第54回 黒潮盃(S2)

【予想】
◎アベニンドリーム
〇ブラヴール
▲ブリッグオドーン
△コパルトウィング
△ファルコンウィング
△コパノリッチマン
△インペリシャブル

 鎌倉記念2着と南関で結果を残し、レベル?とはいえ北海道2歳優駿も2着しているアベニンドリームが的場騎手で中心。当然ブラヴール本線ですが、好仕上がりブリッグオドーン以下△勢を含め混戦模様。

【レース】
 ファルコンウィング定番の逃げは馬場を考えればスローペース。アベニンドリームは内3番手に控え,、その外にインペリシャブル。中団外目にコパノリッチマンで、ブラヴールはブリッグオドーンとともに例によって後方から。快調に逃げ脚を伸ばすファルコンウィングに1馬身までインペリシャブルが迫り直線へ。残り300で先頭に立ったインペリシャブルが、独走で1着ゴール。2着には道営コパノリッチマンが食い込みました。

【上位馬の寸評】
1着 インペリシャブル
 この日はマイナス5キロの464キロ。馬体の張りに活気があり文句なし。レースは出たなりに外4番手から。距離を意識して折り合いに専念といったところですが、運びスムーズで抜群の行きっぷり。3コーナーで単騎2番手に上がり前を追い、4コーナーでは1馬身差。残り300で先頭に立ち、突き放す一方のワンサイド勝利を収めました。脚抜きのいい馬場としても時計優秀。古馬トップクラスを相手にシビアな競馬を経験したのが得難い経験。クラシック上位組に道営勢も一蹴して一躍世代指折りの存在に。

2着 コパノリッチマン
 この日はマイナス11キロの509キロ。落ち着き払った好馬体。体重減は絞れた分と判断。レースは中団外目から向正一気に動いて3コーナー3番手。前を行く2頭のピッチが落ちず離れた3番手で直線へ。最後は甘くなったファルコンウィングを抑えて2着争いを制する形。鋭い脚は使えないようで、逃げ先行か差しに構えるケースでも今回のように早目に押し上げる戦法がマッチ。このキャリアだけに伸びシロ満載だし長目の距離もむしろ合いそうで更なる成長期待。

3着 ファルコンウィング
 この日は増減なしの482キロ。さほど間隔がなくとも維持できていたし、落ち着きもあり心身ともに成長を確認。レースは定番の逃げで、他も競りかけて来ずマイペース。勝負処から差を広げにかかるもインペリシャブルが食らい付いて来て1馬身差で直線へ。残り300で交わされあとはイン粘りの形。最後はコパノリッチマンに交わされ3着に終わりました。完全燃焼の競馬。インペリシャブルの予想の上を行く大駆けに脱帽。

4着 ストーミーデイ
 この日はマイナス3キロの490キロ。馬体をフックラ映してここ一連の好調をキープ。レースは距離を意識して後方でジックリ抑え込む作戦。基本は先行決着ですが、2着争いがもつれる形になり、そこに乗じて外から詰めて4着はマズマズの内容。千二路線から再び距離を延ばして世代有数の実力を発揮。ただしやはり血統面からは短距離ベターでは。

5着 ピュアオーシャン
 この日はプラス4キロの505キロ。相変わらず馬っぷりは冴えておりハイレベル安定。レースは出たなりに外6番手から。ペース的には妥当なポジション。勝負処からマクって出て4コーナー5番手。ただし直線はジリジリという感じで流れ込んでの5着に終わりました。シビアな競馬に晒されながら一応の格好をつけたのは収穫。これを糧にマダマダ出世が見込める好素材。

8着 ブリッグオドーン
 この日はプラス10キロの489キロ。全く太目感なくひと回り成長していい感じ。ただしレースはスタート直後にリズムを崩して最後方に置かれる競馬で僅かに詰めたのみ。今回に関しては基準外の一戦で次走で改めて。

11着 ブラヴール
 この日はマイナス6キロの485キロ。いつも通りの気配でソコソコ気合も乗っており力を出せる仕上がりと判断。レースは例によって後方からですが、全く動けぬまま終了。除外を挟んでハードな競馬が続いたクラシック路線の疲れが抜け切っていないのか。時間がかかるかも。

13着 アベニンドリーム
 この日はマイナス5キロの509キロ。パワフルな好馬体に適度な乗りで上々の仕上がり。レースは好スタートから的場騎手が気合をつけて内3番手から。想定通りの運びですが、道中の行きっぷり今イチで次第にポジションを下げて終了。モマれる競馬が良くないのか、この程度の実力なのか…。レースぶりを見る限り、道営で星を分けていたコパノリッチマンとは、将来性も含めてスケールで見劣る感じ。

第27回 マイルグランプリ(S2)

【予想】
◎ヒカリオーソ
〇カジノフォンテン
▲コパノジャッキー
△グレンツェント
△ミューチャリー
△トロヴァオ
△リッカルド

アクシデント明けの帝王賞は後方のままに終わったヒカリオーソ。ただし、これで人気を落とすようなら狙い目。差して2着の川崎記念がインパクト大だし、基本的にはマイラータイプ。カジノフォンテン本線に手広く。

【レース】
 好スタートを決めたワークアンドラブがハナ。ヒカリオーソが2番手に行きましたが、外から掛かり気味にアンサンブルライフが先頭に立つ勢い。リッカルド、トロヴァオと続いて内にカジノフォンテン。グレンツェント、コパノジャッキー、ミューチャリーは中団。センチュリオンは後方からでほぼ平均ペース。3コーナーで振り切って先頭のワークアンドラブに後続が接近。混戦を制したのはミューチャリーで、手堅くまとめたグレンツェントが2着。追い込んだセンチュリオンが3着。

【上位馬の寸評】
1着 ミューチャリー
 この日はプラス9キロの473キロ。相変わらずテンションが上がり気味ですが、馬体増は好感。ただし、もっと増やしたい。レースはスタートひと息で外9番手から。他の有力処の追い出しを待ってスパートをかけ、物の見事に突き抜けました。改めて同世代というよりも南関屈指の実力をアピール。レースぶりからは千六前後の方が持ち味の切れ味が冴える感じ。

2着 グレンツェント
 この日はプラス2キロの474キロ。馬体をフックラ映してハイレベル安定。レースは出たなりに外7番手から。勝負処からスパートを開始して4コーナー4番手。残り200で一旦は先頭に立ちましたが、最後はミューチャリーの決め手に屈しました。マイル路線で安定感抜群の走り。歳を重ねても元気一杯。

3着 センチュリオン
 この日はマイナス6キロの533キロ。もうひと絞りですが、ビシッと追い切って大分重目解消。気合もある。レースはダッシュ利かずほぼ最後方から。予想通りというか、テンに置かれる競馬になりましたが、少々上がりのかかる流れに乗じて3着。古豪の意地を見せました。この走りをみると、今後二千以上のレースでは再び主
役候補に。

4着 トロヴァオ
 この日はマイナス2キロの469キロ。休み明けでも体つきは勝った前走時と何ら変わらないし、以前に比べると本当に落ち着きが出た。レースは藤田騎手が多少気合をつけて外5番手から。手応え良く4コーナー4番手に押し上げましたが、追い比べで後れを取り4着。それでももう一度やれば逆転可能な範囲。年齢の割に数を使われておらず、衰えを感じさせません。

5着 リッカルド
 この日はマイナス7キロの500キロ。ハード調教を敢行してキッチリ造ってきた感じ。レースは出たなりに外4番手から。勝負処から動いて4コーナー2番手。一旦は突き抜ける勢いでしたが、最後は殺到されて5着。現状これが目イチか。

7着 カジノフォンテン
 この日はマイナス12キロの57キロ。相変わらず馬っぷり上々。馬体減は絞れた分と好意的に解釈。レースは今回も競りを避けて一歩引く形。内6番手で折り合いスムーズ。4コーナーでは内2番手に進出して内を突きましたが、追い比べでサッパリ伸びず。一線級のハイレベル混戦を制するまでの力はなかったということか。

8着 コパノジャッキー
 この日はマイナス5キロの483キロ。ややコロンとした体型。パドックでは気合を表に出さずとも実戦タイプ。レースは森騎手が気合をつけて内8番手から。終始経済コースを運んで最後の直線も内を突きましたが、全く勝負圏外。このメンバーではポジションが取れないしスピード負け。

10着 ヒカリオーソ
 この日はマイナス2キロの466キロ。馬体はキープできていたし、特にイレ込もなく過不足ない仕上がり。レースは無理なく好位外目をゲット。ただし勝負処で早々に手応えが怪しくなり吸収される始末。まだ中身が伴っていないということか…。

第3回 プラチナカップ(S3)

【予想】
◎ベストマッチョ
〇ダノンレジーナ
▲インペリシャブル
△エッシャー
△ワンパーセント
△マーガレットスカイ

 緒戦は終いブルドッグボスに交わされながら、執拗に抵抗して差し返すシーンすら見せたベストマッチョ。この相手なら当然◎。軽量魅力ダノンレジーナ、3歳インペリシャブル、逃げるエッシャーなどが相手。

【レース】
 張田騎手が気合をつけてハナ、ベストマッチョ2番手は想定通りの並び。バトードラムールに内に入ってダノンレジーナ。その直後にインペリシャブル。出遅れたワンパーセントは後方から。エッシャーの逃げとしては平均ペース。3コーナー過ぎからビッシリ併せて行ったベストマッチョが4コーナー先頭。インペリシャブルの追撃を抑えました。

【上位馬の寸評】
1着 ベストマッチョ
 この日はプラス5キロの504キロ。太目感なし。適度に気合が乗ってブリンカー装着。レースは五分に出て逃げるエッシャーの2番手は森騎手の作戦通り。勝負処からベストマッチョに並び駆け、4コーナーでは単騎先頭。やや強気に勝ちに行った分、終い詰め寄られましたが、内容的には完勝。スピードの勝ったタイプで距離に壁はありそうですが、千四なら走り安定。

2着 インペリシャブル
 この日はプラス11キロの469キロ。全く重目感なし。やはり成長期にある3歳。これは中身が伴ってきた分と判断。レースは矢野騎手が多少気合をつけて内6番手から。速い流れにスムーズに折り合い4コーナー4番手。最後の直線は外から伸びてベストマッチョに迫る勢い。理想的に運んだにせよ、古馬相手のこの走りは評価に値。続けて千二のシビアな競馬を経験したのが糧になった様子。この千四、千五あたりがベストか。

3着 ダノンレジーナ
 この日はマイナス1キロの479キロ。それほど気合を前面に出すタイプではなく、パドックでの気配は地味。マズマズ順調。レースは左海騎手が気合をつけて内に馬を寄せ内4番手から。勝負処からは離れた3番手で前を追い、一旦は2番手に上がりましたが、最後力尽きて3着。軽量52キロで正味目イチの競馬。自身時計を詰めて26秒7なら完全燃焼。

4着 エッシャー
 この日はプラス4キロの483キロ。馬体をキープして勝った前走のデキ。レースは張田騎手が気合をつけてハナ。この馬としては程良いペースで逃げましたが、3コーナーあたりからベストマッチョに早目に来られたのが誤算。4コーナーで先頭を譲り、辛抱したものの4着まで。完全に力負け。

5着 ワンパーセント
 この日はプラス2キロの486キロ。馬体をフックラ映して好調時と変わらぬ気配。レースは枠入りをごねて出遅れ。外9番手からの競馬になり、追い上げままならず5着まで。それでも諸々のハンデがありながら掲示板入線は評価すべき。

第10回 習志野きらっとスプリント(S1)

【予想】
◎ノブワイルド
〇キャンドルグラス
▲アピア
△アザワク
△ポッドギル
△クインズテソーロ
△ストロングハート

 昨年は先手を主張してアピアを振り切ったノブワイルド。現状無理なく逃げられる千四ベストの感じはあるものの、デキの良さと斤量的な観点から、行き切って連覇達成が有力とみました。当然キャンドルグラス本線。

【レース】
好スタートを決めたノブワイルド、二の脚速いアザワクの熾烈なハナ争い。離れた3番手にポッドギル。キャンドルグラスは中団イン。フランシスコダイゴは後方から。22秒1~33秒5の超ハイラップ。3、4コーナーで振り切ったノブワイルドが2馬身リードして直線へ。ロスなく進出したキャンドルグラスが外から伸びてきましたが、半馬身残してノブワイルドが連覇達成。後方から詰めたフランシスコダイゴが3着。アピアはアクシデントで競走中止。

【上位馬の寸評】
1着 ノブワイルド
 この日はマイナス9キロの491キロ。一時より減らしていますが、むしろスカッとしていいバランス。気合も乗って申し分なし。レースは好スタートから左海騎手が何が何でもの構え。内からアザワクが来て激しいハナ争い。3、4コーナーでこれを振り切って単騎先頭。2馬身リードで直線に向き、終いやや甘くなったものの、前半の貯金を守り切りました。高齢を迎えて益々盛ん。

2着 キャンドルグラス
 この日はマイナス3キロの507キロ。間隔はあきましたが、堂々たる馬っぷりに仕上がりの良さが伝わります。レースは岡部騎手が気合をつけて内9番手から。道中うまく前があいてロスなく内々進出して4コーナー4番手。直線は外から詰めてノブワイルドに迫りました。このメンバーの千㍍ではテンに置かれる競馬は織り込み済み。短距離ならまず破綻はありません。

3着 フランシスコダイゴ
 この日はプラス3キロの479キロ。馬体をフックラ映して適度な気合乗り。レースはいつも通り出脚ひと息。後方12番手からの競馬になり、直線勝負で3着と好走。腹を括って終いに賭けた(賭けざるをえなかった?)のが、展開に乗じて混戦の3着争いを制した要因。もちろんスプリンターとしての資質の高さは言うまでもなし。

4着 アザワク
 この日はマイナス1キロの463キロ。コンパクトにまとまった馬体。スケールは感じさせませんが、落ち着いていたのは好感。レースはスタートひと息。ただし二の脚が速く内から逃げる勢い。結局好スタートを決めたノブワイルドと馬体を接して競り合う形。3、4コーナーで振り切られて劣勢に回りましたが、案外辛抱が利いて差のない4着。五分に出ていれば先手を取り切れていたはずで、結果は違っていたかも。軽量52キロとはいえ、非凡なスピード能力を垣間見せました。

5着 ポッドギル
 この日はプラス2キロの452キロ。最近は使い減りせず状態安定。レースは矢野騎手が多少気合をつけて内3番手から。競り合う前2頭は眼中になく自分のペースを堅持。結局前を捕まえ切れず後ろから来られて5着ですが、自分の力は出し切った競馬。スプリント戦なら展開不問で計算できる。

第24回 スパーキングレディーC(Jpn3)

【予想】
◎ファッショニスタ
〇メモリーコウ
▲サルサディオーネ
△サラーブ
△メイクハッピー
△マルカンセンサー

 昨年は逃げるサルサディオーネを勝手に行かせ、勝負処から機敏にスパートして快勝したファッショニスタ。今年も同様のパターンが予想され、叩いてデキも上向きなら時計勝負で連覇有力とみました。地力秘めるメモリーコウが本線。

【レース】
 主張する矢野サルサディオーネに行かせてファッショニスタが2番手と予想通りの展開。外3番手にメイクハッピーにワンダーアマービレ、メモリーコウの並び。サラーブは中団。ペースは平均の先行ペース。勝負処からメイクハッピーが動いて2番手併走。最後の直線は先行3頭の叩き合いになりましたが、渋太く競り勝ったファッショニスタが2冠達成。順当に収束。

【上位馬の寸評】
1着 ファッショニスタ
 この日はプラス4キロの508キロ。相変わらず丸みを帯びた好馬体でデキの良さが窺えます。レースは好スタート。主張するサルサディオーネを行かせて2番手は昨年と同じ。勝負処からメイクハッピーが動いた際に手応え的に?の感じもありましたが、最後の直線のデッドヒートからグイと抜け出して1着ゴール。地力の差を見せつけました。

2着 メイクハッピー
 この日はプラス9キロの491キロ。以前川崎の2歳優駿を使った際は471キロ。成長が窺えますが、見映えするタイプではない。レースはルメール騎手が多少気合をつけて外3番手から。流れに乗って勝負処からスパートをかけて4コーナー2番手。勝つ勢いでしたが、ゴール前二の脚を繰り出すファッショニスタには及びませんでした。完全に力負けですが、キャリア的にもこれからの馬。

3着 サルサディオーネ
 この日はマイナス2キロの527キロ。馬体減りもなく好調キープ。レースは矢野騎手がかなり気合をつけてハナ。ファッショニスタがサッと引いたので単騎マイペース。この馬の逃げとしてはペースは緩め。半馬身のリードを保って直線に向きましたが、デッドヒートの末に決め手負け。この馬の場合はもう少し速いペースで行った方がいいのか…。

4着 メモリーコウ
 この日はプラス3キロの465キロ。ひと息後でも太目感なく好仕上がり。レースは古川騎手が気合をつけて外4番手から。勝負処から進出を図り4コーナー大外に回しましたが、意外に前とは差が詰まらず水の開いた4着。今回に関しては展開負けの面も。

5着 ワンダーアマービレ
 この日は増減なしの464キロ。馬体をフックラと映して好気配。レースは出たなりに内5番手から。千六を意識して極力脚を温存する形。最後の直線は内を突いてきましたが5着止まり。やはり千四ベストということか。

第22回 ジャパンダートダービー(Jpn1)

【予想】
◎カフェファラオ
〇ミヤジコクオウ
▲バーナードループ
△ダイメイコリーダ
△ダノンファラオ
△キタノオクトパス
△ブラヴール
△エメリミット

 満を持して追い出し突き抜けたユニコーンSがレースレコード。大物感漂うカフェファラオの勝ちっぷり注目。距離延びて良さそうなミヤジコクオー、兵庫CSを勝利したバーナードループ以下連下は横一線。

【レース】
 好スタートを決めたダイメイコリーダがハナ。ダノンファラオがこれを追い駆けて内3番手にカフェファラオ、その外にミヤジコクオウ。フルフラット、キタノオクトパスと続いてバーナードループは中団。ブラヴールは例によって後方から。ペースは平均からやや速目。3コーナーから前2頭が後続を引き離して直線へ。残り300で先頭に立ったダノンファラオが勝利、内抵抗したダイメイコリーダが2着と先行決着。

【上位馬の寸評】
1着 ダノンファラオ
 この日はマイナス2キロの518キロ。パワフルな好馬体でパドックの外目を気合十分に周回。レースは逃げるダイメイコリーダを2番手で追う形。決して行きっぷりは良くありませんが、大体いつもこんな感じ。最終4コーナーで馬体を併せ、残り300で競り勝つと、抵抗する相手を振り切って1着ゴールを駆け抜けました。力の要る地方の馬場でパワー先行が炸裂。常識に掛からない面はありますが、これくらいは走れて当然の馬。いずれ交流路線の常連に。

2着 ダイメイコリーダ
 この日はプラス15キロの491キロ。全く太目感なし。少しうるさいくらいに気合も乗って、デキの良さが窺えます。レースは好スタートを決めてハナ。12秒台の平均ラップを刻んで快調な逃げ。勝負処からはこれを追い駆けるダノンファラオとデッドヒートの様相。残り300で交わされたものの、執拗に抵抗して2着。敗れたとはいえ地力の高さをアピールしました。鳳雛Sで一蹴した相手に逆転を食らいましたが、これは力の要る馬場、距離二千への適性の差か。

3着 キタノオクトパス
 この日はマイナス2キロの546キロ。迫力満点の馬っぷりは見映えします。レースは出たなりに外6番手から。勝負処からスパートをかけましたが、思うように差が詰まらず直線へ。混戦の3着争いを制して堅実駆けをアピールしましたが、現状重賞レベルではこれが一杯か。

4着 プラヴール
 この日はマイナス9キロの491キロ。ダービーの除外を挟んで馬体を減らしてきましたが、特に気配落ちの感じはなく力を出せるデキと判断。レースは例によって後方からの競馬。上がりのかかる競馬に乗じて3ハロンでは最速の脚を使って4着は、ほぼ妥当な結果。必ずしも万全?でこの走りなら、今後は中長距離路線の『核』に。

5着 ミヤジコクオウ
 この日はプラス6キロの506キロ。上々の馬っぷりに適度な気合乗り、毛ヅヤもいい。レースは幸騎手が気合をつけて外4番手から。勝負処からはかなり追って追走で行きっぷり今イチ。最後の直線は余力がなく5着が精一杯。やや不満の残る内容で、この馬はジックリ差しに構えた方がいいのかも。

7着 カフェファラオ
 この日はマイナス4キロの508キロ。さほどのスケールは感じさせませんが、コンパクトにまとまった体付きで、いかにもバネの利いた走りをしそう。ややテンション高め。レースはレーン騎手が多少気合をつけて先行策。1コーナー手前でやや躓くシーンもありましたが、大過なく内3番手から。ただし勝負処から置かれ気味になり、かなり前2頭にリードを許したまま直線へ。終いもサッパリ伸びる気配がなく轟沈。躓いたのが影響したのか、力の要る馬場は合わないのか、内枠が影響したのか、距離的なものか、それらが複合的に重なっての敗戦。

8着 バーナードループ
 この日はマイナス5キロの513キロ。大型馬ですが、鈍重さがなくキリッとした体付き。落ち着きも伴い好仕上がり。レースはルメール騎手が多少気合をつけて中団7番手から。勝負処から追い上げを図りましたが、推進力に欠け前との差が詰まらず。全く見せ場がなく兵庫で競り勝ったダノンファラオに完敗は拍子抜け。正直敗因が掴めません。

第43回 帝王賞(Jpn1)

【予想】
◎オメガパフューム
〇チュウワウィザード
▲クリソベリル
△ノンコノユメ
△ワイドファラオ
△ルヴァンスレーヴ
△モジアナフレイバー

 クリソベリルは間隔があいての出走。それなら絶好調で大井の二千では無類の強さを発揮するオメガパフューム◎。好敵手チュウワウィザードが相手。もちろんクリソベリルでアッサリのシーンも。

【レース】
 同型不在でワイドファラオの逃げは予想通り。クリソベリルは外3番手。直後にルヴァンスレーヴ、チュウワウィザード。オメガパフュームは中団、ケイティブレイブは後方待機策。スローペースでほぼ一団。オメガパフューム、ケイティブレイブも接近して最後の直線に向きましたが、残り200で先頭に立ったクリソベリルが、後続の追撃を軽く抑え込ん当代№1を確定的にしました。

【上位馬の寸評】
1着 クリソベリル
 この日はチャンピオンズCからマイナス10キロの540キロ。巨漢馬ながら均整の取れた馬体。程良く気合も乗ってドバイ中止のダメージなし。レースは外3番手で抑え込む競馬。勝負処で2番手に。迫るオメガパフュームとケイティブレイブをコーナリングで振り払うと、残り200でワイドファラオを交わして先頭。危なげなく1着ゴールを駆け抜けました。器用に立ち回れてヨーイドンの瞬発力勝負もドンと来い。しばらく時代が続きそうです。

2着 オメガパフューム
 この日はマイナス8キロの452キロ。ダートのA級馬が揃うと馬っぷりは見劣りしますが、この馬の場合は横の比較はなし。いつになく落ち着いていれば合格点。レースは出たなりに外8番手から。ペースを意識してデムーロ騎手が早目の仕掛け。一旦はクリソベリルに1馬身まで迫りましたが、コーナリングで振り切られて、その差を埋められぬまま2着。相手に脱帽でしょう。

3着 チュウワウィザード
 この日はプラス11キロの489キロ。川崎記念以来の出走で過去最高体重ですが、見た目に太目感なし。気合も乗って力を出せる仕上がり。レースは出たなりに外6番手から。勝負処から後続が一気に押し上げた際にやや置かれる形に。最後内から詰めて3着ですが、やや仕掛けのタイミングを逸した感も。それでも崩れないのはさすが。

4着 ワイドファラオ
 この日はプラス4キロの510キロ。落ち着きを伴いかしわ記念のデキをキープ。レースは同型不在で持ったままハナ。初の二千でもありスローペースに落とし込みスタミナを温存。クリソベリルが壁になり注文通りの形になりましたが、最後は呑み込まれて4着。かしわ記念の夢よもう一度といきたかったところですが、力の差は否めず。

5着 ノンコノユメ
 この日はマイナス2キロの450キロ。数字以上にフックラ見せるのはいつもですが、落ち着いていたのは好感。レースは内9番手で我慢を決める形。直線勝負で外から詰めて5着。相手が強ければ強いほど能力を引き出せる馬ですが、予想以上の先行ペースになったのが誤算。

10着 ルヴァンスレーヴ
 この日はマイナス14キロの485キロ。攻め強化して目イチに絞り込んできたということでしょうか。確かに前走時に比べると気合が乗って良化の手応え。レースはスタートひと息。ペースが緩いので5番手に行きましたが、見せ場なく後退。復活への道は険しい。

第10回 優駿スプリント(S2)

【予想】
◎カプリフレイバー
〇ストーミーデイ
▲ミチノギャング
△インペリシャブル
△スティールペガサス
△ファルコンピーク
△ボンボンショコラ
△タイセイサクセサー

 世代レベルは並みとしても、スプリント路線の層が厚い今年の3歳。その中でも素質ピカイチのカプリフレイバーが、トライアル以上の仕上がりなら負けられない一戦。相手に注目したいのは血統的に距離適性が高そうなストーミーデイ。

【レース】
 予想通りカプリフレイバーが無理なくハナ。ボンボンショコラがこれを追い駆けてストーミーデイ、インペリシャブルに内からブロンディーヴァも先行態勢。中団インにスティールペガサス、外にタイセイサクセサー。ミチノギャング、キングキャヴィアは後方からで当然ながら超ハイペース。馬順に変動はなく2馬身リードして直線に向いたカプリフレイバーが、トライアルの時計を0秒4詰めて逃げ切り。ロスなく立ち回ったブロンディーヴァが2着で、大外伸びたキングキャヴイアが3着。

【上位馬の寸評】
1着 カプリフレイバー
 この日はプラス3キロの512キロ。攻め強化して馬体回復、馬っぷり、気合乗りともに上々。レースは労せずしてハナに立って快調にハイラップの逃げ。後続に動く暇を与えず2馬身リードして直線へ。それを保ったまま危なげなく1着ゴールを駆け抜けました。マダマダ成長余力十分で上の世代との対決が楽しみ。

2着 ブロンディーヴァ
 この日はプラス4キロの521キロ。近走ひと息ですが、相変わらず馬っぷりは冴えており気配落ちなし。レースはスタートの出はさほどでもありませんでしたが、御神本騎手が気合をつけて内4番手から。ロスなく運んで最後の直線は内を突いて2着。巧く運んだにしても中身の濃い競馬。やはり母父バクシンオーの血が色濃く出て本質スプリンター。

3着 キングキャヴィア
 この日はマイナス7キロの521キロ。太目が絞れて良化歴然。悠然とパドックを周回する姿にスケールの大きさを感じさせます。レースは本橋騎手が腹を括った待機策。後方14番手から最後の直線は大外に回して追い込み3着。展開に乗じた面があるとはいえ、素質は紛れもなくオープン級。

4着 スティールペガサス
 この日はマイナス5キロの489キロ。ひと頃に比べると体つきがスカッとして好気配。レースは的場騎手が気合をつけて内6番手から。終始内々を運んで最後の直線もイン狙い。やや前が壁になって窮屈な処もありましたが、脚を伸ばして4着はマズマズの内容。サウスヴィグラス産駒でも距離こなしそうなタイプ。

5着 ストーミーデイ
 この日はプラス15キロの491キロ。決して太目感はなく戻した分と判断。力を出せる仕上がり。レースは笹川騎手が気合をつけて外3番手へ行きましたが、勝負処から置かれ気味になり流れ込んでの5着。血統背景を見込んで注目しましたが、除外を挟んで間隔があき、まだ中身が伴っていないのか…。

6着 タイセイサクセサー
 この日はマイナス1キロの531キロ。メンバー随一の巨漢。迫力十分の好馬体が目を引きます。レースは外9番手からの競馬になり、外詰めて6着。器用さに欠ける追い込みタイプで、フルゲートの捌きが難しかったのか。それほどの力差は感じません。

8着 インペリシャブル
 この日はマイナス4キロの458キロ。馬体を維持して落ち着きもありマズマズ。レースは大外から内を窺いつつ外4番手から。4コーナーでは2番手に進出しましたが、最後甘くなって着外。スピード能力非凡ですが、この馬の場合はもう少し長目の距離で楽に先行する形がベター。

9着 ミチノクギャング
 この日はプラス5キロの483キロ。少々コロンとした体型ですが、適度に気合が乗ってデキ維持。レースは後方に置かれる競馬で見せ場なし。外枠で連続好走してきましたが、このメンバーで最内を引いて後手に回っては厳しい。内枠加味で人気を集めましたが、それが裏目に出た形。

第23回 京成盃グランドマイラーズ(S3)

【予想】
◎キャプテンキング
〇リッカルド
▲グレンツェント
△カジノフォンテン
△サルサデイオーネ
△ベンテンコゾウ
△サダムリスペクト

 1年ぶりの川崎マイラーズが内容十分の3着で改めて地力の高さをアピールしたキャプテンキング。さきたま杯は出遅れで度外視。二度叩いてほぼ復調なったとみれば本領発揮に期待。リッカルド本線に手広く。

【レース】
 外からサルサディオーネがハナを主張は予想通り。キャプテンキング、リッカルドと続いてカジノフォンテンは内4番手。その外にグレンツェント。ベンテンコゾウは最後方から。ペースは平均。追い駆けるキャプテンキングを振り払うように直線に向いたサルサディオーネ。これを追うカジノフォンテンのデッドヒートになりましたが、カジノフォンテンが競り勝って嬉しい重賞初勝利。グレンツェントが3着。

【上位馬の寸評】
1着 カジノフォンテン
 この日はプラス5キロの549キロ。抜群の馬っぷりに翳りなし。程良く気合も乗って好調キープ。レースは共倒れになった前走を踏まえ、張田騎手が外をチラ見しつつ控えて内4番手から。意外に折り合いスムーズ。あとは流れに乗って経済コースをロスなく進め、最後の直線はサルサディオーネに馬体を併せ叩き合い。競り勝って重賞レース初制覇を果たしました。この展開は想定通り。内に入る競馬でどうかとみていましたが、逆にこれをプラスに転じてマイラーとしての資質の高さを改めてアピール。

2着 サルサディオーネ
 この日はプラス9キロの529キロ。これは過去最高体重。華奢な印象を払拭して適度な気合乗り。レースは当然先手主張でカジノフォンテンが控えるのは織り込み済み。この馬として平均ペースの逃げ。勝負処からキャプテンキングが絡んで来ましたが、これを振り切って1馬身差で直線へ。最後はカジノフォンテンに競り負けましたが、頑強に抵抗して2着と、得意の船橋コースで完全燃焼。

3着 グレンツェント
 この日はプラス1キロの472キロ。年齢的に上積みまでは感じませんが、活気があり順調そのもの。レースは出たなりに外5番手から。勝負処からマクり上げる形で大外へ。詰め寄っての3着は合格点の内容。前2頭に上手く捌かれました。

4着 リンゾウチャネル
 この日はマイナス5キロの502キロ。相変わらずの好馬体でデキ落ちなし。レースは出たなりに外8番手から。勝負処から追い上げを図り4コーナーでは離れた6番手。最後は外詰めて4着に押し上げました。南関の重賞レベルでは通用?とみていましたが、ハード調教をこなしつつ仕上げが軌道に乗った感じ。このマイルくらいが合っていそう。

5着 ベンテンコゾウ
 この日はプラス1キロの516キロ。どっしりと風格を漂わせ一連の好調キープ。レースは全く行き脚がつかず最後方から。御神本騎手が追い通して進出を図り4コーナーから大外へ。一応掲示板入線を果たしましたが、逃げ切った昨年とは対照的な走り。最近は序盤の行き脚が今イチ。差しに構えるとどうも勝ち切れない。

7着 リッカルド
 この日はプラス6キロの507キロ。馬体をフックラと映して休み明け好走の反動なし。レースは矢野騎手が多少気合をつけて外3番手、理想的なポジション。ただし3、4コーナーでステッキが入り反応今イチ。最後の直線での追い比べで後れを取り7着は案外。近走マイル路線で再び存在感を発揮してきましたが、やはり9歳という年齢は隠せないか…。

10着 キャプテンキング
 この日はプラス9キロの527キロ。気合乗りは十分ですが、数字通りやや重目残り。レースは今回はスタートを決めて真島騎手が前に出して行き2番手。勝負処からサルサディオーネを積極的に追い駆け勝ちに行く競馬。ただし振り切られてしまいこの結果は拍子抜け。重目もありますが、まだ中身が伴っていないのか…。

第56回 関東オークス(Jpn2)

【予想】
◎アクアリーブル
〇レーヌブランシュ
▲セラン
△ルイドフィーネ
△レイチェルウーズ
△クリスティ
△ミリミリ

 千八延長の東京プリンセス賞は急かさずに終始自分のペース。満を持して抜け出し全く危なげがなかったアクアリーブル。JRA勢が決定打今イチ。距離が延びて更に真価発揮のこの馬の優位は動かないとみました。JRA勢では一連のダート実績からクロフネ産駒のレーヌブランシュが筆頭。

【レース】
 レーヌブランシュが逃げる態勢でしたが、三浦アールクインダムが主張して、アクアリーブルが好スタートからサッと2番手。3番手に引いたレーヌブランシュに外からクリスティーが併走。直後にセラン、ルイドフィーネと有力処が前を占める形。2周目の向流しで少々動きがありましたが、大勢に影響なし。4コーナーで先頭に並び駆けたアクアリーブルが一旦は抜け出しかかりましたが、外に切り替えたレーヌブランシュの勢いが上回り残り200で先頭。1着ゴールを駆け抜けました。

【上位馬の寸評】
1着 レーヌブランシュ
 この日はプラス5キロの455キロ。少々間隔はあきましたが、緩めず乗り込まれて落ち着きも伴い好仕上がり。レースはスタートして一旦は逃げる態勢でしたが、譲って内3番手から。道中の折り合いはスムーズ。勝負処でも前2頭を睨んで慎重な立ち回り。最後の直線は外に切り替えて残り200で先頭。正に正攻法のお手本のような競馬で抜け出しました。クロフネ最晩年の産駒として、今後のダート路線での活躍が楽しみ。

2着 アクアリーブル
 この日はプラス1キロの480キロ。タフな競馬が続いていますが、丸みを帯びた馬体に疲労感なし。レースは好スタートを決めて逃げるアールクインダムの2番手。終始自分のペースで最終コーナーでは先頭に並びかける形。これまでのレースぶりと血統背景から長距離対応に自信満々、積極的な立ち回り。結果は勝ち馬に巧く脚を使われ3冠ならずですが、これは展開のアヤ。今後再び対戦するであろう相手に雪辱は容易。

3着 クリスティ
 この日は増減なしの482キロ。一見して芝向きのイメージでそれほどのインパクトはありません。レースはデムーロ騎手が抑え気味に外4番手から。道中は終始レーヌブランシュと馬体を併せる形。スパートのタイミングも一緒に直線に向きましたが、最後は脚が上がってしまい離された3着。それでも初ダートでこの走りなら十分に及第点で今後が楽しみ。

4着 ルイドフィーネ
 この日はマイナス3キロの443キロ。ギリギリのラインで使われており上積みは感じませんが、レースに行っての勝負根性に期待といったところ。レースは好スタートから内5番手のイン回りはほぼ予想通り。ロスなく立ち回って最後の直線は外へ。正味目イチの4着ですが、距離を延ばしても崩れないのがこの馬の真骨頂。素質高いのは確か。

5着 セラン
 この日は海外帰りで485キロ。1月の中山を使った際より少しでも増えてきたのは好材料で落ち着きあり。レースは出負け気味のスタート。外5番手からの競馬で流れには乗れていましたが、もうひとつメリハリがなくそのポジションで流れ込んだ程度。同じダート2勝の勝ち馬に比べると物足りない走り。復調途上ということでしょうか…。