第65回 エンプレス杯(Jpn2)

【予想】
◎ビスカリア
〇サルサディオーネ
▲ミッシングリンク
△プリンシアコメータ
△アルティマウェポン
△ブランシェクール
△クロスウィンド

 追い込み一辺倒のイメージがあったビスカリアが、TCK女王盃は強気に推し進めて大ブレイク。長く脚を使えることを証明なら距離OK、斤量も有利でイケるとみました。サルサディオーネが相手本線。

【レース】
 クレイジーアクセルが先手を主張して、プリンシアコメータ、サルサディオーネの並び。ミッシングリンク、ビスカリアと人気処が前々で進め、ブランシェクールは中団。ペースは平均。残り800で早々に先頭に立つプリンシアコメータ。勝負処からビスカリアとミッシングリンクが動いて3頭差がなく直線に向きましたが、まだ余力を残していたプリンシアコメータが、二の脚を使って1着ゴール。追い駆けた2頭が甘くなり、ブランシェクールが2着に浮上しました。

【上位馬の寸評】
1着 プリンシアコメータ
 この日はマイナス18キロの488キロ。前走のクイーン賞当時は調整に誤算があったのか太目が残っていましたが、間隔をあけて鋭意調整を図った甲斐があり好仕上がり。毛ヅヤもいい。レースは好スタートから逃げる態勢でしたが、主張するクレイジーアクセルに行かせて外に切り替え2番手。道中は折り合いに専念。残り800で早々に先頭に立ちペースメイク。最終4コーナーではビスカリアに並びかけられましたが、コーナリングで振り切り、最後は危なげなく1着ゴール。好凡走の落差はありますが、体調と展開さえ合致すれば実に粘っこい。

2着 ブランシェクール
 この日はマイナス4キロの507キロ。体型的にはこの500キロ台がちょうどいい感じ。ブリンカー装着。レースはスタートひと息。外9番手から徐々に進出して中団からの運び。向流しで6番手、4コーナーでは離れた4番手。プリンシアコメータを追い駆けた2頭が甘くなった処を差し込み2着に浮上。ハマった感じはありますが、曲者の面目躍如。

3着 ビスカリア
 この日はマイナス5キロの466キロ。コンパクトにまとまった好馬体。活気があり毛ヅヤもいい。レースはスタートひと息で序盤は7番手。1周ホームストレッチで5番手に上がり、2周目勝負処からスパートして4コーナーでは先頭に並びかける勢い。ただしそこからもうひと脚が使えず3着。同じ早目の競馬でもインをロスなく立ち回ったTCKに対し、今回は外を回って勝ちに行く競馬。基本的には脚の使い処が難しい差し馬。

4着 ミッシングリンク
 この日はプラス5キロの535キロ。相変わらず馬っぷり上々で適度な気合乗り。休み明けでも力を出せる仕上がりと判断。レースは戸崎騎手が多少気合をつけて離れた4番手から。勝負処から動いて3番手、先頭に接近する勢いでしたが、最後の直線は伸びを欠いて4着。この馬も脚の使い処が難しいイメージ。

5着 アッキー
 この日はプラス5キロの465キロ。あまり体重の変動のない馬。可も不可もなし。レースは好スタートを決めて外5番手から。向流しでは離れた6番手。流れ的にはマズマズのポジションで、そこから流れ込んでの掲示板ゲット。大健闘でしょう。

7着 サルサディオーネ
 この日はプラス5キロの500キロ。それほど見映えする馬ではありませんが、馬体を増やしてマズマズ。レースは好スタートから内を見つつ外3番手で折り合いに専念。ただし勝負処で行きっぷりが怪しくなり凡退。やはり逃げベストということか。

第55回 報知グランプリカップ(S3)

【予想】
◎ゴールデンバローズ
〇タービランス
▲キングガンズラング
△シュテルングランツ
△ワークアンドラブ
△ディアドムス
△ハセノパイロ

 マイペースで逃げるラブミークンを難なく捕まえて緒戦を飾ったゴールデンバローズ。千八は実績ひと息でも、特に問題はないとみて◎。衰え皆無のタービランス、改めて注目したいのはキングガンズラング。

【レース】
 好スタートを決めたディアデルレイがハナを主張してシュテルングランツは2番手から。その外にハセノパイル、内にタービランス。更にはキングガンズラングと続いて平均ペース。最後の直線、手応え良く内を狙ったタービランスが残り150で先頭。その勢いで押し切りました。ディアデルレイがハセノパイロをハナ差抑えて2着。

【上位馬の寸評】
1着 タービランス
 この日はプラス9キロの532キロ。ビッシリ追い切っての馬体増。相変わらず馬っぷりは冴えているし気合乗りも上々。レースは森騎手が気合をつけて内4番手から。道中の折り合いスムーズ、なかなかリズムがいい。最後の直線はイン狙い。残り150で前を交わし、危なげなく1着ゴールを駆け抜けました、全く衰えを感じさせません。

2着 ディアデルレイ
 この日はマイナス6キロの515キロ。休み明けでも太目感なく馬体フックラ、上々の仕上がり。レースは好スタートを決めてハナを主張。遅過ぎず早過ぎずの程よいラップを刻み快調な逃げ。最後の直線、内からタービランスに交わされましたが、ハセノパイロに並ばれながら抜かせず2着は死守しました。やはりJRA7勝馬で地力が高いのは確か。千八も合っているようです。

3着 ハセノパイロ
 この日はプラス1キロの545キロ。おっとりしたタイプでいつも通りの気配。もうひと絞りあればという印象も。レースは矢野騎手が気合をつけて外3番手から。勝負処からマクって出て勝ちに行く態勢。瞬発力の差で内からタービランスに抜けられ、ディデルレイも捕まえ切れず3着ですが、叩かれての変わり身をアピール。一瞬切れる脚がないので、今後2、3着が重なる可能性も。

4着 ゴールデンバローズ
 この日はプラス8キロの538キロ。明けて7歳馬ですが、相変わらず馬っぷりは冴えており太目感もない。レースは出たなりで外8番手から。勝負処から動いて4番手、前を射程圏内に入れましたが、最後の直線は伸びを欠いて離された4着。先行ペースに展開負けといった感じですが、やはり千六あたりがベストか。

5着 キングガンズラング
 この日はマイナス6キロの543キロ。近2戦で着順を落としていますが、パワフルな好馬体は健在。レースは石崎駿騎手が多少気合をつけて外5番手から。仕掛けのタイミングをワンテンポ遅らせて終い追い上げてきましたが、差のある5着。昨年屈指の上がり馬ですが、近2戦の内容からは若干壁に当たった様子。

6着 シュテルングランツ
 この日はマイナス2キロの481キロ。馬体をフックラ映して適度な気合乗り。毛ヅヤも良く好調。レースは逃げを想定していましたが、好スタートから主張するディアデルレイに行かせて外2番手から。道中の折り合いはスムーズ。最終4コーナーでは前に並びかけましたが、追い比べで後れを取り6着。やはりこの馬は長丁場で逃げる形が理想。

第11回 ユングフラウ賞(S3)

【予想】
◎トーセンガーネット
〇ホウショウレイル
▲シントーアサヒ
△スティールティアラ
△マルパソ
△ビービーガナール

 ニューイヤーCを制して、牡馬も含め世代屈指の実力をアピールしたトーセンガーネット。少々忙しい千四でも、牝馬同士なら地力の違いを見せるとみました。ホウショウレイルとの小久保ラインを重視。

【レース】
 好スタートを決めたポッドギルが、スティールティアラを抑えてハナ。ビービーガナール、シントーアサヒと続いて、トーセンガーネットは離れた4番手。ホウショウレイルは中団よりやや後ろから。ペースは平均やや速目。勝負処からトーセンガーネットが進出して2番手に上がり直線へ。最後の直線は2頭のデッドヒートになりましたが、ポッドギルが首差残して1着ゴール。

【上位馬の寸評】
1着 ポッドギル
 この日はプラス7キロの443キロ。輸送しての馬体増好感。落ち着きもあるしブリンカー装着。レースは好スタートから矢野騎手が気合をつけ、過去重賞で逃げてきたスティールティアラを抑えてハナ。緩みないペースを刻んで快調な逃げ。4コーナーでトーセンガーネットが1馬身圏内に迫ってきましたが、コーナリングで振り切り、相手の猛追を首差凌ぎました。兄ポッドグレイシーと同様のスプリンター気性。千四の重賞では?とみていましたが、意外な対応力で時計も水準級。ブリンカー効果も。桜花賞でも内枠引けば脈あり。

2着 トーセンガーネット
 この日はプラス1キロの457キロ。馬体をフックラ映して好調キープ。レース枠内で落ち着かずスタートひと息。笹川騎手が気合をつけて離れた4番手へ。道中は追い通し。4コーナーでは2番手に上がって前を追いましたが、惜しくも首差届かず。相手の予想外の頑張りもありましたが、スタートミスが誤算。そして懸念したように千四はやや忙しかった感じ。千六の桜花賞では、ニューイヤーCの再現期待。

3着 マーチャンスルー
 この日はプラス4キロの440キロ。それほど見映えしませんが、前走2着のデキ。レースは出遅れて後方11番手から。徐々に押し上げて4コーナー7番手。ロスなく内を回って直線は外へ。レースの上がり1ハロン14秒1を要す展開に乗じて3着。森騎手の好騎乗と展開の利もありますが、JRAオープン、ヒラボクワイルドの全妹で、それなりに素質は秘めているようです。

4着 シントーアサヒ
 この日はマイナス8キロの482キロ。ほぼ仕上がり切った馬体。落ち着きはありますが、毛ヅヤひと息。レースは左海騎手が気合をつけて外3番手から。勝負処から2番手に上がり前を追いましたが、トーセンガーネットに交わされ脚いろ劣勢。最後の直線はイン粘りに追いやられ、マーチャンスルーにも交わされ4着。浦和千四の忙しいペースに脚をなし崩しに使わされた感じ。次走での巻き返し期待。

5着 ゼットパッション
 この日は増減なしの506キロ。毛ヅヤはひと息ですが、体つきは悪くなくここ一連のデキ。レースは山崎誠騎手が気合をつけて外6番手から。4コーナーでは4番手まで上がりましたが、そこまでが精一杯で離された5着。千六を2連勝してきましたが、浦和千四のスピード決着に完敗。時計のかかるパワー勝負で本領発揮。

6着 ホウショウレイル
 この日はプラス16キロの494キロ。数字通りに馬体に丸みが出て好気配。レースは御神本騎手が気合をつけて出たものの、外から殺到されて気難しい面を露呈。内8番手からの競馬。4コーナーでは5番手に上がりましたが、もうひと押しが利かず離された6着。やはり現状逃げベターの感じ。本番では内枠引いてハナか外2番手あたりに行ければ反撃の可能性。

第1回 雲取賞(S3)

【予想】
◎ヒカリオーソ
〇ミューチャリー
▲ハルディネロ
△ラプラス
△グラビテーション
△カジノフォンテン

 厳しい流れを凌いで2着のニューイヤーCで改めて地力の高さをアピールしたヒカリオーソ。今回のメンバーなら逃げ有力でチャンスとみました。逆転があれば素質上位のミューチャリー。

【レース】
 好スタートを決めたヒカリオーソが楽にハナに行き、サーブルグロワール、カジノフォンテンの並び。続いてマイコートにラプラス、ハルディネロ。ミューチャリーは中団よりやや後ろ。スローで完全な先行ペース。逃げるヒカリオーソに、手応え良く2番手に上がるカジノフォンテン。3番手グループは横一線で直線へ。余力を残した逃げで二の脚を使ったヒカリオーソが見事1着ゴール。底力を発揮したミューチャリーが2着。

【上位馬の寸評】
1着 ヒカリオーソ
 この日はプラス1キロの441キロ。相変わらずテンション高め。ただし、いつもこんな感じだし、馬体もキープできているので不安なしと判断。レースはスタート抜群。他に行く構えを見せる馬もおらず自然にハナ。スローの単騎マイペース。3、4コーナーからカジノフォンテンが食い下がってきて一旦は並ばれそうなシーンもありましたが、終いの2ハロン12秒3~12秒6の二の脚を駆使して突き離しました。馬体気配からクラシック路線のイメージは沸きませんが、完成度で一歩リード。

2着 ミューチャリー
 この日はプラス3キロの467キロ。馬体はもう少し増えてベターな印象ですが、落ち着いているし毛ヅヤも良く前走以上。レースは御神本騎手が気合をつけて出ましたが、行き脚は今イチで11番手から。勝負処からマクッて出て4コーナーでは馬群の一番大外。更に脚を伸ばしてカジノフォンテンを交わし2着に押し上げました。完全に展開負けで、負けて強い競馬内容。あと少し馬体に成長が見られれば、クラシック候補の筆頭。

3着 カジノフォンテン
 この日はプラス8キロの527キロ。前走に引き続いての大井遠征ですが、落ち着いているし、馬っぷりの良さでは抜けた存在。レースは外枠から出たなりに外3番手へ。スローペースに行きたがる面も見せずスムーズな運び。勝負処から2番手、更には先頭に並びかける勢い。アワヤと思わせましたが、最後はバテたというよりも上がりの速い競馬に瞬発力負け。前走はチグハグな競馬で敗れましたが、改めて素材の良さをアピールする競馬。距離延長に関しては未知数ですが、血統的にも大いに楽しみな一頭。

4着 アギト
 この日はマイナス1キロの469キロ。初の大井遠征ですが、馬は落ち着いているし馬体もフックラ好調。レースはダッシュが利かず後方14番手から。追って追って追い上げを図り、離されたとはいえ4着まで浮上。平和賞5着、ニューイヤーC5着に続いて重賞で掲示板をゲット。渋い末脚は評価できますが、スピードの絶対値が少々不足。

5着 ラプラス
 この日はプラス7キロの492キロ。休み明けで体重増ですが、これは成長分で太目感なし。適度な気合乗り。レースは矢野騎手が気合をつけて5番手からの競馬。ペースを考えれば悪くないポジションですが、勝負処から突き放されて全く見せ場なし。ハイセイコー記念を勝った大井の一番馬としては不甲斐ない競馬。中身が伴っていなかったのか距離を気にしたのか…。次走で改めて真価を問いたい。

第63回 金盃(S2)

【予想】
◎サウンドトゥルー
〇ヤマノファイト
▲ウマノジョー
△シュテルングランツ
△ユーロビート
△ワークアンドラブ
△エンパイアペガサス
△カンムル

 後方かひと脚使えた大賞典からも、極端な衰えはないサウンドトゥルー。仕上がり上々だし、このメンバーなら展開不問で追い込みが間に合うとみました。タイプ。ただし、相手は難解。

【レース】
 予想通りシュテルングランツが逃げてユーロビート、ヤマノファイトの並び。ワークアンドラブは好スタートから一旦下げて6番手から。サウンドトゥルーは例によって後方から、ペース平均。徐々に押し上げて4コーナー4番手に上がったサウンドトゥルーが、懸命に逃げ粘るシュテルングランツをゴール前で交わして1着ゴール。外詰めたワークアンドラブが3着で、ヤマノファイトは伸びひと息の4着。

【上位馬の寸評】
1着 サウンドトゥルー
 この日はプラス4キロの482キロ。元来それほど良く見せるタイプではありませんが、結構体つきがシッカリして気合も乗って、むしろ以前よりいい感じ。もちろん衰え感は皆無。レースは先行有利の馬場を意識して、御神本騎手がある程度出して行く競馬で後方12番手から。向流しから動いて4コーナーでは4番手。かなり脚を使った分、いつもの切れ味は見られませんでしたが、ゴール前でキッチリ差し切りました。確かにこのメンバーで56キロは勝って下さいという設定ですが、先行有利の馬場の長距離戦、フルゲートを捌いての勝利はさすが。マダマダ実力は保っています。

2着 シュテルングランツ
 この日はプラス7キロの483キロ。今回休養明けですが、馬体をフックラ映して気合も乗り好仕上がり。レースは当然先手を主張。極端にペースは落とさず平均ペースの逃げ。2馬身リードして最後の直線に向き、執拗に粘っていましたが、最後はサウンドトゥルーの末脚に屈しました。後続の脚をなし崩しに使わせる戦法で長距離の逃げ馬の本領発揮。サウンドトゥルーより重い57キロを背負っての2着に健在ぶりをアピール。

3着 ワークアンドラブ
 この日はプラス1キロの456キロ。間隔は詰まっていますが、馬体を維持して好調キープ。レースは内枠から好スタートでも、無理に仕掛けず6番手からの競馬。向流しで外に持ち出し徐々に進出。最終4コーナーでは4番手から内々をロスなくを捌いて直線は外へ。詰め寄る姿勢を見せての3着に改めてデキの良さを確認。好枠を生かした森騎手の好騎乗とはいえ、今後に期待を抱かせる4歳馬。

4着 ヤマノファイト
 この日はプラス5キロの530キロ。少々太目に映るのはいつも通り。ドッシリと構えて前走と同様のデキ。レースは本橋騎手が気合をつけて先行。1周ホームストレッチで内に馬を寄せて3番手から。道中の折り合いはスムーズ。勝負処でも手応えに余裕があり、これは勝ったかという行きっぷり。最後の直線では上位3頭の叩き合いに加わりましたが、残り100で甘くなり4着に後退。結果的に長距離での適性で見劣ったということか。

5着 モズライジン
 この日はマイナス1キロの491キロ。もうひと絞りといった体つきですがマズマズ。レースは出遅れ。向流しでは内9番手からロスなく内を進出。最後の直線は外から詰めて5着。スタートは別にして瀧川騎手がロスなく捌いての掲示板ゲットはマズマズ。長距離への適性は高そう。

第68回 川崎記念(Jpn1)

【予想】
◎ケイティブレイブ
〇オールブラッシュ
▲アポロケンタッキー
△ミツバ
△サルサディオーネ
△コパノチャーリー

 東京大賞典は競り合いに後れを取ってしまったケイティブレイブ。勝負弱い一面もありますが、長距離でスンナリ先行した際には能力全開。今回は勝ちパターンにハマるとみて信頼。逆転候補にオールブラッシュ。

【レース】
 予想通りにサルサディオーネがハナ。1周ホームストレッチでオールブラッシュが2番手に上がり、ケイティブレイブ、コパノチャーリーの並び。その外にアポロケンタッキー、内に入ったのがミツバ。以下は離れて完全に6頭の競馬。3コーナーで先頭に立ったオールブラッシュ、それに迫るケイティブレイブ、ミツバが残り300で併走の形。中を割ったミツバが抜け出し、ケイティブレイブは2着。

【上位馬の寸評】
1着 ミツバ
 この日はマイナス1キロの477キロ。歴戦の古豪で落ち着き払った佇まい。前走のデキをキープ。レースは和田竜騎手が気合をつけて内に潜り込み6番手から。手応え良くポジションを上げて4コーナーでは内3番手。最後の直線は3頭デッドヒートの中。馬体を接触するシーンもありましたが、グイと割って出て1着ゴール。バイプレイヤー的な地味な存在ですが、勝負強い一面を垣間見せました。

2着 ケイティブレイブ
 この日はマイナス1キロの513キロ。体型的に少々立派に映りますが、ほぼこの馬の理想体重で好仕上がり。レースは福永騎手が多少気合をつけて内3番手から。向流しで外に回して、勝負処では2番手。直線入口では先頭を窺い、最後の直線は3頭のデッドヒート。競り負けて2着に終わりました。どうしても並んでの叩き合いになると競り負けるケースが多い。人気を背負うだけに難しいところですが、教科書通りの競馬よりもメリハリが利いたレースが望ましい。

3着 オールブラッシュ
 この日はプラス2キロの496キロ。以前より体つきがガッシリしてパワーアップ。レースはスタートひと息。田辺騎手が気合をつけて行ったもののリズム? 1周ホームストレッチで一気に動いて2番手。3コーナー手前でサルサディオーネを交わして先頭に立ちましたが、最後の直線は3頭のデッドヒートに競り負けて3着。仕掛け処がドンピシャにハマって突き抜けた浦和記念とは対照的にチグハグな競馬。それでこの結果なら落胆の必要なし。

4着 アポロケンタッキー
 この日はマイナス2キロの572キロ。時季的になかなか絞り切れない様子。ただし、気合は乗っている。レースは戸崎騎手が気合をつけて外5番手から。2周目の勝負処では前3頭を追って離れた4番手。最後の直線も目イチに追ってきましたが、やや差のある4着止まり。どうも最近は勝負処で置かれてしまうケースが多い。

5着 コパノチャーリー
 この日はマイナス4キロの518キロ。見るからに力馬タイプ。休み明けを叩いた分の良化はありそう。レースはスタートひと息。先行馬群の一角を形成していましたが、ペースアップした際に追走ままならず離された5着。格の違いが歴然。

第22回 TCK女王盃(Jpn3)

【予想】
◎ラビットラン
〇エイシンセラード
▲アイアンテーラー
△ビスカリア
△ワンミリオンス
△ブレンシェクール
△ジュエルクイーン

 見た目に華奢なラビットランですが、ダート交流路線に転じてタフな門別二千を圧勝。JBCも正攻法の運びで2着と、当代屈指の実力牝馬に成長。この相手なら主役の座は譲れないとみました。ただし、連下は波乱含み。

【レース】
 アイアンテーラー、エイシンセラードが意識的にそっと出たので、その間隙をついてクレイジーアクセルの逃げ。ブランシェクール、ビスカリアと続いてワンミリオンスは中団。ペースは平均やや速目。4コーナー2番手に上がったビスカリアが、残り300で先頭。2着争いを尻目に豪快に突き抜けました。伏兵マルカンセンサーが内を突いて2着。

【上位馬の寸評】
1着 ビスカリア
 この日はプラス5キロの471キロ。ここしばらく470キロ前後で使っていますが、均整の取れた好馬体。活気があってこの時季の牝馬にしては毛ヅヤがいい。レースは出たなりで内5番手から。手応え良くポジションを上げて4コーナーでは2番手。最後の直線、残り300で先頭に立つと、差は広がる一方のワンサイド勝利を収めました。追い込み一辺倒のイメージがあり、今の先行有利の大井コースでどうかとみていましたが、意外な柔軟性。一躍交流路線の主役候補へ。

2着 マルカンセンサー
 この日はプラス4キロの510キロ。いい意味での平行線。レースはスタート煽って出て腹を括った待機策。後方10番手を進み、ラチ沿いで我慢を決め込む格好。最後の直線も内を狙って上がり3ハロンは勝ち馬に次ぐ38秒9。2着に食い込みました。普通交流重賞ではこの手の格下馬はお呼びでないケースがほとんどですが、通例を覆す激走。ただし、ラビットランに先着して千八54秒4は優秀。

3着 ラビットラン
 この日はマイナス4キロの448キロ。休み明けの馬体減ですが、細目感はなく適度な気合乗り。力を出せる仕上がりと判断。レースはスタートひと息で外7番手から。流れに沿ってポジションを上げて4コーナーでは5番手まで進出しましたが、終いは意外に伸び悩んで3着止まり。正直拍子抜けですが、この時季はダメなのかも。

4着 アルティマウェポン
 この日はマイナス1キロの476キロ。特に変化は感じませんが順調。レースは出たなりで真島騎手が内に馬を寄せて中団8番手から。4コーナーでは内5番手。最後の直線も内を狙って掲示板をゲットは、ほぼ力通りの競馬。1,2着馬もそうですが、内が伸びる馬場の恩恵も。

5着 クレイジーアクセル
この日はプラス6キロの487キロ。前走に引き続いての馬体増に成長が窺えます。レースはJRAの逃げ先行馬を抑えて先手を主張。緩みないペースで引っ張りましたが、最後の直線の残り300で交わされ5着。ただし、自分のスタイルは貫徹できたし、今後の糧になる競馬内容。

8着 エイシンセラード
 この日はプラス1キロの515キロ。大型牝馬ですが、スカッと仕上がって、シャープな好仕上がり。レースは好スタートから出たなり先行。外3番手からは予定の作戦かもしれませんが、かなり行きたがる素振り。結局リズムを欠いたまま後退して8着。キャリア不足を露呈する形で、次走での巻き返しに期待。

12着 アイアンテーラー
 この日はマイナス10キロの468キロ。数字ほど細くはありませんが、ややテンションが上がり気味。レースは好スタートから内の動向を窺いつつ外2番手。ただしかなり折り合いをつけるのに苦労。勝負処での手応え? 直線に向くとズルッと下がってしまいました。やはり気性的に逃げ馬。それと体重減も影響したか…。

第63回 船橋記念(S3)

【予想】
◎アピア
〇クルセイズスピリツ
▲ビヨンドボーダーズ
△ウェイトアンドシー
△ドラゴンゲート
△ユアマイラブ
△ラッキープリンス

 敗れたとはいえ、千二でキタサンミカヅキを相手に抵抗したアフター5スター賞。千㍍なら無敵のアピアは、近2戦でスタートも改善傾向なら死角はないとみました。クルセイズスピリツがどこまで逃げ粘るかも見処。

【レース】
 予想通りクルセイズスピリツが逃げましたが、五分に出たアピアが2番手に行き、その外にドラゴンゲート。直後にビヨンドボーダーズ。ウェイトアンドシーは追走ままならず中団から。3コーナー手前で早くも先頭を奪ったアピアがリードを広げて直線へ。2着争いを尻目に悠々ゴールを駆け抜けました。渋く脚を伸ばしたビヨンドボーダーズが2着。

【上位馬の寸評】
1着 アピア
 この日はプラス1キロの534キロ。堂々たる体躯。力強い踏み込みに活気もあり毛ヅヤ上々。文句なし。レースは近2戦と同様に五分に出て楽に2番手。3コーナー手前で早くも先頭に立ち、2馬身リードして直線へ。その差は全く詰まらず悠々1着ゴール。今年8歳を迎えましたが、千メートルに限ればこの馬の牙城を崩す馬は出そうにありません。

2着 ビヨンドボーダーズ
 この日はマイナス8キロの476キロ。浦和の自己条件B2を使って重賞へ連闘策は異例のローテーですが、馬体を絞ってちょうどいい感じの仕上がり。レースは好スタートから外5番手。理想的なポジション。4コーナーでは3番手に上がり直線へ。ジリジリと脚を伸ばしてクルセイズスピリツを捕らえ2着に食い込みました。これまで様々な距離を使われていますが、長距離での負け方と今回の走りを見ると、短目の距離に適性が高そう。

3着 ユアマイラブ
 この日はプラス2キロの466キロ。馬体をフックラ映して転入戦を叩いた効果がありそうです。レースは山崎誠騎手が気合をつけて内8番手から。4コーナー手前からマクって出て3着は、展開に乗じた面もありますが、JRA千六百万格の地力をアピールする走り。衰えは感じません。

4着 クルセイズスピリツ
 この日はマイナス4キロの474キロ。いかにもスプリンターという体型。ここ一連のデキをキープ。レースはやや前のめり気味のスタートでしたが、決してロスはなくハナへ。ただしアピアに五分にスタートを切られてジカ付けされては形勢悪し。3コーナー手苗で交わされ、あとはどこまで辛抱が利くかだけ。ソコソコ粘っていましたが、力尽きて4着に終わりました、アピアさえいなければ勝っていた競馬。

5着 ジョーオリオン
 この日はマイナス9キロの486キロ。休み明けでそれほど目立つ気配ではない。レースはダッシュが利かず離れた9番手から。展開に乗じた5着で、特に強調材料なし。

第62回 ニューイヤーカップ(S3)

【予想】
◎トーセンボルガ
〇トーセンガーネット
▲ヒカリオーソ
△アギト
△アイアス
△マムティキング
△カネトシテッキン

 ハイセイコー記念は鼻出血のアクシデントで基準外。地元千六でこのメンバーなら、トーセンボルガがパワー先行で押し切るとみました。トーセンガーネットとの小久保ライン。

【レース】
 逃げる態勢のトーセンボルガにフォーが被せて行ったので、前半34秒5~47秒9という浦和の千六としては異例のハイペース。離れた3番手にヒカリオーソ、更にはトーセンガーネット、マイコートと縦長バラバラの展開。マムティキングは後方から。向流しで先頭を奪い返すトーセンボルガ。ただし勝負処で後続が急接近して風雲急。3コーナーで2番手に上がったトーセンガーネットが4コーナー先頭。激しい2着争いを尻目に41秒9の好タイムで仕上げました。内を突いて渋く脚を伸ばしたヒカリオーソが2着。

【上位馬の寸評】
1着 トーセンガーネット
 この日はプラス1キロの456キロ。遠征帰りですが、馬体を維持して好調キープ。レースは出たなりで流れに沿って離れた5番手から。ペースを考えると理想的なポジション。勝負処から無理なく動いて4コーナーでは早くも先頭。激しい2着争いを尻目に1着ゴールを駆け抜けました。若干早仕掛けで押し切るあたり、兵庫JGで1秒園内の4着が伊達でないことを証明。時計の1分41秒9も優秀。完成度が高く伸びシロはどうかですが、レース巧者で安定感があります。

2着 ヒカリオーソ
 この日はプラス3キロの440キロ。仕上がり切った馬体で少々イレ込み気味はいつものこと。見映えはそうでもありませんが実戦タイプ。レースは内枠から瀧川騎手が気合をつけて出ましたが、外2頭の出脚が良く、早々に控える姿勢で離れた3番手から。ペースが速いこともあり道中の折り合いはスムーズ。勝負処で一旦前3頭から置かれましたが、内を突いて渋く脚を伸ばし2着。この展開、しかもこの開催はインがやや砂が深い事情を加味すると、これは相当な頑張り。更に評価アップ。

3着 マイコート
 この日はプラス8キロの475キロ。元々細身で力感に欠ける体つき。馬体増は好感で、意外に落ち着きもあり前走以上。レースはヒカリオーソ後ろ、離れた6番手から。4コーナーでは3番手に上がり前を追いましたが、2着争いに後れを取り3着。ポジション、仕掛け処ともにハマって目イチの競馬。

4着 マムティキング
 この日はマイナス3キロの452キロ。馬体をフックラ映して意外に落ち着きがあり好気配。レースは出遅れてほぼ最後方から。道中徐々に押し上げ4コーナーでは4番手に上がりましたが、追い込み及ばず4着。展開に乗じてこの結果は、現段階での重賞での力関係。

5着 アギト
 この日はプラス11キロの477キロ。元々コロンと映る体型ですが、少々間隔があいて余裕の造り。レースは出遅れで離れた殿りから。勝負処からマクって出て4コーナー6番手。展開に乗じて掲示板ゲットは順当な結果ですが、次は更に良くなりそう。

6着 トーセンボルガ
 この日はプラス5キロの505キロ。武骨とも思えるほど筋骨隆々とした体つき。いつも少々太目に映りますが、体重増でもこの日はそうでもなく、中身が伴ってきた様子。レースは左海騎手が気合をつけてハナに行く構え。ただし外からレベルフォーが被せて来たので、譲って2番手から。向流しでは抜き返して先頭と熾烈な争い。直線入口までリードを保っていましたが、僚馬トーセンガーネットに交わされ後退。今回は展開不利で次走での巻き返しに期待。

第55回 報知オールスターカップ(S3)

【予想】
◎タービランス
〇タガノゴールド
▲ヤマノファイト
△ハセノパイロ
△トキノパイレーツ
△ジャーニーマン
△ゴールドパテック

 クラシック路線では主役を担ったタービランス。以降は度重なる休養を挟んでいるものの、一連の走りから衰えなし。このレベルの重賞で森騎手なら最有力で、攻め気配も上々。園田のタガノゴールドが本線。

【レース】
 好スタートを決めたジャーニーマンが、大外枠からハナを主張。これを追い駆けたのがトキノパイレーツで、この距離にしては速い流れ。離れた3番手にタービランスにタガノゴールド。ヤマノファイト、ユーロビートに出遅れたハセノパイロは後方から。2周目勝負処から馬群が一気に凝縮。4コーナーで先頭に立ったタービランスにヤマノファイトが並びかけ、ユーロビートも接近して直線へ。最後は2頭のデッドヒートになりましたが、ヤマノファイトがタービランスにハナ差競り勝って1着ゴール。

【上位馬の寸評】
1着 ヤマノファイト
 この日はマイナス10キロの525キロ。相変わらずオットリしていますが、太目が絞れて良化。レースは出遅れ気味で後方8番手から。向流しで外6番手。勝負処からマクりをかけて4コーナー2番手。最後の直線は粘るタービランスとデッドヒートになり、ハナ差競り勝ちました。展開がハマったのも事実ですが、ようやく体調が整ってきたのと、この程度までなら距離をこなすことを証明。

2着 タービランス
 この日はマイナス13キロの523キロ。昨シーズンに南関で走っていた当時と同じくらいの数字。大型馬の割にスカッとした体つきで好仕上がり。レースはスタートひと息でも森騎手が気合をつけて前2頭から離れた3番手。2周目勝負処から後続の動きに合わせてスパート。4コーナーで先頭に立ち、直線はタービランスとのデッドヒート。惜しくもハナ差競り負けました。完全に展開負けで、衰えがないことを改めて証明。

3着 ユーロビート
 この日はプラス3キロの538キロ。やや太目に映る馬体ですが、少し前のスランプ時に比べれば随分いい感じ。レースは吉原騎手が気合をつけて出たものの、ペースが速く後方9番手からと置かれる競馬。2周目勝負処から一気に仕掛けて4コーナーでは2番手に接近。アワヤと思わせましたが、もうひと脚が使えず離された3着に終わりました。流れがハマって目イチの競馬ですが、それなりの実力は維持できています。

4着 ディアドムス
 この日はマイナス5キロの490キロ。馬体をフックラ映して叩いた分は良化。レースは御神本騎手が気合をつけて外6番手から。流れに沿って徐々にポジションを上げ、最後の直線は内に切れ込むようにして差を詰め4着。得意のシーズンを迎えて大分レースぶりにメリハリが出てきましたが、それでも完全復活までは?

5着 タガノゴールド
 この日はマイナス21キロの459キロ。やはり見た目もやや減った感じで、気合乗りもひと息。レースは赤岡騎手がかなり気合をつけて内5番手から。向流しでは4番手。後続が一気に動いた際もポジションを下げずに内で我慢。最後の直線も内を突きましたが4着止まり。体調が伴っていなかったことを考えれば、地力を示す内容。

7着 ハセノパイロ
 この日はプラス18キロの544キロ。やはり数字通りやや重目の造り。パドックではいつも気合を表に出さないタイプ。レースは出遅れて後方に置かれる競馬。正味直線だけの競馬で展開に乗じて僅かに差を詰めた程度は、いかにも叩き台。