第64回 羽田盃(S1)

【予想】
◎ウィンターフェル
〇ミューチャリー
▲ホワイトヘッド
△ステッペンウルフ
△カジノフォンテン
△ジョーパイロライト
△シビックヴァーゴ

 京浜盃は敗れたウィンターフェルですが、虚を突かれた感じの惜敗。距離千八で強気に進めれば勝てるとみました。馬体を増やしてくればミューチャリーで逆転も。

【レース】
 好枠からテン速いトーセンボルガの逃げ。枠なりにカジノフォンテン、サクセッサーと続いてウィンターフェルは外5番手。その内にステッペンウルフ。ミューチャリーは中団でホワイトヘッドは後方から。ペースは平均。4コーナー3番手に上がったウィンターフェルが残り200で一旦先頭に立ちましたが、ここからケタ違いの切れ味を発揮したのがミューチャリー。残り150で一気に交わし去りワンサイド勝利を収めました。

【上位馬の寸評】
1着 ミューチャリー
 この日はマイナス1キロの466キロ。間隔をあけて調整されていたので増えてくるとみていましたが、相変わらず仕上がり切った馬体で少々うるさい面も。レースは御神本騎手が多少気合をつけて外11番手から。3コーナーから内に潜り込んで極力ロスを避ける運び。4コーナーでは内7番手。最後の直線の切れ味は正に衝撃的。一旦は先頭に立ったウンターフェルを並ぶ間もなく抜き去り突き抜けました。あまりにも切れるので距離が延びてどうかの不安もありましたが全く杞憂に。まだ乗り難しい面は残るものの、このデキをキープできていればダービーも仕方ないか…。それとやはり馬体は増やしたい。

2着 ウィンターフェル
 この日はマイナス9キロの515キロ。一段と馬体が引き締まって適度な気合乗り。申し分なし。レースは森騎手が多少気合をつけて外5番手から。ペース的には理想。4コーナーで3番手に上がり、残り200で一旦先頭に立ちましたが、ミューチャリーに想定外の脚を使われて離された2着。普通なら1分54秒5の時計で走って順当に勝てるところなのについていない。決め手の差が歴然としているので、本番での逆転は相手の破綻があればの条件付きですが、その他の馬には負けられない。

3着 スッテッペンウルフ
 この日はプラス5キロの455キロ。馬体をフックラ映してすこぶる順調。レースは矢野騎手が気合をつけて離れた6番手から。ウィンターフェルをマークの形ですが、やや離され気味。4コーナーでは離れた5番手。最後の直線は外から差を詰めてきましたが、前2頭とは決定的な差。距離延びて更にいいという感じはしないし、本番ではあくまでも3番手争いの評価。

4着 カジノフォンテン
 この日はマイナス2キロの528キロ。相変わらず馬っぷりは抜群だし毛ヅヤもいい。レースは内枠を意識して本田正騎手がいつも以上に積極的な動き。序盤は2番手から。勝負処から前2頭に置かれましたが、気を抜かせずに追走。最後の直線はウィンターフェルと並んで一旦は先頭に踊り出るシーンもありましたが、力負けして4着。ただし、この積極策が更に成長を促す可能性もあり、本番でも3着の有力候補。

5着 ヤマショウブラック
 この日はプラス1キロの485キロ。あまり気合を表に出さないタイプですが、一連のいいデキをキープ。レースはダッシュが利かず後方14番手を進み、正味直線勝負で掲示板ゲットは、ほぼ計算通りか。

第33回 東京プリンセス賞(S1)

【予想】
◎トーセンガーネット
〇ゼットパッション
▲アークヴィグラス
△ダバイダバイ
△グレースレジーナ
△グランモナハート

 脚抜きのいい馬場とはいえ、出色の時計で桜花賞を制したトーセンガーネット。兵庫ジュニアG挑戦を契機に飛躍的に成長。新興勢力不在の再戦メンバーで自身の体調も更にアップなら死角はないとみました。相手も順当にゼットパッションかアークヴィグラス。

【レース】
 好スタートを決めたリトミックグルーヴが控えたので、外枠から自然にアークヴィグラスがハナ。ゼットパッション、トーセンガーネットの並びで超スローペース。勝負処からトーセンガーネットが仕掛けて2番手に進出。最後の直線はアークヴィグラスが一旦リードを広げにかかりましたが、地力の違いでトーセンガーネットが残り50で先頭、難なく2冠を奪取しました。

【上位馬の寸評】
1着 トーセンガーネット
 この日はマイナス6キロの449キロ。変わり身は感じませんが、馬体を維持できており前走のデキ。レースは出たなりに外3番手と、ほぼ想定通りのポジション。勝負処で動き2番手に進出して楽勝ムード。アークヴィグラスが溜め逃げを打って脚を残していたので、意外に手こずりましたが、残り50で交わして順当勝ち。目イチの競馬が続いておりこれ以上の上がり目は?ですが、南関牝馬同士では勝負付けが済んでいます。

2着 アークヴィグラス
 この日はプラス3キロの449キロ。見映えする方ではありませんが、前走の引き続いて馬体を増やしてきたのは好感。レースは想定通りの逃げでスローダウン。コーナーで息を入れて直線入口ではトーセンガーネットに1馬身差に迫られましたが、コーナリングでリードを広げてアワヤのシーン。残り50で交わされたとはいえ、展開の恩恵もあり力を出し切りました。過去牝馬クラシックレースではサウスヴィグラス産駒が活躍してきましたが、この馬もその例にもれず意外に渋い。

3着 リトミックグルーヴ
 この日はプラス11キロの438キロ。間隔をあけて調整を図った甲斐があり馬体良化。適度な気合乗り。レースは逃げる勢いで飛び出しましたが、控えて内4番手から。人気の前3頭を深追いせず終始マイペース。最後の直線は外から詰めて3着。正味目イチの競馬ですが、格下の身分を考えれば大善戦。

4着 グレースレジーナ
 この日馬プラス2キロの484キロ。馬体をキープして前走勝った当時と同等の仕上がり。レースは藤本騎手が気合をつけて内6番手から。終始内々の経済コースで脚を溜め、直線勝負で4着。これも現状目イチの競馬。

5着 グランモナハート
 この日はマイナス4キロの469キロ。馬体をフックラ映して気合も乗り好調。レースは出遅れて後方7番手から。ジックリ構えましたが、予想を上回るスローペースになす術なし。相手云々よりも展開向かず。

9着 ゼットパッション
 この日はプラス4キロの507キロ。メンバー唯一の500キロ超え。さすがに見映えするし一連の好調キープ。レースは出たなりに2番手は、ペースを考えれば当然の策。ただし勝負処で行きっぷりが怪しくなり無抵抗に失速は正直拍子抜け。トーセンガーネットに外からプレッシャーをかけられたのが響いたか…。あるいは距離を苦にしたのか…。次走で改めて真価を問いたい。

第23回 マリーンカップ(Jpn3)

【予想】
◎オウケンビリーヴ(競走除外)
〇アイアンテーラー
▲ラーゴブルー
△リエノテソーロ
△チークス

【レース】
 好スタートから馬なりでアイアンテーラーの逃げ。外2番手にリエノテソーロ、内3番手にラーゴブルー。これを追ってチークス。ペースはスロー。楽な手応えで直線に向いたアイアンテーラーですが、同じく脚を溜めていたラーゴブルーの切れ味が上回り1着ゴール。

【上位馬の寸評】
1着 ラーゴブルー
 この日はプラス1キロの505キロ。結構体重の増減幅の大きな馬ですが、今回は調整が順調にいったようでキリッと引き締まった好馬体。適度な気合乗り。レースは馬なりで内3番手から。折り合いスムーズに脚を温存して直線へ。2頭の中を割って突き抜け難なく交流ゲット。過去様々な戦法で好成績を残していますが、今回はスローのヨーイドンの瞬発力勝負で勝利。一段と幅が広がりました。

2着 アイアンテーラー
 この日はプラス2キロの470キロ。短期放牧明けでもう少し増えていると思いましたが、仕上がり切った馬体でテンション高め。レースは好スタートから単騎マイペース。これなら流れに任せて勝てるかなとみていましたが、ラーゴブルーに決め手負け。クイーン賞を楽勝した際が35秒5~47秒9。今回が38秒0~50秒6。結果論ですが、ペースを落とし過ぎた感じも。それと体調も万全ではなかったか…。

3着 リエノテソーロ
 この日はプラス4キロの464キロ。休養明けですが、太目感なく仕上がって毛ヅヤも上々。力を出せるデキと判断。レースは馬なりで外2番手。終始1馬身圏内でアイアンテーラーをマークして行きましたが、最後の直線は意外に脚が止まって3着。いくらか翳りが見られるか…。

第30回 東京スプリント(Jpn3)

【予想】
◎ホウショウナウ
〇キタサンミカヅキ
▲コパノキッキング
△キャンドルグラス
△ヒロシゲゴールド
△ショコラブラン
△テーオーヘリオス

 キャリア不足は素材の良さで相殺できるとみてホウショウナウに期待。もちろん鞍上も込みで。迎え撃つのがキタサンミカヅキ。多頭数を捌ければコパノキッキング、好枠キャンドルグラス、案外楽に逃げられそうなヒロシゲゴールドなども互角。

【レース】
 スタートを決めたヒロシゲゴールドが無理なくハナ。森騎手が気合をつけてキタサンミカヅキが2番手。加速がつくといテーオーヘリオスも好位に取り付き、内にショコラブラン。コパノキッキング、ホウショウナウは中団。もちろん速い流れでも、早々に隊列が定まってやや先行有利。最後の直線、内で抵抗するヒロシゲゴールドを残り50で交わしてキタサンミカヅキが先頭。追い込むコパノキッキングを抑えて1着ゴールを駆け抜けました。

【上位馬の寸評】
1着 キタサンミカヅキ
 この日はマイナス6キロの522キロ。少々間隔はあきましたが、年齢を感じさせぬ抜群の馬っぷりで好仕上がり。レースは、馬場状態とライバルが追い込み型を意識して森騎手が予定の積極策。逃げるヒロシゲゴールドの2番手へサッと。流れに乗って同じ間隔を保ち直線へ。極力追い出しを我慢したのは後ろを意識してのこと。残り50でヒロシゲゴールドを交わし、コパノキッキングの追撃を封じました。森騎手の計算づくの好騎乗。

2着 コパノキッキング
 この日はプラス6キロの484キロ。意外にスカッとした体つき。少々テンションが高いのが気になりましたが、いかにも切れそうな感じ。レースは出遅れ。藤田菜七子騎手が気合をつけて追い上げを図り、勝負処では内6番手まで進出。手応えは良好。最後の直線は外に回して伸びてきましたが、上がりの速い競馬にあのポジションでは厳しく2着まで。森騎手に上手く乗られた感じで、内容的には間違いなくこちらが上。既に実績を築いていますが、これから益々楽しみ。

3着 ヒロシゲゴールド
 この日はプラス4キロの476キロ。ここしばらく体重は一定ですが、均整の取れた好馬体に適度な気合乗り。レースはスタートセンス良く飛び出してハナ。2番手のキタサンミカヅキが壁になって大事に乗ってくれたので、ペース以上に楽な単騎マイペース。その分最後の直線も頑強に抵抗して先頭をキープしていましたが、残り50で交わされて3着に終わりました。イキナリ交流重賞で1番人気はどうかと思いましたが、馬場と展開に恵まれて健闘。

4着 ショコラブラン
 この日はプラス1キロの489キロ。かなりレース数を使われている高齢馬ですが、馬体に張りがあり好気配。レースは戸崎騎手が気合をつけて内5番手から。勝負処から手応え良くポジションを上げて最後の直線は外へ。上がりの速い競馬に対応して僅差の4着は価値あり。好枠からロスなく進められたのは確かですが、まだ実力は維持しているし千二も合う。

5着 テーオーヘリオス
 この日はマイナス1キロの509キロ。このところ戦績はひと息ですが、程良く気合が乗って悪くない。レースは外枠の分、脚を使って前を取りに行く形。5番手に取り付きましたが、やはりロスは否めず苦しい競馬に。最後の直線はイン粘りで目イチの5着。ただし、次に繋がる競馬内容。

7着 ホウショウナウ
 この日はマイナス11キロの497キロ。以前との比較はつきませんが、見た目はフックラして悪くない。レースは出たなりに外10番手から。ちょうどコパノキッキングの後を追うように進出して直線勝負に賭けましたが、意外に伸び悩んで大きく差をつけられる7着。休み明けで中身が伴っていなかったのか、道悪を苦にしたのか…。このキャリアだし長い目で見たい。

第2回 ブリリアントカップ(S3)

【予想】
◎サウンドトゥルー
〇キャプテンキング
▲ヒガシウィルウィン
△タービランス
△ハッピースプリント
△ヤマノファイト
△ハセノパイロ

 南関のベストメンバー。展開微妙とはいえ、サウンドトゥルーの息の長い末脚を重視。折り合えばキャプテンキングの前残り。叩いたヒガシウィルウィンも当然勝ち負け。

【レース】
 外枠からディアデルレイが先手を主張してシュテルングランツは控える形。タービランス、ヒガシウィルウィン、クリスタルシルバー、キャプテンキングなど一団でサウンドトゥルーは後方から。ペースはスロー。勝負処からタービランスが動いて先頭に接近。直後にキャプテンキング。最後の直線、一旦はタービランスが抜け出しましたが、そこにキャプテンキングが馬体を合わせ、ゴール前で抜け出しました。粘ったクリスタルシルバーが3着。

【上位馬の寸評】
1着 キャプテンキング
 この日は増減なしの512キロ。活気十分の好馬体で前走時同様の好気配。レースは好スタートから出たなりで内6番手。距離を意識して坂井騎手が慎重な運び。勝負処で4番手に上がり、先行3頭の直後で虎視眈々。最後の直線は外から襲いかかり、ゴール前でタービランスを交わし重賞3連勝を果たしました。距離はこなす馬で要は折り合いだけ。鞍上が巧みに捌いたのと好枠の利も。

2着 タービランス
 この日は増減なしの532キロ。前走で戻した体重を維持。堂々たる馬っぷり。レースは外枠から馬なりで離れた3番手へ。勝負処から行きっぷり良く進出して4コーナー2番手。最後の直線では一旦先頭に躍り出ましたが、直後で機を窺っていたキャプテンキングに上手く脚を使われて首差2着。展開の如何を問わず自在の走りでとにかく崩れないし、実力馬健在です。

3着 クリスタルシルバー
 この日はプラス2キロの487キロ。クラシックシーズンの頃と比べると数字以上に体つきがフックラした感じ。充実ぶりが窺えます。レースは好スタートから的場騎手が気合をつけて内4番手。勝負処から進出して3コーナーでは2番手。積極的に動いて勝ちに行く競馬でしたが、最後の直線は3頭の争いから脱落して離された3着。東京ダービー、ジャパンダートダービーでの好走もありますが、やはり基本的にはもう少し短目の距離が合いそう。

4着 ヒガシウィルウィン
 この日はマイナス1キロの472キロ。ここしばらく馬体重は一定。見た目はいつもと同じですが、攻め強化した分、中身が伴ってきたと信頼。レースは出たなりに外4番手から。勝負処のコーナリングで少々置かれて手応え今イチ。最後の直線は森騎手が懸命に叩き出してきましたが、差のある4着。基本的には早熟型で、能力的にはほぼ現状維持か。

5着 ディアデルレイ
 この日はプラス1キロの516キロ。馬体をフックラ映して前走好走のデキ。レースは本田正騎手が気合をつけて先手を主張。気分良くマイペースに持ち込み残り200まで踏ん張っていましたが、最後は完全な力負けで5着。それでもこのメンバーで掲示板に残れば大健闘。

8着 サウンドトゥルー
 この日はマイナス3キロの483キロ。高齢を迎えての移籍ですが、パドックでは毎度気合を乗せて毛ヅヤも良く好気配。レースは出たなりに後方13番手からの競馬。道中は思うようにポジションを上げられず、上がりの速い競馬もあって全く見せ場なし。展開不向きもありますが、現状千八は短い感じ。

第22回 クラウンカップ(S3)

【予想】
◎ダンサーバローズ
〇マイティウォーリア
▲サクセッサー
△トドビエン
△グラビテーション
△ホールドユアハンド
△アギト

 次走で全日本2歳優駿を勝ったノーヴァレンダの2着に粘ったもちの木賞に注目して、ダンサーバローズに期待。一気に逃げて既成勢力を撃破するとみました。ここから手広く。

【レース】
 内から好スタートを決めたダンサーバローズがハナに行く気配でしたが、意外に加速が利かず無理なくホールドユアハンドが逃げて2番手にカシノビート。内3番手にダンサーバローズで、その外にサクセッサー。ペースは平均。3コーナーで2番手に上がったサクセッサーがホールドユアハンドに迫り、3番手以下を引き離して直線へ。2頭のデッドヒートは首の上げ下げになりましたが、ホールドユアハンドが首差凌ぎました。

【上位馬の寸評】
1着 ホールドユアハンド
 この日はマイナス5キロの475キロ。ローテー的に現状維持ですが、落ち着きがあるのは好感。レースは好スタートから内の動向を窺いつつ自然にハナ。緩みないペースで後続に脚を使わせる逃げ。勝負処から食い下がってきたサクセッサーとのマッチレースになりましたが、頑強に抵抗して首差凌ぎました。京浜盃と違って、今回はこの馬の勝ちパターン。

2着 サクセッサー
 この日はプラス4キロの498キロ。馬体をフックラ映して好気配。レースは石崎駿騎手が多少気合をつけて外4番手から。勝負処で2番手に上がって前を追い、半馬身差で直線へ。一旦は先頭に立つ気配もありましたが、相手の頑強な抵抗に競り負けて2着。これで同じ相手に3連敗ですが、着差を詰めて成長の跡を示しました。

3着 アギト
 この日はマイナス2キロの470キロ。特に変わらぬ気配でいい意味で平行線。レースは山崎誠騎手が多少気合をつけて内9番手から。勝負処からマクり上げて大外へ。終い詰めて3着は、この馬らしいレース運びと実力に見合った結果。一線級に混じると入着ラインに域は出ない。

4着 マムティキング
 この日はマイナス3キロの451キロ。あまり状態面の変動の少ない馬でここ一連と同等。レースはヤンワリ出て後方12番手から。直線勝負に徹して内目を突いて4着は、ほぼニューイヤーCと同じパターン。力通りの結果。

5着 フォルベルス
 この日はマイナス1キロの483キロ。サウスヴィグラス産駒らしいややコロンとした体型。好調キープ。レースは内5番手を進み、最後の直線もロスなく内を狙って5着。目イチの競馬で力の差を見せつけられましたが、次に繋がる競馬内容。全兄ジャーニーマンは羽田盃3着など長目の距離で渋い走りを見せていますが、この馬の場合は現時点では千二ベターか。

8着 ダンサーバローズ
 この日はマイナス8キロの518キロ。数字ほどのボリューム感のない体つきですが、一見して長距離向きのイメージ。適度な気合乗り。レースは好スタートから矢野騎手が気合をつけて行きましたが、意外に推進力がなく内3番手から。勝負処から離され気味になり、全く見せ場なしの敗退。最近はJRAから狙い澄ましてクラシックレースを獲りに来る馬がいますが、果たしてこの馬は…。ハナを切れば違うのかもしれませんが、過信は禁物。

第65回 桜花賞(S1)

【予想】
◎トーセンガーネット
〇ホウショウレイル
▲アークヴィグラス
△ポッドギル
△ゼットパッション
△マーチャンスルー
△マルパソ

 ユングフラウ賞はスタートと距離適性の差。この距離ならニューイヤーCの内容からもトーセンガーネットは不動の◎。枠順からホウショウレイルとの小久保ラインを重視。逆にアークヴィグラスは外枠カギ。

【レース】
 枠の差でホウショウレイルがハナに行き、ポッドギルは2番手。五分に出たトーセンガーネットはほぼ想定通りの3番手。離れた5番手がゼットパッションで、外枠アークヴィグラスは腹を括った待機策。ペースは緩みない平均。勝負処から2番手、4コーナーで先頭に並びかけたトーセンガーネットが、弾かれたように伸びて出色の好タイムで1着ゴールを駆け抜けました。渋く脚を伸ばしたゼットパッションが2着。

【上位馬の寸評】
1着 トーセンガーネット
 この日はマイナス2キロの455キロ。詰めて使っているので大きな変わり身は感じませんが、ここ一連のデキ。レースは前走時とは対照的にポンと出て、この枠だけに楽に内3番手から。この時点でほぼ勝利は確定。道中の折り合いはスムーズ。2番手から4コーナーでは先頭に並びかけ、再度の直線は突き放す一方のワンサイド勝利。この時計で駆けては千切れたのも当然。東京プリンセス賞も仕方ない。

2着 ゼットパッション
 この日はマイナス3キロの503キロ。使う度に体が引き締まって毛ヅヤも良化。レースは山崎誠騎手が気合をつけて離れた5番手から。ペース的にはちょうどいい処。勝負処で離れた4番手。最後の直線は外からジリジリ詰めて2着。勝ち馬別格で、自身41秒9で駆ければ上等。不安だった時計勝負にも対応力を示し、着実に成長の跡が窺えます。

3着 アークヴィグラス
 この日はプラス10キロの446キロ。中央遠征で減らした馬体を戻しマズマズ。レースは外枠だけに鞍上が無理をせず、抑えて出て徐々に内に進路を。離れた内7番手に収まり折り合いに専念。勝負処ではゼットパッションの直後5番手。4コーナーは外に回して追い上げを図りましたが3着まで。脚いろ的には2着があっても良さそうな感じでしたが、最後で止まるあたり、やはり使える脚は一瞬。決して距離延びていいタイプではない。東京プリンセス賞では本来の先行策に活路を見出したい。

4着 ホウショウレイル
 この日はマイナス9キロの485キロ。馬体増の前走がいい感じだったので、この体重減がどうかですが、そううるさい面は見せずマズマズ。レースは馬込みを嫌った前走を踏まえて、御神本騎手が好枠からハナを主張。少々速目でもこの馬のペース。2着には粘れたかなとみていましたが、最後の直線でトーセンガーネットに交わされると脚が止まり4着に終わりました。これが現状の力量か…。

5着 ダバイダバイ
 この日は増減なしの407キロ。休養を入れたのに馬体が増えず相変わらず見映え? レースは内枠だけに鞍上が気合をつけて出ましたが、離れた6番手から。ほぼそのポジションで流れ込んだという5着。見た目より走る馬ですが、それにしてももう少し体を増やしたい。

9着 ポッドギル
 この日はマイナス1キロの442キロ。数字以上に馬体を大きく映して好調キープ。レースはスタートは決めたものの、浦和千六の外枠不利は如何ともしがたく外2番手に甘んじる形。見た目に折り合って進んでいたものの、勝負処で早々に後退。やはり根が逃げ馬だし、千六も長い。

第42回 京浜盃(S2)

【予想】
◎ウィンターフェル
〇カジノフォンテン
▲ヒカリオーソ
△グラビテーション
△アギト
△ホールドユアハンド
△ステッペンウルフ
△シビックヴァーゴ

 5着に敗れたとはいえ大いに見せ場があった2歳優駿のウィンターフェル。大井千七ベターで、南関同士なら休み明けの転入戦でも最有力。素質評価でカジノフォンテンが相手筆頭。

【レース】
 快速レベルフォーがハナに行き、ホールドユアハンド、ヒカリオーソの並び。ウィンターフェル、ステッペンウルフ、カジノフォンテンと続いてペースは平均からやや速目。最後の直線、手応え良く先頭に接近したウィンターフェルが勝つ勢いでしたが、タイミング良くひと脚使ったステッペンウルフが抜け出し快勝。伏兵ホワイトヘッドが外から詰めて3着。

【上位馬の寸評】
1着 ステッペンウルフ
 この日はマイナス7キロの450キロ。体重はやや減少傾向ですが、決して細目感はなく、落ち着きもあり一連のデキ。レースは出たなりで離れた5番手から。ペースを考えると理想的な位置取り。流れに乗ってポジションを上げ、最後の直線はタイミング良くひと脚使って馬群の中を割りました。レース巧者ぶりと一瞬のキレをアピール。それほどの大物感はありませんが、クラシック路線の有力候補に浮上。

2着 ウィンターフェル
 この日はプラス12キロの525キロ。馬体増は成長分で太目感なし。馬っぷりが冴えているし毛ヅヤもいい。レースは森騎手が気合をつけて外4番手から。勝負処から手応え良くポジションを上げ、直線に向くと先頭を窺う勢い。ただしここでステッペンウルフに一瞬速い脚を使われリードを奪われる羽目に。再び盛り返してきましたが及ばず2着。相手のレース巧者ぶりに軍配が上がりましたが、クラシック最有力候補の評価は揺るがない。

3着 ホワイトヘッド
 この日はプラス20キロの526キロ。数字ほどの重目感はなく馬っぷり上々、毛ヅヤもいい。レースはテンから抑え込んで後方12番手から。勝負処からマクり上げて4コーナーは一番大外。最後の直線もジリジリ脚を伸ばして3着に食い込みました。地味な戦績で直前の気配も目立ちませんでしたが、長く脚を使って見せ場十分。馬体を増やしての好走に、今後の期待感が高まります。

4着 ジョーパイロライト
 この日はプラス5キロの435キロ。小柄な馬で見映えはしませんが、馬体を増やしてマズマズ。レースは出たなりで内7番手から。ジックリ脚を温存して最後の直線もイン狙い。少々窮屈な処を抜けて見せ場十分の4着。見た目以上に勝負根性があるし、クラシック路線でも伏兵的な存在。

5着 カジノフォンテン
 この日はプラス3キロの530キロ。相変わらず抜群の馬っぷりに適度な気合乗り。レースは出たなりで外6番手からの競馬。道中の反応ひと息で勝負処で少々置かれ気味に。最後は盛り返して5着ですが、やや不満の残る内容。器用さと一瞬のキレに欠ける感じ。もう少し前目での競馬が理想。

14着 ヒカリオーソ
 この日はプラス1キロの442キロ。馬体はキープできていたし、懸念していたイレ込みもそれほどではなく順調な仕上がり。レースはある程度想定していたのか、他の逃げ馬に行かせて内3番手から。ただし、鼻出血の影響もあり早々に手応えが怪しくなり、勝負処を前に後退。この感じでは立て直しが先決でしょう。

第64回 ダイオライト記念(Jpn2)

【予想】
◎サウンドトゥルー
〇アポロケンタッキー
▲オールブラッシュ
△チュウワウィザード
△ミツバ
△ハセノパイロ

 金盃は先行ペースを見越して早目に動いて勝利したサウンドトゥルー。衰えは見られず、現状ベストの長距離なら、交流でもイケるとみました。船橋ならアポロケンタッキーも注目。

【レース】
 逃げ候補ヤマノファイトが除外になったため何が逃げるか不透明。行ったのはオールブラッシュで、抑え込んで超スローペース。外に回して2番手にチュウワウィザード。差がなくアポロケンタッキー、ミツバ。ペースを見越してサウンドトゥルーも早目に6番手から。残り800からヨーイドンの競馬。反応鋭く早目に先頭に立ったチュウワウィザードが、一気に突き抜けて明け4歳の勢いを印象付けました。力づくでアポロケンタッキーが2着。

【上位馬の寸評】
1着 チュウワウィザード
 この日はマイナス5キロの475キロ。コンパクトにまとまった均整の取れた好馬体。適度な気合乗りに毛ヅヤもいい。レースは主張するオールブラッシュに行かせて、外に切り替え2番手から。超スローでも折り合いスムーズ。勝負処から前にプレスをかけ、直線に向くとすぐに先頭。メンバー最速の上がりで後続を突き放しました。実に機敏な反応と颯爽たる切れ味。ここまでの超堅実駆けも納得。当然今後の交流路線の主役級。

2着 アポロケンタッキー
 この日はマイナス8キロの564キロ。ようやく太目が絞れてこの馬にしては活気があり最近では一番。レースは戸崎騎手が気合をつけて外3番手から。勝負処からのペースアップに苦労しつつも、叩き詰めでマクり上げ、ゴール前でオールブラッシュを交わし昨年に続いての2着。最後の砦の船橋コースで格好をつけましたが、なかなか勝つイメージは沸いてこない。

3着 オールブラッシュ
 この日はマイナス9キロの487キロ。やや減ってきましたが、それでも以前に比べると全体的にパワーアップ。レースは出負けしてリズムを崩した川崎記念を教訓に、田辺騎手がハナを主張。道中は抑え込んで超スローの逃げ。残り800からのヨーイドンの競馬で逃げ込みを図りましたが、ジカ付けされたチュウワウィザードに決め手負け。交わされても頑張っていましたが、最後アポロケンタッキーにも交わされ3着。やや抑え過ぎた感じもありますが、いずれにせよ勝つのは難しかった。

4着 ミツバ
 この日はマイナス1キロの476キロ。年齢的にそう大きく変わった感じはありませんが、川崎記念当時と同様の気配。レースは煽り気味に出ましたが、ペースが遅く即外3番手へ。向流しでは4番手。背負処からインに潜り込み、叩いて前を追走。最後の直線も内を突いて懸命に追ってきましたが4着まで。今ひとつリズムに乗り切れなかった面も。

5着 サウンドトゥルー
 この日はプラス4キロの486キロ。少し体が増えてコロンと映りますが、元来がそういった感じの馬。気合は乗って好調キープ。レースは出たなりで外6番手からですが、御神本騎手がペースを考慮して意識は前目。先行集団に取り付いて追い上げを図りましたが、急なペースアップに対応できずやや置かれ気味になり5着。今回は展開不利と割切りたい。

第10回 フジノウェーブ記念(S3)

【予想】
◎キャプテンキング
〇リコーワルサー
▲クリスタルシルバー
△キャンドルグラス
△マッチレスヒーロー
△ショコラブラン
△トーセンデューク
△トロヴァオ

 ゴールドカップは逃げるクルセイズスピリツの2番手から楽に抜け出したキャプテンキング。羽田盃1着とはいえ、案外スピードの勝ったタイプで短目の距離に高適性。外枠不問で頭狙いOKと判断。ここから手広く。

【レース】
 ノブワイルドが逃げてクルセイズスピリツ、ヨンカーと南関屈指の韋駄天が前を固める形。キャプテンキングは一歩引いて離れた4番手。その直後にキャンドルグラス。ショコラブラン、クリスタルシルバーは中団で超ハイペース。4コーナーで前を射程圏内に入れたキャプテンキングが、残り200で先頭。好タイムで仕上げました。内を突いたキャンドルグラスが2着。

【上位馬の寸評】
1着 キャプテンキング
 この日はプラス2キロの512キロ。間隔をあけての出走でもパワフルな好馬体は相変わらず。好仕上がりと判断。レースは坂井騎手が多少気合をつけて外4番手から。前3頭を深追いせずにジックリ構え、4コーナーでは勢い良く3番手に接近。最後直線は残り200で先頭。危なげなく突き抜けました。ゴールドCに引き続いての好タイムV。改めて短目の距離への高適性をアピールしましたが、もちろんある程度の融通は利くタイプ。

2着 キャンドルグラス
 この日はマイナス5キロの506キロ。以前は武骨に映った馬体が大分洗練されてきた感じで好気配。レースは好スタートを決めて無理なく内5番手から。ロスなくイン好位で脚を溜め、最後の直線も内を突いて脚を伸ばし2着。ゴールドCに続いてキャプテンキングには決定的な力の差を見せつけられましたが、相変わらず手堅い走り。

3着 クリスタルシルバー
 この日はマイナス1キロの485キロ。スカッとした体つきの馬で仕上がり早のタイプ。態勢は整っていると判断。レースは矢野騎手が気合をつけて外7番手から。勝負処からマクって出て2着争いには加わったものの、キャンドルグラスに内々で上手く捌かれて3着まで。距離の融通は利くタイプですが、母系から短目の距離により適性が高い可能性。

4着 ショコラブラン
 この日はプラス12キロの488キロ。デビュー以来の最高体重ですが、全く太目感なく適度な気合乗り。好仕上がりと判断。レースは抑え気味に内8番手から。距離を意識してジックリと脚を溜め、満を持してひと脚使い4着。高齢を迎えての移籍ですが、マダマダ実力を維持しています。

5着 マッチレスヒーロー
 この日はプラス9キロの495キロ。ビシッと攻められていない分、やや重目の印象。レースは的場騎手がかなり気合をつけて後方12番手から。前がシビアな展開に乗じて脚を伸ばし5着は、仕上がり状態を考えればマズマズ。ベストの千四なら今後チャンスがあるかも。

6着 リコーワルサー
 この日はマイナス4キロの498キロ。馬体をフックラ映して活気もあり申し分なし。レースは真島騎手が気合をつけて中団9番手から。追走に脚を使ったためか、本来の切れ味が見られず離された6着。本質的にもう少し距離があった方がいいのかも。