第51回 ハイセイコー記念(S2)

【予想】
◎トーセンボルガ
〇ラプラス
▲グラビテーション
△シビックヴァーゴ
△トーセンスプモーニ
△ダルヴァザ
△チューダ

これまで5戦4勝のトーセンボルガが、一見して逃げられそうなので、大井勢を抑え込めるとみました。大井勢では、ゴールドジュニアーは出遅れが響いたラプラス。

【レース】
内枠から好スタートを決めた達城ハナズボンダイがハナを主張。トーセンボルガは無理をせず2番手から。出遅れたシビックヴァーゴが好位に取り付きラプラス、グラビテーションは中団。ペースはスローに近い平均。最後の直線、残り200では4頭が横一線。残り100で2頭が抜け出し、外伸びたラプラス1着、内を突いたシビックヴァーゴが2着。ラプラスがゴールドジュニアーの雪辱を果たしました。

【上位馬の寸評】
1着 ラプラス
この日はマイナス6キロの485キロ。休み明けの前走もプラス14キロほどの重目は感じませんでしたが、やはり叩いた分の変わり身はある。レースは今回はまともに出て外6番手から。4コーナーでは3番手。最後の直線は外から伸びて、力でねじ伏せました。前走のゴールドジュニアーは大きく出遅れて2着に終わりましたが、これで現時点での大井の一番馬は確定。

2着 シビックヴァーゴ
この日はプラス4キロの457キロ。相変わらずうるさい面を見せますが、少しでも増えたのはいい。レースは出遅れ。笹川騎手がステッキを入れて即挽回のイン4番手。勝負処からはかなり追って追走。最後の直線は内を突いて脚を伸ばしましたが、ラプラスに競り負けて2着。ただしイメージ以上に長く脚を使えたし、今後の距離延長にメド。収穫のあった競馬。

3着 グラビテーション
この日はプラス2キロの474キロ。スッキリした体つきの馬ですが、落ち着きを伴い好調キープ。レースはスタート出負け。今野騎手が気合を入れて内な7番手から。勝負処では前4頭から離れた5番手。最後の直線は、脱落した2頭を交わして3着に浮上しました。漁夫の利的な好走ですが、追って味があり、距離が延びて楽しみ。

4着 トーセンボルガ
この日はマイナス2キロの500キロ。重量感のある馬体。もうひと絞りの感じもありますが、こういう体型か。レースはほぼ馬なりでハナズボンダイに行かせて2番手から。折り合いはマズマズ。ただし最後の直線の追い比べでアッサリ後れを取ったのは…。過去4勝の内容から、この馬はある程度強気に進めた方がいいのかも。溜めても案外味がない。

5着 ハナズボンダイ
この日はプラス6キロの456キロ。以前に比べると見違えるほどフックラして成長が窺えます。レースは好スタートを決めてハナ。楽に逃げられた分、ソコソコ抵抗できましたが、残り100で脱落。それでも今後の糧になる内容。

第64回 平和賞(S3)

【予想】
◎サージュ
〇トーセンガーネット
▲ハルディネロ
△ヒカリオーソ
△カネトシテッキン
△マイティウォーリア
△カジノフォンテン

道営で強敵を相手に善戦、JRA挑戦で芝も経験、転入緒戦も2着と好発進サージュの経験値を評価。浦和のトーセンガーネット、大井のハルディネロ、川崎のヒカリオーソと4場それぞれ多彩。

【レース】
好スタートを決めた瀧川ヒカリオーソが先手を主張。道営マイティウォーリアがこれを追い駆け、トーセンガーネット、サージュも先行グループ。ハルディネロ、カジノフォンテンは出遅れから追い上げる形。ペースは平均。前2頭が後続を離して直線へ。食い下がるマイティウオーリアを振り切ったヒカリオーソが、迫るトーセンガーネットを抑えて1着ゴール。先行決着。

【上位馬の寸評】
1着 ヒカリオーソ
この日はマイナス3キロの429キロ。レース間隔がない上に初遠征。マイナス3キロは許容範囲ですが、ややテンションが上がり気味。レースは好スタートを決めて瀧川騎手が先手を主張。平均ペースですが、それなりに負荷のかかる逃げ。勝負処からもマイティウオーリアがかなり食い付いてきましたが、コーナリングで一旦3馬身ほど離し、その貯金で粘り切りました。瀧川騎手らしい思い切りのいい騎乗が奏功。

2着 トーセンガーネット
この日はマイナス5キロの445キロ。新馬当時に比べるとかなり減っていますが、全く細目感なく気合乗りもいい。レースは笹川騎手が気合をつけて外4番手から。勝負処からは前2頭を追う形で離れた3番手。最後の直線は外からジリジリと脚を伸ばして2着に押し上げました。うまく流れに乗り、自分の時計だけ走って目イチの競馬。

3着 マイティウォーリア
この日はプラス14キロの526キロ。数字通りいくらか重目でもなかなか馬っぷりがいい。レース井上俊騎手が気合をつけて2番手、逃げるヒカリオーソを追い駆ける形。3、4コーナーでは外から並びかけるシーン。コーナリングで突き放されましたが、気力が萎えることなく再び詰め寄り際どい3着は、中身の濃い競馬。今後が楽しみです。

4着 ハルディネロ
この日は増減なしの470キロ。休み明けでも全く太目感なく好仕上がり。レースは出遅れ。中団7番手を進み、道中の行きっぷりは今ひとつ。最後の直線は内を突いて4着。かなり離されてのモノで威張れませんが、初コースを気にしていた風もあり、地元で見直し。

5着 アギト
この日はプラス3キロの456キロ。コロンと映るのは体型。気合も乗って悪くありません。レースは行き脚が鈍く後方12番手から。直線勝負で5着はほぼ力通りか。時計のないのが悩み。

13着 サージュ
この日はプラス5キロの499キロ。馬体増は加点材料。程よく気合も乗って好仕上がり。レースはスタートひと息。柏木騎手が気合をつけて5番手に行きましたが、最後の直線はサッパリ伸びず大敗。初めて経験する多頭数の競馬、内でモマれる競馬で嫌気を差したか…。

第25回 マイルグランプリ(S2)

【予想】
◎リッカルド
〇ヒガシウィルウィン
▲キャプテンキング
△トーセンハルカゼ
△バルダッサーレ
△クリスタルシルバー
△モンドアルジェンテ
△オメガヴェンデッタ

一気呵成に転入4連勝がインパクト大のリッカルド。59キロで圧勝のフジノウェーブ記念から、短目の距離がベターのイメージも。仕上がりも上々なら実績通り。当然ヒガシウィルウィンが強敵。

【レース】
逃げ馬ニシノラピートがハナに行ってバンドオンザラン、キャプテンキングの並び。リッカルドは先行グループの直後。ヒガシウィルウィンは中団、クリスタルシルバーは更に後ろ。ペースは平均。最後の直線は差し馬が台頭する競馬になりましたが、その中でも抜群の反応でキレのいい末脚を繰り出したクリスタルシルバーが1着。ヒガシウィルウィンは少々もたついた分の惜敗。

【上位馬の寸評】
1着 クリスタルシルバー
この日はプラス7キロの485キロ。放牧リフレッシュ効果で馬体増好感。適度な気合乗り。レースはテン乗りの岡部騎手が大事に構えて内10番手から。序盤は極力脚を温存して、グッドタイミングで馬群の中を縫うように進出。直線は外伸びて実に爽快な勝ちっぷり。そのキレのいい走りは特筆モノで正に新味発揮。やはり母系からもこの千六あたりが一番合っている感じ。

2着 ヒガシウィルウィン
この日はプラス2キロの473キロ。ここ一連と同等の好気配。毛ヅヤの良さも目立つ。レースは森騎手が多少気合をつけて内8番手から。道中の行きっぷりは今イチ。向流しで外に持ち出しマクり上げる態勢。ただし後手後手の感は否めず。クリスタルシルバーに一歩先んじられる形で2着に終わりましたが、負けて強い競馬。ということは悔いの残る敗戦で、勝負処での立ち回りの差が出ました。

3着 トロヴァオ
この日はプラス10キロの462キロ。立て直し奏功して理想の460キロ台に回復。懸念したイレ込みもない。レースは好スタートから出たなりで10番手からの競馬。折り合いに気を遣いつつ極力脚を温存。ロスなく最終コーナーを回って追い出し3着。鞍上の好騎乗もありますが、復調ぶりも見逃せない。

4着 リッカルド
この日はプラス15キロの501キロ。札幌遠征で減らした分を戻し、活気もあり好仕上がり。レースは矢野騎手が多少気合をつけて外6番手から。手応え良く進出して4コーナー2番手。特に落ち度のない運びでしたが、追ってからが意外に伸びず4着は拍子抜け。まだ連勝時のデキには戻っていないのか…。

5着 サブノジュニア
この日は増減なしの535キロ。大型馬でオットリしたタイプ。気配的にはいつも通りですが、叩いた分の上積みはあると判断。レースはスタートひと息、ほぼ最後方インで抑える競馬。正味直線勝負で外から詰めて5着は、距離とメンバーを考えれば妥当な策、マズマズの結果か。やはり短目の距離が向く。

第17回 鎌倉記念(S2)

【予想】
◎ミューチャリー
〇ルマーカーブル
▲リンノレジェンド
△リンゾウチャネル
△ヒカリオーソ
△カンゲキ
△カネトシテッキン

キャリア2戦目とは思えぬレースセンスを発揮して難なく初距離をクリアしたミューチャリー。今回は他地区馬を迎えた重賞で更にハードルが上がりましたが、素材ピカイチのこの馬が無傷でタイトル奪取。相手は道営勢を重視。

【レース】
大井のスピード馬カンゲキの逃げをリンゾウチャネルが追い駆けてミューチャリーはイン3番手。その外にヒカリオーソ、ルマーカーブル。グラビテーション、リンノレジェンドは中団から後方。かなり速い流れ、勝負処から外に切り替えたミューチャリーが反応鋭くマクり上げて、直線に向くと早々に先頭。残り100でラストスパートをかけると、一気に後続を突き放して破格の好タイムで駆け抜けました。渋太く粘ったリンゾウチャネルが2着。

【上位馬の寸評】
1着 ミューチャリー
この日はマイナス10キロの461キロ。落ち着きはありましたが、少々減ったかなという印象も。レースは御神本騎手がかなり気合をつけてイン3番手から。速い流れを積極的に追走は、前を行くリンゾウチャネルを警戒していたフシ。勝負処から外に切り替えてマクり上げ、直線に向くとすぐに先頭。残り100でラストスパートをかけると、2番手リンゾウチャネルとの差は見る見る広がりました。それにしても時計の1分33秒6は破格。ひとつ前のレースのB3が1分34秒8だから優に古馬準オープンレベルの時計。あの勝負処での機敏な反応、キレのいい走り。これは相当な器。これで体が増えてくれば尚いい。

2着 リンゾウチャネル
この日はマイナス9キロの475キロ。馬体はフックラと映しており、これは絞れた分と判断。レースは五十嵐騎手が多少気合をつけて2番手から。逃げるカンゲキを追う形。4コーナーでは一瞬先頭に立つ構えでしたが、既に背後にミューチャリーが接近。早々に交わされて2着死守という状況でしたが、あのペースで先行して3着には4馬身だから、この馬のスピード能力も相当。今回は相手が悪過ぎました。

3着 グラビテーション
この日はプラス4キロの472キロ。非常に活気があり毛ヅヤがいい。体重はもっとあっていい感じ。レースはスタートひと息で離れた9番手から。徐々にポジションを上げて4コーナー5番手。終いもソコソコ脚を使って3着に食い込みました。展開に乗じた感じはありますが、キャリア3戦目でこの走りは評価していい。

4着 ヒカリオーソ
この日はマイナス4キロの432キロ。変わり身を示した前走の馬体はキープできており順調。レースは瀧川騎手がかなり気合をつけて4番手から。勝負処では前3頭に置かれて追走に四苦八苦。流れ込んだ形での5着とはいえ、積極的に運んでのモノだけに、今後に繋がる内容。

5着 リンノレジェンド
この日はマイナス6キロの494キロ。少々太目に映る体型で、大人しいタイプ。レースは外10番手から。ペースが速いこともあり追走が手一杯という状況。僅かに詰めた程度の5着は完全にスピード負け。力の要る馬場で本領発揮か。

第28回 埼玉新聞栄冠賞(S3)

【予想】
◎ヤマノファイト
〇カンムル
▲トーセンデューク
△トキノエクセレント
△グルームアイランド
△クラージュドール(競走除外)
△ナンヨーマーク

羽田盃馬ヤマノファイトの復帰戦。調教は入念に積まれているし、このレベルの古馬相手ならスケールの違いで圧倒するとみました。昨年の覇者カンムル本線。

【レース】
好スタートを決めたトーセンデュークの逃げで、ヤマノファイト、カンムルの並び。序盤は極力溜めて、残り600から一気にペースアップしたトーセンデューク。2馬身リードして直線に向き、その貯金でキッチリ残しました。2着ヤマノファイトで行ったままの決着。

【上位馬の寸評】
1着 トーセンデューク
JRAではオール芝のディープ産駒。ダート適性がどうかですが、調教の動きは悪くないし、脚抜きのいい浦和の馬場、森騎手でもあり注目していました。この日はプラス6キロの460キロ。特に目立つ馬っぷりではありませんが、馬体をフックラ映して落ち着きもありマズマズ。レースは好スタートから森騎手が気合をつけてハナ。序盤はスローに落とし込み、残り600から一気にピッチを上げて後続をリード。2馬身差を保って最後の直線へ。ヤマノファイトがジリジリと詰め寄ってきましたが、1馬身抑えて幸先いいスタートを切りました。ただし今回に関しては展開の恩恵と鞍上の好騎乗も。

2着 ヤマノファイト
この日はプラス9キロの528キロ。元来がやや太目に映る体型。調教の本数はこなしているものの、まだ完調とは? レースは本橋騎手が多少気合をつけて2番手から。勝負処からピッチを上げたトーセンデュークに水を開けられましたが、気力を絶やさず4コーナーでは2馬身差。1馬身差まで詰めた処がゴールでした。今回に関しては相手に上手くしてやられた感じ。当然次走は注目。

3着 トキノエクセレント
この日はプラス2キロの472キロ。高齢馬だけに大きな変化はありませんが順調。レースは出たなりで内6番手から。勝負処から動いて4コーナー4番手。終いの3ハロンではメンバー最速の脚を使って3着なら大健闘。長期の休養から復帰して徐々に復調気配。

4着 グルームアイランド
この日はプラス4キロの533キロ。大型馬ですが、スカッとした体つきで重苦しさはありません。好調の範囲内。レースは出たなりで外5番手から。勝負処からのペースアップにも対処して4コーナーでは離れた3番手。直線内を突いて4着は、現状目イチの競馬。あまり浦和コース向きの馬ではない。

5着 カンムル
この日はプラス3キロの457キロ。馬体気配は休養明け当初に比べるとかなり良化。レースは左海騎手がかなり気合をつけて3番手から。ただし勝負処からペースアップすると追走に余裕がなくなり置かれ気味。メリハリのない走りで5着は拍子抜け。まだ中身が伴っていないのでしょうか。

第15回 レディスプレリュード(Jpn2)

【予想】
◎クイーンマンボ
〇ワンミリオンス
▲プリンシアコメータ
△アンジュデジール
△リエノテソーロ

JRA勢の争いですが、昨年のこのレースで女王ホワイトフーガを8馬身も千切って勝利したクイーンマンボの復活Vに期待。妙味はワンミリオンス絡み。もちろんプリンシアコメータ、アンジュデジールも有力。

【レース】
ニシノラピート、ディアマルコの地方勢が先導してプリンシアコメータは3番手から。直後にリエノテソーロとブランシェクール。クイーンマンボは中団外目、出遅れたアンジュデジールは後方から。ペースはスロー。勝負処で2番手に進出したプリンシアコメータが、残り300でニシノラピートを交わして先頭。これにブランシェクールが食い下がってきましたが、最後は同じ脚いろになりプリンシアコメータが1着ゴール。クイーンマンボは見せ場なく7着に敗れました。

【上位馬の寸評】
1着 プリンシアコメータ
この日はプラス6キロの492キロ。いつも通り馬体フックラ、適度な気合乗り。レースは出たなりで外3番手から、折り合いスムーズ。3、4コーナーで手応え良く2番手。4コーナー併走、残り300で先頭。最後はブランシェクールに脅かされましたが、抜かせず1着ゴール。楽勝した昨年のクイーン賞に比べるとインパクトに欠ける走り。逃げベターのタイプのようですが、モレイラ騎手の巧みなリードで凌ぎ切りました。

2着 ブランシェクール
この日はマイナス14キロの512キロ。1月のTCK女王盃を2着した際が507キロのように、これは絞れた分。気合も乗って好仕上がり。レースは吉原騎手が気合をつけて外4番手から。ペースに対応したポジション。勝負処から3番手へ。前2頭とはまだ距離がありましたが、直線でも脚を使ってプリンシアコメータに迫る勢い。最後は同じ脚になり2着に終わりましたが、見処満載の内容。少し緩めのペースをタイミング良くマクって出ると力を発揮。距離は千八以上欲しい。

3着 アルティマウェポン
この日はプラス5キロの479キロ。特に目立つ気配ではありませんがマズマズ。レースは出たなりで内9番手から。内々の経済コースで脚を温存。3、4コーナーでもラチ沿いを進み、直線は外へ。なかなかいい切れ味を発揮してブービー人気で3着と激走。3連馬券の大穴を提供しました。人気薄の気楽さと真島騎手の好騎乗に負うところの大きい好走ですが、年齢の割にレース数を使っていないし、これを契機にひと皮剥ける可能性も。

4着 アンジュデジール
この日はプラス3キロの477キロ。馬体増好感、活気もあって好調。このメンバーなら当然先行策を想定していましたが、よもやの出遅れ。殿りからは誤算。ペースが遅いのですぐに馬群に突っ込む形で中団へ。手応え良くマクって出たましたが、やはり序盤のロスが大きく4着止まり。不完全燃焼の競馬。

5着 ワンミリオンス
この日はプラス7キロの485キロ。ひと頃に比べると体つきや毛ヅヤが良くなり復調気配。レースは出たなりで6番手から。勝負処から動いて4コーナーでは4番手まで進出しましたが、脚が続かず5着まで。正直期待外れ。

7着 クイーンマンボ
関東オークス、昨年のレディスプレリュードが破格の勝ちっぷり。確勝とみていた前走のブリーダーズゴールドCが離された3着は案外ですが、ここは改めて期待しました。この日はプラス11キロの507キロ。パワフルな好馬体、2桁増は気になりません。レースは出たなりで外8番手から。終始外を回ったこともありますが、進出する気配も見せずこの結果は拍子抜け。15番枠から手応え良くひとマクりの昨年とは対照的。今後も過信は禁物か。

第52回 東京盃(Jpn2)

【予想】
◎キタサンミカヅキ
〇グレイスフルリープ
▲サクセスエナジー
△マテラスカイ
△テーケーヘリオス
△エイシンバランサー
△ネロ

高齢を迎えながら、この1年で更に飛躍を遂げたキタサンミカヅキ。千六、千四ならともかく、千二ならある程度出して行く競馬でも切れ味に減退なし。極端な高速決着にならなければ連覇濃厚とみました。相手は横一線。

【レース】
スタートひと息でもダッシュを利かせてマテラスカイがハナ。ネロ、サクセスエナジーと続いて、外からグレイスフルリープも接近。キタサンミカヅキも積極策で先行グループの一角。当然緩みないハイラップ。快調に逃げるマテラスカイがリードを保って直線へ。残り200でも2馬身ほどリードしていましたが、そこからの1ハロンが13秒3。渋く脚を伸ばしたネロが残り50で一旦先頭に立ちましたが、ゴール寸前で内を突いたキタサンミカヅキが抜け出し、見事に連覇を達成しました。

【上位馬の寸評】
1着 キタサンミカヅキ
この日はマイナス1キロの524キロ。抜群の馬っぷりは衰え知らず。気合乗りも上々で文句なし。レースは57キロでの千二だけに、森騎手が強気に出して行く競馬。5番手からで早々にライバル達を射程圏内に。3コーナーから内に潜り込んでロスを最小限に抑える運び。最後の直線も内を狙い、ゴール前でマテラスカイとネロの間を割って抜け出し見事に連覇を達成しました。勝ち時計が1分12秒1と時計のかかる力勝負が幸いしたのも確かですが、千二ならまず崩れません。

2着 ネロ
この日はプラス5キロの476キロ。少しでも馬体を増やしていたのは好感。適度な気合乗り。レースは戸崎騎手が気合をつけて2番手でマテラスカイを追う形。最後の直線に向くあたりではマテラスカイに水を開けられ、この馬の脚質を考えると厳しい状況でしたが、そこから気力を絶やさずに渋く脚を伸ばし残り50で一旦は先頭に立つシーン。最後はキタサンミカヅキに交わされましたが、ベテランの味を発揮しました。やはり千四より千二ベター。

3着 グレイスフルリープ
この日はマイナス12キロの536キロ。いつも少々太目に映る馬ですが、入念に調整を施された甲斐があり、意外にスカッとした好仕上がり。気合乗りもいい。レースは好スタートを決めて序盤5番手からマクり上げる競馬。手応え良く4コーナーでは3番手。勝つ勢いでしたが、最後の直線は今イチ弾け切れず3着止まり。やはり根が逃げ馬で、追っての味はひと息のようです。これが内枠なら結果も違っていたはず。

4着 マテラスカイ
この日はプラス18キロの526キロ。決して太目感はなく、ちょうどいい感じ。適度な気合乗り。レースはスタートひと息。それでも加速が抜群で無理なくハナへ。道中は軽快な逃げっぷり。後続を離し気味に手応え良く直線へ。残り200ではまだ2馬身ほどリードしていましたが、そこから急激に脚いろが鈍り、残り50でネロに交わされ4着に終わりました。プロキオンSはレコード勝ちですが、力の要る大井の馬場は勝手が違ったか。それとスタートひと息も影響。スピード能力は相当。

5着 キャンドルグラス
この日はプラス4キロの507キロ。いかにもサウスヴィグラス産駒という風体。どっしりと構え、馬っぷりは引けを取りません。レースは御神本騎手が多少気合をつけて序盤は内3番手。無理に前を追い駆けず、一旦引いて6番手、ここで脚を温存。最後の直線は外から脚を伸ばし5着。なかなか見処のある走りでした。距離はもう少し延びてもこなしそうな感触。重賞勝利も視野に。

7着 サクセスエナジー
この日はプラス8キロの530キロ。馬っぷり上々で太目感はありません。毛ヅヤもいい。レースは松山騎手が気合をつけて外3番手から。ポジションとしては悪くありませんでしたが、勝負処でグレイスフルリープに交わされ手応え? 人気を下回る結果になってしまいました。中身が伴っていなかったのか…。それと千四ベターのタイプかも。

第65回 日本テレビ盃(Jpn2)

【予想】
◎ケイティブレイブ
〇アポロケンタッキー
▲サウンドトゥルー
△ヒガシウィルウィン
△テイエムジンソク

昨年は逃げるモーニンに抵抗され、外からアポロケンタッキーに馬体を併され厳しい競馬になったケイティブレイブ。以降も着々と実績を積み重ね、ここは展開不問で信頼。当然昨年1、2着のアポロケンタッキー、サウンドトゥルーが強敵。力の隔たりが甚だしいメンバーで、ヒガシウィルウィン、テイエムジンソクまで5頭の競馬。

【レース】
内からテイエムジンソクが逃げて2番手にケイティブレイブ。アポロケンタッキーが速目に3番手。その外にヒガシウィルウィン。差がなくサウンドトゥルー。互いを意識して序盤は超スロー。残り800から俄然ペースアップ。テイエムジンソクとケイティブレイブの2頭が後続を3馬身離して直線へ。残り200で一気に先頭に立ったケイティブレイブが、後続に付け入る隙を与えず1着ゴール。渋く脚を伸ばしたアポロケンタッキーが2着。

【上位馬の寸評】
1着 ケイティブレイブ
この日はマイナス4キロの508キロ。休み明けでもいつも通りの気配。パドックでは周回を重ねるにつれて気合が乗ってきたし毛ヅヤもいい。レースは好スタートから出たなりで外2番手、折り合いスムーズ。残り800からテイエムジンソクを突っついてペースアップ。2頭で後続を3馬身リードして直線へ。残り200で先頭に立ち危なげなく押し切りました。勝負強い相手に叩き合いに持ち込ませず理想の運び。正に息の合った名コンビ。

2着 アポロケンタッキー
この日はプラス4キロの558キロ。夏季を休養に充てる例年通りのパターン。体型的なモノもありやや太目に映りますが、この馬としては気にならない範囲。力は出せると判断。レースはモレイラ騎手が気合をつけて、おそらく予定の先行策、内3番手からの競馬。勝負処でピッチが上がった際はかなり追って追走。一旦は水を開けられましたが、鞍上の叱咤に叩き出されるように脚を伸ばして2着。さすがと唸らせる手綱捌き。馬の能力としては大体横バイ。

3着 サウンドトゥルー
この日はマイナス3キロの473キロ。帝王賞を使い、夏季を休養に充ててここから始動は過去2年と同様。パドックでは気合を表に出さずいつも地味な印象。特に可も不可もなし。レースはスタート直後に両サイドと接触。御神本騎手が気合をつけて6番手から。向流しでは離れた5番手で前4頭を追う形。残り800からペースアップしてヨーイドンの上がりの競馬。追い上げに四苦八苦しながら外詰めて3着は、流れ的に頑張ったと言えるかも。極端な衰えは感じません。

4着 テイエムジンソク
この日はマイナス11キロの492キロ。過去の連対時体重からは絞って理想の範囲に収まりましたが、見た目はもう少しあっていい感じ。それとややテンションが上がり気味。レースは同型不在で馬なりでハナ。スローに落とし込みましたが、残り800からケイティブレイブに突つかれてペースアップ。2頭で後続を離して直線へ。残り200で交わされて4着に終わりました。一線級が相手だと、自分の競馬ができても勝ち負けは難しい。

5着 ヒガシウィルウィン
この日はプラス4キロの471キロ。凄味こそありませんが、コンパクトにまとまった体つきで状態安定。レースは出たなりで4番手から3番手。ほぼアポロケンタッキーと併走。勝負処から追って前を追走。勝つ気満々の運びでしたが、最後の直線は人気のJRA勢に後れを取り5着。シビアな競馬に力負けですが、大きく負けたわけではなく、南関最強レベルの評価は揺るぎません。

第29回 テレ玉杯オーバルスプリント(JpnIII)

【予想】
◎ウインムート
〇ノブワイルド
▲オウケンビリーヴ
△スアデラ
△ネロ
△ドライヴナイト

JRAでは芝4勝、ダート4勝、トータル8勝と両刀使いのウインムート。プロキオンSはマテラスカイにスピード負けしましたが、ここなら一歩リード。南関屈指の韋駄天ノブワイルドが逃げて応戦。オウケンビリーヴは外枠の分、3番手の評価。

【レース】
好スタートを決めたノブワイルドが逃げて、これをネロが追う展開。ウインムートは3番手。外枠でスタートひと息のオウケンビリーヴは中団。ドライヴナイト、トーセンハルカゼは後方から。当然ペースは速目。勝負処からネロを振り切ったノブワイルドが4馬身リードして直線へ。ゴール前ではオウケンビリーヴ、更には後方からトーセンハルカゼが強襲も、ノブワイルドが凌ぎ切って記念すべきタイトルをゲットしました。

【上位馬の寸評】
1着 ノブワイルド
この日は増減なしの495キロ。500キロを少し超えるあたりが理想の気もしますが、フックラ映して好調キープ。レースはスタートを決めて左海騎手が当然ハナを主張。南関同士なら大逃げのペースですが、ネロ、ウインムートに食いつかれて楽な逃げではありません。それでも勝負処でネロを振り切って4馬身リードして直線へ。さすがにペースが厳しく最後の1ハロンは14秒2もかかりましたが、貯金で何とか凌ぎ切りました。1分26秒1の決着ならこの馬の能力の範囲。先行有利の地元浦和の馬場を味方に金星ゲット。

2着 オウケンビリーヴ
この日はマイナス8キロの484キロ。落ち着きはありますが、少し減ってきたのが懸念材料。レースはスタートひと息。外枠でもあり、無理をせず外7番手から。4コーナーでは5番手に取り付き直線へ。道中脚を使ったので最後はジリジリという感じでしたが、渋く脚を伸ばして2着は能力の証。単純に枠順とスタートの差。

3着 トーセンハルカゼ
この日は増減なしの496キロ。休み明けの前走時に比べると活気があって良化気配。レースはスタートひと息で例によって後方から。直線勝負に賭けて最終4コーナーはロスなくラチ沿い。徐々に外に持ち出し、上がりのかかる競馬に乗じてアワヤ差し切る勢いの3着でした。やはりベストは千六あたりか。高齢でもその切れ味は健在。

4着 アンサンブルライフ
この日はプラス13キロの493キロ。キッチリ攻め馬を消化しての馬体増。全く太目感なく充実の証。レースは好スタートから繁田騎手が気合をつけて5番手から。ロスなく進めて4コーナー3番手。最後の直線も内を狙って4着に頑張りました。ちょうどさきたま杯を3着した際と同じような運び。逃げ馬から、一瞬のキレを生かす差し馬へと変身。

5着 ネロ
この日はプラス1キロの471キロ。前走で戻した馬体をキープして順調。レースは好スタートからノブワイルドを2番手で追う流れ。ただし勝負処で水を開けられて苦しい状況。終いはソコソコ詰めて来ましたが、こういったシビアなサバイバル戦は? 短距離交流路線で毎度ソコソコの頑張りを見せていますが、加齢によるものか決定打を欠く。

8着 ウインムート
この日はマイナス4キロの498キロ。馬体をフックラ映し適度な気合乗り。レースは好スタートを決めて外3番手から。ほぼ想定通りのポジションでしたが、勝負処で手応えが怪しくなりギブアップ。初コースを気にしたのか、根が逃げ馬なのか…。正直拍子抜け。

第55回 東京記念(SI)

【予想】
◎カツゲキキトキト
〇サブノクロヒョウ
▲ウマノジョー
△クラージュドール
△シュテルングランツ
△キングニミッツ
△ユーロビート
△カンムル

加齢とともにいい意味での渋さが出て、長目の距離でいい味を出しているカツゲキキトキトが中心。昨年と同様のメンバー構成なら当然サブノクロヒョウの連覇もあるし混戦。

【レース】
トライアルと同様に、内枠から的場シュテルングランツの意を決した逃げ。昨年先行して1~3着サブノクロヒョウ、カツゲキキトキト、キングニミッツが今回も先行グループを形成。直後にユーロビート。クラージュドール、ウマノジョーは後方から。ペースはスローに近い平均。快調に逃げ脚を伸ばすシュテルングランツが3馬身リードして最後の直線へ。それを保って危なげなく1着ゴール。カツゲキキトキトが2着に流れ込んで先行決着。

【上位馬の寸評】
1着 シュテルングランツ
この日はマイナス1キロの474キロ。ひと頃に比べるとやや体重を減らしていますが、スカッとした体つきでこのくらいが丁度良さそう。レースは好スタートを決めてハナを主張。早過ぎず遅過ぎずの理想的なラップを刻んで3、4コーナーから後続を離しに。3馬身リードして直線に向き、付け入る隙を与えず逃げ切りました。JRAでは千四を勝っていますが、典型的な長距離の逃げ馬が鮮明に。今後もこの路線では毎度主役級。

2着 カツゲキキトキト
この日はマイナス1キロの520キロ。休まずに使い込まれていますが、パワフルな好馬体は健在。レースは大畑騎手が気合をつけて2番手から。出入りが少なくスンナリした流れ。勝負処でシュテルングランツに離されたのを追って追走。3馬身差で直線に向き、流れ込んでの2着。正味目イチの競馬ですが、この馬らしい渋い競馬。

3着 ユーロビート
この日はマイナス13キロの537キロ。調整がうまく運んだのか、ようやく太目が絞れて気配アップ。レースは吉原騎手が気合をつけて外5番手から進み、最終4コーナーでは3番手。近走とはひと味違う競馬を見せましたが、最後は同じ脚になり3着。恵まれた斤量で目イチの競馬。やはり年齢は隠せず、今後も勝ち負けまでは難しいか…。

4着 スギノグローアップ
この日はマイナス4キロの490キロ。活気があり、ここ一連の成績が示すように好調。レースは後方10番手を進み、最後の直線は内ラチ沿いを詰めて4着。トライアルと同じ着順。力通りの競馬ですが、長目の距離が合うのは確か。

5着ペイシャゴンジセ
この日はマイナス2キロの505キロ。馬体をフックラ映して適度な気合乗り。好調キープ。レースはダッシュが利かず後方14番手から。腹を括った直線勝負で外詰めて5着。それなりの収穫。

6着 キングニミッツ
この日はプラス8キロの504キロ。見た目は気合が乗っていつも通りの気配。レースは石崎駿騎手が気合をつけて内4番手から。3着した昨年と同じ運びですが、今回は意外に頑張りが利かず展開を考えると不本意な結果。ひと息入れてデビュー以降の最高体重。見た目より重目があったのか…。

10着 ウマノジョー
この日はマイナス13キロの492キロ。叩いて絞ってきた分ととれなくもありませんが、やや馬が大人しい感じも。レースは外枠もありほぼ最後方からで全く動けず惨敗。休み明け好走の反動か…。

12着 クラージュドール
この日は増減なしの508キロ。年齢を感じさせず活気があり好気配。レースは後方12番手からの競馬で全く見せ場なし。距離は全く問題ないし、この負け方は拍子抜け。敗因不明。

14着 サブノクロヒョウ
この日はマイナス4キロの486キロ。やや体は減ってきていますが、細目感なく順調。レースは笹川騎手が気合をつけて外3番手に行きましたが、勝負処で早々に失速して大敗。昨年は15番枠から逃げるカツゲキキトキトの2番手に行って抜け出しましたが、今回は当時よりラップが速く、脚を使ったのが応えたようです。基本的に大井の2400はスタートしてすぐコーナーなので多頭数の外枠は不利。