最後の直線は少々狭くなるシーンもあり外に切り替えての5着。ほぼ力通りの競馬。

7着 ノットゥルノ
 この日はプラス3キロの529キロ。いくらか余裕の体付きですが、特に問題なしと判断。レースはスタート決めて2番手。サルサディオーネを追い駆ける積極策。ペース的には特に負荷がかかるほどではありませんでしたが、勝負処でクラウンプライドに並ばれて手応え劣勢。前2頭に後れを取る形で後退。中身が伴っていなかったのか…。

第29回 アフター5スター賞(S3)

【予想】
◎ミチノギャング
〇オリジネイター
▲ギシギシ
△プライルード
△キモンルビー
△ワールドリング

 以前に比べるとスタートが安定して11秒台を連発のミチノギャング。重賞だともう少し短縮が必要かもしれないが、斤量差もあり連軸に。オリジネイター本線に手広く。

【レース】
 ギシギシが珍しくスタート後手。逃げ争いを制したのはキモンルビーで、オリジネイター、カプリフレイバーの並び。その内にクルセイズスピリツ、外にプライルード。ミチノギャング、ギシギシは並んで後方から。3、4コーナーでオリジネイターが先頭を窺い、合わせてカプリフレイバーにプライルードも接近して直線へ。残り200で先頭に立ったプライルードが後続の追撃を許さず1着ゴール。カプリフレイバーが2番手を守り3着にクルセイズスピリツ。

【上位馬の寸評】
1着 プライルード
 この日はプラス1キロの501キロ。やや太目に映る体型ですが、ボリューム感ある好馬体で仕上がり良好。レースは出たなりに外5番手。ペースを考えれば理想のポジションで行きっぷり上々。勝負処から手応え良く進出して4コーナーでは先行勢の直後。残り200で単騎先頭に立ち、リードを広げて完勝と言える内容でした。軽量53キロに有力馬の凡走もあり恵まれた面もありますが、今後のスプリント路線の中核に。

2着 カプリフレイバー
 この日はプラス3キロの530キロ。パドックではいつもおっとりして気合を表に出さないタイプ。変わらず順調。レースはポンと出て外3番手を抑え気味に追走。勝負処か徐々に進出して4コーナー2番手。最後の直線はプライルードの勢いに押され気味でしたが、2番手を守り通して穴を演出。自ら行くよりも外目番手で力発揮。

3着 クルセイズスピリツ
 この日はマイナス1キロの476キロ。カプリフレイバーと同じサウスヴィグラス産駒でいかにもスプリンターという体型。レースはスタート決めたものの、無理にハナには拘らず一歩引く形。内4番手で折り合いに専念して最後の直線は外から詰めて3着。以前よりも番手で我慢が利くようになったとはいえ、重賞でひと脚使って3着は大収穫。7歳馬ながら進化中。

4着 セイジミニスター
 この日はマイナス4キロの493キロ。休み休み使っていますが、みっちり稽古をやって490キロ台キープなら好調と判断。レースはさすがにこのメンバーだけに後方から。終いの1ハロンがかかったところを押し上げて4着。自分の時計だけ走って及第点の内容。

5着 ミチノギャング
 この日はマイナス8キロの473キロ。馬体をフックラ映して好気配。レースは達城騎手が気合をつけて行ったものの、近走に比べるとダッシュが利かず後方8番手から。終始窮屈な走り。終い差を詰めて5着ですが、全体的に不完全燃焼。次走で改めて。

7着 ギシギシ
 この日はプラス7キロの507キロ。少しうるさいくらいに気合が乗って元気一杯。太目感なし。ただしレースは珍しく躓き気味に出て置かれる形になったのが誤算。勝負処から押し上げて中団までは取り付きましたが、前走の鬼脚は使えず。やはりスタートでリズムを崩したのが敗因で今回に関しては基準外。

8着 オリジネイター
 この日はマイナス11キロの554キロ。順調に使い込めるようになり絞れた分と判断。レースは和田騎手が気合をつけて逃げるキモンルビーの2番手。ほぼ想定通りのポジションで4コーナーでは先頭を窺う態勢でしたが、カプリフレイバーに馬体を合わされると劣勢に回り完全に脱落。斤量差があってのこの競馬に格の差を痛感ですが、多少ピークを過ぎたのかも?

第19回 スパーキングサマーカップ(S3)

【予想】
◎スマイルウィ
〇ファルコンビーク
▲アランバローズ
△フィールドセンス
△ワイドファラオ
△アヴァンティスト
△ライトウォーリア

 一旦先頭に立ちながら敗れたマイルグランプリは展開のアヤ。マイラーとしては完成の域に達し、展開不問の堅実駆け。手慣れた川崎なら更に信頼度アップで◎。ファルコンビークが内から先行応戦。

【レース】
 逃げ想定のアランバローズが意外に行き脚鈍く、先手主張はジョーパイロライト。スマイルウィがサッと2番手に付け、ワイドファラオ、ファルコンビーク、アヴァンティストにリネンファッションなどが先行グループ。ヴァケーション、フィールドセンス、リンゾウチャネルなどは中団から後方。ペースは平均。3コーナー馬なりで先頭を奪ったスマイルウィが2馬身リードして直線へ。残り1ハロンではまだ3馬身ほどありましたが、差し馬勢の中から1頭別格の脚を使ったフィールドセンスの鮮やかな差し切り。

【上位馬の寸評】
1着 フィールドセンス
 この日はマイナス4キロの533キロ。転入直前は560キロ台で走っていますが、体つきからはこれくらいがちょうどいい感じ。中間の稽古も動いており体調アップ間違いなし。レースはやや煽り気味のスタートで外9番手から。本橋騎手がジックリ構えて末脚を温存。4コーナー手前から一気にマクって出て5番手。まだ前とはかなり距離がありましたが、2番手グループから一気に突き抜け、測ったようにスマイルウィを差し切りました。短目の距離でも結果を出していますが、千六以上は欲しい感じ。高齢馬でもしばらく目が離せません。

2着 スマイルウィ
 この日はマイナス2キロの548キロ。どっしりと構えるいつもの風情。ハイレベル安定。レースは例によってスタートセンス良く飛び出し馬の行く気に任せて外2番手から。3コーナー手前でジョーパイロライトを交わして単騎先頭。2馬身リードして直線へ。残り200ではまだ3馬身ほどありセイフティリードかと思われましたが、若干甘くなったところに勝ち馬に想定外の脚を使われ2着惜敗。力は出し切りました。

3着 アヴァンティスト
 この日は増減なしの473キロ。転入緒戦の前走で馬体を戻し、ほぼその当時の状態を維持。今回はチークからブリンカーに変更。レースは出たなりに外5番手から。終始先行グループの一角を形成して4コーナーでは3番手。最後の直線は2着ならありそうな感じでしたが、勝ち馬とは切れ味の差が歴然で離された3着。やや勝ち味に遅い印象。

4着 ヴァケーション
 この日はマイナス1キロの490キロ。程良く気合が乗って好気配。レースは村上騎手が多少気合をつけて外8番手を進み、終いジリジリ脚を伸ばして4着。マーキュリーCで3着を考えれば古巣でもう少し走って良さそうですが、現状千六はやや忙しいか…。

5着 リンゾウチャネル
 この日は増減なしの507キロ。少々コロンとした体型ですが、叩いた分の上積みはありそう。レースは今回もスタートひと息で後方10番手から。腹を括った直線勝負で内を突いて5着。やはりもう少し長目の距離での先行策が似合う。

7着 ファルコンビーク
 この日は増減なしの493キロ。馬体をフックラ映してここ一連のデキ。レースは好スタートから内4番手。勝負処でも3番手で踏ん張っていましたが、最後の直線では全く余力がなくなり7着と大敗。2走前の川崎マイラーズは1番枠でも即展開バラけて外に切り替える競馬。基本外から被されると良くない感じ。

12着 アランバローズ
 この日はプラス1キロの455キロ。気性的に仕上がり早のタイプ。以前のようなうるさい面は見せなくなりました。レースは珍しく出脚が悪く覇気に欠けるレースぶり。次への叩き台ということか…。

第56回 黒潮盃(S2)

【予想】
◎クライオジェニック
〇ナッジ
▲ライアン
△コスモファルナーゼ
△ローグネイション
△ラブリーホライズン

 羽田盃は華々しく散ったクライオジェニック。ただし、この経験が無駄にはならずダービーでは仰天の後方強襲の2着。ジャパンDDも5着とはいえ本格化を補強。仕上がり良好、ここは本来の先行策で決めるとみました。相手難解。

【レース】
 張田スティールルージュが控えたので、森エスポワールガイが労せずしてハナ。サンドファルコン、ナインバイパーの並びで、その内にナッジ、外にロヴェンテ。中団前にクライオジェニックでライアンも置かれずに追走。ペースは超スロー。残り1000からクライオジェニックが一気に動いてペースが上がり、前2頭が3番手以下を離す形。1馬身リードして直線に向いたエスポワールガイが更にリードを広げる脚勢。クライオジェニックも死力を振り絞って再び詰め寄る気配を見せましたが、エスポワールガイが危なげなく逃げ切って先行決着。

【上位馬の寸評】
1着 エスポワールガイ
 この日はプラス9キロの491キロ。多少テンションは高かったものの、馬体増は成長分で好気配。レースは好スタート。スティールルージュが行かなかったので、森騎手が内の動向を窺いつつ馬なりでハナ。序盤は超スロー。残り1000で動きがあった際も、動ぜずにマイペースを崩さず受け止める構え。1馬身のリードを保って直線へ向き、二の脚を繰り出して突き放す勢い。最後はクライオジェニック、ナッジも底力を発揮して詰めてきましたが、危なげなく1着ゴール。展開有利は確かですが、距離を克服して今後の選択肢の幅が広がりました。

2着 クライオジェニック
 この日はプラス3キロの551キロ。巨漢馬ですが、バランスの取れた好馬体で太目感なし。レースは安藤騎手が出たなりに進めましたが、超スローを察知して残り1000から進出を図り2番手へ。道中の手応えは上々。前はいつでも交わせる感触。1馬身差で直線に向きましたが、余力を残していたエスポワールシチーに一旦はリードを広げられる格好。終いの1ハロンで再び詰め寄り一応責任は果たしたという2着。完全に相手に巧くしてやられたという展開負け。改めて世代屈指の地力をアピールしました。

3着 ナッジ
 この日はマイナス2キロの488キロ。ダービー以来ですが、キッチリ仕上げてきた感じ。レースは好スタートから矢野騎手が大事に内4番手から。恐らく想定通りの滑り出し。向流しでペースアップした際もマイペースを守りインの経済コースを堅持。3番手から最後の直線は外へ。ロスなく運んだものの流れ込んでの3着まで。展開に応じて前々で運んだものの、クラシックシーズンと同じくやや詰めの甘さを露呈。

4着 ライアン
 この日はプラス1キロの476キロ。太くなるタイプではなくいつも通りの馬体の雰囲気ですが、落ち着いていたのは好感。レースは出たなりに内7番手から。ペースが遅い分、いつもよりは前目のポジション。最終コーナーでは離れた5番手に上がり、最後の直線はソコソコ詰めて4着。乱戦の追い込みが身上のこの馬にとっては不向きな展開。この結果ならマズマズの滑り出し。

第12回 習志野きらっとスプリント(S1)

【予想】
◎ギシギシ
〇キモンルビー
▲コパノフィーリング
△カプリフレイバー
△コウギョウブライト
△ブンロート

 初コースの前走は接戦になりながらも凌いで地力をアピールしたギシギシ。この距離のスペシャリストが相手とはいえ、抜群のスタートセンスを誇り難なく対応とみれば力通りの◎。キモンルビーも崩れなし。

【レース】
 前走に続いてコパノフィーリングが先手主張ですが、今回は御神本キモンルビーも容赦せず競り合う格好。22秒1~33秒6の激流。スタート決めたギシギシも置かれて4番手。その前に佐賀のロトヴィグラス。直後にカプリフレイバーでブンロートは後方から。3、4コーナーで単騎先頭に立ったキモンルビーが後続を突き放して直線へ。残り200ではまだ4馬身ほどリードしていましたが、さすがに残り50で甘くなりギシギシの強襲劇。

【上位馬の寸評】
1着 ギシギシ
 この日はマイナス2キロの500キロ。今回はパドックで少々うるさい面を見せていましたが、気になるほどではなくむしろ暑さ負けせず活気ありと判断。レースはいつも通りのロケットスタートで瞬時に1馬身のリード。ただし異例の超ハイラップに置かれ、笹川騎手が追い通しで外4番手を追走。4コーナーの時点ではどうみても届かないポジションでしたが、残り50で脚が止まったキモンルビーに襲いかかり首差の差し切り。スタート巧いからといって、スペシャリストとは加速が違うので難産の末の勝利。やはり千二ベスト。

2着 キモンルビー
 この日はマイナス2キロの480キロ。近況は一定の数字をキープしてハイレベル安定。レースは御神本騎手が思い切って出して行ってコパノフィーリングにケンカを売る形。前走と同じ競馬にはさせないとの意図がアリアリ。外併走から3、4コーナーでは早くも単騎先頭。残り200は後続に4馬身差。ほぼ安全圏内と思われましたが、あと50で甘くなりギシギシの強襲に屈する破目に。ただし道中の競りを考えれば内容的には明らかに勝ち馬以上。心身ともに充実一途。

3着 ブンロート
 この日はプラス2キロの536キロ。パワフルな好馬体は相変わらず。レースは本田騎手が気合をつけて行きましたが、超ハイラップに追走ままならず殿りから。途中からは腹を括って直線勝負に構える姿勢。結果的にはそれが功を奏したのか、上がりのかかる競馬に乗じて3着。時計的にも力通りの競馬。

4着 カプリフレイバー
 この日はプラス3キロの529キロ。おっとりタイプでいつも通りの気配。ブリンカー装着。レースは真島騎手が気合をつけて外5番手から。本来もう少し前目のポジションを取りたいところですが、このペースでは致し方なし。4コーナーでは3番手の一角に押し上げましたが、追って味のあるタイプではなく流れ込んでの4着。現状ではこれが一杯か。

5着 ロトヴィグラス
 この日はマイナス13キロの489キロ。数字ほど細くはなく毛ヅヤがいい。レースは竹吉騎手がステッキを振るって逃げ争いに加わる姿勢。さすがにスピード負けして3番手を追走。途中置かれ気味になりましたが、気持ちが切れることなく追走して内を突いて5着。このスピードがあれば、ホームコースのスプリント戦なら敵なしか。

7着 コパノフィーリング
 今日は増減なしの462キロ。馬体をキープして順調。レースは川崎スプリントの再現狙いで森騎手が先手を主張しましたが。キモンルビーにケンカを売られて終始併走の超ハイラップ。3、4コーナーで交わされて早々に終了。これは展開のアヤ。本来差す競馬もできるので巻き返しは容易。

第24回 ジャパンダートダービー(Jpn1)

【予想】
◎ブリッツファング
〇ハピ
▲ペイシャエス
△セキフウ
△ノットゥルノ
△コマンドライン
△クライオジェニック

 当面のライバルが出遅れたとはいえ、それを差し引いても兵庫CSの勝ちっぷりが鮮やかなブリッツファング。ここ照準に仕上がり良好なら、強敵多数でも先行して凌ぐとみました。底見せぬハピが相手本線。

【レース】
 好スタートを決めたリコーヴィクターがハナ。ブリッツファング、コマンドラインと続きその外にノットゥルノ、内にペイシャエス。中団にクライオジェニック。ハピはジックリ後方待機。出遅れたセキフウ、アイスジャイアントも後ろから。ペースは緩みない平均。3コーナーで先頭に立つブリッツファングに外からノットゥルノが接近。差し馬勢も追い上げ態勢。最後の直線、残り200で先頭に立ったノットゥルノが凌ぎ切って1着ゴール。外詰めたペイシャエス2着。イン粘りのブリッツファング3着、大外マクり上げて迫ったハピが4着で、5着以下は大差。

【上位馬の寸評】
1着 ノットゥルノ
 この日はプラス9キロの526キロ。園田に続いての馬体増ですが、全く重目感なく冴える馬っぷり。入念に乗り込まれて好仕上がり。レースはやや躓き気味に出たものの、無理なく外4番手へ。リズムを乱すことなく折り合いスムーズ。勝負処から手応え良く進出して4コーナー2番手。最後の直線、残り200でフリッツファングを交わして先頭。後続の追撃を抑え込みました。真っ向勝負を挑んで園田の借りを返す形。馬場を考えると時計は並みですが、それ以上にハイレベルの争いを凌いで今後の更なる成長が楽しみ。ハーツクライ産駒が全国制圧。

2着 ペイシャエス
 この日はプラス6キロの488キロ。馬体をフックラ映して程良い気合乗り。レースは菅原騎手が気合をつけて内4番手の好ポジションをゲット。インで我慢の形。勝負処から差し馬勢の動きに合わせて進出。最後の直線は外に持ち出しての追い比べ。ノットゥルノのは及ばなかったものの、2着争いを制しました。なかなかのレース巧者という印象。二千でこの競馬ができれば、更に展望が開けました。

3着 ブリッツファング
 この日はプラス5キロの464キロ。数字以上に馬体を大きく見せて好仕上がり。レースは池添騎手が気合をつけて2番手から。後続を警戒しつつ自分のペースを堅持。ノットゥルノの動きに合わせてスパート開始、3コーナーでは早くも先頭。直線は懸命に粘り込みを図りましたが、残り200で先頭を譲る格好。それでも最後の最後まで抵抗して3着。意地を見せました。今回に関しては力負けですが、勝負付けが済んだわけではなく、今後の攻防戦が見もの。

4着 ハピ
 この日はプラス7キロの469キロ。馬体はもっと増えていい感じですが、いかにも切れ味がありそうなシャープな体つきで落ち着きあり。レースはスタート五分に出たものの、藤岡騎手が抑え込んでほぼ最後方から。勝負処から動いて4コーナーは馬群の一番大外。最後の直線も長く脚を使って外から迫りましたが、及ばず4着まで。コースロスを考えればなかなか中身の濃い走り。今回土が付いたとはいえ、負けて素材の良さを改めて証明。

5着 クライオジェニック
 この日はプラス5キロの548キロ。雄大な馬っぷりは相変わらず。レースは東京ダービーと同様に出たなりに抑え込む競馬。それでもダービーよりは前目の外7番手から。勝負処からは手応え良く進出して再度大駆けの期待感を持たせましたが、さすがにJRA勢の壁は厚く離された5着。それでも時計を詰めて地方最先着と、ダービーがフロックでないことをアピールしました。

第26回 スパーキングレディーカップ(Jpn3)

【予想】
◎ショウナンナデシコ
〇サルサディオーネ
▲レーヌブランシュ
△レディバグ
△キムケンドリーム
△グランパラディーゾ

 テイエムサウスダンのマークを跳ね返して好タイムで仕上げたかしわ記念。正に日の出の勢いのショウナンナデシコ。距離はこなすものの、基本はスピードの勝ったマイラー。牝馬同士でマリーンCの再現が濃厚とみました。

【レース】
 好スタートからサルサディオーネが逃げて2番手にショウナンナデシコは大方の予想通り。3番手にレーヌブランシュが行ってその内にグランパラディーゾ。中団にレディバグ、アールロッソ。ペースはスロー。手応え良く4コーナー先頭に並びかけたショウナンナデシコが残り300で先頭。抵抗するサルサディオーネを競り落とし、猛追するレディバグを抑えてキッチリ勝ち切りました。

【上位馬の寸評】
1着 ショウナンナデシコ
 この日はマイナス4キロの480キロ。スッキリと仕上がった馬体。これ以上減るとどうかですが状態安定。レースはほぼ馬なりで内を窺いつつの滑り出し。逃げるサルサディオーネにジカ付けの形。実にスムーズな走り。勝負処から手応え良く進出して4コーナー併走。残り300で先頭。ゴール前はレディバグに詰め寄られたものの、キッチリ残して順当V。時計は意外に要して1分41秒1。斤量増がパフォーマンスを落としたのは否めませんが、さすがという競馬。

2着 レディバグ
 この日はプラス10キロの462キロ。2走前のマリーンC当時に比べると15キロ増。見違えるほど毛ヅヤが良くなり馬体もフックラ。良化顕著。レースは好スタートから馬の行く気に任せて外7番手から。勝負処から動いて4コーナー5番手。最後の直線は外から追い上げクビ差まで迫った処がゴール。状態アップと斤量差を突いて好内容の2着。

3着 サルサディオーネ
 この日はマイナス2キロの526キロ。ここしばらく安定の520キロ台。好調キープ。レースはいつも通りの出脚で楽にハナ。強敵のジカ付けは覚悟の上、ペースを落としての逃げ。勝負処から徐々に馬体を合わされて4コーナー併走。手応え的に劣勢で、残り300で交わされるとあとはイン粘り。3着に落ちたとはいえ、力を出し切った競馬。ショウナンナデシコと同様に、58キロが末脚に影響。

4着 アールロッソ
 この日はマイナス2キロの507キロ。馬体をフックラ映してハイレベル安定。レースはやや煽り気味のスタート。無理に仕掛けず自然に内6番手から。そのポジションで脚を溜めて直線は外へ。やや前が狭くなり立て直すシーンもありましたが、ジリジリ詰めて4着は力通り。千六でこの競馬ができたのは収穫。

5着 グランパラディーゾ
 この日はプラス1キロの461キロ。数字以上に馬体を大きく見せて活気もあり好調。レースは馬なりで内3番手から。4コーナーまでそのポジションで進め、最後の直線は外に切り替えましたが、追い比べで後れを取り5着。完全に力負け。

第45回 帝王賞(Jpn1)

【予想】
◎テーオーケインズ
〇オメガパフューム
▲クリンチャー
△チュウワウィザード
△メイショウハリオ
△ノンコノユメ

 昨年の圧勝劇が記憶に新しいテーオーケインズ。JBCは取りこぼしたものの、平安Sは59キロを難なくクリアして更にスケールアップ。展開不問の自在性からも信頼度は高いとみました。

【レース】
 好スタートからオーヴェルニュが先手を主張。クリンチャー、テーオーケインズ、メイショウハリオの並び。チュウワウィザードは内々大事に。その外にオメガパフュームにノンコノユメ。序盤はスローに流れましたが、残り1000でスワーヴアラミスが一気に動いて俄然ペースアップ。前も抵抗したので4頭雁行の形。ここから一歩引いたのがメイショウハリオ。勝負処からオメガパフュームも接近して直線へ。一旦脚を溜めたメイショウハリオが、外に持ち出し残り200で先頭。内から脚を伸ばすチュウワウィザードを抑えて大金星。オメガパフュームは同じ脚になり3着まで。

【上位馬の寸評】
1着 メイショウハリオ
 この日はマイナス6キロの500キロ。物見もせずに落ち着いてパドックを周回。体調の波が少ない馬のようです。レースは出たなりに外4番手から。向流しでレースが動いた際には、外枠でもあり一旦控えて離れた5番手。コーナーでは内に潜り込んでロスなく進め、最後の直線で機を見て外へ。外から迫るオメガパフュームの圧力に負けることなく脚を伸ばし1着ゴール。うまい具合に運んだのは確かですが、2分3秒3の時計も悪くないし、堂々たる勝ちっぷり。

2着 チュウワウィザード
 この日は2走前の川崎記念からプラス3キロの491キロ。淡々とパドックを周回する姿はいつも通り。好調キープと判断。レースは好スタートから出たなりに内6番手から。レースが動いた際も我関せずでマイペースを堅持。4コーナー手前からマクって出るメイショウハリオがいなくなった処を内々進出。最後の直線は内2頭目を割って伸び惜しい2着。ロスなく運べたのが好走の要因ですが、この馬らしい渋い走りで衰えなしをアピール。

3着 オメガパフューム
 この日はマイナス4キロの460キロ。キッチリ仕上げてきた感じで程良い気合乗り。全く問題なし。レースは出たなりに外7番手から。向流しでレースが動いて先行勢にはややストレスのかかる流れ。それを見やって徐々にスパート。4コーナーでは前を射程圏内に入れて完全に勝ちパターン。ところがメイショウハリオとの追い比べで後れを取り、チュウワウィザードにも先着を許して3着。通ったコース取りの差もありますが、基本的にこの時期は今ひとつなのか…。

4着 テーオーケインズ
 この日はマイナス5キロの495キロ。スッキリ仕上がった体つき。適度に気合が乗って毛ヅヤもいい。レースは出たなりに外3番手から。向流しでスワーヴアラミスに並ばれましたが、特にペースは乱さず4頭併走の一角。手応え良く4コーナーではクリンチャーの外併走。最後の直線は一旦先頭を窺うシーンもありましたが、追ってからサッパリ伸びず離された4着は案外。レースが動いた際にストレスが掛かったのかもしれませんが、それにしても不可解な敗戦。

5着 クリンチャー
 この日はマイナス1キロの487キロ。特に変わりない気配で順調。チーク装着。レースは森騎手が気合をつけて外2番手から。向流しでは4頭併走の形。最終コーナーではオーヴェルニュを交わして先頭に立つ構えでしたが、そこまでで終了。抵抗できず先行集団から完全に脱落。ハナに行こうとして行けなかったのと、やはり道中のプレッシャーが敗因か。

第12回 優駿スプリント(S2)

【予想】
◎ジョーストーリー
〇フィリオデルソル
▲ティアラフォーカス
△スティールルージュ
△ミゲル
△スタースタイル
△プライルード

 抜群のスタートセンスと加速力で過去先手を譲っていないジョーストーリー。距離はこなすがレースぶりからはスプリンター。仕上がり早のタイプだし千二替わり魅力で狙い目とみました。フィリオデルソル本線に手広く。

【レース】
ジョーストーリーが先手を主張してスタースタイル、エスポワールガイの並び。その内にポッドヘイロー。大外からプライルードが手応え良く進出。差がなくスティールルージュ。中団にフィリオデルソル、ミゲル。出遅れたティアラフォーカスが後方から一気に進出。4コーナー先頭に立ったスタースタイルに並びかけるプライルード、接近するティアラフォーカス。残り200で先頭に立ったプライルードの伸び脚が上回り1着ゴール。混戦の2着争いを制したのはエスポワールガイ。

【上位馬の寸評】
1着 プライルード
 この日はプラス6キロの500キロ。ややコロンとした体型の馬ですが、程良く気合が乗って好気配。レースは好スタートから内の動向を窺いつつ5番手から。勝負処から手応え良く進出して4コーナーでは早くも先頭に並びかける態勢。残り200で単騎先頭に立ち、2着争いを尻目に颯爽と突き抜けました。千四、千六の交流重賞でも好走してきた馬ですが、この日のレースぶりから短距離ベターは明らか。今後の古馬相手の走りが楽しみ。

2着 エスポワールガイ
 この日はプラス4キロの482キロ。多少テンションが上がり気味なのはいつものこと。馬体増は好感。レースは岡村健騎手が気合をつけて3番手から。道中は折り合いに専念。勝負処で後続が動いて来た際は脚を温存してやり過ごす形。最後の直線は外に切り替えて脚を伸ばし2着争いに競り勝ちました。以前は気難しい面を露呈するケースもありましたが、トライアルに続いて多頭数を捌いての好走。本格化は顕著。

3着 フィリオデルソル
 この日はプラス9キロの490キロ。全く重目感なし。適度に気合が乗って絶好調間違いなし。レースは笹川騎手が気合をつけて外7番手から。勝負処から一気にマクって出て大外へ。笹川騎手が目イチに叩き出してエスポワールガイに迫ったものの3着まで。トライアルに続いての好走で改めて距離適性をアピール。

4着 ミゲル
 この日はマイナス7キロの471キロ。クラシックレースで激戦後だけに、それほどの変わり身は感じません。レースはこの馬としては慎重な運びで離れた8番手から。道中脚を溜め、終い外から詰めて4着。一番重い58キロを背負っていたことを考えればマズマズの内容。クラシック路線ではジリ貧状態でしたが、スピードの勝ったタイプで基本は短距離向き。

5着 カプティフ
 この日はマイナス3キロの459キロ。やや太目に映る体型で気合を表に出さないタイプ。いつも通りの気配。レースは出たなりに後方から進めて正味直線勝負で掲示板をゲット。展開に乗じて詰めてほぼ力通りの競馬。

8着 ティアラフォーカス
 この日はマイナス3キロの516キロ。馬っぷりが冴えて連勝中の勢いを感じさせます。レースは致命的な出遅れ。道中一気に挽回を図って4コーナーでは2番手に並びかけましたがそこまで。次走での巻き返しに期待。

9着 スティールルージュ
 この日はマイナス2キロの476キロ。適度に気合が乗って前走時と変わらぬ気配。レースは張田騎手が気合をつけて外6番手。勝負処からマクって出る気配を見せましたが、反応が思わしくなく見せ場なし。外枠と斤量が影響か。

16着 ジョーストーリー
 この日はプラス2キロの464キロ。ひと息後でも太目感なし。ただしややうるさい面も。レースは先手を主張したものの4コーナーで先手を譲って終了。息が入るもう少し長目の距離がいいということか…。

第58回 関東オークス(Jpn1)

【予想】
◎スピーディキック
〇ドライゼ
▲リッキーマジック
△グランブリッジ
△トキノゴールド
△ラブパイロー
△ティーズハクア

 着差は短縮傾向とはいえ、シビアな競馬を凌いで2冠制覇のスピーディキック。難関でも今年のレベルなら3冠達成濃厚とみました。ドライゼ本線の流し。

【レース】
 山崎誠騎手がかなり気合をつけてラブパイローが先手を主張。2番手グランブリッジ、直後のインにスピーディキック、外にドライゼ、中にリッキーマジックと有力処が前を固める格好。ペースはスロー。徐々に後続との差を広げたラブパイローは2馬身差で直線へ。逃げ切りを策しましたが、残り200からのグランブリッジの切れ味が格別。残り100で先頭に立つと、一気に差を広げて1着ゴール。ラブパイローが2着に粘り、スピーディキックは3着まで。

【上位馬の寸評】
1着 グランブリッジ
 この日はマイナス3キロの435キロ。華奢なタイプでそれほど見映えはしません。レースは出たなりに外2番手から。スローペースでも折り合いスムーズ。2周目の向流しでは常時2馬身の間隔を保って自分のペース。その態勢で直線に向きましたが、残り200からの切れ味が抜群。並ぶ間もなくラブパイローを交わして突き抜け1着ゴール。見た目とは裏腹に非凡な勝負根性と耐久力を発揮。

2着 ラブパイロー
 この日はプラス3キロの479キロ。デビューから470キロ台で安定。落ち着きもあり好調キープ。レースは山崎誠騎手がかなり気合をつけて先手を主張。行き切ってからはペースダウンして溜め逃げの形。残り800からはピッチを上げて後続の追い上げを許さず常時2馬身リード。逃げ切り態勢でしたが、最後はグランブリッジの瞬発力に屈して2着。これは相手に脱帽で、南関ダートを克服して2着なら上等。

3着 スピーディキック
 この日はプラス1キロの481キロ。入念な調整を施されて馬体を維持できていたのは好感。レースは御神本騎手が多少気合をつけて内3番手から。今回はテンから積極策で3冠制覇に向けて強気の競馬。常時前2頭を射程圏内に入れて進み。最後の直線は外へ切り替えし。更にひと伸びを期待しましたが、勝ち馬のラストスパートに突き放され、逃げた馬も捕まえ切れず3着。展開を考えれば致し方ない結果か…。この馬は速い流れを差しに構える競馬が似合う。

4着 トキノゴールド
 この日はプラス1キロの489キロ。馬体フックラ好気配。レースは好スタートから内6番手。最終コーナーでは離れた4番手に上がり流れ込む形。ロスなく立ち回って前3頭からは大きく離されましたが、今後の糧になりそう。

5着 ドライゼ
 この日はマイナス8キロの482キロ。決して細目感はなく程良い気合乗りで好調。レースはレーン騎手が内の動向を窺いつつ外3番手から。ペース的にも妥当なポジションですが、残り800からペースアップした際に反応し切れず置かれる形。大きく離された5着は拍子抜け。実力云々よりもキャリア不足を露呈。

7着 リッキーマジック
 この日はマイナス3キロの513キロ。大型馬ですが、スッキリ仕上がって落ち着きもある。レースは5番手を進みましたが、道中の手応え?で早々に脱落。これもキャリア不足と距離も少々長かったか。